競馬好きのライターが送るウマ娘コラム第134回。今回は、名門の礎を築いた名牝「ファレノプシス」について熱く語ります。
名門の礎を築いた
98世代牝馬を代表する一頭

黄金世代として名高い98年クラシック世代。その年の牝馬クラシック路線の主役を担ったのは胡蝶蘭の名を持つ小柄な牝馬。名門オーナーブリーダーの礎を築いた名牝「ファレノプシス」の史実を追っていく。
史実のファレノプシス
98年世代牝馬の中心
さて、98年世代と聞いてピンとくるトレーナーも多いことと思うが、98年のクラシック世代と言えばスペシャルウィーク、セイウンスカイ、キングヘイロー、エルコンドルパサー、グラスワンダーらウマ娘でも初期からお馴染みの黄金世代である。

では、その世代の牝馬戦線はどうだったかというと?そう、ウマ娘では長らく触れられてこなかったことに気がつく。そしてこのたび5.5周年のタイミングで突如として登場したファレノプシスこそが、98年世代の牝馬路線の中心にいた一頭なのである。
血統:名馬の系譜
ファレノプシスの母キャットクイル(父Storm Cat)の半姉はビワハヤヒデ、ナリタブライアン兄弟を産んだ名繁殖牝馬パシフィカス(父Northern Dancer)。つまりビワハヤヒデとナリタブライアン兄弟とファレノプシスはいとこの関係で、特にブライアンズタイムという同じ父を持つナリタブライアンとは血統の¾が同じという近しい関係だ。

ファレノプシスの弟(15歳下)には2013年のダービー馬キズナがいる。エピファネイアと同世代のライバルとしてウマ娘にも登場するのでは?という大方のトレーナー(筆者を含む)の予想に反して、弟より先に姉ファレノプシスが電撃発表から間もなく実装されたことも話題となった。
出身は名門牧場の前身
ファレノプシスを生産したマエコウファームは、現在のノースヒルズの前身。個人馬主としても知られる前田幸治氏率いる生産牧場の黎明期に英国のセリで購入され同牧場へとやってきたキャットクイル。最初の種付け相手はオーナーとビワハヤヒデを管理した浜田光正調教師の間で検討され、1995年にブライアンズタイムとの間に産まれた小さな黒鹿毛の牝馬がのちのファレノプシスである。
ファレノプシスが産まれた1995年と言えば、ナリタブライアンがクラシック三冠を達成した翌年である。最強の兄・ビワハヤヒデとともに競馬界を席巻していたパシフィカスの血統が注目を集める中、キャットクイルの仔も大きな期待をかけられた。

体質面の特徴
幼少期のファレノプシスは体質が弱く、筋肉が固くなりやすい”すくみ”の症状や、午後になるにつれて体温が低下してしまう”逆体温”という珍しい体質にも悩まされた。

一時は競走馬としてのデビューは難しいのではと考えられることもあったが、牧場期待の仔馬に対して試行錯誤のケアを行いながら育成が進められた結果、体質面の課題は少しずつ改善していったと言う。
名前の由来
ファレノプシス(Phalaenopsis)という馬名は、ラン科に属する胡蝶蘭の学名が由来となっており、ウマ娘のファレノプシスの髪飾りにもそのモチーフが表現されている。

ウマ娘のファレノプシス
公式プロフィール

武家の姫君のような気高さと武人のような豪胆さを兼ね備えたウマ娘。体質の弱かった自分を、立派な競走ウマ娘として育て上げてくれた育成倶楽部への恩義に報いるため、トゥインクル・シリーズという戦場の華となる覚悟を決めたという。ナリタブライアン・ビワハヤヒデとは幼馴染であり従姉妹。
史実を反映
公式プロフィールの紹介文からは、ファレノプシスの史実を反映したと思われるキーワードがふんだんに散りばめられていることが分かる。
ファレノプシスの実装後にさっそくウマ娘ストーリーの4話までを視聴してみると、前述した史実のファレノプシスに関する血統や出自、体質面などの背景がとても丁寧に反映されているので、未視聴の方は是非とも確認してみてほしい。

2歳時
ダートでデビュー
2歳になると浜田光正厩舎へ入厩。当初心配された体質面の弱さも徐々に改善し、調教を進めるにつれて秘めた素質を見せ始めたファレノプシス。デビュー戦は脚元へのダメージを考慮してダート戦が選ばれた。

2017年11月30日。世代最初のG1である阪神3歳牝馬ステークス(現阪神ジュベナイルフィリーズ)が行われる阪神競馬場の第4R、ダート1200メートルの新馬戦でデビューを迎えた。
鞍上は浜田厩舎所属の石山繁騎手。単勝2.2倍の1番人気に支持されたファレノプシスは、生涯ただ一度きりのダート戦で衝撃の走りを見せる。

好スタートから2番手につけると、終始楽な手応えで追走し最後の直線を迎える。そしてそのまま独走態勢に入ると後続との差をみるみる拡げていき、最後は9馬身差の圧勝。時計の出やすい重馬場だったとは言え、勝ち時計は当時の2歳レコードを記録。
この日の馬体重は424kg。底知れない強さを見せた小柄な牝馬が、同世代の2歳女王が決まった(勝ったのはアインブライド)日の阪神競馬場に小さくないインパクトを残したのだった。

連勝
新馬戦から中1週で1勝クラスのさざんか賞(阪神芝1400m)に出走した。初戦の圧勝ぶりから1.8倍と断然の一番人気を集めたファレノプシスが芝でどんな走りを見せるか注目の一戦。
スタートして好位につけると、2,3番手で折り合ってレースを進める。そして直線で前を捉えるとそのまま危なげなく押し切り、2着に2馬身半の差をつけて快勝。芝でもまったく問題ない走りでデビュー2連勝を決めた。

3歳時
98年牝馬クラシック路線へ
年が明けて3歳シーズンの初戦はエルフィンステークス(京都芝1600m)に出走。サラトガビューティやプリンセスカーラといった重賞で好走歴のあるライバルを尻目に、ファレノプシスの単勝オッズは1.5倍という高い支持を集めた。
レースでは4コーナー早め先頭から押し切る横綱相撲で経験豊富な実績馬たちを相手に快勝。無傷の3連勝でいよいよ98年牝馬クラシック戦線の主役候補に名乗りをあげた。

重賞初挑戦で初黒星
続いて桜花賞トライアルのチューリップ賞にエントリー。阪神3歳牝馬ステークスの覇者アインブライドや同レース3着のダンツシリウスといった世代の実績上位馬たちが集まった。
ファレノプシスは3連勝が評価されてここでも1番人気に支持されたが、当日は前走から馬体重をマイナス8キロと減らしてしまい、414キロでの出走。ただでさえ小柄な馬体が細く見える。

ゲートが開くと、ファレノプシスはやや出遅れ気味のスタート。道中は中団馬群のインで進めるも、直線を向いても進路がなかなか開かず厳しい展開。
結局最後まで末脚を発揮することができず4着まで。クラシック本番を前に初黒星を喫してしまった。一方、優勝したのはダンツシリウス。シンザン記念からマイル重賞連勝で一躍本命候補に浮上した。
桜花賞
桜の舞台で胡蝶蘭

牝馬クラシック第一戦の桜花賞。ファレノプシスは前走の敗戦後に石山騎手から武豊騎手への乗り替わりが決まり、名手とのコンビで桜の女王を目指す。
混戦模様となった顔ぶれの中で1番人気となったのは重賞連勝中のダンツシリウス。僅差の2番人気には別路線組から、3連勝でG3クイーンカップを勝ってきたメジロマックイーン産駒のエイダイクイン。3,4番人気にファレノプシスとファンタジーステークス勝ちの快速馬ロンドンブリッジが続き、ここまでが単勝オッズひと桁で上位人気を形成していた。
ファレノプシスは前走で減っていた馬体をプラス10キロ戻し、デビュー時と同じ424キロでの出走だ。

ゲートが開くと、18頭が横一線のきれいなスタート。外からロンドンブリッジがハナを奪うと、ダンツシリウス、エイダイクインら人気各馬も先行集団を形成。ファレノプシスは先行勢を見ながら6,7番手の外でレースを進める。
ロンドンブリッジが軽快に逃げてレースは終盤へ。最終コーナーをまわる手応えにはまだ余裕がある。各馬仕掛けて最後の直線へ向くと、ダンツシリウスやエイダイクインが伸びを欠く中、2番手からマックスキャンドゥが迫るもロンドンブリッジが驚異的な粘りで先頭を譲らない。
そのまま決まるかと思いきや、外からグイグイと伸びてきたのがファレノプシス。一完歩ごとに差を詰めると、ゴール直前で測ったようにロンドンブリッジを差し切ってゴールを駆け抜けた。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
ファレノプシスが前哨戦から巻き返してクラシックの一冠目・桜の冠を手にした。生産したマエコウファームにとって、これが初めてのG1制覇。繁殖牝馬キャットクイルが産んだ小さな牝馬が桜の舞台で見事な胡蝶蘭を咲かせたのだった。
初コンビで見事桜の女王へ導いた武豊騎手はこれで桜花賞4勝目とした。
オークス
続く牝馬クラシック二冠目のオークスは、2400mという未知の距離との戦い。ビワハヤヒデ、ナリタブライアン兄弟のいとこという血統を考えるとスタミナ豊富に思えるが、母父Storm Catという点からも距離を不安視する声があった。

レースが始まると、ファレノプシスと武豊騎手のコンビは後方で折り合いを重視。前半スタミナを温存して直線での追い込みにかけたが、最後の直線に入ると先に中団から抜け出した伏兵のエリモエクセルを捉えることができず。
桜花賞3着の切れ者、エアデジャヴーにも先着を許し3着。ファレノプシス陣営にとっては二冠を手にすることはできず悔しい結果となったが、結果的に2000m以上の距離も問題なくこなせるということが分かった。
ローズステークス
秋初戦は、秋華賞トライアルのローズステークス(阪神芝2000m)から始動。ひと夏を越してファレノプシスの馬体重は438キロまで成長しふっくらと充実した姿を披露した。
レースでは好スタートから2番手で折り合い先行策。4コーナーで前を射程に捉えると、直線で抜け出してそのまま押し切りをはかる。追いすがるビワグッドラックをクビ差しのぎ切り1着でゴール。秋華賞へ向けて大事な一戦を勝利で飾った。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
秋華賞
二強対決

牝馬三冠の最終戦、秋華賞はファレノプシスとエアデジャヴーの二強対決の様相となった。春二冠を終えて桜花賞1着、オークス3着のファレノプシスに対し、3着、2着のエアデジャヴー。
前哨戦のクイーンステークスを勝って万全の状態で駒を進めてきたエアデジャヴーがわずかに人気で上回り単勝2.4倍で1番人気。2.9倍の2番人気がファレノプシスとなった。

ゲートが開くと、横一線のスタートからショウナンハピネス、エガオヲミセテといったあたりが先頭を伺う。エアデジャヴーも前目の4,5番手につけた。
ファレノプシスは中団の外につけて先行する各馬を見ながらレースを進める。
ゆったりとしたペースで馬群一団となってレース終盤を迎える。最終コーナーにかけて、いつの間にかファレノプシスが外からスルスルと上がっていく。エアデジャヴーの仕掛けを待つことなく先頭を伺う勢いで最後の直線へ。
直線入口でエガオヲミセテに並ぶと、二頭が併せ馬でリードを拡げる。粘るエガオヲミセテを競り落とすと、あとは追いすがるエアデジャヴーとナリタルナパークも届かない。1馬身半のリードを保ってゴールした。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
ファレノプシスが桜花賞に続いて牝馬二冠を達成。華の舞台で再び胡蝶蘭が咲き誇った。

牡馬クラシックではセイウンスカイ、スペシャルウィーク、キングヘイローらが記憶に残る名勝負を繰り広げたこの年。98年の牝馬クラシックの中心にいたのは、ファレノプシスだった。
その後ジャパンカップで牡馬、古馬との対戦が期待されたが、激闘の疲れからか状態が戻らず休養に入った。
4歳時
マイル路線で復帰
4歳のシーズンを迎えると、十分な休養を経て3月に復帰。G2読売マイラーズカップ(阪神芝1600m)に出走。桜花賞を制した舞台だったが、10着と大敗してしまう。
立ちはだかる黄金世代の牡馬たち
そして安田記念を目指すべくG2京王杯スプリングC(東京芝1400m)に出走。桜花賞までマイル以下のレースで4勝を挙げたスピードからマイル適性は十分。
このレースの注目は前年の有馬記念で骨折明けの連敗から復活Vを遂げたグラスワンダー。黄金世代を代表する栗毛の怪物がマイル路線に矛先を向けてきたのだ。

ひと叩きして状態も上向きのファレノプシスは3番手から正攻法のレース運びで挑んだが、最後はグラスワンダーら強豪牡馬勢に一歩及ばす5着。見せ場たっぷりの内容からは安田記念でもと思わせたが、その後熱発で安田記念を無念の回避となった。
セイウンスカイとの二冠馬対決
仕切り直しの一戦は真夏の名物レース、G2札幌記念。セイウンスカイとの牡牝二冠馬対決が実現することになった。

10頭立ての少頭数ながら、前に行きたい馬が揃いハイペースが予想されるメンバー構成。ゲートが開くとダイワカーリアンが敢然とハナに立ち、サイレントハンター、レオリュウホウらが続いて先行集団を形成。大方の予想で前に行くと思われたセイウンスカイは中団より後ろ7番手あたり、ファレノプシスはポツンと最後方からという予想外の隊列となった。
レース後半セイウンスカイが早めに進出を開始してレースが一気に動くと、ファレノプシスも外から上がっていく。最終コーナーで早くも先行勢が飲み込まれてセイウンスカイが先頭に立つと、独走態勢に持ち込もうかというところで外からファレノプシスが猛然と追い込んでくる。
3番手以下を突き放し、最後はセイウンスカイに半馬身まで迫ったところがゴールだった。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
セイウンスカイと見ごたえのある二冠馬対決を演じたファレノプシスが、ハイレベルと謳われた同世代の牡馬とも十分に渡り合える力を見せた一戦であった。
エリザベス女王杯
秋はエリザベス女王杯に目標を定め、牝馬の頂点を狙う。

札幌記念でセイウンスカイに肉薄したファレノプシスが1番人気、1歳上の女王メジロドーベルが僅差の2番人気。同期のオークス馬エリモエクセルがこれに続いた。
レースは中団につけたファレノプシスにインからメジロドーベルが並びかけて仕掛けどころを伺う展開に。勝負は最後の直線で命運が分かれた。
内ラチ沿いをスルスルと抜け出したメジロドーベルに対し、進路がなかなか開かないファレノプシス。一瞬の隙をついて加速しようかというところで間が狭くなり痛恨のブレーキ。体勢を立て直して最後まで追ったが6着までだった。
結果はメジロドーベルが見事連覇を達成して4年連続、通算5つ目のG1タイトルを獲得。これがラストランとなり有終の美を飾ったのだった。

その後、暮れのグランプリ有馬記念に出走するもグラスワンダーとスペシャルウィークの伝説的なレースの中で8着に終わりこの年のシーズンを終えた。
5歳時
たびたびの不調に悩まされる
5歳のシーズンは、デビュー戦以来のダートとなるフェブラリーステークス出走に向けて調整が進められていたが、残念ながら蕁麻疹を発症するなど体調が整わず回避。新馬戦の圧勝ぶりを覚えている者ならば久しぶりのダート参戦に期待を抱かずにはいられなかったが、ついに実現しなかったことが悔やまれる。
そして2年連続でマイラーズカップに出走したが結果は前年と同じ10着。さらに脚部不安で安田記念に出走できなかったところまで去年と同じ流れになってしまった。
立て直して出走した札幌記念では1番人気と期待されたが7着に終わる。
1年越しの雪辱へ
エリザベス女王杯
なかなか体調が整わず満足なローテーションが使えなかったシーズンだったが、それでもどうにか秋の大目標であるエリザベス女王杯に照準を合わせ、万全の状態での出走にこぎつけた。1年前の雪辱を期して走るラストランである。

相手はフサイチエアデールやトゥザヴィクトリーといった勢いのある4歳世代が人気上位。ファレノプシスは3番人気となっていた。鞍上は前走から継続で手綱を握る松永幹夫騎手。
ゲートが開くとトゥザヴィクトリーがハナに立ち、それを追ってフサイチエアデールが2番手へ。ファレノプシスも差なく前目4,5番手のポジションで追走する。

トゥザヴィクトリーの作るペースの中、好位でピタリと折り合って虎視眈々と仕掛けどころを待つファレノプシス。最終コーナーで3番手に押し上げて最後の直線へ。
逃げ切りを図るトゥザヴィクトリーにフサイチエアデールが並びかけて、抜きつ抜かれつの叩き合い。その二頭の後ろから、満を持してファレノプシスが末脚を繰り出して差を詰めてくる。
フサイチエアデールがトゥザヴィクトリーを競り落とした直後、ファレノプシスがフサイチエアデールの外から並び、そのまま突き抜けて先頭でゴールを駆け抜けた。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
自ら最高の走りで引退の花道を飾ったファレノプシス。年明けに行われた引退式で胡蝶蘭の首飾りをかけられた姿は、実に可憐で凛としていた。改めてウマ娘のファレノプシスを眺めて見ると、そんな良家の姫君のような印象が見事に継承されているではないか。

ありがとう、ウマ娘。
ありがとう、ファレノプシス。
史実のファレノプシス概要
| 基本情報 | 1995年4月4日生 牝馬 黒鹿毛 |
|---|---|
| 血統 | 父ブライアンズタイム 母キャットクイル(父Storm Cat) |
| 馬主 | ノースヒルズマネジメント |
| 調教師 | 浜田光正(栗東) |
| 生産者 | マエコウファーム(現ノースヒルズ/北海道新冠町) |
| 通算成績 | 16戦7勝 |
| 主な勝ち鞍 | 98’桜花賞、秋華賞、00'エリザベス女王杯 |
| 生涯獲得賞金 | 約4億6,651万円 |
エピソード①:ノースヒルズ栄光の軌跡
マエコウファームの創設から14年目の年に初めてのG1タイトルをもたらしたファレノプシスは、繁殖牝馬としてもコンスタントに産駒を送り出し(特に最初の頃は毎年続けて牝馬ばかりを産んだことで知られる)牧場の発展に寄与した。

ファレノプシスを世に送り出したマエコウファームは、その後ノースヒルズマネジメント、ノースヒルズと名称を変えながら次々に活躍馬を輩出してゆく。
ウマ娘でもおなじみなのはノーリーズンやトランセンド。そしてファレノプシスの15歳下の弟でダービー馬となったキズナや三冠馬コントレイルに関しては誰もがその名を知るところだろう。
エピソード②:ライバル達の雪辱ドラマ
98年の牝馬クラシック路線。二冠を制したファレノプシスの前に涙をのんだライバル達にも雪辱のドラマが待っていた。
牝馬三冠で2,2,3着とついにタイトルに手が届かなかったライバルのエアデジャヴー。この2年後の2000年に弟のエアシャカールが牡馬クラシック二冠馬となり、のちに自身の産駒であるエアメサイアが秋華賞馬となり雪辱を果たすこととなる。

また、桜花賞2着のロンドンブリッジはオークス10着を最後に脚元のケガにより無念の引退。しかし母としてオークス馬ダイワエルシエーロを産んでこちらも雪辱を果たした。その後グレーターロンドン、ビッグプラネットといった活躍馬を次々と輩出し、名門・下河辺牧場ゆかりの血統として今も継承されている。ウマ娘でも人気の個性派・キセキもこの一族である。

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