
「男子、三日会わざれば刮目して見よ」という言葉、ゲームにも当てはまる。
つまり、「『鳴潮』、1年経ったら別ゲーレベルに進化したから直ちにプレイせよ」(語呂悪い)ということである。(?)
これまでリリースからプレイを欠かしたことのない筆者であったが、先月にリリースされたVer.2.5「不滅の命に捧ぐ讃美歌」。

プレイを終えたあと「別次元に昇華したな…」と強烈に感じた。
その情動が冷めやぬうちに、現状の『鳴潮』についてを本作の魅力も交えながら語りたいと思う。いや、語らせてくださいお願いします。
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- 8月27日(水)
『鳴潮』プレイヤーの心をエグる形に進化した『鳴潮』というゲームの現状について話させてください。
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夏休みゲームレビュー祭まとめ2025
『鳴潮』ってどんなゲーム?

『鳴潮』の土台は、「オープンワールドアクションRPG」
美しく広大な箱庭世界を、パリィやジャストガードを多用する本格アクションで切り拓く。

そこに、ビジュアルが良すぎるキャラクター、伏線が多すぎるストーリー、美と退廃が同居する音楽が重なり、さまざまな要素を詰め込んだまさにお子様ランチのようなゲームである。

子どもの頃にこんなゲームがあったらなぁ…と妄想したことがあると思う。その当時の頭の中が実体化したもの、それが『鳴潮』の正体だ(?)。

独特な「音骸」システム

システム面で『鳴潮』独自といえるのが、音骸の存在。
フィールドにいる敵キャラクター(音骸)を倒すと、その敵を吸収することができる。
吸収した敵は装備してキャラのステータスを上昇させるほか、スキルとしての利用も可能だ。

このシステムが『鳴潮』の独自性を高めている。
フィールド上の敵キャラクターを倒す意味を与えてくれるほか、ステータスの厳選要素も含んでいるため、探索とやり込み要素が同時にできてしまうのだ。

探索、戦闘、育成が一体化したこのシステムは画期的であり、ぜひ多くの人に一度触れてほしい部分だ。
『鳴潮』が一線を超えた理由
※ここからはネタバレ・個人の感想を多分に含んでいます。

端的に言えば、「ストーリーとその表現力が突出している」。これが『鳴潮』を他のオープンワールドゲームから一歩先へ昇華した理由である。
感情の“微細”を映す表現力
映像作品に没入するうえで、役者の演技力が品質を左右することは言うまでもない。
ゲームの場合はキャラクターのモデリングで表現されるわけだが(声優さんの演技は言うまでもないので割愛する)最近の『鳴潮』の表現力は目を見張るものがある。
『鳴潮』の最新表現はアニメ調モデルでの情動を描写し、瞳の揺らぎ、息づかい、わずかな逡巡、安堵・後ろめたさ・覚悟をユーザーに突きつける。
例えば、こういったシーンたち。


シーンの断片を紹介しても「?」となるかもしれないが、安堵や後ろめたさ、覚悟など、表情1つに多数の感情が混ざり合うように作り込まれている。

特に『鳴潮』では瞳の揺らぎで感情を表現するシーンが多く、キャラクターの内面が静かに描写されストーリーの重厚さを演出している。

アニメ調のモデリングでここまで作り込まれたゲームはなかなかお目にかかれないし、最新Ver.2.5ではその表現力は間違いなく現状のゲームのトップレベルにまで昇格しただろう。
脱主人公最強のストーリーへ

色んなピンチが訪れるけど、なんだかんだできれいに解決!主人公最強!『あれ、またなんかやっちゃいました?』
それがこれまでの『鳴潮』だったが、このVer.2.5はそのお約束を打ち破った。

Ver.2.5のメインキャラ「フローヴァ」。彼女は敵対組織のイチ員ながらも、主人公と一時的に協力関係を築き共通の敵へ立ち向かっていくこととなる。
「あー、これ紆余曲折あったあとに仲間になるやつだ。何なら主人公側のヒロインの一人として今後も登場するんだろうな~。そういう展開もいいよね」なんて考えていたが、その妄想は見事に霧散する。

結果だけ言えば、フローヴァとの協力関係は決裂。主人公と殺◯合いをした末に、主人公の一撃が胸を貫き海底に沈むENDに。

それだけなら「もともと敵側だしなぁ…」で泣く泣く誤魔化せるが、「フローヴァと主人公は前世の繋がりがあり、彼女は主人公に特別な感情を抱いていたという事実が判明する。

そんなの…あんまりだよ…。
名ストーリーは終わったあとも余韻として残り続ける。今回のこの結末は1ヶ月が経った今も筆者の胸にモヤとして残り続けているし、SNS上でも同様の叫び(感想)が多く見られた。
ここで強調したいのは、これまでの『鳴潮』メインストリームだった「主人公最強神話」が崩れ去ったということ。

関わる人物全ては救済されるという安心感はこの先にはもう無く、緊張感を持ったストーリーが展開されることが予想される。
『鳴潮』の今後の方向性が少なからず示唆された、そんなストーリーだったように思う。個人的にはこういったシリアスな展開は大好物なので、ますます『鳴潮』を寵愛していくだろう。
もう化けてるけど今後も化けそうな『鳴潮』さん
三日会わざれば刮目――どころか、1バージョン明けるたびに見え方が変わるのが今の『鳴潮』。
『鳴潮』運営の開発速度や運営姿勢が優れているのは有名な話。今後、『鳴潮』はどれほど高い頂にユーザーを連れていってくれるのか。それが楽しみで仕方ない。
ここまでの散文読んでくれた心優しき読者の方、今すぐ『鳴潮』を始めなくても構わない。ゲームを始めるタイミングは外圧からではなく自発であるべきだ。
ただ、どこかで『鳴潮』の名を耳にしたとき、「そろそろ始めようかな!」となる小さな一押し、そう暑い夏に食欲をそそる刺し身のツマのような存在。その役割を担えるなら本懐だ。
GameWith編集者情報

金融系メディアの編集者から転生したライター。 シナリオ重視のゲームが好物。 某企業の魔法使いノベルゲームの続編を永遠に待っている(祝コンソール移植&映画化) |
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