第114回:ダート9冠!砂のマイル王、エスポワールシチーの物語

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【ウマ娘】第114回:ダート9冠!砂のマイル王、エスポワールシチーの物語

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【ウマ娘】第114回:ダート9冠!砂のマイル王、エスポワールシチーの物語

競馬好きのライターが送るウマ娘コラム第114回。今回はダートのG1級競争を9度制した砂のマイル王者、エスポワールシチーについて熱く語ります。

目次

ダート9冠

砂のマイル王

第114回:ダート9冠!砂のマイル王、エスポワールシチーの物語の画像

ダート戦国時代にG1級レース9冠。特にマイル戦ではめっぽう強かったエスポワールシチーの史実を追っていく。

ウマ娘のエスポワールシチー

開催中のイベントストーリー「宙照らす、ドリーミーナイトパレード」で主役を務めるウマ娘の一人エスポワールシチー。育成ウマ娘としては未実装ながらもファル子やリッキー、トランセンド、そしてブエナビスタらと共にイベントを盛り上げてくれている。

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公式プロフィール

常にツンツンしている、反抗期全開ギャル。特に『指導者』に対して反抗心を持っており、自分の強さを示すため、がむしゃらにレースを駆けている。強気に振る舞っている時に限って、よくコケてしまうのが悩み。

幼少期~デビューまで

血統

エスポワールシチーの父はゴールドアリュール。大種牡馬サンデーサイレンス産駒の中で唯一の中央ダートG1勝ち馬であり、産駒も際立ったダート実績を誇るダート界の名種牡馬である。

同期のスマートファルコン、1つ下のコパノリッキーといったウマ娘でもお馴染みの名馬たちも同じくゴールドアリュール産駒である。

母のエミネントシチーを遡るとゴールドシチーと同じ牝系であり、シチーの冠名でおなじみの友駿ホースクラブゆかりの血統ということがわかる。

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希望

2歳になるとエスポワールシチー(フランス語で希望+冠名)と名付けられ、栗東の安達昭夫厩舎へ入厩。気性面に難しいところもありじっくり成長に合わせて調教が行われた。

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3歳時

メイクデビュー

デビューは3歳の3月、阪神競馬場の芝1600m新馬戦に出走した。鞍上は佐藤哲三騎手。かつてタップダンスシチーとの名コンビでターフを沸かせた佐藤哲三&シチーの新たな物語のスタートだった。

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1番人気に支持されたエスポワールシチーは、5,6番手から抜け出しを図ったが結果は3着。デビュー勝ちはならなかった。

未勝利時代

2戦目でハナ差の2着に敗れて以降もなかなか勝ちきれない時期を過ごしたが、すでにエスポワールシチーの素質を感じ取っていた佐藤哲三騎手は、この未勝利の時期にも熱心に調教に乗り続けた。

初勝利

そして迎えた7月の未勝利戦、デビューから6戦目にして待望の初勝利を挙げる。小倉の芝1200m未勝利戦で単勝1.5倍の1番人気に応えて先頭でゴールし、未勝利を脱した。

ダート転向で覚醒

2勝目

昇級初戦、初勝利と同じ小倉の芝1200mの1勝クラスで7着となると、陣営はダートに挑戦させることを決断。これがエスポワールシチーの転機となる。

夏の小倉開催最終週、ダート1700mの1勝クラスに出走すると、これまでの歯がゆいレースぶりが嘘のような走りを見せる。

スタートから先頭を奪うと、そのまま後続を寄せ付けず逃げ切り、2着に7馬身差をつける圧勝で2勝目を挙げた。古馬オープンクラスに匹敵する好タイムでの勝利は、エスポワールシチーの高いダート適性を裏付けるに十分であった。

破竹の連勝街道

エスポワールシチーのダートでの走りは本物だった。秋は阪神で2勝クラスの西脇特別(ダ1800m)、東京で3勝クラスの錦秋ステークス(ダ1600m)と転戦して危なげなく連勝。

オープン入り初戦のトパーズステークス(京都ダ1800m)でも圧倒的な1番人気に応えて難なくオープンの壁を突破してみせた。

勢いに乗ってダートG1のジャパンカップダートに登録したものの賞金順で除外となり重賞挑戦は持ち越し。この年、ダート転向後は負け無しの4連勝で3歳シーズンを締めくくった。

4歳時

ダート重賞戦線へ

年が明けてエスポワールシチー4歳のシーズン。初戦はG3平安ステークス(京都ダ1800m)で重賞初挑戦。ここでも1番人気の支持を集め、5連勝で一気の重賞制覇なるか注目の一戦となった。

好スタートから自分のペースで逃げる得意の展開に持ち込んだが、最後わずかに粘りきれず2着惜敗。休み明けで若干の余裕残しという戦前の評価どおりの結果となったが、重賞でも通用するスピードを見せた。また前年からの連勝は4でストップしたものの、賞金を加算して次なる大舞台へと向かう。

フェブラリーステークス

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初のG1挑戦となったフェブラリーステークスでは、カネヒキリやヴァーミリアンといったダートの猛者たちを相手にどこまでやれるか試金石。同世代からもダートの実績馬が集まった。

エスポワールシチーと佐藤哲三騎手のコンビは果敢に先手を奪うと、終始淀みのないペースを刻んで軽快に逃げる。最後の直線に入っても粘り腰を見せてあわやのシーンをつくったが、最後は惜しくも交わされて4着。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

勝ったサクセスブロッケン、2着のカジノドライヴはともにエスポワールシチーと同世代の4歳馬。ダート界を牽引してきたカネヒキリ、ヴァーミリアンを抑えて4歳勢が上位に食い込み、新たな世代の台頭を感じさせる結果となった。

重賞初制覇

フェブラリーステークスのあとは、G3のマーチステークス(中山ダ1800m)に出走。ここでは、二度目の騎乗となった松岡正海騎手との再コンビで3番手で折り合い、楽な手応えで抜け出して待望の重賞初制覇を達成した。

快進撃

かしわ記念

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続いて船橋競馬場で行われる交流重賞Jpn1かしわ記念に出走。自身初の地方遠征でビッグタイトルを狙うエスポワールシチーを、古豪カネヒキリ、船橋の雄フリオーソらが迎え撃つ。

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レースでは、前に行きたいアジュディミツオーが逃げる展開の中、得意の先行策ではなく中団から進めるエスポワールシチー。控える競馬でも折り合って、勝負どころで進出を開始。

最終コーナーで3番手まで押し上げて射程圏に捉えると、粘るフェラーリピサを交わして、カネヒキリの追撃もしのいで先頭でゴールした。

見事に交流重賞初挑戦でJpn1を制覇し、ダート界の頂点を競う一頭として名乗りをあげた。

南部杯

かしわ記念後は休養を挟んで秋初戦のマイルチャンピオンシップ南部杯へ。春のダート王者サクセスブロッケンとの一騎打ちが見どころとなった。

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スタートすると、今度はかしわ記念から一転、エスポワールシチーが得意の逃げで主導権を握りレースを引っ張る。そして悠々と逃げ切り、サクセスブロッケン以下を寄せ付けず圧勝してJpn1レース連勝を決めた。

ジャパンカップダート

マーチステークスからの3連勝は、先行、差し、逃げといずれも異なる作戦で勝ちきってみせた。心身ともに充実期に入ったエスポワールシチーが完全に本格化を迎え、いよいよ秋の大一番G1ジャパンカップダートに挑む。

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ちなみに現在のチャンピオンズカップ(中京ダ1800m)の前身であるジャパンカップダートの開催条件は阪神ダート1800mだった。

1番人気はJpn1連勝中の4歳馬エスポワールシチー、僅差で7歳ヴァーミリアン、離れた3番人気には3歳馬のワンダーアキュート、続いてフェブラリーステークス馬サクセスブロッケンと各世代から多彩なメンバーが顔を揃えた。

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ゲートが開くと、最内1番枠から先行していくエスポワールシチーと佐藤哲三騎手。1コーナーまでに先手争いを制して単騎逃げの形に持ち込んだ。

中盤でマクってくる馬にも動じず先頭をキープして最後の直線へ向くと、食らいつくサクセスブロッケンを突き放して独走態勢に。

最後まで脚色は衰えず、2着争いを尻目に悠々と先頭でゴールを駆け抜けた。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

これでJpn1に続いてJRAG1を制覇。佐藤哲三騎手はタップダンスシチーの宝塚記念勝ち以来のG1制覇となった。また、破竹の4連勝でダートの頂点に立ったエスポワールシチーがこの年のJRA賞最優秀ダート馬に選出された。

5歳時

フェブラリーステークス

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5歳シーズンの初戦はG1フェブラリーステークスで秋春ダートG1連覇を目指す。

単勝オッズ1.7倍という圧倒的な支持を集めたエスポワールシチーが、春秋スプリントG1馬ローレルゲレイロなど未知のライバルの挑戦を受けて立つ。

スタートすると、芝のG1馬ローレルゲレイロがさすがのスピードでハナに立つ。エスポワールシチーは2番手で折り合って追走。

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直線に入ると馬なりのままローレルゲレイロを交わして先頭に立ち、佐藤哲三騎手のゴーサインに応えてあっという間に後続との差を拡げる。4歳の新鋭テスタマッタとサクセスブロッケンを振り切り、セーフティリードを保って快勝した。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

前年から続く連勝を5に伸ばし、秋春JRAダートG1連覇を達成した。

かしわ記念連覇

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続いては連覇がかかるJpn1かしわ記念に出走。単勝1.1倍の圧倒的支持に応え、フリオーソの挑戦を退けて同レース初の連覇を達成。G1級レース5連勝という成績で春シーズンを終えた。

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米ブリーダーズカップへ

秋は米ブリーダーズカップ・クラシックへの参戦が発表され、国内での秋初戦としてマイルチャンピオンシップ南部杯に出走した。

連覇濃厚と見られた南部杯ではなんと単勝1.0倍元返しであったが、遠征前の余裕残しもあったのだろう、プラス15キロと過去最高馬体重での出走。

レースでは伏兵オーロマイスターに3馬身離されての2着に敗れるという大波乱を演出してしまった。

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ブリーダーズカップ

連勝が途切れたものの、予定通り米ブリーダーズカップ参戦のため渡米。日本馬としてブリーダーズカップ初勝利の期待を背負って出走した。

レースでは日本国内と同じように先行抜け出しを図ったものの、直線で持ち前の加速をすることができずに10着に敗退した。

帰国後はジャパンカップダートには向かわず出走を控えて年内休養となった。

6歳時

ダート戦国時代突入

前年は春までの圧倒的な成績が評価されて2年連続の最優秀ダート馬に輝いたエスポワールシチー。しかし、ダート界には次々とスターホースが誕生し戦国時代に突入していた。

特に、エスポワールシチーが6歳のシーズンからはさらにその戦いは激化していく。

名古屋大賞典

休み明けとなるシーズン初戦は、交流重賞JpnIIIの名古屋大賞典に出走。ここではさすがの貫禄を見せつけてワンダーアキュートを競り落とし、3着以下には大差をつけて圧勝。幸先の良いスタートを切った。

ライバルたちが立ちはだかる

3連覇を狙ったかしわ記念では、1.1倍の人気を背負いながらもスタートの出遅れも響いて3着。ついに地元の英雄フリオーソがエスポワールシチーに一矢報いる結果となった。

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そして、初出走の帝王賞(大井2000m)ではついにあの馬との初対決が実現した。スマートファルコンである。

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同じゴールドアリュールを父に持つ同世代のスマートファルコンとは、互いにダートを主戦場としながらも今まで相まみえることがなかった。

距離は2000m。1800m以下に実績が集中するエスポワールシチーにとっては少し長いか。

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果たして、両雄の激突はスマートファルコンの圧勝に終わった。逃げたスマートファルコンが影も踏ませぬレースぶりで逃げ切り、追走したエスポワールシチーも2着は確保したものの9馬身という決定的な差をつけられてしまった。

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結果的にこれがエスポワールシチーとスマートファルコンの一度きりの対戦となった。

トランセンド登場

秋になると、こんどはトランセンドがエスポワールシチーの行く手を阻んだ。

前年秋にエスポワールシチー不在のジャパンカップダートを制すると、年が替わってフェブラリーステークスも勝って秋春JRAダートG1連覇を達成。その後ドバイワールドカップでも2着に入り、日本馬のワンツーという快挙を演じていた。

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秋初戦、東日本大震災の影響により東京競馬場で行われたマイルチャンピオンシップ南部杯。逃げたエスポワールシチーを2番手でマークしたトランセンドが直線で抜け出して優勝。エスポワールシチーは4着に敗れた。

ジャパンカップダート

つづくG3みやこステークス(京都ダ1800m)を快勝して臨んだG1ジャパンカップダートでは再びトランセンドと激突。

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南部杯とは逆に逃げたトランセンドをエスポワールシチーが2番手でマークする形となったが、直線では交わすことができず、後ろから追い込んだワンダーアキュートにも交わされて3着となった。

結局この年、エスポワールシチーはG1にはあと一歩手が届かず翌年に備えて休養に入った。

7歳時

かしわ記念

7歳になると、G3平安ステークス2着、フェブラリーステークス5着を経てかしわ記念へ。前年はフリオーソに敗れたが、過去2勝と相性の良いレースで復活を期すエスポワールシチー。

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連覇を狙うフリオーソが先手を取って逃げると、2番手でそれを追うエスポワールシチー。最終コーナーで並びかけていって先頭を奪うと、そのままフリオーソを突き放して先頭でゴールした。

復活の走りで手にした2年ぶり3度目のかしわ記念優勝は、同時に6つ目のG1級タイトル獲得となった。

マイルチャンピオンシップ南部杯

その後出走した帝王賞は2000mではもう一踏ん張りができず良血馬ゴルトブリッツに完敗。2年連続の2着。札幌のG3エルムステークス(1700m)では新星ローマンレジェンドに惜敗の2着としたあとは、マイルチャンピオンシップ南部杯へと向かった。

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南部杯にはこれまでのような強力なライバルが見当たらず、1.1倍の圧倒的な支持を集めた。そして、早め先頭から押し切る横綱相撲で楽勝し同レース2勝目。これで通算7つ目のG1級レース制覇となった。

パートナーの負傷離脱

12月のジャパンカップダートを目指して調整をされていた中、これまで主戦を務めてきたパートナーの佐藤哲三騎手が競争中の落馬事故により大怪我を負ってしまう。

ジャパンカップダートは武豊騎手に乗り替わりで出走して10着。東京大賞典では松岡正海騎手とのコンビで5着となった。

8歳時

現役続行

明けて8歳となったエスポワールシチー。3歳春にデビューしてから大きな怪我もなく走り続けること30レース以上。強力なライバルたちと切磋琢磨しながらこれまでに7つのビッグタイトルを積み上げてきた。もうひと花咲かせることができるのか。

低評価を覆す走り

8歳初戦となったフェブラリーステークス。昨秋の成績と8歳という年齢的も影響したのか、この馬にとって過去最低人気の9番人気という低評価だった。

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ゲートが開くと、好スタートからすんなりと2番手につけたエスポワールシチーと松岡正海騎手。直生に入ると、逃げたタイセイレジェンドを交わして先頭に躍り出る。

後ろの人気馬が伸びあぐねる中、懸命に粘り込みをはかって先頭を譲らないエスポワールシチー。ラスト100メートルでグレープブランデーに交わされたものの、ワンダーアキュートの猛追も凌いで2着を確保した。

レース映像

引用元:JRA公式チャンネル

レース後には競走中に鼻出血を発症していたことが判明。にも関わらず激走の2着で古豪健在を印象付けた。

かしわ記念

その後、5年連続出走となるかしわ記念へ。毎年のように名勝負を演じた船橋の雄フリオーソこそいなかったが、この年もローマンレジェンドや次世代のエース候補ホッコータルマエといった好メンバーが集まった。

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過去3勝と相性の良いかしわ記念で、堂々と逃げてレースを引っ張るエスポワールシチー。最後の直線でホッコータルマエに交わされたが、ローマンレジェンドを抑えて2着に粘った。

8歳秋にもうひと花

マイルチャンピオンシップ南部杯

かしわ記念のあとは休養に入り、リフレッシュしてマイルチャンピオンシップ南部杯から始動。ここも過去に2勝と得意のレースである。かしわ記念後に帝王賞も制して新たなダート王に君臨したホッコータルマエとの再戦に挑む。

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いつも通りの好スタートから先手を奪い逃げるエスポワールシチー。ホッコータルマエが2番手でマークする二頭のマッチレースとなった。しかし全盛期を思わせる走りで先頭を譲らなかったエスポワールシチーが危なげなく逃げ切って優勝。同レース連覇で通算3勝目を挙げ、実に1年ぶりの復活勝利となった。

JBCスプリントで9冠

11月、この年JBCスプリントが行われる金沢競馬場に8歳の古豪エスポワールシチーが初見参。1400mの距離は3歳時以来だったが、いまだスピードに衰えは感じられず1番人気に支持された。

スタートすると、道中3番手追走から徐々に上がっていき4コーナーでは早くも先頭。いずれも年下の11頭を従えて、若いものにはまだ譲らんとばかりに先頭でゴールした。

レース映像

引用元:NAR公式チャンネル

この勝利によってエスポワールシチーのG1級勝利数は9となり、獲得賞金も10億円を超えた。

8歳いっぱいで引退

その後、12月のジャパンカップダートに出走して7着となり、同レースをラストランに引退し種牡馬入りが決まった。

3歳から8歳までダートの最前線で走り続け、9つのタイトルを手にしたエスポワールシチー。そのスピードと頑強な体質を産駒に伝え、いまや地方から世界を狙うほどに飛躍を遂げた日本のダート界を牽引していってほしいものだ。

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ありがとう、ウマ娘。

ありがとう、エスポワールシチー。

史実のエスポワールシチー

基本情報2005年4月22日生 牡 栗毛
血統父 ゴールドアリュール
母エミネントシチー(父ブライアンズタイム)
馬主友駿ホースクラブ
調教師安達昭夫(栗東)
生産牧場幾千世牧場(北海道門別町)
通算成績40戦17勝(中央競馬25戦9勝、地方競馬14戦8勝、海外1戦0勝)
主な勝ち鞍09’ジャパンカップダート,10’フェブラリーステークス,09’,10’,12’かしわ記念,9’,12’,13’マイルCS南部杯,13’JBCスプリント

エピソード①父として

引退後はゴールドアリュールの後継種牡馬として期待を集めた。初年度から期待通りにダートで活躍する産駒を送り出し、特に全国各地の地方競馬で存在感を示した。

近年ではスマイルウィ(船橋)やイグナイター(園田)、ペイシャエス(JRA)といったエスポワールシチーの代表産駒たちがダート重賞路線の常連として活躍中。イグナイターは2022年、2023年と2年連続でNAR年度代表馬にも選出されている。

2022年度には地方競馬のリーディングサイアーに輝き、ダート三冠など注目度の高いダート界において今後益々の活躍が見込まれている。

エピソード②ダート界の大種牡馬ゴールドアリュール

エスポワールシチーの父であるゴールドアリュールの現役時代は、芝でもダービー5着の実績がありながらダートでは9戦7勝(うちG1級レース4勝)と底を見せない活躍。その父サンデーサイレンス産駒の中で随一のダート適性を示した。産駒にもダート適性を強く遺伝し、後継種牡馬として独自の系統を確立している名馬である。

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産駒にはダートのチャンピオンホースが多数。エスポワールシチーのほかに同期のスマートファルコンや1歳下のコパノリッキーと立て続けにダートの大物を輩出し、黄金時代を築き上げた。

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ライターE
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BNW世代(93年~)から競馬を追いかけているガチガチの競馬ファン。最近は少し離れ気味だったが、ウマ娘をきっかけに競馬への情熱を取り戻す。
持ち前の競馬知識を活かして、ウマ娘ファンと競馬の間の橋渡しに少しでも貢献したいと思っている。

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