JCS本戦出場の対戦レポート!
ユウキさんがJCS本戦に出場
当サイトでシングル構築記事を寄稿してくれているユウキさん(@yuki_rotom)が、公式大会「ポケモンジャパンチャンピオンシップス」の本戦に出場!その際に使用した構築の解説と実際の対戦内容をピックアップして紹介!
シングル構築も当サイトで紹介
ダブルバトルのみならず、シングルバトルでも成績を残しているユウキさん(@yuki_rotom)監修のシングル構築を当サイトでも紹介。レンタルコードを用意している構築もあるため、ぜひ使ってみてほしい。
ユウキさん監修!シングルバトル構築まとめ大会前の環境考察
多いと予想した構築系統
多いと予想した構築
- いかく入り構築
- レジエレキ入り構築
- コントロール系統
- 壁パーティ
- 晴れパーティ
対策で採用される予想ポケモン
- ヒートロトム
- テッカグヤ
いかく持ちとレジエレキは常に上位
ランクマッチ開始前に開かれた仲間大会やランクマッチにおける使用率上位は固まっており、特にガオガエン、ランドロスの特性「いかく」持ちとレジエレキは常に上位だった。
コントロール系統
ガオガエン、ランドロスの「いかく」サポートとの親和性の高い「めいそう」カプ・レヒレや「かいでんぱ」ポリゴン2等の耐久ポケモンを軸にした構築。
それぞれの耐久が高い上にデバフや耐久バフで運用に安定感があり、特に人気だろうと予想。
アタッカーはブリザポスやメタグロスが人気
ダイマアタッカーとしては「クリアボディ」でデバフに強く、味方の耐久を「ダイスチル」「ダイアース」で上げられるメタグロスや全抜き性能が高いブリザポス等が人気。
壁パーティ
上記コントロール系と被る部分は多いが、オーロンゲ等の壁サポートを組み合わせて更に耐久に磨きを掛けるパーティも多いと想定。特に素の耐久が高いメタグロスやガラルファイヤーがダイマエースとして多く採用される印象。
晴れパーティ
フシギバナ+コータスの晴れパーティも要対策と考えた。それぞれ耐久と火力が高いだけでなく「ねむりごな」や「あくび」を使える点が強く、相手にした場合厄介だ。
環境メタ枠
トップメタである晴れパやメタグロス、ブリザポスに対して有利に戦えるテッカグヤやヒートロトム等が環境メタ枠として増えるのではないかと予想。
積みアタッカーのエース運用も警戒
「ビーストブースト」や「わるだくみ」で全抜きを狙える性能もあるため、味方のピッピやイエッサン♀の「このゆびとまれ」や、オーロンゲの壁サポートを受けてエース運用されることも想定したい。
構築経緯
「トリックルーム」軸を使うことに
まず、パーティに入れる素早さ操作手段を決めることで方針を定める。「エレキネット」レジエレキや「おいかぜ」エルフーン、タイプ一致「ダイジェット」持ちのランドロスやガラルファイヤーの使用率が高く、先手を取り続けるのは難しい。
そのため、上から攻めることに躍起になるよりも「トリックルーム」を軸にした方が立ち回りやすいと判断した。
10年以上愛用しているコンセプト
自身がダブルバトルを始めた10年以上前から「トリックルーム」中心のトリパを愛用しているため、扱いに慣れたトリパを選択した方が立ち回りの練度で勝負出来ると考えた。対策が薄くなると予想
また、ガチガチのトリパを全国大会に持ち込むプレイヤーは恐らく少ないため、対策も薄くなるのではと予想した。ミラーをそこまで想定しなくて良いのも利点だ。
エース枠を探す
次に、環境に刺さるエースアタッカーを探した。そこで目を付けたのが、下記の資質を備えたコータス。
エースとしての資質
- 環境に多い「いかく」で火力を削がれない
- 高威力の全体攻撃技「ふんか」で読みに左右されず制圧を狙える
- S種族値20で「トリックルーム」下であればほぼ最速
- メタグロス、ブリザポス、テッカグヤ、フシギバナ、ゴリランダー等に強い
「トリックルーム」要員の決定
メインの素早さ操作役は以下の理由からサマヨールを選択。
サマヨールに決定した理由
- 「じならし」でコータスのじゃくてんほけん発動を狙える
- 「ねこだまし」で怯まない
- 耐久が非常に高い
- 特性「おみとおし」で相手の戦術を見破れる
「このゆびとまれ」要員
「トリックルーム」サポートのためにほぼ必須となる「このゆびとまれ」役は以下の理由からイエッサン♀を選択。
イエッサンに決定した理由
- 特性「サイコメイカー」で「ねこだまし」対策
- オーロンゲやエルフーンの「いたずらごころ」の補助技全般をシャットアウト
- タイプ一致「ワイドフォース」で火力を出せる
補完のアタッカー枠①
コータスとの相性が抜群のフシギバナは早い段階で自然に構築に入った。
フシギバナの採用理由
- コータスの苦手な水、岩、地面の全てに強い
- 特性「ようりょくそ」で高速展開も狙える
- 「ねむりごな」の誤魔化し性能
補完のアタッカー枠②
コータス、フシギバナの攻撃範囲では倒すのに苦労するポケモンがいるため、それらに強いエースとしてブリザポスを採用。
ブリザポスの採用理由
- ドラパルト、ガブリアス等ドラゴンタイプ全般に強い
- ガラルファイヤーに強い
- 「トリックルーム」と相性が良い
- バンギラスに打点を持てる
- 全抜き性能が高い
補完のサポート
最後にイエッサン♀が仕事をしにくい悪タイプ絡みに代わりに出せるサポートとしてトゲキッスを採用。
トゲキッスの採用理由
- 悪半減+一致フェアリー技で抜群を突けるため悪タイプに滅法強い
- フシギバナ+コータスの苦手なドラゴン、ガラルファイヤーの両方に強い
- タイプ一致「ダイジェット」で高速展開も可能
実際に使った構築
コード | 0000 0004 VL8K 9J |
---|
構築のコンセプト
- 全体技メインのトリパ
- 初見殺しギミック
- 高速展開も可能なトリパ
- 再戦も想定
全体技メインのパーティ
「ワイドフォース」「マジカルシャイン」「ふんか」「ねっぷう」等の全体攻撃技をメインにした「トリックルーム」パーティ。全国大会に出場するような上級者相手だと、どちらに攻撃を通すかの択を制する難易度が高いためだ。
両縛りの盤面を維持する
全体技をメインにすることで読み合いとなる場面をなるべく減らし、「まもる」や交代でアドバンテージを取られにくい構築を目指した。両縛りの盤面を維持して数的有利を狙う。
初見殺しギミック
上級者だけのBo1大会ということで、強い初見殺しギミックを軸にしようと考えた。そこで思い付いたのがじゃくてんほけんを持たせたコータス。コータスの持ち物としては使用率が非常に低く(ランクマッチ5/9時点で1%台)、初見ではまず読まれないのが強み。
※Bo1…1本先取で勝敗が決定する試合形式
「てだすけ」+こだわりメガネの方が瞬間火力自体は高いが、じゃくてんほけんコータスは以下のメリットがある。
弱保コータスの強み
- 技を自由に選べる
- じゃくてんほけん発動後の「てだすけ」で更なる火力増強が見込める
- ダイマ技で相手単体に対してダブルダメージ「ふんか」以上の高火力を当てられる
- ダイマックスして高耐久になることで返しの攻撃を耐えられる
キュワワー+カイオーガを彷彿とさせる制圧力
天候特性+高威力全体技持ちのじゃくてんほけんエースのギミックはPJCS2021予選を共に戦ったキュワワー+カイオーガを彷彿とさせるパワー。コータスはカイオーガより一回り特攻は低いものの全国ダブルでは非常に高い制圧力となる。
高速展開も可能なトリパ
ガチガチのトリパは初手積み技や「みがわり」からアドバンテージを取る動きや「トリックルーム」+「ふういん」に弱いので、上からも攻められるようにトゲキッスとフシギバナを採用。
状況に応じて「ダイジェット」や「ようりょくそ」で高速展開も狙えるようにし、対応範囲を拡げた。
再戦も想定
参加者150人で6h以内に最低10戦~最大20戦実施する大会の性質上、再戦が発生する可能性もある。初見殺しギミックを軸にしつつも、再戦で別プランを取る選択肢を残せるようにエースとなり得るポケモンを多く採用した。
戦術の幅が広くなった
コータス、フシギバナ、ブリザポス、トゲキッスそれぞれがダイマックスして強い上に、トリルする/しないの択を含めると戦術の幅はかなり広い。これにより再戦でも一方的に不利を取ることなく展開して行ける。
構築の使い方
基本選出
「このゆびとまれ」+「トリックルーム」
まずはイエッサン+サマヨールで「トリックルーム」の展開を狙う。イエッサンのきあいのタスキ、サマヨールの高耐久により多くの場合は安全に「トリックルーム」を決められる。
イエッサンが生存した場合
イエッサンが生存した場合は「ワイドフォース」で攻めて行く。「ワイドフォース」の通りが悪い場合は「このゆびとまれ」で倒してもらうか、相手が攻撃して来ない場合は交代でコータスを出す。
「じならし」+「ふんか」
サマヨールの「じならし」でコータスのじゃくてんほけんを発動させながら火力を上げた「ふんか」で攻めて行く。全体技なので相手を効率良く倒して行ける。
コータスかブリザポスにダイマックスを回す
コータスの通りが良い場合はダイマックスを切ってコータスを倒されにくくし、そのまま全抜きを狙っても良い。「ふんか」で充分な場合はブリザポスにダイマックスを回す。
コータス、ブリザポスで制圧
コータスとブリザポスの攻撃範囲の相性は非常に良く、「トリックルーム」中に2匹が並べば相手を制圧出来る。両エースのうち通りそうな方をダイマックスすることでそのまま試合を決める。
どちらも耐久が高く、「トリックルーム」が切れても戦える点が優秀。
印象に残った対戦内容
VSレジエレキ採用構築
こちらの選出 | |||||
---|---|---|---|---|---|
○ | ● | ● | ○ | ||
相手の構築/選出 | |||||
● | ● | ○ | ○ |
※●が先発、○が控えに選出したポケモン
試合内容
初手「てだすけ」+「ワイドフォース」で相手のとつげきチョッキランドロスのHPを大幅に削ったことで、裏に控えさせたコータスの攻撃をダイマで無理やり耐える動きを封じることが出来た。その後、サマヨールの「トリックルーム」を始動。
得意のサマヨール+コータスを展開
エースのコータスを万全の形で着地させることに成功。相手の場にはモロバレルとポリゴン2がいたため、モロバレル「まもる」+ポリゴン2「トリックルーム」の切り返しを読み、「じならし」+「ダイバーン」でポリゴン2の突破。
そのままトリルが継続し、コータスが全抜きする形で勝利。
VSヒートロトム採用構築
こちらの選出 | |||||
---|---|---|---|---|---|
○ | ● | ● | ○ | ||
相手の構築/選出 | |||||
● | ○ | ○ | ● |
※●が先発、○が控えに選出したポケモン
試合内容
「このゆびとまれ」+「トリックルーム」を展開すると、相手の先発ヒートロトムはイエッサン♀の「ワイドフォース」直撃を嫌ってサイコシードイエッサン♀に交代。「このゆびとまれ」でコータスの「ダイバーン」を吸われる展開が厄介なので「てだすけ」+「ワイドフォース」で相手のイエッサンへの削りを優先した。
相手のイエッサンが消耗したところで…
相手のイエッサンが消耗したところに、「じならし」+「ふんか」で確実に処理。その後、コータスとヒートロトムのダイマ対決になるが、「てだすけ」+「ダイバーン」の火力で押し切ることに成功した。
ヒートロトムに「わるだくみ」をする暇を与えずに、先にこちらのコータスを展開できた事が勝因だろう。
ポケモン個別の解説
採用ポケモン一覧
コータス
特性 | ひでり |
---|---|
性格 | ひかえめ (C↑/A↓) |
持ち物 | じゃくてんほけん |
実数値 | 177-81-160-150-91-28 |
個体値 | 31-0-31-31-31-7 |
努力値 | H252/C252/D4 |
技構成 | ・ふんか ・ねっぷう ・ソーラービーム ・だいちのちから |
DM・・・ダイマックス状態
D技名・・・ダイマックス技の元の技
W技名・・・ダブルの威力補正が掛かった技
(+数字)・・・対象ステータス上昇
(−数字)・・・対象ステータス下降
※ダブルバトルでは全体技に3/4倍の威力補正が掛かる
Cの調整意図
努力値調整意図 |
---|
C(+2)「ソーラービーム」で177-153カプ・レヒレ確定 |
C(+2)「Dだいちのちから」で202-146ガオガエン確定 |
Sの調整意図
努力値調整意図 |
---|
S27のサマヨール+1 |
S最遅30族-3 |
S最遅29族(ブリムオン)-2 |
S(-1)で最遅20族-4 |
味方サマヨールとトリル下で「じならし」→攻撃の順で連携出来るよう素早さ調整。1回「じならし」を当てれば相手の最遅コータスに確実に先制出来るのが魅力。
エースアタッカー
「トリックルーム」中に出すメインのアタッカー。晴れで強化したタイプ一致全体技「ふんか」により、少ない手数で効率的に相手を倒して行けるのが強み。
じゃくてんほけん型
採用率が低いじゃくてんほけんエースを採用することで相手の意表を突き、そのまま試合のペースを握ることを狙う。一般的にコータスは「ふんか」を用いた非ダイマックスでの運用が多いため、じゃくてんほけんやダイマックスが読まれる場面が少なく、決まった試合では大きなアドバンテージを取れた。
ダイマックス適正も高い
相手2匹を同時に倒したい場合は「ふんか」が強いが、ダイマすることでどちらか1匹に対して「ふんか」以上の火力をぶつけられ、HPが2倍になることで返しの攻撃もしっかり耐えて殴り合える。じゃくてんほけん型での採用も相まって積極的なダイマ運用が可能。
※ダブルバトルでは「ふんか」等の全体攻撃技の威力は3/4倍になる為、ダイバーンの方が高火力になる。
コータスの覚える技&種族値はこちらサマヨール
特性 | おみとおし |
---|---|
性格 | のんき (B↑/S↓) |
持ち物 | しんかのきせき |
実数値 | 147-78-189-80-161-27 |
個体値 | 31-7-31-31-31-0 |
努力値 | H252/B172/D84 |
技構成 | ・ナイトヘッド ・てだすけ ・じならし ・トリックルーム |
DM・・・ダイマックス状態
D技名・・・ダイマックス技の元の技
W技名・・・ダブルの威力補正が掛かった技
(+数字)・・・対象ステータス上昇
(−数字)・・・対象ステータス下降
※ダブルバトルでは全体技に3/4倍の威力補正が掛かる
Aの調整意図
努力値調整意図 |
---|
W「じならし」で味方のコータスへのダメージを最低値で抑えられる中で最大のA |
攻撃個体値を調整。コータスへのダメージを最低値に抑えられる範囲での最大値にして、相手へのダメージ期待値を上げた。
Bの調整意図
努力値調整意図 |
---|
A172ドラパルトの珠「Dゴーストダイブ」耐え |
A182悪ウーラオスの鉢巻「あんこくきょうだ」12/16耐え |
A184エースバーンの珠「Dふいうち」確定耐え |
耐久はウーラオス等を意識してB振り。
Dの調整意図
努力値調整意図 |
---|
C197レイスポスの「Dシャドーボール」耐え |
C152ガラルファイヤーの珠「Dもえあがるいかり」15/16耐え |
C152ガラルファイヤーの珠「もえあがるいかり」2発耐え |
C161リザードンの珠「ねっぷう」+C133キュウコンの眼鏡「ねっぷう」84.6%耐え |
Sの調整意図
努力値調整意図 |
---|
最遅 |
トリル時にコータスが相手のモロバレルに怯えずに済む(素早さ30以下)ためにはサマヨールも素早さ下降補正にする必要があるため最遅。
高耐久トリル要員
しんかのきせき込で耐久が高く、安定して「トリックルーム」を狙える。メジャーなポリゴン2と違い「じならし」でコータスのじゃくてんほけんを発動出来る点、「てだすけ」によって攻撃的な展開で活躍できる点が主な採用理由。
特性「おみとおし」
相手の持つアイテムを確認することで、ある程度の型判別が可能になる。初見殺しに強くなれる他、きあいのタスキや半減木の実等が分かっていればどう攻撃すれば良いかが明確になり、立ち回りの裏目がなくなるので優秀。
「ねこだまし」で止まらないゴーストタイプ
サイコフィールドが展開されていない時にも「ねこだまし」の妨害を受けない点は大きな強み。隣のコータスをダイマックスさせることで「じならし」+攻撃のテンポを崩さずに攻めて行ける。
サマヨールの覚える技&種族値はこちらイエッサン♀
特性 | サイコメイカー |
---|---|
性格 | ひかえめ (C↑/A↓) |
持ち物 | きあいのタスキ |
実数値 | 168-**-95-161-125-104 |
個体値 | 31-0-31-31-31-29 |
努力値 | H180/B76/C252 |
技構成 | ・ワイドフォース ・マジカルシャイン ・しんぴのまもり ・このゆびとまれ |
DM・・・ダイマックス状態
D技名・・・ダイマックス技の元の技
W技名・・・ダブルの威力補正が掛かった技
(+数字)・・・対象ステータス上昇
(−数字)・・・対象ステータス下降
※ダブルバトルでは全体技に3/4倍の威力補正が掛かる
Bの調整意図
努力値調整意図 |
---|
A189ドラパルトのいのちのたま「ドラゴンアロー」87.1%耐え |
A200水ウーラオスの「すいりゅうれんだ」耐え |
A204カイリューのこだわりハチマキ「ダブルウイング」91.4%耐え |
サマヨールと並んだ時のB合計値がB<D(「ダウンロード」でA上昇) |
耐久はある程度タスキに任せる。タスキを貫通して来る恐れのある物理連続技に対してある程度の行動保証を得られるように調整。
Cの調整意図
努力値調整意図 |
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「てだすけ」+サイコフィールド状態のW「ワイドフォース」で177-91コータス15/16で1発 |
「てだすけ」+サイコフィールド状態のW「ワイドフォース」で154-105リザードン14/16で1発 |
サイコフィールド状態のW「ワイドフォース」で176-121フシギバナ1発 187-121は11/16で1発 |
W「マジカルシャイン」で180-82悪ウーラオス1発 |
特攻特化してなるべく相手に負担を掛ける配分。
Dの調整意図
努力値調整意図 |
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C167フシギバナの「Dハードプラント」+1/6定数ダメ1回耐え |
C177リザードンの「Dブラストバーン」+1/6ダメ87.5%耐え |
Sの調整意図
努力値調整意図 |
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S無振り85族-1 (※初手ゴリランダー、カプ・レヒレと対峙した際にフィールドを取りやすくなる速さ) |
S(+1)で最速88族+2 |
「このゆびとまれ」要員
数種類いる「このゆびとまれ」要員の中でも、タイプ一致の高威力全体技「ワイドフォース」により、充分な攻撃性能も確保できるイエッサンを採用。「このゆびとまれ」+「トリックルーム」をした後にイエッサンが場に残ったとしても相手に負荷を掛けて行ける。
特性「サイコメイカー」の強み
特性によってサイコフィールドを場に展開し、以下のような形で構築全体をサポートする。
① | 「ねこだまし」+「ちょうはつ」対策になる |
---|---|
② | 裏のアタッカーも「ねこだまし」を気にせず攻撃に移れる |
③ | オーロンゲ等の「いたずらごころ」持ちの補助技をシャットアウト |
④ | エレキ、ミストフィールドの上書き+「ねむりごな」も狙える |
「マジカルシャイン」採用
悪タイプに何も出来なくなると窮屈なので「マジカルシャイン」を採用。悪ウーラオスやオーロンゲにダメージを見込める。
イエッサン♀の覚える技&種族値はこちらフシギバナ(キョダイ)
特性 | ようりょくそ |
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性格 | ひかえめ (C↑/A↓) |
持ち物 | いのちのたま |
実数値 | 156-**-103-167-120-132 |
努力値 | H4/C252/S252 |
技構成 | ・リーフストーム ・ヘドロばくだん ・だいちのちから ・ねむりごな |
サブアタッカー
コータスの苦手な地面や岩、水全般に強いサブアタッカー。特性「ようりょくそ」により、「トリックルーム」が切れた後や「トリックルーム」をしないプランで上から制圧する攻撃役となれる。
不利を覆せる「ねむりごな」採用
不利マッチや出し負け、不慮の事故で想定した展開に失敗した場合に「ねむりごな」があるだけで状況をひっくり返すことが狙えるため採用。運に左右されるものの、実力が拮抗した全国大会という場では有効な場面が出て来ると踏んだ。
ヘイトを集めやすい
フシギバナは「ねむりごな」の存在もあって処理を優先されやすい。フシギバナにヘイトを集めている隙に、本構築のメインギミックである「トリックルーム」が通りやすくする等の恩恵も期待出来る。
「キョダイベンタツ」の定数ダメージ
キョダイマックス個体で採用し、場合によっては「キョダイベンタツ」から相手を削って行く。取り巻きに全体攻撃技を多く採用しているため、定数ダメージによる削りで攻撃圏内に押し込んで両縛りにするという戦術を狙いやすい。
フシギバナの覚える技&種族値はこちらブリザポス
特性 | しろのいななき |
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性格 | いじっぱり (A↑/C↓) |
持ち物 | しろいハーブ |
実数値 | 201-216-150-**-130-57 |
努力値 | H204/A252/S52 |
技構成 | ・つららおとし ・10まんばりき ・インファイト ・つるぎのまい |
DM・・・ダイマックス状態
D技名・・・ダイマックス技の元の技
W技名・・・ダブルの威力補正が掛かった技
(+数字)・・・対象ステータス上昇
(−数字)・・・対象ステータス下降
※ダブルバトルでは全体技に3/4倍の威力補正が掛かる
Sの調整意図
努力値調整意図 |
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トリル時に最遅60族(58)-1 |
S(-1)準速セキタンザン+3 |
S(-1)S84調整のポケモン+1 |
S(+1)で準速セキタンザン+3 |
S(+1)でS84調整のポケモン+1 |
最遅にするメリットは薄いと判断
ブリザポスは最遅にしても相手のモロバレルと同速、トリル下で相手のコータスを抜けない等、最遅にするメリットをあまり感じない。また、素早さを下げずとも充分遅いため、普通のパーティに対してはトリル時に先手を許して困る場面は少ない。
コータス、ナットレイ等との素早さ関係をハッキリさせる
ブリザポスが最遅(S31)だと、素早さを下げていないコータスやナットレイ(S40付近)の可能性を考慮すると「トリックルーム」をするべきか否かの判別が難しい。
通常時にほぼ確実に先手を取れる素早さ(50以上)にすることで試合のプランが立てやすくなる。素早さ操作との連携を意識
サマヨールの「じならし」やトゲキッスの「ダイジェット」との連携で相手を抜けるようになると展開の幅が増えるため、ポリゴン2やガオガエン、セキタンザン、バンギラスあたりを意識して調整。
コータスの補完サブエース
コータスをメインエースにした場合、下記のポケモン達が障壁となりやすい。これらに強力な打点を持てる鈍足エースとしてブリザポスを採用。
選出誘導
ダイマするブリザポスは非常に高い全抜き性能を持つため、対戦相手は鋼タイプの選出を余儀なくされる。コータスは鋼タイプ全般に有利なので、ブリザポスで誘った鋼タイプ絡みに有利に展開して行ける。
しろいハーブ
ランドロス意識の採用なので「いかく」対策。相手のダイマ技等での想定し得る能力ダウンに加え、不意の「あまえる」「うそなき」等に対する保険にもなる。また「インファイト」の耐久ダウンを解除出来る点でも強く、非ダイマ時に「インファイト」を選びやすくなる。
ブリザポスの覚える技&種族値はこちらトゲキッス
特性 | てんのめぐみ |
---|---|
性格 | ひかえめ (C↑/A↓) |
持ち物 | ぼうじんゴーグル |
実数値 | 191-**-115-176-135-114 |
努力値 | H244/C156/S108 |
技構成 | ・マジカルシャイン ・エアスラッシュ ・げんしのちから ・このゆびとまれ |
DM・・・ダイマックス状態
D技名・・・ダイマックス技の元の技
W技名・・・ダブルの威力補正が掛かった技
(+数字)・・・対象ステータス上昇
(−数字)・・・対象ステータス下降
※ダブルバトルでは全体技に3/4倍の威力補正が掛かる
Cの調整意図
努力値調整意図 |
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「Dげんしのちから」+砂ダメで177-91コータス13/16で1発 |
「Dげんしのちから」+砂ダメ+珠ダメで308-105リザードン15/16で1発 |
「げんしのちから」で154-105リザードン1発 |
トリル後の制圧力を重視して特攻をなるべく伸ばした。
Dの調整意図
努力値調整意図 |
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C167フシギバナの珠「ヘドロばくだん」15/16耐え |
Sの調整意図
努力値調整意図 |
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S準速バンギラス+1 |
S(+1)で最速ガブリアス+2 |
ダイジェット展開を意識して素早さを多少上げている。
第二の「このゆびとまれ」要員
イエッサン♀の「ワイドフォース」の通りが悪い悪タイプ入りに対して強い第二の「このゆびとまれ」要員として採用。コータスが不利なドラパルト、ガラルファイヤーに打点を持てる点も優秀。
「げんしのちから」採用
重いリザードン+コータスやヒートロトムに対する初見殺しでの処理ルート。バンギラスのようなあからさまな岩タイプと違い、読まれないので無警戒から刺しやすい。
単体の技範囲を見ればここは炎技が妥当だが、コータスをエースとしている以上炎打点よりもコータスの苦手な範囲に刺して行ける技の方が優先度が高かった。
ぼうじんゴーグル
今回のように実力差が少ない場においてはフシギバナの「ねむりごな」は採用価値が高いと考え、その対策を厚くするために採用。「ダイロック」による天候書き換えも相まって、フシギバナを擁する晴れパーティに対する有効な勝ち筋となれる。
特性「てんのめぐみ」
元は「きょううん」でピントレンズ型だったが、前述の理由で変更。ピントレンズ無しの急所率にはあまり期待出来ないため、「エアスラッシュ」の追加効果を活かせる「てんのめぐみ」を選択。主にポリゴン2やサマヨール等の高耐久サポーターに対して優位に立てるようになる。
また、「げんしのちから」も20%で全能力が上昇するようになるため侮れない。
トゲキッスの覚える技&種族値はこちら構築の改善点
トゲキッスの型
「ねむりごな」フシギバナ対策でぼうじんゴーグル+「てんのめぐみ」としていたが、20戦やってフシギバナとのマッチングは0回。対策が薄くても問題ない環境であれば攻撃性能が高いピントレンズ+「きょううん」型の方が強い場面が多いため、検討の余地はあるだろう。
壁やデバフ等に強くなれる
攻撃を50%で急所に当てられることで壁パーティや「めいそう」カプ・レヒレ、「かいでんぱ」「バークアウト」「すてゼリフ」等のデバフ全般に強めになる他、ダイマックス時の火力期待値も跳ね上がるのがメリット。
どちらが良いかは言い切れない
今回私がたまたま当たらなかっただけで「ねむりごな」フシギバナ使用者は一定数いたようなので、一概にどちらが良いとは言い切れない。
サマヨールの枠
本戦では明らかに「トリックルーム」が刺さっているにも関わらず「いわなだれ」怯みで止められて勝てなかった試合もあった。
削れたサマヨールを倒せるポケモンが脅威
基本的には耐久が高いサマヨールであれば1回の怯みは許容出来ると考えていたが、ランドロスの隣に削れたサマヨールを一撃で倒せるポケモンがいた場合は1ターン目に怯んでイエッサン♀を失うと2ターン目に「このゆびとまれ」が出来ない盤面となり、致命的となる。
怯みに強いトリル要員にヤレユータン
怯みに絶対負けないようにするのであれば特性「せいしんりょく」の「トリックルーム」要員も検討の余地がある。その中でも特に可能性を感じるのはヤレユータン。ダイマ技に撃てない点は惜しいものの、専用技の「さいはい」には唯一無二の強みがある。
単純な差し替えは難しい
イエッサン♀とタイプが完全に被る他、「トリックルーム」下でコータスより先に「じならし」を撃つためには工夫が必要な点は注意。そのままの差し替えは難しいが、上手くヤレユータンを活かしたパーティに組み直すのも面白いだろう。
大会を通しての感想
パーティはしっかり機能した
環境予想は概ね当たっており、本戦で想定外の相手に悩まされる場面は少なかった。20戦やって15戦が基本選出の4匹で、残りの5戦もサマヨール、コータス、ブリザポスは固定でコンセプト通り戦えた。
これは環境予想と構築作りが上手く行った証拠だと言える。
初見殺しはかなり決まった
仕込んでいた初見殺し要素の数々は、初戦では読まれることなく上手く決まる場面が多かった。特にじゃくてんほけんコータスは環境に刺さっており、何匹ものポケモンを相手の想定外の火力で倒すことが出来た。
相手の想定を上回る構築を組むという目標も達成出来ていた。
不運による負け筋
パーティの刺さり自体は良かったが、当日の運に見放され確率を上回る数の怯みや急所を被弾してしまい負け数がかさんだ。特に初手の怯みや急所は「このゆびとまれ」+「トリックルーム」を狙うパーティにおける大きな課題と感じた。
運が多少悪くてもカバー出来るように構築段階での改善を試みたい。
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