第25回:世紀末覇王、テイエムオペラオーの物語

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【ウマ娘】第25回:世紀末覇王、テイエムオペラオーの物語

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【ウマ娘】第25回:世紀末覇王、テイエムオペラオーの物語

競馬好きのライターが送るウマ娘コラム第25回。今回は、世紀末覇王「テイエムオペラオー」について熱く語ります。

目次

ウマ娘きってのおバカキャラ

なんでこうなった?

第25回:世紀末覇王、テイエムオペラオーの物語の画像

テイエムオペラオーと言えば、ウマ娘のなかでも1,2を争う陽気なキャラクターだ。セリフや態度は常に芝居がかっていて大袈裟、少々自信過剰が過ぎることもあるが、いつも響き渡っている高笑いは彼女の前向きで陽気な性格を物語っている。

筆者のなかではゴルシ、バクシンオーと並ぶウマ娘界の三大おバカキャラという位置づけ(褒めてる)であると同時に、元気をくれるキャラクターの一人でもある。

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テイエムオペラオーの育成ストーリーは、とにかく明るくて楽しい。しかし、時に核心をついたような言葉を発してトレーナーやライバルがハッとする場面もあったりするのだ。そして最近ではUGランクを超えるようなハイレベルな育成をテイエムオペラオーで達成するトレーナーが現れるなど、その実力も折り紙付きである。

世紀末に君臨した絶対王者

ミレニアムイヤーを席巻

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引用元:JRA日本中央競馬会

テイエムオペラオーの覇王たる所以はもちろんその驚異的な実績にある。シンボリルドルフ以来のG1レース7冠達成、歴代最高獲得賞金(当時)など数々の大記録を残しているが、今でも伝説として語り継がれているのが、2000年に成し遂げた8戦全勝という驚異的な年間成績である。それに含まれる年間G1勝利数5勝も、年間重賞8勝も年間最高獲得賞金も未だ破られていない、不滅の大記録だ。

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世紀末、それも1000年に一度のミレニアムイヤーに、文字通り覇権を握り王となったのがテイエムオペラオーなのである。

デビュー前

普通の馬

仔馬時代のテイエムオペラオーは、血統も馬体もあまり目立たない普通の馬だった。事実、セリではスタート価格からひと声の1050万円で落札されている。ただし、この時に購入したオーナーの竹園氏は、牧場でひと目見た時から「光り輝いて見えた」と同馬に惚れ込んでいたそうだ。明るい栗毛が綺麗な細身の仔馬だった。

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命名、テイエムオペラオー

オーナーとなった竹園氏は、自身の冠名である「テイエム」に父オペラハウスからとった「オペラ」そして、王になってほしいという願いを込めて「テイエムオペラオー」と名付けた。

2歳時

メイクデビュー

テイエムオペラオーは、オーナーの竹園氏とは幼馴染じみの関係で、多くの所有馬を預けていた栗東の岩元市三厩舎に入厩。本格的な調教が開始されるとすぐに素質を感じさせる動きを見せた。8月15日の新馬戦(芝1600m)でデビューを迎える。騎手は厩舎所属の若手ジョッキー和田竜二騎手。ここから引退までテイエムオペラオーのすべてのレースで騎乗することになる。

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テイエムオペラオーは調教での素晴らしい走りを評価され、単勝1.5倍という圧倒的1番人気でデビューするものの、勝ち馬に6馬身離された2着に敗退。レース後に骨折が判明し、デビュー早々から長期休養を余儀なくされる。

3歳時

復帰

復帰したのは5ヶ月後、年が明けてテイエムオペラオーは3歳になっていた。復帰初戦のダート1400m未勝利戦で4着のあと、3戦目のダート1800m未勝利戦で初勝利をあげる。そしてデビュー戦以来の芝レースに戻った1勝クラスのゆきやなぎ賞(阪神・芝2000m)に勝ってようやく軌道に乗る。

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初重賞挑戦

2連勝で勢いに乗ると、初重賞挑戦となったG3毎日杯(阪神・芝2000m)。3番人気のテイエムオペラオーは4馬身差をつける快勝で重賞制覇を飾り、一躍クラシック候補の一角に名乗りを挙げた。なお、この時点でテイエムオペラオーはクラシック登録をしていなかったため、200万円の追加登録料を支払うことで皐月賞への出走が可能となった。

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皐月賞

3連勝で迎えるクラシック一冠めの皐月賞。テイエムオペラオーは5番人気の伏兵という位置づけだ。1番人気は超良血馬で武豊騎手騎乗のアドマイヤベガ。そのアドマイヤベガを前哨戦の弥生賞で破り重賞2連勝中のナリタトップロードが2番人気。

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レースがスタートすると、人気の2頭は中団に待機し、さらにその後方からテイエムオペラオーという隊列で進む。3,4コーナーの勝負どころでアドマイヤベガが上がっていくと、その外からテイエムオペラオーとナリタトップロードも並んで上がっていく。直線入り口でゴチャついた影響で進路を失ったアドマイヤベガに対し、一番外から鋭く伸びたのはテイエムオペラオー。先に抜け出したオースミブライトを急襲し、ゴール直前で交わして勝利をもぎ取った。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

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日本ダービー

クラシック二冠めの日本ダービー。皐月賞を豪快な差し切りで制したテイエムオペラオーは3番人気。際どい3着だったナリタトップロードが1番人気。不利が響いて6着に終わったアドマイヤベガは2番人気となっていた。

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この三頭による三強対決(皐月賞2着のオースミブライトを加えて四強と見る向きもあった)が注目を集めたダービーは、今度はアドマイヤベガが皐月賞の悔しさを晴らすような走りを見せる。中団につけていたテイエムオペラオーが直線半ばで一旦抜け出すが、後方から追い込んできたナリタトップロードとアドマイヤベガが並び三頭の激しい叩き合いとなる。最後はアドマイヤベガがグイッと前に出たところでゴール。ナリタトップロード、テイエムオペラオーと続き春の三強対決は幕を閉じた。

レース映像

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引用元:JRA公式チャンネル

菊花賞へ向けて

夏場は休養に当て、秋の大目標となる菊花賞で二冠取りを目指す。三強はそれぞれ秋初戦を迎え、京都新聞杯では早速アドマイヤベガとナリタトップロードが激突。アドマイヤベガ1着、ナリタトップロード2着という滑り出しを見せていた。

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一方、テイエムオペラオーは古馬との対戦を選択して京都大賞典から始動。待ち受けていたのはスペシャルウィーク、メジロブライト、ステイゴールドといった強豪古馬達だ。1番人気のスペシャルウィークが伸びあぐねる中、それをマークしていたテイエムオペラオーも僅差の3着。勝ち切ることができなかった。

菊花賞

クラシック最後の一冠、菊花賞。順調な滑り出しを見せたアドマイヤベガに続く2番人気の支持を集めたテイエムオペラオー。ナリタトップロードが3番人気で続く。

レースを制したのは、これまでより前めの位置取りで積極的なレース運びを見せたナリタトップロード。皐月賞3着、ダービー2着を経て悲願を達成した。先に抜け出したナリタトップロードに対し、テイエムオペラオーは進路を探すのに手間取ったことも響いて2着まで。最後に猛追した末脚は目立っていただけに惜しい敗戦だった。3着にはサイレンススズカの弟ラスカルスズカが入り、6着に終わったアドマイヤベガにとっては結果的に現役最後のレースとなった。(翌年、レースに出走することなくケガで引退するため)

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

三強が揃って三冠レースすべてに出走し、この最後の一冠をナリタトップロードが勝ったことで仲良く一冠ずつ分け合うことになった。

惜敗続きで乗り替わり危機

テイエムオペラオーはダービーから3,3,2着と惜敗続き。必勝を期して長距離のG2ステイヤーズステークスへ出走するが、1.1倍の断然人気に応えることができずに2着と勝ちきれなかった。

ダービーから惜敗が続き、若い和田騎手の騎乗が批判されることもあった。オーナーの竹園氏からも乗り替わりの打診があったが岩元調教師は頑なにこれを拒否。テイエムオペラオーとともに成長途上である和田騎手を乗せ続けるよう説得した。

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有馬記念

秋はすでに3戦を消化し、そのまま休養に入ることも検討されたが、有馬記念への出走を決断。

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この年の有馬記念はグラスワンダーとスペシャルウィークによる稀に見る接戦となったが、2頭とタイム差なしの3着に入ったテイエムオペラオーは、ひとつ上の黄金世代にも引けを取らない可能性を垣間見せた。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

2000年、世紀末覇王伝説

久しぶりの勝利

20世紀最後の年、2000年になった。4歳となったテイエムオペラオー伝説の1年が始まる。

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G2京都記念、三強としてしのぎを削ったナリタトップロードを接戦の末にクビ差退け勝利。皐月賞以来となる久しぶりの勝利を手にすると、ここからテイエムオペラオーの快進撃が始まった。

2連勝 阪神大賞典

勝利の味を思い出したテイエムオペラオーは、続くG2阪神大賞典で再びナリタトップロードやラスカルスズカに2馬身半の差をつけて重賞2連勝。天皇賞(春)へ弾みをつける快勝だった。

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ちなみにこのレースは1着テイエムオペラオー、2着ラスカルスズカ、3着ナリタトップロードの複勝はすべて100円元返し、さらには3通りのワイド馬券も100円元返しという珍記録だった。

3連勝 天皇賞(春)

前走の阪神大賞典とほぼ同じような顔ぶれとなった天皇賞で、1番人気に支持されたテイエムオペラオーと、昨秋の惜敗続きから脱却した和田騎手。本番の天皇賞でも落ち着いたレース運びを見せる。

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中団待機から、2周めの3,4コーナーで前へ進出すると、直線で粘るナリタトップロードとの競り合いを制し、追いすがるラスカルスズカを退け先頭でゴール。3連勝で皐月賞以来となる2つ目のG1勝利を掴み取った。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

新たなライバル登場

4連勝 宝塚記念

クラシックを争ったアドマイヤベガは宝塚記念を前にケガで引退し、ナリタトップロードには3戦連続で勝利。再び頂点の座に登り詰めたテイエムオペラオーの前には、新たなライバルが現れる。メイショウドトウである。同い年ながら、出世が遅かったためにようやく表舞台に辿り着いたところだったが、これから引退まで幾度となく同じレースで顔を合わせる終生のライバルになる相手だ。

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この宝塚記念は、ひとつ上の黄金世代で現役を続けていたグラスワンダーの引退レースとなり、世代交代がより明確になった一戦と言える。先行から早めに抜け出したラスカルスズカを巡って、テイエムオペラオー、メイショウドトウらが押し寄せる。最後はメイショウドトウとの接戦をものにしたテイエムオペラオーが4連勝で春のグランプリレースを制した。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

なお2強対決と目されたグラスワンダーはレース中に骨折を発症しており、これが引退レースとなった。

5連勝 京都大賞典

春シーズンを4戦全勝で締めくくったテイエムオペラオーは、夏の休養をはさんで秋は京都大賞典から王道を歩むローテーション。京都大賞典ではライバルの一頭ナリタトップロードをアタマ差で退けて白星発進を決めた。

6連勝 天皇賞(秋)

一方、宝塚記念2着のメイショウドトウもG2オールカマーから始動し、この秋の飛躍を期待させる快勝。天皇賞ではテイエムオペラオーにつづく堂々の2番人気の支持を集めていた。

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メイショウドトウは逃げ馬から離れた3番手集団の先行策。それを直後で見る位置にテイエムオペラオー。府中の長い直線に入ると、楽な手応えで抜け出すメイショウドトウに、外からテイエムオペラオーが並びかける。そしてあっさり交わして突き放すと、2馬身半の差をつけて完勝。連勝を6に伸ばすとともに、天皇賞春秋連覇の偉業を成し遂げた。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

7連勝 ジャパンカップ

天皇賞での盤石な勝利から、いよいよ敵う相手が見当たらない状況になっていた。そんな中、ジャパンカップには外国馬や下の世代のクラシックホース達が集結。外国馬も含めて、みな打倒テイエムオペラオーに燃えていた。

しかし、テイエムオペラオーは敗けない。メイショウドトウ、外国馬ファンタスティックライトとの壮絶な叩き合いを制して優勝。並んだら絶対に抜かせない気迫を感じさせる勝利だった。2着はまたしてもメイショウドトウ。これでテイエムオペラオーに対しては宝塚記念から3連敗。すっかり2着が定位置になってしまっていた。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

8連勝 有馬記念

いよいよ、2000年を締めくくる大一番が訪れた。ここまで負けなしの7戦7勝。有馬記念を勝てば、秋の古馬中長距離G1の3連勝で報奨金も用意されている。それどころか、年間の古馬中長距離路線のG1を総ナメするという前人未到の大記録への挑戦だった。相手はもはやお馴染みの面々ばかり。ジャパンカップで最後まで食い下がったメイショウドトウが最大の脅威だった。

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好スタートを決めたかに見えたテイエムオペラオーだったが、あれよあれよと順位を下げていき、気づいたら後ろから3頭目の位置取りになっていた。そして道中は常に行き場のない苦しい展開のまま最終コーナーを迎える。

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直線に向くと、ライバルのメイショウドトウは中団から仕掛けて先に抜け出す構えだが、テイエムオペラオーは馬群の真ん中で隙間を探していた。これはさすがに間に合わないか?という状況に見えたが、ようやく馬群を縫うように伸びてくると、最後はメイショウドトウと並んでゴール。わずかにハナ差届いていた。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

数々の記録を樹立

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有馬記念の勝利により、テイエムオペラオーがこの年に達成した数々の記録は完全なものとなった。8戦8勝。うちG15勝。重賞8連勝。年間獲得賞金は報奨金ボーナスを加えて10億を超えた。なんと言っても、古馬中長距離のG1を完全制圧した馬は後にも先にもテイエムオペラオーただ一頭だ。

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5歳時

連勝ストップ

5歳になったテイエムオペラオーは、G2産経大阪杯から始動。雪の影響などで調整が遅れており、状態面は万全とは言えなかった。しかしながら、世紀末覇王が負けるような相手も見当たらず、当然のように連勝を伸ばすものだと思われた。が、連勝は意外なほどあっけなくストップした。4着。世紀末覇王にとっては苦しい21世紀の幕開けとなった。

天皇賞(春)

テイエムオペラオーとは対象的にメイショウドトウは日経賞を快勝。万全の態勢で天皇賞へ駒を進めていた。また、しばらく成績が上がらず目立たなかったナリタトップロードが阪神大賞典で8馬身差の圧勝を収めて復活を遂げ、メイショウドトウを抑えて2番人気の支持を得ていた。

それでもテイエムオペラオーは王座を守り抜く。中団からやや苦しい手応えで直線を迎えると、しぶとく伸びてメイショウドトウ以下後続を振り切って優勝。天皇賞(春)連覇を達成すると同時に、シンボリルドルフ以来となる7冠の勲章を手にした。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

メイショウドトウついに

宝塚記念

テイエムオペラオーが連覇を飾った天皇賞の2着馬は当たり前のようにメイショウドトウ。これで実に5度目の2着である。前年の宝塚記念から出走したすべてのG1で2着。いずれのレースも勝ったのはもちろんテイエムオペラオーだ。オペラオーさえいなければ・・・この馬も相当な名馬になれたかも知れない。

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そしてついにその時が来た。1年前、テイエムオペラオーと初めて顔を合わせた舞台。メイショウドトウ(陣営)は積もりに積もった雪辱に燃えていた。

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道中5番手につけたのはメイショウドトウ。それをやや後ろで追いかけるテイエムオペラオーという位置取り。メイショウドトウが早めに仕掛ける。最終コーナーで先頭に並びかけて直線へ。テイエムオペラオーはやや反応が遅れてまだ後方のままだ。いや、しかし。このような態勢から最後はテイエムオペラオーが勝つシーンを見続けてきた。ようやくエンジンが掛かったテイエムオペラオーが差を詰める。今回もまた・・・と思ったのも束の間、メイショウドトウ先頭のままゴールが訪れた。ついに、初めてテイエムオペラオーに先着を果たしたメイショウドトウが悲願のG1制覇を成し遂げた。

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レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

世代交代の波

天皇賞(秋)

宝塚記念の後はテイエムオペラオー、メイショウドトウともに休養でリフレッシュ。秋はともに王道のG1戦線を歩む。秋初戦の京都大賞典をステイゴールドの失格によって辛くも勝ったテイエムオペラオーは、未踏の8冠を目指していた。

あいにくの雨の中、重馬場となった府中で躍動したのは、テイエムオペラオーでもメイショウドトウでもなく、芝ダート兼用の万能馬アグネスデジタルだった。テイエムオペラオーがライバルのメイショウドトウをきっちりと交わしたところで、この伏兵の差し脚に屈して2着となった。

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ジャパンカップ

前年の宝塚記念から続いていたテイエムオペラオーとメイショウドトウによる上位独占が終わり、その流れは止めることができなかった。3歳のダービー馬ジャングルポケットに対し、直線で一騎打ちの末に敗けた。並んだら絶対に抜かせない、その勝負強さで数々の接戦をモノにしてきたテイエムオペラオーらしからぬ敗け方だった。

そしてメイショウドトウは5着。ついに、盟友はテイエムオペラオーのすぐ後ろの指定席から脱落してしまった。

有馬記念

テイエムオペラオーとメイショウドトウは、1年前に激闘を演じた有馬記念を最後に引退することが決まった。1番人気はテイエムオペラオー。2番人気にメイショウドトウ。ファンは長らくこの2頭による上位独占を飽きるほど見てきたし、だからこそテイエムオペラオーの8冠達成を最後まで信じていたのかも知れない。

そこにはアグネスデジタルもジャングルポケットも出ていなかったが、勝ったのは3歳馬のマンハッタンカフェだった。テイエムオペラオーは自身の最低着順となる5着に終わり、4着だったメイショウドトウに2度めの先着を許した。

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一緒に引退

有馬記念でラストランを終えたテイエムオペラオーとメイショウドトウは、年が明けた1月13日の京都競馬場で、合同引退式が執り行われた。日本の競馬史においてこれほどまで濃密なライバル関係にあった2頭をほかに知らない。

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ウマ娘では、自信たっぷりで超絶ポジティブなオペラオーと、自信がなくて超絶ドジっ娘のドトウ。新春イベントでもその凸凹コンビが繰り広げるストーリーにホッコリさせられたトレーナーも多かったことだろう。史実ではいつも真面目に全力で走っていたテイエムオペラオーの姿を思い浮かべて、そのあまりのギャップに戸惑いながらもあの高笑いに元気をもらうのだ。

ありがとう、ウマ娘。

ありがとう、テイエムオペラオー。

史実のテイエムオペラオー

基本情報1996年3月13日生 牡 栗毛
血統父 オペラハウス
母 ワンスウエド(父 Blushing Groom)
馬主竹園正繼
調教師岩元市三(栗東)
生産牧場杵臼牧場(浦河町)
通算成績26戦14勝
主な勝ち鞍’99皐月賞,’00天皇賞(春),宝塚記念,天皇賞(秋),ジャパンカップ,有馬記念,’01天皇賞(春)
生涯獲得賞金18億3,518万円

エピソード①和田竜二騎手

和田竜二騎手

デビューから引退までの26レースすべてに騎乗した和田竜二騎手。皐月賞でテイエムオペラオーとともにG1初制覇を果たした1999年当時まだ21歳の若武者であった。これほどの実績馬になると、負けが続いた後など、どこかでトップジョッキーに乗り替わりということが往々にしてあるのだが、テイエムオペラオーに関しては一貫して和田騎手が乗り続けた。

事実、菊花賞の惜敗後には乗り替わりの話が出たそうだが、調教師であり和田騎手の所属厩舎の調教師である岩元氏は「どうしても和田を降ろすというのなら転厩させるしかない」とオーナーに言うほどのこだわりを見せ、愛弟子を擁護したという逸話がある。

そして和田騎手は翌2000年の無敗記録などテイエムオペラオーとともに数々の偉業を達成したのである。

テイエムオペラオーとの約束

和田騎手とオペラオーのエピソードで思い出されるのは、引退式で和田騎手が語った思いだ。

「オペラオーにはたくさんの物を貰ったが、あの馬には何も返せなかった。これからは一流の騎手になって、オペラオーに認められるようになりたい」

~中略~

「次に会うのはオペラオー以外の馬でG1を勝利したら。真っ先にオペラオーに優勝報告をしに行く。」

このように語った和田騎手はその後は着々と勝利を積み重ね、JRA史上でわずか30名程度しか達成していない1000勝ジョッキーの仲間入りを果たす。しかしながら「オペラオー以外の馬でのG1勝利を報告に行く」という約束だけがなかなか果たせないでいた。

2018年5月17日、突然の別れが訪れた。テイエムオペラオーが心臓発作により亡くなってしまったのだ。22歳だった。

そのおよそ1ヶ月後の宝塚記念。勝ったのはミッキーロケットという馬だった。騎手は和田竜二。テイエムオペラオーが引退してから17年も勝てなかったG1レースを、和田騎手はついにオペラオー以外の馬で勝ったのだ。

ゴール後に涙を流す和田騎手。レース後の勝利騎手インタビューでは次のように語った。

「オペラオーが後押ししてくれたと思います。」

「勝ってオペラオーに報告したかったんですけど…まぁでも、、やっと…ね、胸張って行きたいと思います。」

第25回:世紀末覇王、テイエムオペラオーの物語の画像

エピソード②王者の讃歌。

王者の讃歌。

JRAポスター「ヒーロー列伝」のキャッチコピー。(ポスター画像はリンク先で見られる)


引用元:JRAポスター ヒーロー列伝(No.48)

このポスターが制作されたのは2000年夏の時点。まだ世紀末覇王への道が半ばに差し掛かったあたりだった。もしこれが翌年に作られていたならば、どんなキャッチコピーになっていたのだろうか。とてつもなくインパクトのあるものになっていただろう。

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ライターE
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BNW世代(93年~)から競馬を追いかけているガチガチの競馬ファン。最近は少し離れ気味だったが、ウマ娘をきっかけに競馬への情熱を取り戻す。
持ち前の競馬知識を活かして、ウマ娘ファンと競馬の間の橋渡しに少しでも貢献したいと思っている。

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