【東京ゲームショウ2026】『STRANGER THAN HEAVEN』インタビュー。5つの時代を描くために生まれた「アナログ感」へのこだわり【TGS2026】
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【TGS】【東京ゲームショウ2026】『STRANGER THAN HEAVEN』インタビュー。5つの時代を描くために生まれた「アナログ感」へのこだわり【TGS2026】【東京ゲームショウ】

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【TGS】【東京ゲームショウ2026】『STRANGER THAN HEAVEN』インタビュー。5つの時代を描くために生まれた「アナログ感」へのこだわり【TGS2026】【東京ゲームショウ】

東京ゲームショウ2026で、『STRANGER THAN HEAVEN』の開発陣へのインタビューです。プロデューサーの阪本寛之氏、チーフディレクターの堀井亮佑氏、ディレクターの阿部幹信氏に、絵作りやバトル、アナログ感へのこだわりについて語っていただきました。

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『STRANGER THAN HEAVEN』は来年1月発売のアクションアドベンチャー

『STRANGER THAN HEAVEN』は、セガ・RGGスタジオが2027年1月15日に発売予定のタイトル。本作は、1915年の小倉から1965年の新宿まで、5つの時代・5つの街を舞台に、50年にわたる主人公・大東真の人生を描くアクションアドベンチャーゲームです。

本作では、左右の手を独立して操作する独自のコンバットシステムを採用しているほか、時代ごとに変化する街並みや人々の暮らし、文化や娯楽まで細かく描かれるのが特徴。

東京ゲームショウ2026では、セガ/アトラスブースにて本作のゲームプレイを体験できました。

▲『STRANGER THAN HEAVEN』TGS2026スペシャルオープニングナイトライブ

GameWithはプロデューサーの阪本寛之氏、チーフディレクターの堀井亮佑氏、ディレクターの阿部幹信氏にインタビューを行う機会を得ました。

本記事では、5つの時代を描くうえでのこだわりや、時代によって変化する街、人々の暮らしや娯楽、著名人や大東真のキャラクター表現、そして本作が目指す「アナログ感」についてお話を伺いました。

TGSのデモ版でさらに磨かれたバトル。独自の操作感をどう調整したのか?

──gamescom 2026では、本作の世界初となる公開試遊が行われました。プレイヤーの反応で印象に残ったものはありますか?

阪本寛之氏(以下、阪本)
Gamescomで初めて一般の方にプレイしていただきましたが、やはり独特な操作を短い時間でうまく使いこなせる方と、そうでない方に分かれました。

「龍が如く」シリーズをあまり遊んでいない方が、むしろあっさりクリアするケースもありました。「こうやってパンチするんだろうな」といった先入観が無い方が、僕たちが思っていた以上に早くクリアしていたんです。

gamescomのデモ版には、バトルのレスポンスにまだ改善の余地がありました。実際にプレイしていただいた方からもさまざまなフィードバックをいただいたので、今回のTGSのデモ版でも調整を加えています。

東京ゲームショウの画像

▲阪本寛之氏

──阿部さんや堀井さんはgamescomでプレイヤーが試遊する様子を見て、いかがでしたか?

阿部幹信氏(以下、阿部)
僕自身、あまり戦闘が得意ではないので、皆さんが上手にクリアしているのが印象的でした(笑)。

新しい戦闘システムだからこそ、実際に遊んでいただく中で、自分たちが信じて作ってきたものを「面白い」と言っていただけたことは嬉しかったです。

これまで作ってきたものだけでなく、これからの調整も含めて、目指しているものを受け入れていただけるのだと、改めて実感しました。

東京ゲームショウの画像

▲阿部幹信氏

堀井亮佑氏(以下、堀井)
本作は操作は独特ですが、先入観を捨てて触っていただくと、実はそれほど複雑ではないと気づいていただけると思います。

TGSでは、そのカジュアルさも含めて好意的な反応をいただきましたし、gamescomでプレイしたメディアの方からも、「今回はよりいろいろな操作ができるようになっていて、気持ち良かった」といった声をいただきました。

みなさんのご意見をもとに、いい形で改善できているのかなと思います。

東京ゲームショウの画像

▲堀井亮佑氏

──TGSの試遊では、「龍スタTV#52」で公開したデモから内容を調整・アップデートされています。具体的にどのような点に変更を加えられたのでしょうか?

阪本
まず、敵の体力を製品版に少し近い形にしました。gamescomでは、製品版と同じ設定にすると敵をすぐに倒してしまい、左右独立の操作を会得する前にバトルが終わってしまうことを懸念して、あえて敵の体力を少し多めにしていました。

ただ、敵を気持ち良く倒していく爽快感も味わっていただきたいので、TGSのデモ版はそこを加味して調整しています。

また、バールのような武器については、重さをしっかり体感できるようにこだわっている一方で、「もう少し複数人を巻き込んで殴れるようなプレイフィールは底上げした方が良いのではないか?」と考えて、調整しています。

東京ゲームショウの画像

各攻撃が終わったあとの硬直についても、俊敏なアクションゲームのようにしすぎてリアリティを損なわないようにしつつ、より気持ちよく操作できるよう、全般的にレスポンスを向上させています。

まだ調整できる部分はあるので、これからもさらに突き詰めていきたいと思っています。

5つの時代で変化する街と人々の暮らし。文化や娯楽までどう描き分けたのか

──大東真の人生だけでなく、それぞれの時代を生きる人々の生活や価値観も描かれると思います。現代の感覚からすると驚くような、各時代ならではのエピソードやディテールはありますか?

阿部
僕が一番驚いたのは、やはり喫煙率の高さですね。作中の時代の喫煙率は非常に高くて、「こんなにタバコを吸っていたんだ」と衝撃を受けました。

僕自身、中学くらいまで海外で暮らしていた経験があり、現代の日本しか知らない部分があります。だから、各都市について調べていく中で、「本当にこんなものがあったんだ」と思うような発見がたくさんありました。

そうした感覚は、アメリカから来た大東真も同じなのではないかと思いました。僕にとっては「昔の日本を知る」という意味での驚きですが、大東にとっては、初めて見る日本の街や文化に対する驚きがあります。その点はゲームとしても面白いポイントになるのではないかと思いました。

東京ゲームショウの画像

僕は演出や絵作りにも参加しているので、リサーチのなかで自分たちが実際に驚いたものを、ゲームの中にもいっぱい盛り込んでいます。プレイしていただければ、「これ、面白いと思いませんか?」と感じてもらえるような、衝撃的なシーンがたくさん出てきますので、そうした部分にも注目していただければと思います。

阪本
私が幼い頃は、オンラインで何かを買って届けてもらうことがまだできなかったので、リアルな物を見て買い物するような、そういう時代でしたね。

さらに遡ると、物々交換的な文化が成り立っている時代もあって、改めて現代と違うなとは思いました。

堀井
本作は年代が分かれていて、それぞれ10年〜15年ほど離れた5つの舞台がありますが、これだけ間隔が空いていると、時代の違いを強く感じますね。

僕たちは普段、毎日少しずつ変化していく世の中を生きていますが、10年、15年経ってから平成を振り返ってみると、驚きますよね?それと同じような感覚を、それぞれの時代で味わえます。

東京ゲームショウの画像

時代というのは、そのときの政治情勢や民衆の暮らし、価値観、リテラシーなど、さまざまな要素が積み重なって形作られています。

本作では各時代を俯瞰して見ることができるため、「なるほど。こういうご時世だから、こういう考え方になるんだな」と納得できる部分があります。そうした時代の違いを感じてもらえる点は、面白いポイントだと思います。

──1915年の小倉から1965年の新宿まで、時代ごとに異なる街の絵作りにおいて、意識した点を教えてください。

阿部
1フレーム絵を見ただけで、「違う時代の風景だ」「空気感が違う」と感じてもらえるようにすることが、絵作りの根底にあります。それを実現するために、アートディレクターの加那屋(大志氏)と一緒にさまざまな実験をしました。

東京ゲームショウの画像
東京ゲームショウの画像

例えば、当時使われていたフィルムやヴィンテージのレンズを研究したり、作中の時代に描かれた日本画を調べたり、とにかく当時の表現を幅広く研究しました。

ただ、当時の技法や表現を再現するだけでは、古臭くなってしまうんですよね。ヴィンテージと古臭さは少し違っていて、現代から見てもかっこいいけれど、古いモチーフだからこそカッコよく感じられるのがヴィンテージだと思っています。

当時の資料を調べた上で技法や使われていた物を見て「こうやって活用すれば新しいテイストになるんじゃないか?」と考えながら作っていきました。そこで得たインスピレーションを、2026年の現代を生きる自分たちなりに再解釈した結果が、現在の絵作りにつながっています。

東京ゲームショウの画像

少し面白い話をすると、実は一番最初のきっかけはバグだったんです。小倉の絵がバグで真緑になってしまったことがありまして、その状態をたまたま横山に見せたところ、「すごく面白いんじゃないか」と言われました。

事の発端は、バグった絵がすごくカッコ良かったことでした(笑)。そこから色彩などを調整していく中で、「こういう絵作りは確かに見たことがない」という方向性が見えてきました。

「ここまで崩せるのであれば、一度崩しきってから整えていこう」という発想になり、それが現在の絵作りのスタートになっています。

東京ゲームショウの画像

──包丁やバールなどの武器について、時代が進むにつれて武器の種類や幅はどのように広がっていくのでしょうか?

阪本
素材からデザインまで、時代を追うごとに変化します。例えば、包丁のような形状の武器でも、最初の時代と後の時代では素材が異なるなど、時代に合わせたアイテムとして設計しています。

東京ゲームショウの画像

また、どの武器を使うかはプレイヤーの自由ですし、手に入れた武器をどのように鍛えるかについても選択の幅があります。5つの時代それぞれにふさわしい武器を用意しているので、その違いにも注目していただければと思います。

──本作では、時代ごとに様変わりする文化や娯楽を体験できるとのことですが、時代によって日常の遊びや寄り道の内容はどう変化するのでしょうか?

堀井
時代によって大きく違っていますね。例えば、近代であれば電化製品がありますが、1915年頃の時代では成立しません。

作中の時代の人々がどのように時間を潰したり、日常を過ごしたりしていたのかを濃密にリサーチしました。そのうえで、現代の僕たちが見ても分かりやすいような遊びを取り入れています。

近代に近づいていくにつれて、昔は流行っていたものが廃れて、ある時代を境になくなっていくものもあれば、逆に新しく登場してくるものもあります。

東京ゲームショウの画像
東京ゲームショウの画像

引用元:PR TIMES

また、娯楽だけではなく、街並みや人々の暮らし方も時代によって変化します。

近代に行けば行くほど街は都市化して、人々も「あの施設に行こう」と、何かしらの目的を持って行動するようになります。一方、昔の時代はそうした都市としてのあり方とは少し違い、街の中で生活を営んでいる人たちが多く、民家も今より多く存在します。

東京ゲームショウの画像

街づくりや人々がどのように暮らしているのかまで含め、時代ごとの変化を楽しんでいただければと思います。

若い姿から未来の姿まで。50年を描くキャラクター表現と「アナログ感」

──今回、著名人を登場させるうえで、難しかったのはどのような点でしょうか?

阿部
特に苦労したのは、実在する人物を異なる年代の姿で描くことですね。若い頃の姿を描くのであれば、当時の写真や映像を参考にできますが、役柄の年齢に達していない方は、当然ながら資料がありません。

その場合は、「この年齢になったらどうなるか?」を想像しながら、イチから作り上げていく必要があります。実在する人物だからこそ違和感のない姿にしたかったのでこだわった部分であり、同時に非常に難しい作業でもありました。

▲『STRANGER THAN HEAVEN』2ndトレーラー

堀井
若い頃の姿は昔の映像を見れば作れますが、年齢を重ねた未来の姿となると、実際にはどうなるのか分かりませんからね。

──たしかに、未来の姿は想像することしかできませんね。

阿部
また著名人に限らず、本作では国際色豊かなキャラクターが登場します。何より、主人公の大東真はミックスなので、日本人としての感性とアメリカ人としての感性の両方を持っています。

そのため、ボディモーションや喋り方の片言度合いにも時代に応じた違いがあり、大東真が日本で過ごす時間が長くなるにつれて、徐々に流暢になっていく変化も表現しています。

また、訛りについても、オルフェウスとイタリア・マフィアのようなキャラクターでは全く異なります。

こうしたキャラクターの違いを表現するため、モーションキャプチャーやフェイスアニメーションにも細かくこだわっています。ボディランゲージやリップアニメーションまでこだわって作り込みながら、大東真が日本に馴染んでいく過程や、それぞれのキャラクターが持つ個性を感じてもらえるようにしています。

東京ゲームショウの画像

阪本
実はTGSのデモ版でも、小倉で大東が戦う際のバトルボイスは英語ですが、ミナミでは日本語になっています。

時代を追うごとに大東が日本語に慣れていき、話し言葉も少しずつ変化していくんです。本編を通して遊んでいただくことで、そうした変化も体験していただけると思います。

──そうした言葉遣いや話し方の変化について、大東役の城田優さんにはどのようなディレクションをされたのでしょうか?

阿部
日本語のシーンを収録した際に、「ここの片言度合いは20%です」といった具合に、細かく指定していきました。

そのうえで、英語のシーンでは流暢な英語に切り替えるので、我々もディレクションの言語を変えて、演じやすいようにしています。5秒前まで日本語で収録していたのに、突然英語の収録に切り替わることもありました。

英語のシーンを収録したあとに日本語のシーンを収録すると、どうしても舌が英語に馴染んでしまう部分があります。そこで香盤表の段階から英語のシーンを先に収録して、その後に「次は片言度合いの強い日本語のシーンを収録しましょう」といった形で収録順も工夫しました。

城田さんは本当に大変だったと思いますが、素晴らしい演技をしていただけました。

──全世界でのウィッシュリスト登録数が100万件を突破し、発売前のRGGスタジオタイトルとして過去最多の登録数となりました。反響の大きさをどのように受け止めていますか?

阪本
素直に、本当に嬉しく思います。ウィッシュリスト登録につなげるためのアプローチはこれまでも行ってきましたが、『STRANGER THAN HEAVEN』では、特に海外の方々にも本作の魅力をしっかり伝えたいという思いがあり、長い時間をかけてプロモーションに取り組んできました。

そうした積み重ねが、まずはウィッシュリストという形で表れたのかなと思っています。

東京ゲームショウの画像

引用元:セガ公式サイト

阿部
嬉しいという言葉しか出てこないですね(笑)。本当にスタジオとしてもさまざまな挑戦をしてきたタイトルですし、制作の中でいくつもの壁を乗り越えてきました。

だからこそ、ここまで大きな反響をいただけていることが、僕個人としても本当に嬉しいですし、「嬉しい」という言葉だけでは表現しきれないほど感情が高まっています。

──昨日、TGSのデモ版を試遊しました。先日、メディア向けの先行体験会でもプレイしていたこともあり、手触りの違いを感じました。TGSのデモ版の方が、製品版に近いのでしょうか?

阪本
そうですね。実は、TGSのデモ版ではパリィの判定を若干緩くしてるんです。

東京ゲームショウの画像

ただ、製品版はすごく長いスパンを遊ぶゲームなので、遊んでいく中でさらに強い敵と戦うようになります。最後まで本当に強敵と凌ぎを削って遊べるバランスチューニングみたいなところは、まだ裏でしっかり作り込んでいます。

──最後に、読者へ一言お願いします。

阿部
ウィッシュリスト100万件の話でも触れましたが、発売前から応援してくださっている皆さんには本当に感謝していますし、現在も全力で完成に向けて制作を進めています。

発売まではもう少し時間がありますが、その間にまだお伝えできていない情報を徐々にお届けできると思いますので、新情報にもぜひ注目していただきたいです。

ぜひ、発売後には実際にゲームを手に取って、楽しんでいただけたら嬉しいです。

東京ゲームショウの画像

堀井
今回のテーマとして、「アナログ感」を大事にしています。古い時代を描く作品だからこそ、今のゲームとは違う手触りを意識して作りました。

現在の最先端のゲームはスタイリッシュで洗練され、ワンボタンですべての操作が完結するようなものも増えています。一方、本作では「ワンボタンで完結」という作りにはせず、移動も含めて普段のゲームではあまりしないような操作や、アナログな表現を大事にしています。

今後のアクションコンシューマーゲームの中に、こういう泥臭さやアナログな感覚があってもいいと思います。そうした手法だからこそ描けるドラマもありますし、本作はまさにそのドラマを描けています。

東京ゲームショウの画像

阪本
発売まであと少しとなりましたが、現時点でものすごく期待を寄せていただいていることを嬉しく思っています。

製品版の発売に向けて最後まできちんと仕上げて、発売日に大きな話題になるような作品を目指して制作していきます。

東京ゲームショウの画像

──ありがとうございました。

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