競馬好きのライターが送るウマ娘コラム第49回。今回は、メジロ家を代表する名牝「メジロドーベル」について熱く語ります。
メジロ家を代表する名牝
メジロの結晶
前回のメジロパーマーに続き、メジロ家のご令嬢から登場するのは最近追加された夏バージョンの衣装も眩しいメジロドーベル。
ウマ娘に登場するメジロ家のキャラクター達の中でもクールビューティーな外見と振る舞いで高い人気を誇るドーベル。史実では牝馬として当時歴代最多のG1レース5勝をあげるなどメジロを代表する名牝の一頭である。
牝馬同士でめっぽう強い女王
引用元:JRA日本中央競馬会
メジロドーベルの特徴としてよく語られるのは、対牝馬同士での強さ。牝馬限定戦では11戦8勝2着2回3着1回とパーフェクトに近い成績を残しているのに対し、牡馬との混合戦では10戦2勝という偏りようである。それがウマ娘でも「男性が苦手」というキャラ設定に活かされているわけだ。
牡馬との混合戦ではなかなか実力を発揮できなかった反面、牝馬同士での強さは特筆ものだった女王メジロドーベルの史実を追っていく。
ライアンの娘はメジロの結晶
血統
メジロドーベルの父はメジロライアン。言わずと知れたメジロ御三家の一角として抜群の人気を誇ったライアンの初年度産駒の一頭である。母メジロビューティーもまた高い素質を見込まれた期待馬だったが、故障で早期に引退して繁殖入りした。ともにメジロ牧場で生産された父母から産まれたドーベルは、メジロ牧場の結晶のような血統と言えるだろう。
ちなみに同じライアンの初年度産駒では牡馬のメジロブライトが同期であり、ウマ娘のゲーム内でも仲が良いことで知られている。
出生と仔馬時代
母メジロビューティーの血液型が医学的な検査により特殊であることが判明。それが原因で、産まれた直後に免疫の問題が生じていたドーベル。この問題は母ビューティーとは別の繁殖牝馬から初乳を授かることで免疫を得ることに成功して乗り越えた。
しかし、産まれた年の年末頃にこんどは育成牧場で骨折し、これが治療の難しい箇所(球節)だったことで全身麻酔の大手術が施されたうえ長期に渡る療養が必要となった。
2歳時
ゆかりの厩舎へ
幼少期の困難を乗り越え無事に成長した牝馬はメジロドーベルと名付けられた。この年のメジロ牧場の牝馬には戌年にちなんだ名前がつけられ、犬種のドーベルマンからとられた。
メジロドーベルは、母メジロビューティーが短い現役生活を送ったのと同じ大久保洋吉厩舎へ入厩。祖母メジロナガサキ、曾祖母メジロボサツは大久保洋吉調教師の父大久保末吉厩舎の所属だった。代々メジロ牧場との繋がりが深いゆかりの厩舎である。
メイクデビュー
デビューは7月の新潟競馬場で行われた芝1000m新馬戦。牝馬限定戦だった。鞍上は、大久保洋吉厩舎所属でデビュー3年目の若手ジョッキー吉田豊騎手。以後、メジロドーベルのすべてのレースに騎乗するパートナーだ。
4番人気の評価だったが、先行抜け出しから2着に3馬身差をつけて鮮やかなデビュー勝ちをおさめた。
重賞挑戦
2戦目は中山競馬場で行われた新潟3歳ステークス(芝1200m)に出走。新馬戦での鮮やかな勝ちっぷりから3番人気に支持されるが、道中狭くなる不利なども影響してか5着に敗れた。
連勝
自己条件に戻って1勝クラスの牝馬限定戦サフラン賞(東京芝1400m)に出走。1番人気に応え、3番手から楽に抜け出して快勝した。
オープンクラスに入ると、東京競馬場のいちょうステークス(芝1600m)でマイル戦を経験。ここでは2番人気に甘んじたが、またも好位から抜け出す危なげないレースぶりで連勝を記録した。
阪神3歳牝馬ステークス
4戦3勝。有力馬の1頭としてG1阪神3歳牝馬ステークス(現阪神ジュベナイルフィリーズ)に出走。抜けた1番人気のシーキングザパールに次ぐ2番人気の支持を集めた。
スタートすると、最内1番枠から3番手につけたシーキングザパールをマークするように5番手集団に落ち着く。淀みないペースで進むなか、最終コーナーで早くも手応えが怪しくなったシーキングザパールを交わして直線へ。
粘り込みを図るスーパードレスを捉えて先頭に躍り出ると、外から迫ったシーズプリンセスに2馬身差を保ったままゴール。従来のレースレコードを0.1秒更新する好タイムを叩き出して世代最初の女王の座を獲得した。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
鞍上の吉田豊騎手は嬉しい重賞初勝利がG1初制覇となった。また大久保洋吉厩舎にとっても初のG1タイトルだった。
3歳時
最優秀3歳牝馬
5戦4勝でシーズンを締めくくったメジロドーベルは、年が明けると最優秀3歳牝馬に選出された。なお、馬齢の表記が紛らわしいが、当時の馬齢表記の3歳=現在の2歳にあたる。
チューリップ賞
ここからは馬齢表記を現代に合わせるとしよう。2歳女王の始動戦は桜花賞トライアルのチューリップ賞。ドーベルの単勝オッズは1.3倍の断然人気。
ところが、レースでは吉田豊騎手が終始なだめながら走るも制御が効かずかかってしまった。消耗したドーベルは直線でいつものような伸びはなく3着に終わった。クラシック本番に向けて不安の残る結果だった。
桜花賞
牝馬クラシックの第一冠目、桜花賞。1番人気は別路線を歩んできたキョウエイマーチ。トライアルの4歳牝馬特別(1400m)で7馬身差をつけて圧勝してきた快速馬だ。
あいにくの雨で馬場は不良まで悪化。大外8枠18番から強引気味にキョウエイマーチが位置取り争いに加わり、先手を取ったミニスカートの2番手につける。同じピンクの帽子8枠16番のメジロドーベルは出足が鈍く後方集団から。最初のコーナーを15番手という後方の位置取りで通過した。
キョウエイマーチが2番手からまだ余裕の伺える手応えで最終コーナーを周る。メジロドーベルも3コーナーから徐々に進出し、最終コーナーではこちらもいい手応えで5番手付近まで上がってきた。
最後の直線、先に抜け出したキョウエイマーチが内ラチ沿いを通って大きくリードを保つと、大外から2番手まで上がったメジロドーベルはそれ以上差を詰めることはできなかった。2着メジロドーベルに4馬身差をつけたキョウエイマーチが桜の女王の座を獲得した。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
オークス
牝馬クラシック二冠目のオークス。距離が一気に800m延びることに対し、桜花賞の1,2着馬はともに1600mまでしか経験しておらず未知数だった。
スタートすると、スピードの違いでキョウエイマーチが自然とハナを奪う。メジロドーベルは中団より後方の位置取りで折り合い末脚にかける。
キョウエイマーチが先頭をキープしたまま府中の長い直線を迎えると、早々に手応えがなくなり後退。かわって中団で脚を溜めていたメジロドーベルが馬場の真ん中から堂々と抜け出すと、2番手以下を突き放してそのままゴール。桜花賞の雪辱を果たして樫の女王の座についた。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
秋初戦、オールカマー
夏を休養にあて、秋のローテーションはオールカマーから目標の秋華賞を目指す。トライアルレースではなく、レース間隔や輸送を考慮して古馬との対戦を選択した。
初の古馬、それも秋の中距離路線を目指す牡馬との戦いとなったが、古馬の中心格は南関東・大井出身のアブクマポーロ。ダートでは最強クラスとなる馬だったが、芝は未知数だった。その結果、3歳牝馬のメジロドーベルが1番人気となった。
レースでは、ドーベルと吉田豊騎手のコンビがふたたび不安な面を覗かせた。ドーベルは序盤から行きたがり、やむを得ず逃げる形に。ナリタブライアン世代の古豪ヤシマソブリンらをおさえ、地力を見せてそのまま逃げ切り勝ちをおさめた。
秋華賞
牝馬三冠の最終戦・秋華賞。オールカマーを勝ったメジロドーベル、トライアルのローズステークスを勝って2000mの距離を克服したキョウエイマーチの最終決戦となった。
1番人気は樫の女王メジロドーベル。2番人気に桜の女王キョウエイマーチ。
スタートすると、外枠から2番手につけるキョウエイマーチ。メジロドーベルは控えて中団へ。行きたがる素振りも見せず折り合いに問題はなさそうだ。離れた2番手を追走したキョウエイマーチが最終コーナーで早くも先頭に並びかけると、外を周ったメジロドーベルも好位まで順位を上げて射程圏内に捉える。
内ラチ沿いいっぱいを逃げるキョウエイマーチ、外から襲いかかるメジロドーベル。最後の100メートル付近でメジロドーベルがキョウエイマーチを交わし、2馬身半突き放してゴール。春の女王対決を制して牝馬二冠を達成した。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
牝馬三冠路線を盛り上げたメジロドーベルとキョウエイマーチの対決はメジロドーベルに軍配が上がり、これが最後の直接対決となった。キョウエイマーチはこのあとマイル・短距離路線を歩んでゆく。
有馬記念
秋華賞後は年末のグランプリ有馬記念に出走。ファン投票3位の得票数を集めてのものだった。
中心は、古馬中距離路線の主役の一角を歩んできたマーベラスサンデー(1番人気)と、女帝エアグルーヴ(2番人気)。ひとつ上の世代のオークス馬エアグルーヴは、この年牡馬に混じって王道のG1路線を歩み、見事に天皇賞(秋)を制覇。前走ジャパンカップ2着からの参戦だった。
この年の有馬記念に参戦した牝馬は三頭。もう一頭は、ドーベルの二つ上の世代のオークス馬ダンスパートナー。三世代のオークス馬が集結していたわけだ。
グランプリレースにふさわしいメンバーが揃った有馬記念を制したのは、上記3頭ではなく4番人気に支持されていた当年のダービー2着馬シルクジャスティス。エアグルーヴとマーベラスサンデーとの熾烈なゴール前での接戦を制してG1初制覇を果たした。
ドーベルは直線でいつもの末脚を発揮することができずに8着に終わった。オークス馬3頭の着順は、エアグルーヴ3着、メジロドーベル8着、ダンスパートナー14着。各世代を代表する牝馬たちの挑戦は、牡馬の厚い壁に阻まれた。
4歳時
最優秀4歳牝馬と最優秀父内国産馬
年が明けてJRA各賞が発表されると、ドーベルは牝馬二冠と桜花賞2着の実績により文句なしの最優秀4歳牝馬を受賞。また最優秀父内国産馬もダブル受賞し、父ライアンの種牡馬としての名声を高めた。
厳しいスタート
4歳になると、歴戦の古馬たちや牡馬に混じって中距離路線を歩むドーベル。シーズン初戦のG2日経新春杯(京都2400m)は、後方待機から見せ場なく8着に敗退。1番人気に応えることができなかった。
女帝との再戦
続くG2産経大阪杯(阪神2000m)では、女帝エアグルーヴと有馬記念以来の再戦となる。単勝1.2倍の圧倒的1番人気エアグルーヴに対し、ドーベルは人気を落として3番人気。
レースでは好位から抜け出した横綱相撲のエアグルーヴに3/4馬身まで詰め寄っての2着。スローペースに苦しんだが久しぶりに存在感を示す内容だった。
古馬の壁
G2目黒記念(東京2500m)ではまたも人気を下回る5着に凡走。4歳になっていまだ勝ち星のないまま春の目標レース宝塚記念に参戦した。
1番人気は覚醒したサイレンススズカ。そして2番人気に同期の牡馬メジロブライト。3番人気エアグルーヴとは3度めの対戦だ。
サイレンススズカの逃げを2番手で追走したドーベルは、直線でもしぶとく伸びたがサイレンススズカを捕まえることはできず、後ろからエアグルーヴらに交わされて5着だった。
牝馬限定戦で復活V
夏を休養にあて、秋はエリザベス女王杯を目標に始動。その足がかりとしてG3府中牝馬ステークス(東京1800m)で復帰した。
重賞2勝のランフォザドリームや良血グレースアドマイヤなどを相手に、さすがに実績は1枚も2枚も勝るメジロドーベルは1.7倍の1番人気。58キロの重い斤量とは言え、エリザベス女王杯へ向けて牝馬同士なら負けられない立場だ。
そして、グレースアドマイヤにハナ差まで詰め寄られたものの何とか凌ぎきって勝利。前年の秋華賞以来となる、1年ぶりの勝ち星をもぎ取った。
エリザベス女王杯
秋初戦を勝って上向きのメジロドーベルを待ち受けるのは、実に4度目の対戦となるエアグルーヴ。これまで3戦ではすべてエアグルーヴが先着していた。
最内1番からスタートすると、3番エアグルーヴをマークするように抑えて中団に待機。しかし、スローペースに耐えかねたメジロドーベルは掛かり気味に前へ進出。吉田豊騎手は終始手綱を引っ張り通しで懸命にドーベルをなだめた。
どうにか折り合いをつけて3番手集団で最終コーナーを周る。エアグルーヴもほぼ同じ位置まで上がってきた。
内に潜り込んだドーベル、外に出したエアグルーヴというポジションで最後の直線へ。先に抜け出したランフォザドリームめがけて、内からメジロドーベル、外からエアグルーヴが襲いかかる。そして内から鋭く伸びたメジロドーベルがランフォザドリームを差し切ってゴール。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
エアグルーヴは最後の伸びを欠いて3着まで。4度目の対戦で初めて女帝に先着したメジロドーベルは、牝馬として当時最多となるG1レース4勝目をマークした。
有馬記念
前年に続いて出走した有馬記念では、やはり気難しさを出してしまい9着。牡馬との混合戦ではどうしても気性面の課題がネックとなり力を発揮できないドーベルだった。
なおこの有馬記念での5着を最後にエアグルーヴが引退。勝ったグラスワンダーら黄金世代の台頭と入れ違いに、ひとつの時代を作った女帝がターフを後にした。
最優秀5歳以上牝馬
エリザベス女王杯を勝ったことが評価され、この年G1未勝利だったエアグルーヴや海外G1を制したシーキングザパールをおさえて最優秀5歳以上牝馬を受賞し、これで3年連続でのJRA賞受賞となった。
5歳時
中山牝馬ステークス
5歳となったメジロドーベルは現役を続行。年明けの初戦に牝馬限定のハンデ戦G3中山牝馬ステークスに出走するが、G14勝馬はさすがに重いハンデを背負って2着に敗れた。ドーベル58.5キロに対し、勝ったナリタルナパークのハンデは53キロ。5.5キロのハンデ差は大きかった。
ちなみにメジロドーベルが牝馬限定戦で負けたのは桜花賞2着以来。この間は牡馬混合戦でもエアグルーヴ以外の牝馬に先着を許していなかった。
長期休養
中山牝馬ステークス後に外傷を負って戦線を離脱。春シーズンを棒に振る長い休養となった。
ドーベルが復帰したのは秋、10月の毎日王冠だった。休み明けと牡馬との戦いはドーベルにとって容易ではなく復帰戦は6着。グラスワンダーや、年下の牝馬スティンガーにも先着を許した。
エリザベス女王杯
長期休養明けを一度使われて調子も上向いたメジロドーベルは、連覇のかかるエリザベス女王杯に出走。1番人気は前年の二冠牝馬ファレノプシス。これがドーベルとの初対戦だった。
対するドーベルは調子の良さも認められ2番人気。この馬の牝馬同士の強さを考えると前走の敗退もそれほど悲観するものではなかった。
3枠6番メジロドーベルはスタートすると中団に控える。少し前にファレノプシスを見ながらレースを進める。スローペースで馬群が固まった状態で中盤に差し掛かると、少し行きたがる素振りでメジロドーベルが徐々に進出。ファレノプシスに並んでいった。
最終コーナーを周って最後の直線へ。内で我慢していたドーベルの前が開けると、吉田豊騎手は迷うことなくゴーサインを出す。馬場の真ん中を最後まで力強く伸びて、余裕を持って差し切った。
レース映像
引用元:JRA公式チャンネル
連覇達成
エリザベス女王杯の連覇は史上初。そしてG1勝利数を5に延ばして自身の持つ牝馬としての最多G1勝利数を更新した。また、4年連続でのG1制覇はマックイーンと並ぶタイ記録。数々の記録を打ち立て、名実ともにメジロを代表する名馬となった。
引退
エリザベス女王杯を勝ったことで、これをもっての引退が決定。
繰り返しになるが、牝馬限定戦の成績は11戦8勝2着2回3着1回。キョウエイマーチ、シーキングザパール、エアグルーヴにファレノプシス。同じ時代に走った強豪牝馬たちをほとんど負かしたと言っていいだろう。メジロの結晶は、女王の座を最後まで守り通して有終の美を飾ったのだった。
ありがとう、ウマ娘。
ありがとう、メジロドーベル。
史実のメジロドーベル
基本情報 | 1994年5月6日生 牝 鹿毛 |
---|---|
血統 | 父 メジロライアン 母 メジロビューティー(父パーソロン) |
馬主 | メジロ商事 |
調教師 | 大久保洋吉(美浦) |
生産牧場 | メジロ牧場(北海道伊達市) |
通算成績 | 21戦10勝 |
主な勝ち鞍 | ’96阪神3歳牝馬ステークス、’97オークス、秋華賞、’98,’99エリザベス女王杯 |
生涯獲得賞金 | 7億3342万円 |
エピソード① 4年連続受賞
エリザベス女王杯を制して引退したメジロドーベルは、最後の年も最優秀5歳以上牝馬に選出された。4年連続でJRA賞を受賞した史上始めての競走馬となった。
エピソード② メジロ牧場解散後も支え続ける
引退後は繁殖牝馬となり、述べ10頭におよぶ仔を産んだ。ディープインパクトとの12冠ベビーなど期待の良血馬を送り出したが、期待されたほどの活躍馬を排出することはできなかった。
メジロ牧場解散後もレイクヴィラファームに引き継がれ、孫の世代からはショウナンラグーンという重賞勝ち馬も誕生。現役のフラワーカップ勝ち馬ホウオウイクセルなど、今でもドーベルの血を継ぐ子孫たちが走っている。
そんなドーベルは繁殖牝馬を引退後もリードホース(保育係みたいな役割)として牧場に貢献し続け、2022年7月現在の今でも健在だ。
エピソード③ ベルちゃんと呼ぶ厩務員
入厩当初からドーベルを担当したのは、堀口良吉厩務員だった。
「ベルちゃん」と呼んで手塩にかけて世話をしたドーベルはG1阪神3歳牝馬ステークスを勝ってその労に報いたが、堀口氏はその翌年の1月に倒れ、ドーベルの牝馬クラシックでの戦いを見ることなく2月に帰らぬ人となった。
後を継いだ安瀬良一厩務員は必死にドーベルとの信頼関係を築き、やがて気難しい彼女の心を開かせたが、担当を引き継いで最初のチューリップ賞で吉田豊騎手と折り合いを欠いて暴走気味になるなど前途多難だった。
一時は重圧に眠れない日々を過ごしたという話からは、一流馬を預かる厩舎スタッフの責任とプレッシャーの大きさを窺い知ることができる。
今週の一枚
今週のベストショットはこちら。何度も挑戦を跳ね返された女帝エアグルーヴに一矢報いたエリザベス女王杯。
名牝同士の対決は、エアグルーヴの主戦・武豊騎手とメジロドーベルの主戦・吉田豊騎手の『豊』対決としても注目された。
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ディープインパクト | 緑スキル持ちの競走馬たち |
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宝塚記念 | 秋華賞 |
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