DBD(デッドバイデイライト)のトリックスターの固有パーク(ティーチャブルパーク)と対策/使い方です。立ち回り方のコツはもちろん、アドオンや元ネタも掲載。
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最強ランキング |
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入手方法 |
DLC:ALL-KILL |
元ネタ(出典作品) |
なし(オリジナル) ▼元ネタ・背景を見る |
トリックスターの能力
移動速度 | 背の高さ |
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4.4m/s(やや遅い) | 平均 |
脅威範囲 | 難易度 |
24m | 普通 |
特殊能力(名演)
特徴 |
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・ナイフを投げて攻撃 └裂傷ゲージが貯まるとダメージ └命中するたびイベントメーターが上昇 ・イベントメーターが貯まった状態でボタンを押すとメインイベントが発動 └ナイフを無制限に投げれる └発動中は移動速度が上昇 |
特殊能力(名演)の効果 |
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ナイフを44本持った状態で儀式を開始する。能力ボタンを長押しすると腕を構え、ナイフを投げるモードに入る。 投げモードの間、攻撃ボタンをタップするとナイフを1本投げ、攻撃ボタンを長押しすると連射する。連射するとコントロールと投げる速度は上がるが、移動速度は低下する。ロッカーでナイフを補充できる。 裂傷メーター:ナイフが命中するたびに生存者は裂傷メーターが上昇する。メーターが満タンになると生存者はダメージを受け、負傷するか、ダウンする。 短時間ナイフが命中しなかった場合、生存者の裂傷メーターは低下する。通常攻撃を受けた生存者は裂傷メーターが即座に低下する。 特殊アビリティ:メインイベント ナイフが命中するたびにイベントメーターが上昇する。満タンになった状態でアビリティ発動のボタンを押すとメインイベントが発動する。このモードに入ると、トリックスターはメインイベントが解除されるまでナイフを自動的に無制限に投げる。発動中は投げる速度が大幅に上昇し、どれだけ投げても移動速度が低下しなくなる。メインイベントはアビリティ発動ボタンを押すと解除される。解除を行うとイベントメーターがゼロにリセットされ、名演のクールダウンが発生する。 |
トリックスターの評価
投げナイフで中距離攻撃ができる
トリックスター最大の特徴は、ナイフによる中距離攻撃。連続で当てる必要はあるが、近づかずともダメージを与えることが可能だ。ハントレスのように放物線を描かないので狙ったとこに飛んでいくのも魅力的。近距離から中距離で狙っていこう。
使用難度は高め
トリックスターのナイフは、デススリンガーやハントレスなどと違い、同じ相手に何本も当てる必要がある。時間経過で裂傷ゲージがすぐに下がってしまうので、短時間で当て続ける腕が必要になる。移動速度も遅めなので、ナイフを使わないチェイスが苦手なのも大きい。
▼サバイバーが取るべき対策まとめはこちらトリックスターの固有パーク
ティーチャブルパーク | 優先度 |
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▼スターに憧れて | ★★★☆☆ |
▼呪術:クラウドコントロール | ★★☆☆☆ |
▼袋小路 | ★★☆☆☆ |
スターに憧れて
効果 | |
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生存者を担いでいる時に、脅威範囲内のその他の生存者は無防備のステータス効果に苦しむ。効果は脅威範囲外に出てからも、26/28/30秒間続くほか、担いだ生存者をフックに吊るすか、解放した時に範囲内にいる生存者も同じ時間効果が続く。スターに憧れては生存者が担がれていない状態になってから60秒間のクールダウンが発生する。 | |
取得優先度 | |
★★★☆☆ |
呪術:クラウドコントロール
効果 | |
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生存者が窓の高速乗り越えを行うと、その窓がエンティティによって14/17/20秒間ブロックされる。 呪いの効果は、紐付けられた呪いのトーテムが残っているかぎり持続する。 | |
取得優先度 | |
★★☆☆☆ |
袋小路
効果 | |
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生存者を初めてフックに吊るすたびに、袋小路の1トークンを獲得する。最後の発電機の修理が完了すると、12秒に加え、所持するトークン1つにつき6/9/12秒間、脱出ゲートの両方のスイッチがエンティティによってブロックされる。 | |
取得優先度 | |
★★☆☆☆ |
トリックスターの使い方・立ち回り
① | ▼ナイフでサバイバーを追い詰める |
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② | ▼メインイベントで一気に決める |
③ | ▼攻撃できる距離では殴る |
ナイフでサバイバーを追い詰める
トリックスターの特徴でもある投げナイフを遠距離から使って、サバイバーにプレッシャーを与えよう。遠方まで届くので、離れた発電機に向かって投げることで修理中のサバイバーに圧をかけることもできる。
背の低い障害物へ誘導する
ナイフは障害物に当たると消えてしまう。そのため、トリックスターよりも背の高い障害物がある場所だと、ナイフを活かした立ち回りが難しくなる。ナイフが当たる高さの障害物の場所に誘導しつつチェイスしよう。
避ける方向に投げる
ナイフは直線的に飛ぶので、サバイバーが方向転換をすることで避けられやすい。サバイバーが避ける方向を板や障害物などから予測して投げると当てやすいこともある。
隙ができた時に一気に投げる
サバイバーが窓枠を乗り越えたり、パレットを倒す時など移動が止まる瞬間がある。その時を見計らっって一気に投げてダメージを与える戦法もあり。救助など長く拘束される行動の場合は、より負傷させやすい。
メインイベントで一気に決める
メインイベントの効果 |
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・ナイフを無制限で投げられる ・移動速度が上昇 ・ナイフの投擲スピード上昇 ・30秒経過で解除 |
メインイベントが溜まったら、発動ボタンを押して発動する。メインイベント中は、無制限にナイフを投げれるので裂傷が溜まった相手を一気にダメージまで持っていくことができる。溜まってから30秒経つとイベントゲージがリセットされるので時間切れになる前に使おう。
攻撃できる距離では殴る
ナイフ投げにこだわりすぎると与えられた攻撃も逃すことが多い。攻撃できる距離までサバイバーが近づいてきたら気にせず攻撃をしよう。裂傷ゲージは減ってしまうが、確実にダメージを稼ぐことができる。
キャンプや救助狩り性能がナーフ
Ver5.1.1アップデートから救助モーション中のサバイバーにダメージが入らなくなった。メインイベント発動可能なら相変わらず強いので、吊り場所を考えつつ立ち回ろう。
固有の窓枠チェイスや板スタンに注意
他のキラーと違って窓枠に対する決め手がなく、固有建築でのチェイスが圧倒的に不利。追いかけても裂傷ゲージが減っていくだけなので、固有に逃げ込まれたら諦めることも視野に入れよう。
板スタンを食らうだけでもかなりゲージが回復する時間が生まれるので板には気をつけよう。
トリックスターの対策
① | ▼障害物を利用しながら逃げる |
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② | ▼ナイフに当たってもあせらない |
③ | ▼専用BGMを聞く |
障害物を利用しながら逃げる
トリックスターは特殊能力で直線状にナイフを投げてくる。遠距離攻撃を使ってくるので、射線上に入ってしまうと危険。障害物に当たると消滅するので、障害物にトリックスターとの間に常に障害物があるようにしよう。なにもないところを走るのではなく固有建築やジャングルジムに逃げ込むのを意識しよう。
ジグザグ逃げも有効
障害物が無い場所では、左右にジグザグに避けるといい。ナイフの照準がブレるので、トリックスター側としては厄介だ。ただし、ジグザグに避けることに専念しすぎると追いつかれて殴られてしまうので注意。
ナイフに当たってもあせらない
トリックスターが投げるナイフに当たってしまうと、画面に画面に切り傷のような線が入る。その状態で合計6本ナイフに当たるとダメージ段階が進んでしまう。短時間で裂傷がなくなっていくので、落ち着いて裂傷が消えるまで避け続けよう。
専用BGMを聞く
トリックスターにもハントレスの鼻歌と同じような心音範囲の外側のBGMがある。これを注意深く聞くことによって接近に気づこう。
トリックスターのおすすめ構成
おすすめパーク構成
パーク | 役割とおすすめ内容 |
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悶絶のフック:共鳴する苦痛 | 【役割】遅延 【おすすめポイント】 ・フックに吊るすだけで遅延ができる ・索敵も兼ねることができる |
呪術:ペンティメント | 【役割】遅延 【おすすめポイント】 ・1つでも発動している間は発電機の修理を大幅に遅延させる ・トーテムを破壊されるようなパークと組み合わせることが前提 |
観察&虐待 | 【役割】隠密 【おすすめポイント】 ・心音を減らすことで奇襲がかけやすい |
アイアンメイデン | 【役割】索敵強化 【おすすめポイント】 ・ロッカーでのナイフの補充速度を上げる ・ロッカーに入ったサバイバーを探知できる |
堕落の介入 | 【役割】遅延 【おすすめポイント】 ・開始直後に発電機を妨害する ・巡回する発電機を絞れる |
呪術:破滅 | 【役割】遅延 【おすすめポイント】 ・発電機修理速度を遅らせられる ・基本は「不死」とセット運用 【組み合わせおすすめ】 |
バーベキュー&チリ | 【役割】索敵強化 【おすすめポイント】 ・遠く離れたサバイバーを目視可能 |
監視 | 【役割】索敵強化 【おすすめポイント】 ・修理している発電機を把握 |
イタチが飛び出した | 【役割】遅延 【おすすめポイント】 ・発電機を大幅に遅らせることができる |
不協和音 | 【役割】索敵強化 【おすすめポイント】 ・複数人で修理してる発電機を察知 ・ナイフでの牽制がしやすくなる |
索敵強化orナイフ関連パークがおすすめ
トリックスターに付けるパークは、サバイバーを見つける索敵強化や、ナイフを当てやすく/補充しやすくするものがおすすめ。足の遅さを索敵パークで補ってあげよう。
▶みんなの考える最強パーク構成を投稿!おすすめアドオン構成
アドオン | 役割とおすすめ内容 |
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玉虫色のフォトカード | 【役割】ナイフ強化 【おすすめポイント】 ・裂傷ゲージがあと2本以内で満タンになる状態に攻撃すると一撃でダウンさせられる ・使うのにはコツが必要 |
トリック用の刃物 | 【役割】ナイフ強化 【おすすめポイント】 ・生存者以外に当たったナイフが2回跳ね返る ・屋内など壁に囲まれた場所で有効 |
エッジの効いた復活アルバム | 【役割】ナイフ強化 【おすすめポイント】 ・生存者以外に当たったナイフの付近いる生存者に50%の裂傷を与える ・外しても裂傷を溜めやすくダメージに繋がる |
美しい旋律の殺人 | 【役割】ナイフ強化 【おすすめポイント】 ・ロッカーでのナイフ補充時間がそこそこ減少する ・ナイフのリロードが早くなる |
檻の心のシューズ 死の声部のコード | 【役割】移動強化 【おすすめポイント】 ・ナイフ投げ時の移動速度が上昇する ・ナイフ投げ中に距離を取られるのを防止 |
アドオンでナイフ性能が大葉強化
トリックスターのアドオンは、強力なものが多く、特徴のナイフ投げを大幅に強化できる。中でもエッジの効いた復活アルバムは単純かつ強力なアドオンになっている。
▶アドオン一覧を見るトリックスターの固有アドオン
ウルトラレア
アドオン名 | 効果 |
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断末魔の編集音源 | ・メインイベント中にナイフが生存者に命中するとメインイベントの持続時間が0.5秒延長される。 ・メインイベントの終了時、トリックスターのナイフが補充される。 |
玉虫色のフォトカード | ・生存者の裂傷メーターがあと2回以下のナイフ命中で最大に達する時、その生存者は無防備状態になる |
ベリーレア
アドオン名 | 効果 |
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エッジの効いた復活アルバム | ・ナイフは生存者以外に命中すると砕け散り、付近の生存者に50%の裂傷を与える。 |
シングル『カット・スルー・ユー』 | ・ナイフが生存者を貫通する。 ・同じナイフが次に命中した生存者は50%の裂傷を受ける。 |
ダイヤのカフスボタン | ・生存者の裂傷メーターがあと1回のナイフ命中で最大に到達する時、その生存者のオーラが6秒間視えるようになる |
トリック用の刃物 | ・ナイフがどこか生存者以外に当たると2回跳ね返る ・跳ね返ったナイフが命中するとブラッドポイントを追加で取得する。 |
レア
アドオン名 | 効果 |
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『ウェイティング・フォー・ユー』の時計 | ・メインイベント発動中、ナイフが1本命中するごとにメインイベントの持続時間が0.3秒増加する |
フィズスピンソーダ | ・ナイフを投げる速度が最大に達するまでに必要な本数が2本減少する |
引き裂き魔のサポーター | ・裂傷メーターの上限減少が開始するまでの時間が3秒増加する |
美しい旋律の殺人 | ・ロッカーでのナイフ補充時間が25%増加する |
血まみれのボア | ・所持できるナイフの上限数が8本増加する ・儀式開始時に所持するナイフの本数が8本増える |
アンコモン
アドオン名 | 効果 |
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シングル曲『狙いうち』 | ・裂傷メーターの上限減少が開始するまでの時間が2秒増加する |
ジウンのサイン | ・ナイフを投げる速度が最大に達するまでに必要な本数が1本減少する |
テキーラ・ムーンロック | ・メインイベントの持続時間が50%増加する |
幸運のナイフ | ・メインイベント発動中、ナイフが1本命中するごとにメインイベントの持続時間が0.2秒増加する |
檻の心のシューズ | ・ナイフを投げる間、移動速度が2.5%増加する |
コモン
アドオン名 | 効果 |
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トリック用のポーチ | ・所持できるナイフの上限数が4本増加する ・儀式開始時に所持するナイフ数が4本増える |
思い出のナイフ | ・裂傷が最大に達するのに必要なナイフの本数が1本増加する ・名演の得点が発生するとブラッドポイントを100%追加取得する |
死の声部のレコード | ・ナイフを投げている間の移動速度が1%上昇する |
烈火のケーブル | ・メインイベントの持続時間が25%増加する |
トリックスターのスキンの見た目一覧
×1080 交換不可 | ×675 ×13500 | ×675 ×13500 |
×270 ×5400 | ×270 ×5400 | ×270 ×5400 |
×90 ×1800 | ×90 ×1800 | ×90 ×1800 |
×90 ×1800 | ×1080 ×21600 | ×1080 ×21600 |
×1485 ×29700 |
トリックスターの元ネタと背景
本名 |
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ハク・ジウン |
元ネタ(出典元作品) |
なし(オリジナル) |
背景
ハク・ジウンは人の注目を浴びて成功した。彼に向けられたありとあらゆる眼差し、そして彼の名を話題にするひと声ひと声すべてがジウンの原動力だった。名声を手にした彼の唯一の願い、それはさらなる名声だった。ジウンは幼少時から人の注目を浴びる方法を心得ていた。家族の経営するレストランで働いていた時、彼はナイフ投げを使ったショーを披露して店に客を呼び込んだ。だまされやすい観光客はそれが韓国の伝統的な出し物だと信じ込み、喜んで観賞に金をつぎ込んだ。ジウンの父親は店の売り上げを息子がダンスや歌のレッスンを受けるために費やし、自分には手に入らなかった名声という名の希望をジウンに託した。 ジウンは期待に応えた。何年かスター発掘番組で特技を披露し続けた後、スターへの道がようやく開かれる。マイティー・ワン・エンターテインメントのプロデューサーであるリー・ユンジンが、ジウンを自らの訓練プログラムにスカウトしたのだ。ソウルにある寮に引っ越したジウンは、1日14時間のスター養成訓練を受けた。立ち振る舞いや歌をはじめ、自信と謙虚さをバランス良く演出する方法などを教わった。 骨の折れる訓練だったが、それが功を奏す。ユンジンはジウンをバンド「NO SPIN」のメンバーに選出した。バンドに飾らないエネルギーをもたらしたジウンは、瞬く間に有名になった。ひっきりなしのインタビューを受け、憧れの対象となったジウンは、目まぐるしいスケジュールにバンド仲間が疲れ切る一方で、元気いっぱいだった。自分は社会に吐き出された凡人よりも偉大な人間である。彼にとって毎日は、それを確信する日々だった。 ところが、時が経つにつれシャンパンの炭酸は抜けていった。ファンを見てみると、その熱狂や憧れは5人のバンドメンバーそれぞれに分けられ、薄まっている。それを認識した彼に残ったのは、さらなる名声への切望だった。 ジウンは物まねに精を出し、嫌悪の下に長らく秘めていた魅力を繕った。NO SPINの最新アルバムをレコーディングする時も、彼は動揺を見せなかった。長い昼休憩の後でスタジオに戻った時、ジウンは運命から贈り物を授かったことを知る。そこで彼は、ケーブルの焼けるにおいに気づいた。間違いない。コントロールルームに急ぐも、ドアは倒れたスピーカーでふさがっている。向こう側ではバンドメンバーがドアを激しく叩いていた。彼らの叫び声がパチパチと燃える火の音と一緒に聞こえる。 メンバーに呼びかけながらジウンはスピーカーへと走り寄り、1つ掴んで、止まった。ジウンはピタリと動かなかった。息をつくたびに、全身全霊で意識を集中させ考えた。すぐ近くで叫んでいる彼らの声はほとんど聞こえない。ゆっくり彼が後ろへと下がるまでは。そしてジウンは聞いた。メンバーは焼けながら彼の名前を叫んでいた。助けてくれと彼の名を呼ぶ声。ジウン!ジウン!ハク・ジウン!ジウンはこれほど美しい音を聞いたことがなかった。消防隊が到着した時に流した涙は本物だった。 ジウンは悲劇の人物になった。無駄な努力ながらも仲間を救おうと、やれるだけの努力をした英雄として称えられた。ユンジンはインタビューで彼を見世物にした後、ブランドの再構築に取り掛かった。ジウンは「トリックスター」として生まれ変わった。自らの曲をプロデュースし、荒っぽい外見だが優しい心を持つソロアーティスト。しかし、コンサートやテレビでの舞台から離れたところで、何か黒いものが大きくなっていく。 ジウンは1人暮らしをターゲットに選び、犯行は夜に行われた。1人目の被害者となったのは魅力的な声を持つ音楽大学生だった。ジウンは就寝中だった彼の頭を野球のバットで殴り、目覚めた彼の手足を拘束して、口をガムテープで塞いだ。彼は音大生を何時間も痛めつけ、生きたまま体を切断した。それでも何かが足りない。音とつながりだ。腹部を切開しながらジウンが聞きたかったのは彼の喉から奏でられる素晴らしい音色の心からの命乞いなのに、実際に得られたのはガムテープから聞こえるくぐもった泣き声だけだった。 彼はそこから学び、適応した。 感情を抑えることなく声を出させるために、被害者を誘拐し、廃墟まで運び込まなければならなかった。被害者の声でジウンは曲を作った。適所を突いて、さまざまな悲鳴やうめき声を誘発する。腰方形筋を刺すとしわがれたうめき声を引き起こし、頸動脈を切りつけると猫を絞め殺すのと似た音を作り出した。彼らの苦しみには正直さがあった。ジウンは犯行のたびに録音し、合成してうまく曲に織り込んで、メロディーが折り重なる層の裏側に隠した。 ジウンは自分の作品に大得意だった。彼は警察へのほのめかしとして、最近の写真撮影会で使用したミンクのボアを被害者の切り裂かれた喉に巻いておいた。その次の殺害時には男性の歯を抜いた。ミュージックビデオに出演していたボクサーの歯が無かったからだ。注目を集めるため大胆さが増すなか、VIPのパーティーで出会ったファンの女性を殺した彼は、女性の眼玉をダイヤのカフスボタンと入れ替え、胸に血で「私は神をみた」と書いた。どの現場も強烈な壮観だった。 音楽と殺人の間で、ジウンの作品は世界中で話題になった。ところが、暴力が彼のアートスタイルの特徴になると、音楽のキャリアに影響が出た。収益が減収したマイティー・ワンの経営陣が、彼を非難しはじめたのだ。プロとして怒りを覚えたユンジンは彼を擁護したが、多数派に押され、ジウンは曲を自作することが禁じられてしまった。 その決定によって彼は大きく落胆した。彼の楽曲は本物の人間らしさを音楽に融合させたものだったが、どこにでもあるような万人受けする要素に欠けた音楽は、経営陣によって否定されたのだった。それであれば仕方ない。自分の芸術が理解されないのであれば、理解されるまで組み込むまでだ。 マイティー・ワンの経営陣に向けたプライベートライブを決行するために、ジウンは3ヵ月を準備に費やした。傑作を披露する計画だ。ジウンは獣医からとんでもない大金で亜酸化窒素を手に入れ、マイティー・ワンが経営する劇場の舞台スタッフに賄賂を渡して建物内に入った。有名だった彼を、普通の人間は疑おうとしなかった。ライブの準備が整い、経営陣と舞台係がジウンの登場を待つなか、部屋にはガスが充満していった。予定は都合よく遅れていた。 ジウンが登場する頃には、意識朦朧となった観客はそれぞれ座席で手足を広げた状態だったり、床を這ったりしていた。彼は素早く動き皆を拘束したが、ユンジンの番になって手を止めた。泥穴から自分を引っ張り出し、彼が報われるべき道を敷いてくれたひと。彼女は特別に、これから起きる感嘆の光景を目の当たりにすべき存在だ。鎮静状態であってもユンジンは抵抗した。それは彼女の内にある、他の誰よりもずっと強力な激しい嵐だった。ジウンはたった一人の観客であるユンジンの身体を支え、目をこじ開けた。むせび泣く他の連中は最後のショーを行うため、ステージに上げられた。冷笑しながらジウンは彼らの顔に化粧を塗りたくり、舞台照明でその姿を照らした。楽器の準備はできた。 自作のメロディーを奏でるために、ジウンは彼らを拷問し、1つの肉体から別の肉体へと優雅に走って移動しながら、その悲嘆の声でオペラのようなクレッシェンドを演出した。叫び声、すすり泣き、金切り声。彼らは愛する家族を、母親を求めて泣き叫んだ。それは壮大なる感情のほとばしりだった。人間であるとはどういうことか。その間、彼らはジウンをじっと見つめていた。 ジウンがナイフを投げ、最後の人間楽器が音を出さなくなって音楽が止まり、舞台からの内臓の流出も止まった。ヘトヘトになった汗と血まみれのジウンは、ユンジンの方を見て一礼した。カーテンコールだ。彼は完全なるショーを成し遂げた。ナイフを握りしめ、ユンジンに向かって進んでいく。エンドロールが始まる前に仕上げが必要だ。ところがあと少しで— 霧が現れた。 どこからともなく、それは彼の周りに押し寄せた。ジメジメとひんやりして、不快な霧。ジウンが見たのは壮大なステージだった。病院、寺院、森林、屠殺場—錆びたフックで飾られた、不滅の世界を維持する百万もの目が彼に注目し、彼から逃げ惑い、彼を体感する。ジウンのやるべきことはただ1つ。受け入れ、霧の道具となること。そして何よりも、叫び声を作り出すことだ。 アンコール! |
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