ARグラスを展開するXREAL株式会社は11月2日、「XREAL AURA(エックスリアル オーラ)」の国内一般予約を開始した。発売は2026年11月27日を予定している。
XREAL AURAは、Googleの空間コンピューティング向けプラットフォーム「Android XR」と、AIの「Google Gemini」を搭載したデバイスだ。目の前の大画面にゲームを映しながら、攻略情報を調べたり、フレンドとやり取りしたりといった使い方が紹介されている。
▲XREAL AURA - もうすぐ、変わる。
同日には都内で発表会とメディア向けの体験会が開かれ、実機や製品の仕様がお披露目された。会場では新モデル「XREAL 1 Pro+」も発表されている。普段のゲーム環境にどんな変化をもたらしてくれるのか、発表会の内容とデモの様子を紹介しよう。
※記事内の商品価格は、全て税込です。
※Geminiの提供状況は国・地域・言語によって異なり、一部機能は定期購入が必要な場合があります。
目次
軽さと広い視野角を両立した「XREAL AURA」
発表会では、XREAL株式会社で製品戦略・エコシステムを統括する高 天夫(コウ・テンフ)氏が登壇。「AURAで何ができるのか」をテーマに、ゲームを含むさまざまな活用方法を紹介した。

▲高 天夫氏
XREAL AURAの特徴の一つは、グラス本体と計算ユニットを分けた「スプリット・コンピューティング・アーキテクチャ」にある。演算処理やバッテリーを約265gのコンピュートパックに収めることで、グラス本体の重量は95g未満に抑えられている。
コンピュートパックには、QualcommのXR向けチップ「Snapdragon Reality Elite」を搭載する。前世代のXRチップと比べて、AI処理やグラフィックス処理の性能が向上しているという。

▲Snapdragon Reality Eliteにより、処理性能が向上する
バッテリー容量は4,455mAhで、約3.5時間の連続駆動に対応する。
一方、グラス本体のフレームには、XREALが独自に開発したコプロセッサ「XREAL X1S」を内蔵している。周囲の映像をAIで認識する処理を常に行いながら、頭の動きに対する映像のズレ(遅延)を3msに抑えるという。
ディスプレイにはソニー製のMicro-OLEDを採用し、解像度は片眼1920×1200ピクセル、リフレッシュレートは最大120Hz。視野角は最大70度で、量産された光学シースルー型の製品としては初めての広さだという。

▲光学シースルー方式を採用
周囲の明るさに合わせて透過率を調整する電子調光機能は、従来の3段階から5段階になり、より細かく調整できるようになった。
手と声で操作、乗り物の中でも画面が安定
操作には、手の動きを捉えるハンドトラッキングと音声、そしてコンピュートパック表面のタッチパッドを利用できる。タッチパッドは、ジェスチャーが使いにくい場面で役立つだろう。
ハンドトラッキングでは、XREAL AURAが搭載する6DoF機能とフレームの両サイドに搭載する環境トラッキングカメラを利用する。これにより、手の動きを素早く正確に読み取り、指の動きだけでメニューを操作したり、ウィンドウを動かしたりすることができる。

▲6DoF対応
音声では、Geminiへの音声コマンドを利用する。散らばったり重なったりしてしまったウィンドウの整理などを一発で行えるので、シーンによってはハンドトラッキングより使い勝手が良いだろう。

▲Geminiに対応する
6DoF(あるいは3DoFでも)のARグラスで困るのが、新幹線や飛行機、タクシーといった乗り物の中で利用中に、「画面が飛んでいく」(高氏)ことだ。XREAL AURAは新たに「トラベルモード」を搭載し、そのような課題を解消した。
「例えば、タクシー乗車中に曲がり角で曲がった、坂道を登ったり下ったりしたというような場合でも、画面がしっかり固定される。自分が一番好きなモードかもしれない」(高氏)

▲トラベルモード
光学シースルー、つまりカメラの映像をディスプレイ内に映すのではなく、周囲の景色をレンズ越しに直接見ながら映像を重ねられるため、MRアプリも利用できる。
ダイニングやリビングにあるテーブル上に、バーチャルのボードゲームを設置してオンライン対戦する、という使い方が紹介された。

▲現実空間にバーチャルを重ね、しかもオンライン対戦を行う。まさにXRなゲーミング体験を楽しめる
ゲームをしながら、攻略情報やフレンドとの会話も
ゲームを楽しむ際に気になるのが、大画面とマルチウィンドウを組み合わせた使い方だ。
コンピュートパックのUSB Type-CポートにPCや、Steam Deckなどの携帯型ゲーム機を有線接続すると、その映像を目の前の大画面に映し出せる。ゲーム画面の周囲には、Android XR上で動くWebブラウザやDiscord、YouTubeなどを並べることも可能だという。
例えば、ボスの攻略動画を確認しながらゲームを進めたり、Discordでフレンドと会話しながらマルチプレイを楽しんだりすることができる。大きなモニターを複数置けない部屋でも、視界の中に必要な情報を広げる使い方が考えられそうだ。
攻略に迷ったときには、Google Geminiへの相談も役立つかもしれない。高氏はプレゼンテーションの中で、次のように語った。
「Geminiに尋ねるすべての内容が、AIを通して返ってくる。例えば『OK Google、私が今攻略しようとしているゲームのボスを、どうやって攻略するのか?』といった問いかけも、目の前の画面を認識した上で答えてくれる」
ゲーム画面を開いたまま音声で質問できるため、手元のスマートフォンを操作せずにヒントを探せる。視線移動さえ必要としないので、まるで近くにいるゲームの得意な先輩から、アドバイスを受けているような感覚になるだろう。
コントローラーやキーボードも用意
XREAL AURA向けに、ゲームや文字入力に使えるワイヤレスアクセサリーも発表された。
「XREAL ゲームコントローラー」は、周辺機器メーカーのGameSirと共同設計した製品だ。スティックドリフトが起きにくいホールエフェクト(磁気センサー)方式のジョイスティックとトリガーを採用する。
中央のHomeボタンは、短押しでAndroid XRランチャーに戻り、長押しで「Gemini Live」を呼び出す。単体価格は1万8990円だ。

▲専用キーボード

▲ゲームコントローラーの仕様概要。本格仕様である
「XREAL ワイヤレスキーボード」は、持ち運びやすい二つ折りのBluetoothキーボードだ。最上段にGemini専用キーを備え、チャットや検索、メモの入力などに利用できる。単体価格は1万2980円となっている。

▲キーボードとゲームコントローラーの価格
価格と予約キャンペーンは?
XREAL AURAの通常販売価格は、12GB RAM/256GBストレージモデルが22万9800円、16GB RAM/512GBストレージモデルが26万9800円だ。

▲通常販売価格
国内一般予約の開始に合わせて、公式オンラインショップや主要取扱店では、条件を達成すれば本体価格が2万9900円引きとなる期間限定キャンペーンも実施される。
特別価格は、12GB/256GBモデルが19万9900円、16GB/512GBモデルが23万9900円だ。

▲限定価格で販売する
先行予約パスの購入者向けにもキャッシュバックなどの施策があるので、対象条件は公式予約ページで確認してほしい。特別価格での購入受付は、2026年内終了予定(予告なく変更・終了する場合あり)とのことだ。

▲先行予約パス保有者向けのキャッシュバック施策も用意されている
手軽に大画面を楽しみたいなら「XREAL 1 Pro+」も
発表会では、もう一つの新製品「XREAL 1 Pro+(エックスリアルワン プロプラス)」も登場した。11月2日に予約受付を開始し、11月10日から順次出荷される。

▲XREAL 1 Pro+の登場
前モデルの「XREAL One Pro」と比較してピーク輝度が最大1,200nitsに向上した。新たに「AI HDR」による8-bitトーンマッピングにも対応し、明暗差のあるゲームシーンでの見やすさに配慮している。

▲明るくなった

▲AI HDRに対応
2D映像をリアルタイムで3Dに変換する機能ではフレームレートが従来の30fpsから60fpsに向上した。動きのあるゲームを立体感のある映像で楽しむ際に、気になる進化といえそうだ。

▲リアルタイム3D変換時のリフレッシュレートが60Hzに向上
表示モードには「標準」「映画」に加え、文字を読みやすくする「読書モード」が追加された。高氏によれば、「XREALを、エンタメやゲームだけでなく、仕事にも使っているという人が多い」ことから追加されたモードとのことだ。ノーズパッドもAURAと同型の新設計に変わり、装着時の安定性を高めているという。

▲読書モードを追加した

▲ノーズパッドも新設計に
価格は前モデルと同じ8万4980円だ。先行予約期間中の11月9日までは、専用のカメラアクセサリー「XREAL Eye」とのバンドルセットも、通常より7,000円引きの9万1960円で提供される。

▲XREAL 1 Pro+でも、引き続きXREAL Eyeを利用できる。装着することで、6DoF機能を獲得する
Android XRを搭載し、複数の画面を広げられるAURAに対して、XREAL 1 Pro+は、手持ちのPCやゲーム機の映像を大画面で楽しみたい人にとって気になる選択肢だ。機能と価格を比べながら、普段の使い方に合うモデルを選びたい。
パートナー企業が語った、空間コンピューティングのこれから
発表会には、XREALの共同創業者兼CEOのチー・シュー(Chi Xu)氏のほか、Google、ソニーセミコンダクタソリューションズ、TÜV Rheinland(テュフ・ラインランド)の代表者も登壇した。
チー・シュー氏は、創業時から「誰もが空間コンピューティングを利用できる世界」を目指してきたと説明する。ハードウェアやAndroid XR、Geminiなど、これまで積み上げてきた要素が2026年に一つになると語った。

▲チー・シュー氏
GoogleでAndroid XRのグローバルパートナーシップを担当するルーシー・ジン(Lucy Jin)氏は、AURAを「Android XRを搭載した初の有線接続型XRグラス」として紹介した。

▲ルーシー・ジン氏
ジン氏は、ゲーム画面を大きく映し、その横にDiscordやYouTubeを並べたり、攻略に困ったときにGeminiへ質問したりする使い方にも言及した。さまざまな場所を、ゲームや映像を楽しむ空間に変えられるという。
ソニーセミコンダクタソリューションズの北洋輔氏は、AURAに搭載されるMicro-OLEDディスプレイの技術を解説した。同社のマイクロディスプレイの始まりは、2011年にミラーレスカメラの電子ビューファインダー向けとして実用化されたところにある。

▲北洋輔氏

▲Micro-OLEDディスプレイの始まりは、ミラーレスカメラの電子ビューファインダーとしての開発であった

▲XREAL(旧Nreal)との関わり
約5,000ppiの高精細さや高速応答性を備え、XREALとの取り組みが始まった2018〜2019年頃から、高輝度化や低消費電力化に向けた改良を重ねてきた。北氏は、Android XRやAIの登場によって、ディスプレイの新たな市場が広がることへの期待も示した。

▲今後に期待
目に近いデバイスだからこそ、認証にも注目
TÜV Rheinlandのテレンス・チャン(Terrence Cheung)氏からは、XREAL AURAが取得した視覚に関する認証が紹介された。
XREAL AURAは、視覚や人間工学などを総合的に見る「Eye Comfort 5つ星」をはじめ、高視認性、色精度、低ブルーライト、フリッカーフリーの5種の認証を取得した。

▲TÜV Rheinlandの認証項目
スピーチ後には、チャン氏から高氏へ認証証書が授与された。高氏は、「目に近い距離で映像を見るデバイスのため、目の健康への悪影響があるのではないかと不安がる声もあった。だからこそ、第三者機関の認証を得て、ユーザーが安心して手に取れる環境を作ることが重要だと考えた」と述べた。

▲認証証書授与の様子。左がTÜV Rheinlandのテレンス・チャン(Terrence Cheung)氏
体験会で触れた、手を使う操作とゲームのデモ
発表会後の体験会では、XREAL AURAを使ったさまざまなデモが用意された。

▲XREAL AURA。こちらはグラス部分と収納ケース

▲コンピュートパックとグラス

▲収納ケースには、コンピュートパックとグラスの両方を入れられるようになっている
装着すると、広い視野にAndroid XRのホーム画面が現れる。視野角70度とのことだが、人間の目が注視できる箇所に限りがあるからか、これまで筆者が遊んできたMeta Questと比べても視界が狭いと感じることはなかった。
また、視野角が広くなったことで端に歪みが見られるのではないかと危惧していたのだが、驚くほど歪みがなく、クリアな映像が表示されていた。
操作のファーストインプレッションについても紹介しよう。
今回の体験会では、コンピュートパックのタッチパッドではなく、ハンドトラッキングでの操作のみを体験した。まず、視界の中央付近に手のひらを手前に向けた状態で手をかざすことで、手を認識する。その後、手のひらを向こう側に向けてから、親指と人差し指を軽くつまむ「クリック操作」、両手での「ピンチアウト/ピンチイン」操作を行える。
思いのほか遅延が見られず、しかも高い精度で操作を認識していた。もちろん、慣れていないため、「この画面ではどんな操作を受け付けるのだろうか」という判断がつかず、モタモタすることもあった。
しかし、よく知っているアプリの1つ、Googleマップのイマーシブビュー(上空からの視点)体験では、ハンドトラッキングであっても、思い通りに建物に近づいたり、地図を回したり、好きな場所に移動したりすることができ、かなり愉快であった。

▲イマーシブビューをぐるぐる回す
音楽に合わせて手を動かすリズムゲームのデモも体験した。音が迫ってくるときに、手を広げれば良いのか握れば良いのかがよく分からなかったものの、いずれにしても遅延することなく手の動きにぴったりついてくる様子を確認できた。
初音ミクのデジタルフィギュア『HoloModels』や『BRINK Traveler』も登場
会場では、Gugenkaのデジタルフィギュアアプリ『HoloModels』による初音ミクと、VRで世界を旅することをコンセプトにしたBRINK XRによる『BRINK Traveler』のデモも展示された。
『HoloModels』では、等身大の初音ミクなどのキャラクターが現実の空間に立体的に表示される。手を使ってミクの頭をつまみ、3つあるステージを移動させたり、映像内に表示されているボタンをハンドトラッキングでタッチして角度を調整したりする操作を楽しめた。

▲HoloModelsのイメージ
『BRINK Traveler』では、眼下に広がる壮大な景色を眺めたり、移動したり、さらには昼と夜を任意に切り替えたりしながら、まるでこの世界の神になったような体験をすることができた。

▲昼夜を切り替えて楽しんでいるところ。空間に浮かんでいるボタンをハンドトラッキングでカチッと押し込める
XREAL AURAでは、Google Playで配信される通常のAndroidアプリに加え、Android XR向けに開発された空間/XR専用タイトルも、配信予定のものを含めてグローバルで150種類以上ラインアップされている。また、今後も順次増加予定であるとのことなので、楽しみにしたいところである。

▲描画した線のイメージに合わせてメロディーが流れるアプリ。子どもの情操教育にも良さそうだ。なお、XREAL AURAの対象年齢は18歳以上だが、「IPD(瞳孔間距離)が60mm以上になるほど成長していれば年齢を問わず使える」とのことであった
ゲーム画面を広げ、Geminiにも質問
デモとは別に、開発陣からのレクチャーを受けることもできた。例えば、Steam DeckやAndroidゲーム機をコンピュートパックに有線接続すれば、ゲーム画面だけでなく、コンピュートパックから呼び出したWebブラウザやYouTube動画なども表示できるという。
コンピュートパックを使わず、Steam Deckなどに直接挿した状態でも、「OK Google、今攻略しているステージの攻略法を教えて」と呼びかければ、Geminiが応答し、攻略情報を音声で解説してくれるという。
まとめ:自分のプレイ環境に合わせて選びたい
XREAL AURAは、ゲームを大画面に映すだけでなく、Android XR上で攻略情報を並べたり、Geminiに質問したりと、遊び方を広げる機能を備えたデバイスだ。キャンペーン価格でも約20万円からという点はじっくり検討したいところだが、複数の画面を使う環境や空間コンピューティングに興味がある人にとっては、気になる存在になりそうだ。
一方のXREAL 1 Pro+は、手持ちのPCやゲーム機の映像を大画面で楽しみたい人に向けた選択肢だ。8万4980円という価格を据え置きながら、輝度や3D変換機能が強化されている。

▲XREAL 1 Pro+

▲光学系は、独自のX Prismを採用している
自室に複数のモニターを置くスペースがない人も、外出先でゲームを楽しみたい人も、用途や予算に合わせて比べてみるとよいだろう。
なお、XREALは発売前にAURAを体験できる「XREAL AURA プレミアム体験会」を、福岡・東京・大阪の3都市で開催する。参加は無料だが、特設サイトからの事前応募・抽選制だ。会場ではスタッフが瞳孔間距離(IPD)の測定やノーズパッドの調整をしてくれるので、サイズ選びに迷っている人にも向いている。
福岡
2026年11月14日(土)/福岡大名ガーデンシティ・ステージ/応募締切 11月10日(火)23:59
東京
2026年12月1日(火)・2日(水)/東京ポートシティ竹芝(「XR Kaigi 2026」会場内 XREALブース)/応募締切 11月22日(日)23:59
大阪
2026年12月19日(土)/PLAT UMEKITA - GALLERY(グラングリーン大阪 うめきた公園内)/応募期間 11月22日(日)〜12月10日(木)23:59
約20万円からという買い物なので、購入を検討しているなら、まず実際の視界や操作感を確かめてみてはどうだろうか。
▶XREAL AURAの詳細はこちら▶体験会の特設サイトはこちら© XREAL, Inc. All Rights Reserved.
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