第5回:名優 メジロマックイーンの物語

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【ウマ娘】第5回:名優 メジロマックイーンの物語

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【ウマ娘】第5回:名優 メジロマックイーンの物語

目次

ウマ娘でも高い人気を誇るキャラ

『名優』マックイーン

メジロマックイーン

美しい銀髪を持つ名家のご令嬢というキャラクターで人気のウマ娘、メジロマックイーン。アニメではトウカイテイオーのライバルとして主役級の活躍、ゲームにおいてはメインストーリー第1章の主軸となっているため、思い入れのあるトレーナーも多いことだろう。マックイーンの名は有名なハリウッドスターからとられているのは有名な話だが、ウマ娘でも堂々メインキャストを務める名優である。

ゴルシとの関係

ゴルシは孫にあたる

ゴルシとマック

ウマ娘のアニメ、ゲーム内ではゴルシに妙になつかれてちょっかいを出されているが、史実の血統においてはゴールドシップの母の父、つまりお祖父ちゃんということになる。銀髪の可憐な少女をお祖父ちゃん呼ばわりしたら怒られそうだが、事実なので許して欲しい。

そして話を史実に戻すと、ゴールドシップが現役時代に勝利したG1のうち、菊花賞、天皇賞(春)、宝塚記念を自身も制覇した芦毛の名ステイヤーであった。

【用語解説】ステイヤー
長距離レースが得意な馬のこと

メジロ牧場の至宝 メジロマックイーン

天皇賞を勝つための血脈

マックイーン1

芦毛のステイヤーと言えば最近ではゴールドシップが代表的だが、それ以前において思い浮かぶのはこの馬を置いて他にいないだろう。何しろ史上初めて春の天皇賞を連覇した馬こそ、このメジロマックイーンである。

そして、ゲームのメインストーリー第1章および育成ストーリーでも天皇賞を勝つことが彼女の果たすべき使命のようなセリフが多用されているが、史実でもそれは宿命であるかのような血の物語があるのだ。

華麗なるメジロの一族について

メジロ家

ウマ娘プリティーダービーに登場する「メジロ〇〇」と冠名のつく娘は、マックイーンの他にライアン、パーマー、アルダン、そしてドーベルを加えて5頭がいる。そのうち、マックイーン、ライアン、パーマーは同世代、アルダンは2つ上である。ドーベルが登場するのはもう少し後の時代になる。メジロの冠名を持つメジロ牧場およびメジロ商事は2011年に牧場経営、馬主業から撤退してしまうのだが、特にマックイーンやライアン、パーマーらが活躍したこの時代は、メジロ一族にとってもっとも輝かしい時代だったと言える。

【用語解説】冠名
馬名につける馬主特有の定型句。名字みたいなもの。例)メジロ〇〇、ナリタ〇〇、ニシノ〇〇、サクラ〇〇など

デビューまで

育成時代

やや体質の弱い面もあったものの、立派な芦毛の馬体には柔軟な筋肉が備わっており、兄メジロデュレンを超える素質とデビュー前から期待をかけられていたマックイーン。しかし膝に問題(ソエ)を抱えていたためにデビューは3歳の2月と遅かった。

【用語解説】ソエ
骨膜炎。調教初期の若馬に多く見られる。骨が完全に化骨していない若馬に強い調教を行うと、管骨(第3中手骨)の前面で炎症を起こすことがある。

3歳時

デビュー

3歳の2月にダートの1700m戦でデビュー。デビュー戦こそ3着以下に大差をつける楽勝だったが、膝の状態がまだ万全ではなかったこともあり、2戦目から3戦続けて惜敗している。そして脚元に不安のなくなった、ようやくその素質と期待に見合った結果を残し始める。

マックイーン3

菊花賞へ向けて

勝ったレースはまだ新馬戦の1勝のみだったため、菊花賞に出るためには1つずつ階段を登らなければならない。9月に待望の2勝目をあげると、2連勝で準オープンに上がる。

【用語解説】準オープン
競走馬の階級みたいなもの。一番上がオープン。その一歩手前のクラス。

しかし菊花賞に出走するためには前哨戦として選んだ準オープン嵐山ステークスで勝って賞金を上乗せする必要があった。これは、ゲーム内で目標レースに出るためにファン数が足りなくて出走できないのと同じ状況である。その肝心の嵐山ステークスで、2着に負けてしまう。

菊花賞で相まみえるは

出走が危ぶまれた菊花賞だったが、他馬の出走回避がありぎりぎりで出走できることになった。1番人気は、春のクラシックで皐月賞3着、ダービー2着という実績を残してきた同胞メジロライアン

マックとライアン

続く2番人気はダービー3着の芦毛馬ホワイトストーン。調教でいい走りを見せたマックイーンも実績では劣るものの4番人気の支持を集めていた。ちなみにこの年のダービーを圧勝したアイネスフウジンは、ダービーを勝った後に脚部不安が判明しすでに引退していた。

得意の長距離で素質が開花

レースは、馬場状態のいいインコースにつけたマックイーンが最終コーナーで先頭に並びかけると、早めに直線で抜け出す。中団につけていたライアンも外から伸びてくるが、スタミナ豊富なマックイーンに追いつくことが出来ず、内から伸びたホワイトストーンもマックイーンには届かずゴール。2着ホワイトストーンに1馬身1/4差をつけて勝利したマックイーンが長距離向きの素質を開花させた瞬間だった。

引用元:JRA公式チャンネル

4歳時

若き天才との出会い

菊花賞の後は休養して4歳を迎えたメジロマックイーンは、新たなパートナーと出会うことになる。デビュー5年目にして、すでにトップジョッキーに上り詰めていた若き天才ジョッキー武豊との出会いがマックイーンの使命達成を加速させる。まずは4歳となって初戦のG2阪神大賞典を危なげなく勝利し、メジロ家の悲願天皇賞へ向かうのである。

悲願達成なるか

菊花賞、阪神大賞典と3000mの長距離で結果を出してきたマックイーンは、単勝1.7倍の1番人気で天皇賞(春)を迎える。マックイーンが回避した有馬記念でも2着となかなか勝ちきれないライアンが2番人気に続く。

父子三代制覇の夢叶う

マックとライアン

序盤にレースを引っ張るのは、こちらも同世代メジロの同胞メジロパーマー。まだ成長途上で実績も見劣りする16番人気パーマーが果敢に先頭に立つ。マックイーンは6,7番手につけ、ライアンは後方に控えた。3,4コーナーで先頭集団を射程に捉えると、直線半ばで抜け出すマックイーン。そのまま2着に2馬身半の差をつけて勝利

天皇賞制覇

祖父メジロアサマ、父メジロティターンに続く父子三代での天皇賞制覇という快挙を成し遂げた。ライアンは直線で内から伸びるも4着に終わった。パーマーは失速して13着だった。

引用元:JRA公式チャンネル

ライアンの意地

宝塚記念で三たび激突

ライアンの意地

偉業を達成したマックイーンは、春のグランプリレース宝塚記念に駒を進める。ここで意地を見せたのはライアンだった。G1初制覇に燃えるメジロライアンと横山典弘騎手は、マックイーンより前につける積極的なレース運びで早めに先頭に立つと、マックイーンの追撃をしのいで優勝。嬉しいG1初勝利を手にした。

引用元:JRA公式チャンネル

春・秋天皇賞連覇を目指して

G1史上初の・・・

夏を休養にあて、京都大賞典を快勝したマックイーンは、春・秋天皇賞連覇という次なる偉業に挑む。そしてマックイーンは、不良馬場の天皇賞を6馬身差で圧勝した。

天皇賞秋1
天皇賞秋2
天皇賞秋3
天皇賞秋4
天皇賞秋5
しかし、着順掲示板には「審議」のランプが点灯した。
天皇賞秋6

審議の結果、メジロマックイーンは18着に降着。G1レースで1位に入線した馬が降着となったのは史上初めてのことだった。降着の理由は、スタート後に内側に進路をとった際に他の馬を妨害したためだった。

引用元:JRA公式チャンネル

連敗

天皇賞の降着でツキに見放されたというわけでもないのだろうが、この秋はつづくジャパンカップ4着、有馬記念2着と消化不良の結果となった。

5歳時

目指すは春の天皇賞連覇

前年の天皇賞(春)での勝利以来、勝利から遠ざかっていたマックイーンは、5歳のシーズンを前年と同じG2阪神大賞典からスタート。1.3倍の断然人気に応えて久しぶりの勝利を掴むと、目指すは春の天皇賞連覇である。そして、そこで世紀の決戦が実現する。

無敗の二冠馬と激突

テイオーとマック

アニメ第二期をご覧になった方はピンとくるだろう。前年に無敗でクラシック二冠を達成し、骨折休養していたトウカイテイオーが、復帰戦のG2産経大阪杯を勝って7戦無敗のまま天皇賞に出走してきたのである。前年の覇者メジロマックイーンか、無敗の二冠馬トウカイテイオーか。

連覇か、無敗か

1番人気はトウカイテイオー。メジロマックイーンが1番人気を譲ったのは菊花賞以来だった。完全に2強対決と見られたレースは、明暗の分かれる結果となる。メジロマックイーンは先行して早めに抜け出す横綱相撲で見事に春の天皇賞2連覇を達成史上初の快挙だった。対するトウカイテイオーは直線でよもやの失速。5着に敗れた。

連覇

前年に続いて出走していたメジロパーマーは7着だった。

引用元:JRA公式チャンネル

まさかの故障

宝塚記念を前に

天皇賞連覇を達成したメジロマックイーンだったが、前年の雪辱を目指す宝塚記念の前に、骨折してしまう。全治6ヶ月の診断だった。

ケガ

マックイーン不在の宝塚記念を制したのは、メジロパーマー。パーマーは前年の秋には障害レースに出るなど進路に迷っていたが、この後に有馬記念にも勝つのだから、その不屈の闘志は見上げたものだ。

メジロパーマー

6歳時

ケガからの復活

長い休養を経てマックイーンが復帰したのは6歳の春、G2産経大阪杯だった。前年に骨折から復帰したトウカイテイオーと同じように、復帰戦を勝利で飾った。しかも2着のナイスネイチャに5馬身の差をつけるレコードタイムでの圧勝だった。

天皇賞三連覇を目指して

三連覇目指して

ケガの影響をまったく感じさせない強さを見せたマックイーンが挑むのは、春の天皇賞三連覇。もちろん、挑むことすら史上初めてのことである。そしてウマ娘ファンなら御存知のとおり、この大偉業はある馬に阻まれる。ライスシャワーだ。

ライスシャワー

菊花賞でミホノブルボンの無敗三冠を阻止し、今度はメジロマックイーンの天皇賞三連覇を阻止した。しかも2馬身半の差をつける完勝だった。この馬もまた、類稀なる勝負強さを持った正真正銘の名ステイヤーだった。

引用元:JRA公式チャンネル

3年連続出走のメジロパーマーは3着と健闘。マチカネタンホイザやイクノディクタスといったお馴染みチームカノープスの個性派メンバーも出走していた。

別の三連覇

宝塚記念

天皇賞の三連覇はならなかったが、つづく宝塚記念でマックイーンは新たな記録に挑戦する。2年前にメジロライアンが勝利し、前年はメジロパーマーが勝った。ともにメジロ一族の同胞、しかも同期である。マックイーンにとって宝塚記念は鬼門のようなレースであったが、メジロの馬による三連覇は見事に達成された。

引用元:JRA公式チャンネル

完成の秋、そして突然の終戦

最後のレース

宝塚記念で盤石の強さを見せたマックイーンは、もう取りこぼすことはないと思わせるくらい充実していた。秋初戦のG2京都大賞典をコースレコードで圧勝し、二年前の降着事件以来となる天皇賞(秋)に向かうところだった。

縁のなかった秋のG1

天皇賞直前の調教後、左前脚の繋靱帯炎を発症し、そのまま引退ということになってしまった。年齢的に仕方がない苦渋の決断だったと思うが、遅咲きでレース数もそれほど多くなかったマックイーンの完成した走りを、まだまだ見てみたかった。結果的に最後のレースとなった京都大賞典でマックイーンから3馬身離されての2着だったレガシーワールドが、その後のジャパンカップで外国の強豪を破って優勝したのだから、なおさらである。

【用語解説】繋靱帯炎
馬の故障の1種で、骨を繋ぐ繋靭帯と呼ばれる靭帯が炎症を起こしたもの。
メジロ家

ありがとう、ウマ娘。

ありがとう、メジロマックイーン。

史実のメジロマックイーン

基本情報1987年4月3日生 牡 芦毛
血統父 メジロティターン
母 メジロオーロラ(父 リマンド)
馬主メジロ商事
調教師池江泰郎(栗東)
生産牧場吉田堅(北海道・浦河町)
通算成績21戦12勝
主な勝ち鞍’90菊花賞、’91,’92天皇賞(春)、’93宝塚記念

エピソード①

同期は偉大な大リーガーとゴルフ界のレジェンド?

メジロマックイーンの馬名の由来は、冠名「メジロ」+ハリウッドの名俳優「スティーブ・マックイーン」からとられている。『名優』メジロマックイーンなどと形容されるのはそのためだ。

ライアンとパーマー

マックイーンと1987年生まれの同期、メジロライアンとメジロパーマーの名前の由来はそれぞれ、剛速球で知られる米大リーグの伝説的投手「ノーラン・ライアン」と、傘のマークで有名なアパレルブランド名にもなっているプロゴルファー「アーノルド・パーマー」から取られている。

エピソード②

母の父として花開いたマックイーンの血

ゴルシとマック

祖父メジロアサマ、父メジロティターンと代々受け継いだステイヤーの資質と、秘めたスピード能力からすると種牡馬としても大物を出すことを期待されていたが、それは叶わなかった。その代わりに、母の父にその血が入ることによってその能力を受け継ぐことに成功した。ドリームジャーニー(G1・3勝)とオルフェーヴル(三冠馬)の兄弟、そして芦毛を受け継いだゴールドシップ。いずれも父ステイゴールド、母父メジロマックイーンの配合である。

マックイーンに継がれた奇跡の血

マックイーンの父メジロティターン、その父メジロアサマはともに天皇賞を制覇したメジロ牧場ゆかりの血統である。2代にわたって天皇賞を制覇したその血脈がマックイーンまで継がれたことは奇跡に近いことだった。

メジロマックイーンの血統
メジロマックイーンメジロティターン(父)メジロアサマ(父父)
シェリル(父母)
メジロオーロラ(母)リマンド(母父)
メジロアイリス(母母)

メジロアサマは、当時まだ3200mで行われていた1970年秋の天皇賞勝ち馬であるが、種牡馬となってから子孫を残すことに苦労したそうだ。受精率が極端に低かったため、種牡馬失格の烙印を押されてしまったのである。しかし、メジロ牧場が苦労の末に生産した数少ない産駒の中からメジロティターンが誕生し、1982年に父と同じく天皇賞(秋)を制する。

マックイーン2

一方、マックイーンの母メジロオーロラは競争成績は1勝のみだったが、繁殖牝馬となって最初の産駒がG1馬となった。菊花賞と有馬記念に勝ったメジロデュレン。マックイーンの兄である。そして、1987年にそのメジロオーロラと前出のメジロティターンの間に産まれた芦毛の仔がのちのメジロマックイーンだ。メジロティターンもアサマほどではないものの受精率が低く産駒数が少なかったそうだから、マックイーンが父、祖父から競争能力と芦毛のステイヤーという特徴を受け継ぎ、三代続けての天皇賞馬となったことは奇跡に近いことだろう。

エピソード③

凱旋門賞でも好勝負?

武豊騎手が、歴代の騎乗馬で凱旋門賞に挑戦してみたかったと思う馬は?と聞かれて名前を挙げたのが、メジロマックイーンである。(他にキタサンブラックとスーパークリークの名前を挙げている)


スタミナが半端なかったし、道悪もいいし、スピードもある。レースに注文があまりつかなかったのでそういう馬がいいのかな。引用元:スポニチアネックス

【解説】凱旋門賞の馬場
道悪馬場は足元が悪くなるため、パワーが必要になる傾向がある。凱旋門賞は深い芝でこちらも同様にパワーが必要な馬場なので、道悪得意=凱旋門賞向きという意味。

エピソード④

イクノディクタスとのロマンス?

イクノディクタス

ウマ娘でマックイーンと同室のルームメイトであるイクノディクタスは、鉄の女と呼ばれるほど故障なく多くのレースに出走した牝馬で、現役時代に何度か同じレースで走っている。そんなイクノディクタスにマックイーンが想いを寄せていたのではないか、という微笑ましいエピソードがあり、ともに引退した後に種付けがされたことはちょっとした話題となった。(産駒の成績は未勝利だった)

この記事を書いたライター

ライターE
すっぴんちゃんBNW世代(93年~)から競馬を追いかけているガチガチの競馬ファン。最近は少し離れ気味だったが、ウマ娘をきっかけに競馬への情熱を取り戻す。
持ち前の競馬知識を活かして、ウマ娘ファンと競馬の間の橋渡しに少しでも貢献したいと思っている。

ライターEについて

  • 年齢:マルゼンスキーの1コ下らしい
  • 初恋の相手:エアグルーヴ
  • 推しウマ娘:ミホノブルボン、マルゼンスキー、会長、ビコーペガサス・・・みんなかわいい
  • 好きな競馬場:東京競馬場、大井競馬場(トゥインクル最高)

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