競馬好きのライターが送るウマ娘コラム。今回は、毎回見どころ満載で絶好調のアニメ3期と連動するかのように、リアル競馬でも大活躍するキタサン世代の二世産駒たちを紹介していく。
勢いが止まらない!
アニメ3期世代の産駒たち
アニメウマ娘のシーズン3は、初回のドゥラメンテ登場というサプライズから始まり、その後もオルフェーヴル&ジェンティルドンナの実名が飛び出すなど毎回のようにXのトレンド入りするほどの話題作となっている。
そして、その話題性と連動するかのようにリアル競馬の方で活躍を見せているのが、アニメ3期世代を彩る史実馬それぞれの産駒たち。今、日本の競馬を席巻しているといっても過言ではない、キタサンブラック、ドゥラメンテらアニメ3期世代の産駒たちを紹介していく。
今年のJRA3歳限定G1を総ナメ
牝馬は三冠馬、牡馬三冠は三頭が分け合う
リアル競馬もチェックしているトレーナーはご承知のとおり、今年は三冠馬が誕生した。先の秋華賞を制して牝馬三冠を達成したのは、ドゥラメンテ産駒のリバティアイランドである。
画像:JRA公式サイトより引用
そして牡馬三冠のほうも菊花賞が終わり、2023年クラシック世代の牡牝三冠レースがすべて終了した。
牡馬クラシック三冠レースを振り返ってみると、皐月賞を勝ったソールオリエンス(父キタサンブラック)、日本ダービーを勝ったタスティエーラ(父サトノクラウン)に続き、菊花賞をドゥラメンテ産駒のドゥレッツァが勝ったことで、三冠レースすべてをアニメ3期の主役であるキタサンブラック世代の産駒が勝ったことになる。そして3歳マイル王決定戦であるNHKマイルカップを勝ったのもまたドゥラメンテ産駒のシャンパンカラーであるから、今年の3歳限定G1をこの世代の産駒が総ナメしてしまったのだ。
リバティアイランド
三冠お嬢さん
画像:JRA公式サイトより引用
2023年クラシック世代で真っ先に紹介しなければならない馬は、史上7頭目の牝馬三冠を達成したリバティアイランドだろう。父はウマ娘で今最も注目されているドゥラメンテだ。
リバティアイランドの血統
基本情報 | 2020年2月2日生 牝馬 鹿毛 |
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血統 | 父ドゥラメンテ 母ヤンキーローズ(父All American) |
桜花賞
前年の阪神ジュベナイルフィリーズ(1着)以来のぶっつけで臨んだ桜花賞。2歳牝馬チャンピオンは、休み明けなど関係なしとばかりに圧巻のレースぶりを見せてファンの度肝を抜いた。
4コーナーで最後方付近から大外を回ってきた時には、「さすがに届かないか」と思わせたのもつかの間、直線に入るとグングンと加速して豪快な追い込みで桜の女王の座に就いた。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
JRAで今年から導入されたジョッキーカメラの映像も公開され、鞍上の川田騎手がリバティアイランドを「お嬢さん」と語りかける声も大きな話題となった。
ジョッキーカメラの映像
引用元:JRA公式チャンネル
オークス
桜花賞まで4戦連続で芝1600mのマイル戦を走ってきたリバティアイランドに、戦前は距離不安を指摘する声もあったものの、終わってみればこのオークスが最も危なげのない勝ち方だったと言える。
道中6番手の好位置から府中の長い直線半ばで早々に抜け出すと、あとは後続との差を広げる一方。2着に6馬身差をつけ、歴代2位の好タイムで圧勝した。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
秋華賞
三冠のかかった秋華賞。オークスから直行ローテーションをとったリバティアイランドの単勝オッズは1.1倍。唯一の懸念は前日から降った雨により当日の京都競馬場芝コースは重馬場から始まったことくらいだろうか。それも秋華賞の頃にはやや重まで回復し、もはや何も彼女の障壁となる要素は見当たらなかった。
デビュー戦からリバティアイランドの手綱をとる主戦の川田騎手は「お嬢さん」に全幅の信頼を寄せ、このレースでも彼女の進路を確保することさえすれば勝てるという強気なレース運びで彼女をエスコートして見事三冠を達成した。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
阪神ジュベナイルフィリーズからトライアルを一切使わずにG1を4連勝。牝馬三冠を当たり前のように達成したお嬢さんの次戦はジャパンカップと発表されている。
筆者はリバティアイランドが桜花賞を勝った時点で、勝手ながらダービーから凱旋門賞という夢を抱いた。ドゥラメンテの孝行娘がこの先歩む道にはどんな景色が待っているのだろうか。
ソールオリエンス
父キタサンブラック
続いて、2023年牡馬クラシック戦線を見ていこう。まずは皐月賞を勝ったソールオリエンス。父は今をときめくトップ種牡馬キタサンブラックだ。
ソールオリエンスの血統
基本情報 | 2020年4月4日生 牡馬 鹿毛 |
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血統 | 父キタサンブラック 母スキア(父Motivator) |
皐月賞
牝馬路線と違って絶対的な存在がいない混戦模様のまま突入した牡馬クラシックの一冠目。皐月賞と同じ中山2000mの舞台で行われるのに本番に直結しないというジンクスがあるG3京成杯を勝ったのがキタサンブラック産駒のソールオリエンスだった。
この京成杯、4コーナーで大きく外に膨れるような格好になりながらも豪快な末脚で差し切った勝ち方が、まるで皐月賞を勝ったときのドゥラメンテのようだと話題になった。そう、アニメ3期の1話冒頭の皐月賞でドゥラメンテが登場したあのシーンである。
ドゥラメンテの皐月賞
引用元:JRA公式チャンネル
キタサンブラック産駒なのにドゥラメンテみたいな走りで皐月賞へ駒を進めたソールオリエンスは、今度は前の週に桜花賞を勝ったリバティアイランドを彷彿とさせるような、直線一気の追い込みを決めて皐月賞制覇を成し遂げた。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
タスティエーラ
父サトノクラウン
皐月賞ではあと一歩のところでソールオリエンスに差されたタスティエーラが、ダービーでリベンジを果たす。父はアニメ3期でサトノ家の悲願(G1制覇)を果たすという大きな使命に燃えるサトノクラウン。その初年度産駒から誕生したダービー馬である。
タスティエーラの血統
基本情報 | 2020年3月22日生 牡馬 鹿毛 |
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血統 | 父サトノクラウン 母パルティトゥーラ(父マンハッタンカフェ) |
日本ダービー
混戦模様だった皐月賞を無敗で制したソールオリエンスが抜けた一番人気となったダービー。皐月賞2着のタスティエーラは、乗り替わりもあってか4番人気にとどまった。
しかし、ゴール前で上位4頭が僅差で並ぶ大激戦を制したのは、短期免許の外国人ジョッキーD・レーン騎手に導かれたタスティエーラだった。皐月賞馬ソールオリエンスの猛追をクビ差しのいで、世代の頂点に輝いた。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
父サトノクラウンにとってはこれが産駒のG1初勝利であり、それも初年度からいきなりダービー馬が誕生したのだから、一気に種牡馬として目が離せない存在となった。
ドゥレッツァ
父ドゥラメンテ
1勝クラス、2勝クラスと一歩ずつ階段を駆け上がり4連勝で菊の舞台に辿り着いたのは、遅れてきた大物・ドゥレッツァ。父ドゥラメンテの血の勢いが春の実績馬を凌駕する。
ドゥレッツァの血統
基本情報 | 2020年4月24日生 牡馬 青鹿毛 |
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血統 | 父ドゥラメンテ 母モアザンセイクリッド(父More Than Ready) |
菊花賞
牡馬クラシック最後の一冠・菊花賞は、春の実績馬である皐月賞馬ソールオリエンスとダービー馬タスティエーラの再戦に注目が集まる中、父子三代菊花賞制覇を目指すサトノグランツ(父サトノダイヤモンド)や夏の上がり馬ドゥレッツァ(父ドゥラメンテ)らの評価も高く相変わらずの混戦模様と見られた。
ところが、蓋を開けてみれば4番人気ドゥレッツァが2着タスティエーラに3馬身半差をつける圧勝という結果に終わった。
リバティアイランドが牝馬三冠を達成したばかりの父ドゥラメンテ産駒の牡馬が、こんどは5連勝で菊の大輪を咲かせた。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
ドゥレッツァは、2歳暮れの未勝利勝ちのあと、脚元の不安などで復帰が遅れて春のクラシックは未出走。夏に3勝クラスを突破して4連勝とし、重賞初挑戦で父ドゥラメンテの代表産駒の一頭タイトルホルダー以来となる牡馬クラシックのタイトルを獲得した。重賞初挑戦で菊花賞を勝ったのは、あのメジロマックイーン以来のことだった。
これで2023年の牡馬クラシック三冠レースは、皐月賞・ソールオリエンス(父キタサンブラック)、日本ダービー・タスティエーラ(父サトノクラウン)、菊花賞・ドゥレッツァ(父ドゥラメンテ)とアニメ3期で火花を散らすキタサンブラック世代の産駒たちが分け合うこととなった。
シャンパンカラー
父ドゥラメンテ
牝馬三冠、牡馬三冠に加え、3歳マイル王決定戦のNHKマイルカップを勝ったのもドゥラメンテ産駒のシャンパンカラーだ。
シャンパンカラーの血統
基本情報 | 2020年3月3日生 牡馬 栗毛 |
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血統 | 父ドゥラメンテ 母メモリアルライフ(父Reckless Abandon) |
NHKマイルカップ
春の3歳マイル王決定戦は、牡馬クラシック戦線よりさらに混沌としていた。1番人気が5.7倍という主役不在の超混戦模様の一戦を制したのは、9番人気の伏兵シャンパンカラー。
直近2レースでは6着、3着と目立つ成績ではなかったが、東京マイルでは2戦2勝というコース相性の良さを発揮して勝利をもぎ取った。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
イクイノックス
世界No.1ホース
最後に、キタサンブラックの初年度産駒から誕生した現・世界No.1ホースにも軽く触れておこう。目下国内外のG1レースを5連勝中のイクイノックスだ。
イクイノックスの血統
基本情報 | 2019年3月23日生 牡馬 青鹿毛 |
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血統 | 父キタサンブラック 母シャトーブランシュ(父キングヘイロー) |
3歳秋に本格化
3歳春の時点では皐月賞、ダービーでともに2着と無冠に終わったイクイノックス。そこから夏を越して秋になって本格化すると、古馬との初対戦となった天皇賞・秋でパンサラッサの伝説的な大逃げを差し切ってG1初勝利を飾る。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
世界No.1へ
続く有馬記念を圧勝して2022年の年度代表馬に輝いたイクイノックスは、古馬となった年明け初戦に海外G1ドバイシーマクラシックに挑戦。
世界の強豪を相手に、序盤から先頭に立つとそのまま悠々と逃げ切って楽勝。このレースが終わった時点で、ロンジンワールドベストレースホースランキング(世界の国際G1など主要なレース結果をもとにした格付け)で単独1位の評価を得る。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
最強をキープ
その後、国内に戻って宝塚記念を勝ち、この秋の初戦となった天皇賞・秋では驚愕の日本レコードで連覇を達成。非の打ち所がないレースぶりで現役世界最強馬の評価をキープし続けている。
ジャパンカップで三冠牝馬と激突か
いま、日本の競馬の中心にいる二頭のスーパーホース、イクイノックスとリバティアイランド。そんな二頭の対戦が来たるジャパンカップで実現しようとしている。
アニメ3期のキタサンブラックとドゥラメンテの戦いは佳境を迎えようとしているが、その名を継ぐ者たちによる世界最高峰の戦いが目の前で観られるのだ。今年のジャパンカップは必見である。
ありがとう、ウマ娘。
ありがとう、アニメウマ娘。
ありがとう、アニメ3期世代の産駒たち!
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