第116回:競馬史に刻む創世記、クロノジェネシスの物語

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【ウマ娘】第116回:競馬史に刻む創世記、クロノジェネシスの物語

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【ウマ娘】第116回:競馬史に刻む創世記、クロノジェネシスの物語

競馬好きのライターが送るウマ娘コラム第116回。今回は競馬史に新たな歴史を創った、クロノジェネシスについて熱く語ります。

目次

競馬史に刻んだ創世記

2019世代の秋華賞馬

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当コラムではこれまでにグランアレグリア、ラヴズオンリーユーと取り上げてきた2019牝馬クラシック世代。そして今回は2019年の秋華賞馬クロノジェネシスをクローズアップ。

2019年の牝馬クラシックを経て競馬史に残る歴史を創った、クロノジェネシスの史実を追っていく。

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ウマ娘のクロノジェネシス

ウマ娘の育成ストーリーで見るクロノジェネシスはまるで現実世界のUMAJO(ウマジョ)のようである。他のウマ娘やレース史に詳しく、競馬場では競バ新聞とカメラを携えてパドックと観客席を行ったり来たり。

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グルメを楽しむ時間も惜しむその姿勢は筋金入りの競馬ファンだ。さらにはライターとしての顔も持ち合わせているとは、筆者としても推さないわけにはいかないウマ娘なのである。

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公式プロフィール

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控え目な性格の、歴史学好きなウマ娘。歴史の中でもとりわけ『レース史』、すなわち数多のウマ娘やトレーナーたちの『夢』が織りなす熱いドラマが大好き。好きすぎて、毎回レースの結果を本気で予想したり、毎週のようにレース場へ大きなカメラを担いで出かけたりしている。

幼少期~デビューまで

血統

クロノジェネシスの父バゴは、現役時代にはフランス調教馬として凱旋門賞などを制した名馬。ジャパンカップにも出走したため、中には生で走りを見たことがあるというファンもいることだろう。そのジャパンカップを最後に現役を引退し、日本で種牡馬入りした。クロノジェネシスはバゴのちょうど10世代目の産駒である。

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母クロノロジストは中央でわずか2戦1勝というキャリア。初出走となった3歳秋の未勝利戦で既走馬相手に勝利するなど素質の片鱗を見せたものの2戦目の1勝クラス3着を最後に引退。繁殖牝馬としてはG1ヴィクトリアマイル、香港カップ勝ちのノームコアと本馬クロノジェネシスと2頭のG1ウィナーを産んで名繁殖牝馬の仲間入りを果たした。

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クロノロジストの父クロフネから芦毛を受け継ぐ産駒が多く、クロノジェネシスも濃いめの芦毛が特徴的な馬体の持ち主だった。

2歳時

メイクデビュー

2歳になると「母の馬名の一部+創世記」でクロノジェネシスと名付けられ、栗東の斉藤崇史厩舎に入厩。この年、1歳上の姉ノームコアが牝馬重賞戦線で活躍していたこともあり注目の一頭に挙げられた。

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9月の小倉競馬場芝1800m新馬戦でデビューを迎える。鞍上は追い切りから乗って感触を確かめていた北村友一騎手。馬体重は440kgとやや小柄ながらバランスの取れた好馬体とバネのある動きを見せており1番人気の支持を集めた。

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ゲートが開くとスタートを決めて好位につけて折り合いをつける。道中4番手をキープしてスムーズに進めると楽な手応えで最後の直線へ。仕掛けられると一頭際立った末脚を繰り出し前を行く3頭を交わすと2馬身差をつけて先頭でゴール。鮮やかにデビュー戦を快勝してみせた。

連勝

2戦目は東京競馬場のアイビーステークス(オープン・芝1800m)に出走。10頭立ての少頭数ながら良血馬や期待馬も集まる牡馬混合のオープン戦。先日引退したばかりの白毛馬ハヤヤッコの名前もある中、クロノジェネシスは3番人気でスタートを迎える。

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新馬戦と同じようにスタートから好位につけると、スローペースにも引っかかることなく落ち着いたレースぶり。そして最後の直線に入ると切れ味鋭い末脚を発揮し、粘り込みを図る先行勢を一気に差し切った。クロノジェネシスが繰り出した32.5秒という上がり3ハロンのタイムは東京競馬場の2歳戦として最速の記録だった。

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デビューから無傷の2連勝で一躍この世代で注目の存在となった。

阪神ジュベナイルフィリーズ

続いてG1阪神ジュベナイルフィリーズへ。無敗で2歳牝馬の頂点に立つことができるか。

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ライバルは、新馬戦でグランアレグリアの2着から連勝してきたダノンファンタジー。同世代の牝馬で上位に評価されていたグランアレグリアが牡馬相手の朝日杯フューチュリティステークスへまわったことで、クロノジェネシスとダノンファンタジーの2頭が人気の中心となった。

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ゲートが開くと、クロノジェネシスは出遅れて最後方から。ダノンファンタジーも後方へ下がり15,6番手を追走する。人気2頭が後方待機の展開となったが、結果的には4コーナーで大外を回ったこの2頭のマッチレースとなり、わずかに前に出たダノンファンタジーがクロノジェネシスの追撃を凌ぎきって1着でゴールした。

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クロノジェネシスは勝ち馬を上回る最速の上がりタイムをマークしたが、惜しくも初黒星を喫した。

3歳時:ライバルひしめく牝馬三冠

クイーンカップ

牝馬クラシック路線を目指すクロノジェネシスは、年明け初戦としてG3クイーンカップを選択。桜花賞に進むためには確実に賞金を加算したいレース。

今度はスタートを決めて中団につけると、直線では余裕のある手応えのまま先頭に立ち、食らいつくビーチサンバやカレンブーケドールらを退けて勝利。クビ差の着差以上に強い内容で重賞初制覇を果たし桜花賞候補に名乗りを上げた。

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桜花賞

いよいよ迎えた牝馬クラシックの一冠目、桜花賞。

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1番人気は前哨戦のチューリップ賞を勝って万全の態勢で進んできた2歳女王ダノンファンタジー。2番人気に朝日杯3着からぶっつけで臨むグランアレグリア、そして3番人気がクロノジェネシス。この3頭の三つ巴の争いと見られた。

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ゲートが開くと、五分のスタートを決めて中団で脚を溜める。グランアレグリアは3、4番手の好位につけそれを見るかたちでダノンファンタジーという位置取り。

3~4コーナーにかけて早くも先頭に並びかけるグランアレグリアに他の馬も追随する。直線で内ラチ沿いを伸びたグランアレグリアが一気に抜け出すと、ダノンファンタジー以下を突き放す。クロノジェネシスも遅れて追い込み態勢に入ったが、熾烈な2着争いに加わるのがやっとだった。

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牝馬クラシック一冠目はグランアレグリアがレコードで快勝し桜の女王となり、クロノジェネシスは伏兵のシゲルピンクダイヤからクビ差遅れての3着だった。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

オークス

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続く2冠目のオークスではグランアレグリアが距離適性からNHKマイルカップへ向かったため、別路線組も含めた混戦模様に。桜花賞の同日に行われた忘れな草賞を快勝した3戦無敗のラヴズオンリーユーに注目が集まり、桜花賞上位組を抑えて1番人気の支持を集めた。クロノジェネシスは僅差の2番人気で発走を迎える。

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スタートを決めて好位4番手のインで折り合ったクロノジェネシス。外にカレンブーケドールがぴたりとマークし、ラヴズオンリーユーは中団から。

終始淀みのない流れでレースが進み、最後の直線へ。

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先に抜け出したのはカレンブーケドール。クロノジェネシスも馬体を併せて追いすがるが、徐々にカレンブーケドールのほうが脚色優勢に。さらに外からラヴズオンリーユーが一気に差し切る勢いで追い込んでくると、カレンブーケドールと熾烈な追い比べとなった。

最後はラヴズオンリーユーがカレンブーケドールを競り落として先頭でゴール。クビ差でカレンブーケドール、そこから2馬身半差でクロノジェネシスが3着を守りきった。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

桜花賞に続きレコード決着

勝ちタイムの2分22秒8はジェンティルドンナの従来記録を上回るレースレコード。桜花賞に続いてのレコード決着となった。

秋華賞

悲願達成

夏を越して、牝馬三冠ラストの秋華賞を目標に定めて復帰。オークス馬ラヴズオンリーユーがコンディションが整わず回避したことにより、桜花賞馬とオークス馬いずれも不在の秋華賞となる。

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春二冠はいずれも3着。阪神ジュベナイルフィリーズ2着から、G1ではあと一歩のところで苦杯をなめてきたクロノジェネシスにとって、この秋華賞は譲れない一戦となった。

トライアルをひと叩きしてきたダノンファンタジーやカレンブーケドールに上位人気を譲って4番人気でスタートを迎える。

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ゲートが開くと、やや出足が鈍いクロノジェネシスを北村友一騎手が促して中団より前のポジションを確保。ビーチサンバとコントラチェックがハナを競り合う速い流れを6,7番手で1コーナーを通過する。

インコースで脚を溜めつつ徐々に進出し3,4コーナーに差し掛かる。

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最後の直線に入ると、内に潜り込んできたカレンブーケドールとの一騎打ち。オークスとは逆の展開でカレンブーケドールを競り落とすと、単独先頭に立ってゴールを目指す。

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最後はカレンブーケドールに2馬身差をつけて栄光のゴールを駆け抜けた。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

4度目の挑戦にして悲願とも言えるG1タイトルを獲得したクロノジェネシスと北村友一騎手のコンビ。ジョッキーにとってはこの年の皐月賞をアルアインで勝ちG1初制覇を達成して以来2つ目のビッグタイトルとなり、飛躍の年を印象付けた。

エリザベス女王杯

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続くエリザベス女王杯ではオークス馬ラヴズオンリーユーも復帰して真の女王決定戦となったが、勝ったのは1歳上のラッキーライラック。ラヴズオンリーユーが3着、クロノジェネシスは5着という結果に終わった。

4歳時:覚醒

京都記念

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年が明けて4歳になっての初戦として京都記念に出走。牝馬三冠路線をともに歩んだ同期のライバルであるカレンブーケドールもここから始動し、2頭が人気の中心となった。そして秋華賞に続きクロノジェネシスがカレンブーケドールに2馬身半の差をつけて完勝。4歳初戦を勝利で飾った。

大阪杯

中距離王道路線を歩むクロノジェネシスはG1大阪杯に出走。エリザベス女王杯で後塵を拝したラッキーライラックに挑む。牡馬勢からも同世代のダービー2着ダノンキングリー、一昨年の有馬記念優勝馬ブラストワンピースなどの有力馬が顔を揃えた。

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レースは好スタートから好位3番手を追走。マイペースの逃げに持ち込んだ1番人気ダノンキングリーをマークする展開で進む。

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そして直線でダノンキングリーめがけて末脚を伸ばしたが、先頭に立つかというところで内を突いて強襲したラッキーライラックにわずかに及ばず2着。エリザベス女王杯に続いてラッキーライラックが立ちはだかった。

宝塚記念

グランプリ制覇へ

ファン投票によって春のグランプリ宝塚記念に選出されると、史上最多8頭のG1馬の一頭として参戦。

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当日は降雨の影響で稍重となり、使い込まれてきた芝も相まって力のいる馬場での争いとなる。これまでに稍重の秋華賞、重馬場の京都記念勝ち実績があるクロノジェネシスにとっては好材料と見られたか、2番人気の支持を集めた。

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8枠16番から好スタートを決めると、先行勢を見ながら7,8番手の外で折り合いをつけたクロノジェネシス。人気薄のトーセンスーリヤが引っ張る流れを絶好の位置で追走する。

3,4コーナーにかけてレースが動き始める。馬場状態を加味して早めに仕掛ける各馬につれてクロノジェネシスも外から進出を開始。後ろからマクッてきたキセキとともにスーッと先頭集団に並びかけていく。

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抜群の手応えで直線を迎えると、馬場の影響か伸びあぐねる他馬を尻目に加速して一気に後続を突き放す。そのままキセキに6馬身の差をつけてクロノジェネシスが圧勝した。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

3着のモズベッロはさらに5馬身離されており、豪華メンバーが集結した宝塚記念は終わってみればクロノジェネシスの独壇場と言える結果に終わった。

天皇賞・秋

宝塚記念のあとは休養に入り、秋はぶっつけで天皇賞から始動。ここはアーモンドアイが安田記念2着以来の参戦で断然の1番人気に推されていた。

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ここまで国内外合わせてG1レース7冠を誇る絶対女王。前人未到の8冠目は安田記念で足踏みをしていたものの、その評価は揺るぎない。

春のグランプリホースとしてアーモンドアイに挑んだクロノジェネシスは、半馬身+クビ差及ばず3着。2着は春の天皇賞連覇を達成したフィエールマンだった。

有馬記念

負けたレースも含めて本格化を感じさせた4歳シーズンのクロノジェネシス。最終戦は年末のグランプリ有馬記念で春秋グランプリ連覇に挑む。

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ジャパンカップで有終の美を飾ったアーモンドアイ、同年の牡馬クラシック三冠馬コントレイル、牝馬三冠馬デアリングタクトらが不在ではあったが、堂々の1番人気に推されたのはクロノジェネシスだった。

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ゲートが開くとモズベッロとキセキが出遅れてバラっとしたスタート。バビットが逃げてレースを引っ張り、クロノジェネシスは中団後方につけた。

カレンブーケドール、ラヴズオンリーユーといった同期のライバルを前に見ながらレースが進む。向正面から早めに動いたクロノジェネシスと北村友一騎手が馬群の外を上がっていく。

3,4コーナーにかけてフィエールマン、カレンブーケドールらと並んで先行集団に取り付き最後の直線へと向かう。

内から先に抜け出したフィエールマンを追ってクロノジェネシスが迫る。そして直線半ばで捉えて先頭に躍り出ると、追い込んできたサラキアの猛追も凌いで先頭でゴールを駆け抜けた。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

牝馬で同一年の春秋グランプリ連覇を達成したのは前年のリスグラシューに次いで史上2頭目(全体でも11頭目)という偉業であった。また、アーモンドアイ引退直後の有馬記念が牝馬によるワンツー決着となったことで、牝馬優位の時代が続くことを印象付けたレースでもあった。

5歳時:歴史を創る

ドバイシーマクラシック

5歳シーズンの初戦はドバイシーマクラシック出走が決まり、自身初の海外遠征チャレンジから始動。鞍上は引き続きデビューから変わらずコンビを組む北村友一騎手。

同レースに出走するラヴズオンリーユーとともに強い日本の牝馬の力を世界に見せられるか。

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世界が注目するレースでは、スタートを決めて中団につけたクロノジェネシスにラヴズオンリーユーが続く。

いい手応えで最後の直線勝負に差し掛かると、先にラヴズオンリーユーが先頭に立ち、それを差なくクロノジェネシスが追う。そこへイギリスのミシュリフが加わって三頭のデッドヒート。

ラヴズオンリーユーを交わして先頭に立つかというところで最後はミシュリフに差されて惜しくも2着でゴールした。

パートナーの離脱

帰国後は宝塚記念を目指して調整されていたクロノジェネシスだったが、思わぬアクシデントが発生。これまでコンビを組んできた北村友一騎手が5月のレースで落馬負傷。手術は成功したものの、歩けるようになるまでに1年以上を要するほどの重傷でリハビリ療養を余儀なくされたのである。

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グランプリ3連覇へ

宝塚記念

グランプリ3連覇がかかる宝塚記念、新たにコンビを組むのはルメール騎手に決まった。

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単勝オッズ1.8倍と断然の1番人気に推されたクロノジェネシスとルメール騎手。無傷の6連勝でG1大阪杯を勝った1つ下の牝馬レイパパレが2番人気、そして3番人気にカレンブーケドールと牝馬が人気上位を占めた。

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5枠7番から好スタートを決めて好位につけると、先手を取ったユニコーンライオンと2番手追走のレイパパレを見る4,5番手でレースを進める。

そのままの隊列で最終コーナーか直線へ。まだ前2頭の手応えがいいが、クロノジェネシスはキセキと馬体を併せて抜け出しを図る。

ユニコーンライオンがレイパパレを競り落として先頭に立ったところに、ルメール騎手の合図に応じて力強く加速したクロノジェネシスが迫り、交わす。

そのまま1馬身、2馬身と差を拡げて1着でゴールした。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

これで宝塚記念の連覇およびグランプリ3連覇を達成。スピードシンボリ、グラスワンダーに続いて史上3頭目の快挙だったが、宝塚→有馬→宝塚の3連覇は史上初(前の2頭はともに有馬→宝塚→有馬)である。

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凱旋門賞

宝塚記念連覇を達成したことで、かねてより計画のあった凱旋門賞挑戦が正式に決定。凱旋門賞馬の父を持ち、重い馬場も苦にしない女傑クロノジェネシスに、凱旋門賞制覇の期待がかけられた。

ステップレースは使わず凱旋門賞一本の遠征プランで直前に渡仏。鞍上には日本でも馴染みのあるO.マーフィー騎手を迎えることとなった。

当日は重馬場に相当する馬場コンディション。国内では類稀な重馬場巧者のクロノジェネシスにとってもこればかりは走ってみなければわからない。

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もう一頭の日本馬ディープボンドとともに好レースが期待されたが、果たして…

結果は7着。終始馬群の外を回り不利なくレースを進めたものの直線で伸びず悔しい敗戦となった。15着に終わったディープボンドとともに、またしても凱旋門賞の重たい扉を開くことは叶わなかった。

グランプリ4連覇をかけて

帰国後は有馬記念を目指して調整。前人未到のグランプリ4連覇に挑むと同時にこれが引退レースとなることが発表された。鞍上には再びルメール騎手を迎え、二度目のコンビで偉業達成を狙う。

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この年の天皇賞・秋を勝って勢いのある3歳馬エフフォーリアが1番人気に推され、クロノジェネシスは2番人気。ほかにも菊花賞馬タイトルホルダー、ステラヴェローチェなどフレッシュな3歳勢が上位人気に食い込んだ。

有馬記念のゲートが開くと、スタートを決めて中団で折り合う。パンサラッサが軽快に逃げて離れた2番手にタイトルホルダーという隊列。クロノジェネシスの外にはエフフォーリアが並ぶ。

3,4コーナーでエフフォーリア、ディープボンドが早めに動いて上がっていく。その直後にクロノジェネシスも続いて最後の直線へ。

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タイトルホルダー先頭で直線に入ると、ディープボンドとエフフォーリアが外から襲いかかる。そしてエフフォーリアが抜け出して先頭に立ってゴールを目指す。食い下がるディープボンドに、遅れてクロノジェネシスもエンジンがかかって猛追。

しかしディープボンドに半馬身差まで詰め寄ったところがゴール。勝ったエフフォーリアからは1馬身ちょっとの差で偉業達成は成らなかった。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

引退式

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全レース終了後にクロノジェネシスの引退式が執り行われ、療養中のパートナー北村友一騎手も駆けつけた。デビュー時に440キロだった馬体は478キロにまで成長。特徴的な濃い芦毛も少し白くなりかけたか。

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2019年牝馬三冠の戦いを経て、牝馬の時代にひとつの歴史を創った稀代の女傑はこの日ターフに別れを告げた。

ありがとう、ウマ娘。

ありがとう、クロノジェネシス。

史実のクロノジェネシス

基本情報2016年3月6日 牝 芦毛
血統父バゴ
母クロノロジスト(父クロフネ)
馬主サンデーレーシング
調教師斉藤崇史(栗東)
生産牧場ノーザンファーム(北海道安平町)
通算成績17戦8勝(中央競馬15戦8勝、海外2戦0勝)
主な勝ち鞍19’秋華賞、20’,21’宝塚記念、20’有馬記念

エピソード①母として

引退後に繁殖牝馬となったクロノジェネシスは初年度にエピファネイアとの間に牡馬を出産。2025年の今年2歳となった黒鹿毛の牡馬はベレシートと名付けられデビューの時を待つ。

2019世代の同期、グランアレグリア、ラヴズオンリーユー、カレンブーケドールらとの二世対決が実現すれば大きな話題となることだろう。

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エピソード②夢は今年のダービー馬へ

2025年、今年のダービー馬に輝いたクロワデュノールは、鞍上の北村友一騎手、斉藤崇史厩舎、サンデーレーシングということでクロノジェネシスを彷彿させるチームとして話題となった。

クロノジェネシスの現役中に負った大怪我を乗り越え、同じ勝負服を纏って再びG1の大舞台に返り咲いた北村友一騎手の姿はファンの胸を打つ感動的なシーンだった。

この秋に凱旋門賞挑戦が発表されたクロワデュノール。チームクロノジェネシスによる夢の続きがどんな結末を迎えるか楽しみである。

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BNW世代(93年~)から競馬を追いかけているガチガチの競馬ファン。最近は少し離れ気味だったが、ウマ娘をきっかけに競馬への情熱を取り戻す。
持ち前の競馬知識を活かして、ウマ娘ファンと競馬の間の橋渡しに少しでも貢献したいと思っている。

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