ポケモンSVのランクマッチのシーズン2の環境レポートです。シリーズ3の対戦環境を上位プレイヤーが解説しています。
本記事は一定の対戦知識がある層に向けた内容です。
略語や漢字表現などが含まれます、予めご了承下さい。
監修プレイヤー
asami | ◆プレイヤー実績 【9世代シングル】 S1 最終161位 / S9 最終7位 【8世代シングル】 S1 最終10位,19位 and more...(※タップで開閉)【7世代シングル】 S4 最終11位 / S6 最終14位 S7 最終23位 / S9 最終8位 S13 最終1位 【7世代ダブル】 S11 最終10位 ▶YouTubeはこちら |
シーズン3の基本概要
シリーズ2ルールでの対戦環境
開催期間 | 2月1日(水)~3月1日(水)8:59 |
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パラドックスが解禁されたルール
シリーズ1で使用できた一般ポケモンに加え、シリーズ2ではパラドックスポケモン14種類が使用可能になった。これらのポケモン達はいずれも高い種族値を有しており、瞬く間に前期までの環境を塗り替えていった。
準伝説・図鑑外のポケモンは未解禁
準伝説に該当する4体は本ルールではまだ解禁されていない。また、ゲッコウガなど一部のパルデア図鑑に記載されていないポケモンたちも本ルールでは使用できない状態となっている。
使用不可ポケモン一覧使用不可ポケモン一覧
環境序盤の様子
手探り状態の最序盤
高種族値のパラドックスが14種類も追加されたため、上位プレイヤーたちも最序盤はそれらのポケモンを可能性を考える期間としていた。パラドックスを最低1匹以上採用した構築であれば、何でもアリな最序盤だった。
上位は4体に注目ポケモンを絞る
シーズン開始から2~3日経過時点で、概ねの上位帯プレイヤーは「環境で意識すべきパラドックス」を上記の4体に絞った。シリーズ1ルールの使用率上位+この4体が中心となる形で上位環境は固まり始めていく。
高速特殊アタッカーの存在は大きかった
前述した中で特に高い遭遇率になったのが、テツノドクガ/テツノツツミ/ハバタクカミの3体。いずれもシリーズ1で不足していた「高速特殊アタッカー」だったため既存環境のバランスを一気に覆した。
とつげきチョッキの採用価値が高まる
環境に特殊アタッカーが増加したことで真っ先に起きた変化は、とつげきチョッキの採用数。上位では特にハバタクカミが暴れていたため、フェアリーにタイプ上有利で、対面操作が行えるジバコイルやハッサムなどがチョッキ持ちとしては目立っていた。
既存ポケモンでは先制技持ちが評価される
環境を瞬く間に塗り替えたパラドックス達に対抗するように、それらに強い型になり得る既存ポケモンたちの評価が上がる。具体的には物理耐久に難があるアタッカーが増えたことで、そこを突ける先制技持ちとしてハッサム、キノガッサ、しんそくカイリューなどが再評価。
特性「てんねん」は減少傾向に…
シリーズ1で多くのプレイヤーの頭を悩ませ続けた特性「てんねん」持ち。本シーズンではアシッドボムを採用したテツノドクガやアンコールを覚えるテツノツツミが特殊アタッカーの筆頭だったため、「受け・詰ませ」としててんねん持ちが活躍できる環境では正直無かった。
対面的なヘイラッシャの増加
ヘイラッシャはHP種族値が極めて高く、D振りすれば特殊耐久は相当な硬さになる。後述するセグレイブの増加も関係しているが、てんねん勢の中でこのポケモンだけは対面的な選出に組み込みやすいポケモンとして評価を高めていた。
環境中盤の様子
セグレイブを中心に環境が回り始める
前述の特殊パラドックス3体と打ち合えて、それらのメタ枠として増加傾向にあったチョッキ持ちジバコイルにも強い「チョッキ持ちセグレイブ」にスポットが当たる。元の単体スペックが高く、環境上位に明確に強いこのポケモンは環境の中心レベルに躍り出た。
セグレイブに強めな枠が必要になる
セグレイブが増えたことで、サイクル構築の使用者を筆頭にセグレイブへのクッション役をこなせるポケモンを基本選出に組み込むことが求められ始めていた。
しかし、この枠は特殊パラドックス達との対面を作られると、絶望的な隙を見せてしまうポケモンが多く、セグレイブを強く意識すれば特殊パラドックスに破壊されやすくなる構図が出来上がっていく。
- セグレイブを中心にした環境図解
竦みの関係に直接入ってこないポケモンを除けば、環境の竦みは上記のような状態。この頃あたりから、メジャーな並びとして「セグレイブ+ハバタクカミ+ヘイラッシャ」が対策必須と言われるようになっていった。
ちなみに環境の竦みの良いトコ取りをしたこの並びは、ここから最終盤まで「対面の高火力+クッション」という原型コンセプトは崩さぬまま猛威を奮い続ける。
トドロクツキは強さを発揮しきれず
種族値や習得技が強力でポテンシャルは圧倒的だったトドロクツキは、それをうまく発揮できる選出が見つからず、当初の評価ほどの活躍はできていなかった。
スカーフ型や鉢巻型でとんぼがえりから展開していく型、ブーストエナジーの積みアタッカー、ほのおのうず+挑発型など型自体は色々出てきていたが、良い相方に恵まれなかった机上論での最強格ポケモンという印象。
環境終盤の様子
クッション枠から崩す流れが始まる
セグカミラッシャが暴れたこともあり、「アタッカー2枚+クッション」という形をしっかり意識して使用するプレイヤーが増加。それに伴い最上位ではクッションから崩す為にアタッカーにハチマキ・メガネを持たせ、それらのプレイヤーを対策していった。
当時の主なクッション枠
この環境のクッション枠として母数が多かったのは上記。これらのクッションを強く使えるアタッカーとして組まれていたのが、特殊パラドックス達やセグレイブ。加えてイルカマン、マスカーニャ、イダイナキバあたりも数を伸ばし始めていた。
- 環境に起きていた竦み関係の図解
上記のような竦み関係があり、対面(スカーフ・Sブースト)は崩し(ハチマキ・メガネ持ち)に強く、崩しは受け(クッション枠)に強く、受けは対面に強いという状態。これを解決するためにプレイヤー達は頭を悩ませた。
竦みの外から悩みの種になった要因もいた
この頃の中心環境の竦みとは別軸で、プレイヤーの頭を悩ませていたのがキョジオーンとキノガッサ。
選出画面での圧倒的な圧力を持つこの2体をスマートに対処しながら、前述の竦みに回答を出すのは非常に難しく、おんみつマントやサーフゴーで対策はするものの選出のパワーが落ちてしまうという悩みが散見された。
シーズン3の総括
大きく分けて上位構築は2種類
シーズン3の上位で使用された構築は大きく分けて2種類。まずは「クッション+拘りアタッカー」の形、これが全体の7割程を占める。残りはステロ+エースや壁、バトンなどの「展開系構築」の類。
このシリーズはアタッカー枠が特に強力なルールなため、サイクル要素を最低限に抑えた対面重視の構築が勝ち上がりやすくなるのはある種で必然と言える。
アタッカー枠の印象
アタッカーの中でもやはり数が多かったのはハバタクカミとテツノツツミで、特に数値受けやチョッキに強いタイプ一致テラス(フェアリー/水)での採用が目立った。
眼鏡での採用が多かったものの、スカーフやブーストエナジー型も健在で、終盤に完成していたこの竦み関係はS4でも続いていくこととなるだろう。
クッション枠の印象
クッション枠ではカバルドンの採用が目立ち、これは恐らくカイリューを強く意識した結果だろう。サイクルからのスイープという形を取る際に障害となるカイリューの処理がしやすくなる点でカバルドンは他のクッションよりも明確に優れていた。
他にはチョッキ持ちテツノカイナ、脱出パック持ちモロバレル等の流行のクッションからメタを少しズラしたポケモンを採用している構築が結果を残していた。
キョジオーンはシリーズ2でも健在
キョジオーンはやはりシリーズ2でも強く、クッション+アタッカーの構築に「クッション兼詰ませ」として採用した構築が結果を残した。
相手の選出のパワーが落ちやすい点に加え、ゴーストテラスの呪い型、水テラスで地震を搭載した型、まもみが型など多くの型が居たため、対策すべき型が絞りづらく対策が対策になっていないケースも多かった。
展開構築全般の印象
展開構築ではステロ+トドロクツキという並びが一定数結果を残していた。トドロクツキを無理にサイクル参加させるのではなく対面的に動かせる形に落とし込めた構築が、少なくともS3終盤の環境には適していた。
今後増えそうな展開の軸
他に展開系の構築で採用されたポケモンとしては「胞子身代わりのアラブルタケ」や「瞑想クエスパトラ」辺りは注目しておきたい存在。使用者があまり多くなかったため、S4では更なる開拓が進むのではないだろうか。
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