【ウマ娘】番外編:シュヴァルグランと二人の姉妹を知る

シュヴァルグランと二人の姉妹

アニメ3期で注目の三姉妹

アニメ「ウマ娘プリティーダービーseason3」も佳境(執筆時点で10話まで放映)に差し掛かり、そろそろシュヴァルグランの活躍回が近づいている。

シュヴァルグランと言えば、ウマ娘への登場が発表されてから随分経ったが、本格的な実装はされておらずまだまだ謎の多いキャラクターである。

シュヴァルグランには有名な姉妹がおり、以前「【ウマ娘】番外編:祝・アニメ3期スタート！登場ウマ娘予習特集」でも次のように書いたが、早々と姉のヴィルシーナと妹のヴィブロスがアニメに参戦して活躍中である。

いずれは姉妹そろっての登場にも期待したいファミリーだ。引用元：【ウマ娘】番外編:祝・アニメ3期スタート！登場ウマ娘予習特集

すでに姉のヴィルシーナがSRサポートカードとして実装されるなど、シュヴァルグランのファンは巧妙に仕組まれたお預けを食らっている状態である。もの静かなボクっ娘もそろそろ黙ってはいられないだろう。

ということで、アニメでの活躍とアプリ実装が待ち遠しいシュヴァルグランとその姉妹について史実を交えて紹介していく。なお、ネタバレを避けたいトレーナーの皆さんはアニメの進行を待ってからお読みいただくことをオススメする。

シュヴァルグラン

姉妹にコンプレックスを抱く

姉ヴィルシーナ、妹ヴィブロスという才能豊かな姉妹に挟まれ、コンプレックスを抱く悩める真ん中っ子シュヴァルグラン。アニメでも控えめで大人しい面を伺わせるシーンが多々見られる。

マリンテイストの衣装は、馬主である佐々木主浩氏が所属した球団から着想を得ているのだろう。

アニメでの活躍回は近い

レースでは着実に存在感を出しており、常にキタサンブラックとサトノダイヤモンドに少し及ばずビッグタイトルには手が届かないでいるものの、アニメ9話で濃密に描かれた(もちろんキタちゃんとダイヤちゃんメインで)5歳春の天皇賞(春)ではついに二人の間に割って入り、キタサンブラックの2着(3着サトノダイヤモンド)と本格化が近いことを感じさせている。

TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』第9話「迫る熱に押されて」WEB予告動画

引用元：ぱかチューブっ!

レース映像

引用元：JRA公式チャンネル

史実のシュヴァルグラン

血統

シュヴァルグランは父ハーツクライ 母ハルーワスウィートという血統。父ハーツクライは名種牡馬サンデーサイレンス産駒の期待馬としてクラシックでも善戦したが、古馬になってから本格化して大レースを制した大器晩成型。あのディープインパクトに国内で唯一土をつけた有馬記念が有名だ。

ハーツクライは種牡馬としても大成功し、サンデーサイレンスの後継種牡馬の一頭として数々の名馬を輩出した。産駒はマイル～中長距離まで幅広くこなし、ゆったりとした成長曲線を描きながら長く活躍する産駒が多い。ハーツクライの母アイリッシュダンス(父トニービン)も古馬になってから重賞を2勝した活躍馬で、その成長力を受け継いでいるのだろう。

競走成績

クラシックは不出走だったが、4歳以降に頭角を現し始めてからは芝の中長距離戦線で活躍。G1でも度々上位に好走するがなかなか勝ち星を掴めず善戦止まりだった。通算するとG1レースでは2着が3回、3着が4回もある。

5歳以降にはより安定して上位争いを繰り広げ、父ハーツクライ譲りの成長力と大一番での強さを発揮。5歳秋のジャパンカップでついにビッグタイトルを手にし、偉大な姉妹に肩を並べた。7歳の春には妹のヴィブロスとともにドバイにも挑戦したのを皮切りに海外の大レースを転戦するなど長く一線級で活躍した。

ウマ娘での注目ポイント

アニメ3期においては、キタサンブラックやドゥラメンテ、サトノダイヤモンドやサトノクラウンの影に隠れてなかなかスポットライトを浴びる機会が巡ってこなかったが、ついにその時が訪れようとしている。シュヴァルグランにとって初のビッグタイトル獲得へ向けてどんなドラマが描かれるのか注目したい。

ヴィルシーナ

幻の牝馬三冠

内気なシュヴァルグランと奔放なヴィブロスを気にかける優しいお姉さんという印象のヴィルシーナ。ひと足先に実装されたサポートカードのイベントでもそんな妹思いな姉の姿を垣間見ることができる。

青いロングヘアーといかにも上品なお嬢様という佇まいからは華麗な雰囲気を醸し出すが、自身は牝馬三冠レースのすべてで同じ馬に勝利を阻まれ、2という数字に呪われ勝てない時期を過ごした苦労人である。

史実のヴィルシーナ

血統

シュヴァルグランの3つ上の姉ヴィルシーナは、2009年生まれのディープインパクト産駒。父ディープインパクトは、競馬ファンでなくとも名前くらいは聞いたことがあるという言わずとしれた名馬である。ハーツクライと同じく大種牡馬サンデーサイレンス産駒で、無敗のクラシック三冠をはじめ飛ぶような走りで七冠を達成した。

なお、キタサンブラックの父ブラックタイドはディープインパクトの全兄にあたる。

競走成績

同期にジェンティルドンナという怪物牝馬がいたおかげで牝馬三冠レースすべてで2着と苦杯をなめた。しかしそのジェンティルドンナ不在のエリザベス女王杯でも2着と勝ちきれなかったため、当時は2着病だとか呪いだとか言われた。

古馬になると2着の呪縛を振り払い、ヴィクトリアマイルで悲願のG1初制覇。馬主の佐々木主浩氏にとっても念願だったG1タイトルをプレゼントした。その後は低迷期を過ごすものの、翌年のヴィクトリアマイルで見事復活を遂げる。同レース史上初めての連覇を達成した。

ウマ娘での注目ポイント

今はまだ「シュヴァルグランの姉」というポジションだが、自身にスポットが当たる時には史実に沿ってドラマチックなストーリーが展開されるであろう。そしてヴィルシーナの物語に欠かせないのがジェンティルドンナという天敵の存在。すでにアニメ内で実名が登場したことで話題となったが、キャラクターとしての登場があるのか続報が待たれる。

また、自身の産駒であるディヴィーナとジェンティルドンナの産駒であるジェラルディーナが、今年のエリザベス女王杯で二世代に渡る対戦を果たして話題となった。ゆくゆくはディヴィーナやジェラルディーナの名前もウマ娘に登場して欲しいものである。

ヴィブロス

姉の悔しさを晴らした末っ子

三姉妹の末っ子にあたるヴィブロスは、甘え上手で根っからのお嬢様といった雰囲気だ。史実で3年連続渡ったドバイに特別な思い入れを抱いているようだが、ウマ娘でドバイのレースは未実装。アプリのほうでも重要なキャラクターとなりそうだ。

史実のヴィブロス

血統

シュヴァルグランの1つ下、ヴィルシーナとは4つ離れた妹で、父はディープインパクト。ヴィルシーナの全妹にあたる。ヴィルシーナをひと回りコンパクトにしたような青毛の馬体が美しく印象的だ。

競走成績

春のクラシックの頃はまだ1勝馬で桜花賞・オークスには未出走に終わったが、秋に素質が開花。トライアル2着で出走権を獲得すると、その勢いのままに本番の秋華賞を勝ってしまった。ジェンティルドンナの前に涙をのんだ姉の悔しさを見事に晴らした。

4歳になると果敢にドバイに渡りG1ドバイターフに挑戦。日本でもお馴染みのマジックマンことJ.モレイラ騎手に導かれて勝利した。よほどドバイの芝が合うのか、3年連続で同レースに出走して2年目、3年目も2着と好成績を残した。

アニメ注目ポイント

ヴィブロスと言えば、やはりドバイだろう。公式プロフィールにもドバイのレースに出走するのが目標と書かれているとおり、ヴィブロスを育成可能となった暁には、アプリ内でドバイのレースに挑戦できるようになるのかもしれない。2019年にはシュヴァルグランと一緒にドバイへ遠征しているし、ウマ娘内でも姉妹揃っての遠征が実現するか楽しみである。

偉大な母ハルーワスウィート

名繁殖牝馬として名を残す

シュヴァルグランとその姉妹の史実馬の馬主は「大魔神」の愛称で有名な元プロ野球選手の佐々木主浩氏。

ハルーワスウィートは現役時代、尻尾のない馬(先天的に尻尾がなかった)として人気があった。佐々木氏がその現役時代のハルーワスウィートのファンだったことから、その仔をセリで購入したというのは有名な話である。

サンデーサイレンス系の種牡馬との相性がよく、そのうちヴィルシーナ、シュヴァルグラン、ヴィブロスの三頭がG1馬に。近年でも屈指の名繁殖牝馬と言われる。

紡がれる物語

さらに、ハルーワスウィート産駒では先日3勝目をあげたグランヴィノス(父キタサンブラック)や、ヴィルシーナの娘であるディヴィーナ、11月の新馬戦を1番人気で快勝したヴィブロスの仔シヴァースなどが現役で活躍中(2023年12月現在)。そして種牡馬シュヴァルグランの産駒も今年から続々とデビューしている。

ハルーワスウィートの血を引くファミリーの物語はまだまだ紡がれていく。