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HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』プレイレビュー。
懐かしくて新しい勇者になって世界を冒険しよう!
2024年11月14日※、HD-2Dに進化した名作RPGのリメイク版となる『ドラゴンクエスト3 そして伝説へ…』が発売された。
※Steam版は15日
時代は変わった。CGの技術は発展し、現実と見間違うほどの仮想空間が画面の中に広がる世界を、私たちは生きている。
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そんな中『ドラクエ3』は、原作のよさを骨組みとしてしっかり残しつつ、新しい風を取り込んでふくらみを持たせた、絶妙なバランスで奥行きが生まれる形でのリメイク作となった。
子供の頃、大人になってから……人によってさまざまではあると思うが、“あの時”を懐かしむような気持ちになれる、また、遊んだことがない方でも、名作RPGとして1度は耳にしたことのあるようなゲーム『ドラクエ3』。
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今までにプレイするタイミングがなかなか作れなかった方は、ちょうどよい機会をいただいたという気持ちで、ぜひ本作を手に取ってみてほしい。
本記事は、ストーリーのおよそ中盤辺りまでの範囲で、ネタバレになりそうな記述も一部含んでいます。
(該当部分はクリックすると表示されるようにしています。)
© SUGIYAMA KOBO
℗ SUGIYAMA KOBO
目次
HD-2Dに進化した世界を冒険
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「HD-2D」というのは、スクウェア・エニックスの浅野チームが開発した新しいグラフィック表現となっている。
ドット絵に3DCGが融合し、懐かしい雰囲気と立体感の両方を視覚で体験できるのが特徴だ。
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HD-2Dになった本作がどのように見えるのか、いくつか写真を収めてきたので早速ご紹介していこう。
背景、建物がすごくキレイに!旅行気分で魅入ってしまいました
世界が平和になったら、「アレフガルド」ツアーを開催したいなぁ。
使命を持った勇者であるものの、時間をかけてすみずみまで冒険したいと思ってしまうくらいグラフィックが進化していた。
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お城など建物の中は装飾が細部まで描かれているので、よく歩いて鑑賞してみよう。
風景を覚えたら、目を閉じると街や森の空気を感じることができそうなくらい――
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そして、懐かしくて温かい気持ちにもなれる。夜のしずかな街では、やさしいオーケストラ演奏のBGMの中を歩く。灯りや火(暖炉など)のぼんやりした光が美しい。
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風など自然の音が昼よりも聞こえやすいので、ただじっと画面を見つめているだけでもすごくリラックスできる。
絶景を求めて歩いていると、おなじみのダーマ神殿に到達。
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未プレイの方もちらっと聞いたことがあるかもしれないが、「ジョブチェンジ(転職)」でき、中には賢者になるキャラクターもいるかもしれない……あの場所だ。
金属でできている装飾や、像などにぼんやりと当たる光がキレイで、ほわほわとお香のようなものもたかれており、落ち着いた雰囲気の場所となっている。
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ちなみに、ダーマ神殿に来たら即試してみたかったことがある。
本作は、髪色やスタイルなど、仲間の見た目を途中で変えられる新要素があり、それを行ってくれるのがモンスター界のファッションリーダー「ホミちょ」というらしく。
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▲こんにちは~、ホミちょさんという方を知りませんでしょうか?と聞こうとしたらケンカが勃発していた。お取込み中すみませんでした!と即座に引き返した。
ぱっと見た感じ全然見つからない……、もしかして、出会うのにレベルとかクリア状況とかあるのだろうか?などど考えていると、
い、いた~!!!
なんかギャルっぽい!
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仲間の髪色やボイス、スタイルを自分の好きなイメージにチェンジしてもらった。髪色とか、もっと試してみたいのでまた来ようかな。
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▲なんと100ゴールドで引き受けてくれるので、かなり気軽に頼めるのが嬉しい。前髪をそろえる※だけとかで通って、ホミちょさんともっとおしゃべりしたい。※できません
ボイスやアニメーションで没入感がさらにアップ
本作では、主人公の両親や、ダンジョンのボスなどにボイスが付いた。
今でこそボイス付きのゲームというのはそれほど珍しくないが、かつて『ドラクエ3』を遊んだことがある方にとってはとても新鮮に映ると思う。
ドット絵も細かくなったため、キャラクターの雰囲気などもより分かりやすくなっている。
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▲戦闘時は、仲間や勇者も呪文などを詠唱しながら戦ってくれる。
また、本作は主人公の父「オルテガ」にまつわるストーリーも追加されているので、ぜひ実際にプレイして内容を確かめてみてほしい。
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▲主人公と母が並んで歩く様子。
戦闘は自分に合った難易度で楽しめるように!
リメイク版では、ゲームモードが3つの難易度から選べるようになった。
これらは主に戦闘に関係するもので、敵の強さや獲得できる経験値/お金などが変化する。
以下は筆者が実際にプレイした感想も交えつつのシステム紹介だ。
■楽ちんプレイ
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▲「しに」になる攻撃を受けてもHPが1残るので、敵が強くて進行に困った際に使う&パーティに転職したてのメンバーをいれる際に助けとなりそうだ。
はじめて&急いている方向け。
敵からの攻撃でHPが0にならないので、RPGに慣れていない人でも安心して遊べる。
ゲーム慣れしている方であれば、サクサクストーリーを追う、一時的に経験値を高速で稼ぐ際などに使うことも出来そう。
後述のとある高難易度にてさまざまな経験(意味深)をした後にちょこっとこちらを体験してみると、また一味違ったプレイ体験ができるかもしれない。(アメとムチ的な)
■バッチリ冒険
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ほどよいバランスで遊べる。
消去法でこちらを選ぶゲーマーもいるかもしれないが、その勘は間違っていないので、自信を持とう。
どういうことなのか気になって仕方がない方は、「いばらの道だぜ」にチャレンジしてみよう。
■いばらの道だぜ
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歯ごたえバツグン。
なんとなく負けた気がして、最初はつい高難易度を選択してしまうというプレイヤーさん、ぜひ私と握手しましょう。
我慢比べに自信があるという方は、どのダンジョンまで難易度を変えずに遊べたか、後でこっそり教えてくださいね。
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筆者はピラミッドで白目になりました。
懐かしくて面白い部分もたくさん発見!
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こちらは特にネタバレを含む内容なので、それでもOK!という方のみご覧ください。
ロマリアと性格について記載しているよ!■1日ロマリア王体験会に参加してきました(嘘)
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ロマリアという国の困り事を解決してあげると、「ここの王にならないか?」と王に聞かれるというおなじみのシーンについて。
筆者が3DSのDL版にて遊んだ3では、生真面目な勇者を演じていたため、王になることを断ったという記憶がある。
初代『ドラクエ』などで、こういったYES/NO系の質問※でふざけるとどんなことになるのかを知っていると、なにか質問された際に身構えるプレイヤーが多いのではないか。
※りゅうおうが言う「世界の半分をやろう。わしの味方になるか?」で「はい」を選ぶと、恐ろしいことが起きてしまいそうになるアレだ。
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話を戻そう。
今回の筆者は、深く考えず「王になってもいいよ」と返答。すると……
えぇ、本当に王になれちゃった!
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▲王になって生活に不自由しなくなり、世界の平和や故郷のことをすっかり忘れた元勇者は、ロマリアで幸せに暮らしましたとさ。-Fin-
みたいなバッドエンドとかあるかもしれないと思って、ちょっとドキドキした。
特別な衣装をいただきました。
王の姿で適当に街を歩いている 国の治安維持のために見回りをしていると、こんなことに困っている~と話してくれる市民がいるので、人助けもした。
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■筆者の性格事情について
(ネタバレを含むので、それでも大丈夫な方のみご覧ください)
かつて筆者は「序盤でお城に行くシチュエーションで、敢えて自宅に直帰」をしてしまい、性格が「ひねくれもの」となってしまった……。
リメイク版ではどうなるかな
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今回は「みえっぱり」。なんというか、前回とさほど変わらないような……。本質情報は見透かされているということだ。
ちなみに、『DQ3』を未プレイの知人は、「性格診断」あるの?マジ!?みたいな反応をしており、たしかに、RPGの序盤イベントとしてあるのはなかなか珍しいのかもしれないと思った。
たくさんの性格が登場するので、普段ゲームをしないという友人や家族に、『ドラクエ3』性格診断の部分だけを遊んでもらうというのも盛り上がりそう。
ドラクエ3初登場の気になる新要素をレビュー
まもの使いってどんな役職なの?
→モンスターみたいにワイルドな攻めができる!
発売されてから自分で触って驚きを感じたいので、詳しい情報公開があったとしてもほんのり把握しておくくらいにセーブしておいた筆者。
始めは最初にルイーダの酒場にいた仲間を連れて冒険し、少し経った頃に「まもの使い」の子をスカウトしてみた。
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ルックスはこんな感じ。ツノとか生えているデザインもあり、カッコイイなぁ。
さっそく戦闘で使ってみよう。
「とおぼえ」「まものよび」など使うことができるようだ……って、この技は1度に何回も攻撃できるのか。これは、使いどころによってはけっこう強いかも!
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モンスターと心を通わす…バトルロード!
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なんと、『ドラクエ3』に「モンスター・バトルロード」が追加要素として登場した。
『ドラクエ8』を遊んだことがあるプレイヤーや、アーケードゲームで『ドラクエ モンスターバトルロード』シリーズを遊んだことのあるプレイヤーは、ちょっぴり懐かしい気持ちになったかもしれない。
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「モンスター・バトルロード」は、『ドラクエモンスターズ』のバトルに近い、モンスター同士を戦わせる対戦コンテンツとなっている。
モンスターに細かい指示をすることはせず、相性を見たパーティ編成と作戦(「ガンガンいこうぜ」など)をプレイヤーが決めて、試合を観戦するようなシステムが特徴だ。
本作はモンスターを探索で見つけ、声をかけて仲間にしていく。モンスターを倒して仲間にしていた過去作とは少し異なっているのがポイントだ。
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▲恥ずかしがり屋のモンスターが多い印象。モンスターに合った近づき方をしないと逃げられてしまうこともあり、現実で生き物と触れ合う際と同じような感覚になる。
また、後述の「ひみつの場所」に隠れているモンスターも。どんどん出会って仲間を増やすと、「モンスター・バトルロード」での戦いの幅が増えるのに加えて、新職業「まものつかい」にとってもよい影響があるようだ。気になる方はぜひ実際に遊んで探してみてほしい。
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さて、ランク戦に出てみよう。
ランクHからはじまり、優勝することで徐々に上のランク戦に挑戦できるようになる。
仲間を少し集めてきたので、パーティを作ってみた。
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近接攻撃多めでパワータイプなパーティ、呪文を駆使したテクニカルなパーティ、守りを固めつつじわじわ攻められるパーティ……、出会ったモンスターが増えれば、それだけ自由にパーティを考えられるし、作戦次第ではより強いチームにできるのが面白い。
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筆者は、特技&呪文で攻めつつ、ほんのり回復できるモンスターを入れた編成にしてみた。ちなみに名前は最初から決まっており、「アワオ」などそれぞれかわいい名前が付けられている。
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細かいけどこういうの嬉しい……!がたくさん
マップと街を出入りする際、入った/出た向きに対応するようになっていた。(原作は、画面が切り替わる際、マップの入り口/出口に移動する形だった)
これは、自分が実際に歩いていることを想定するとよりナチュラルな動きになったように感じられ、作品への没入感が高まった。
このようなちょっとした新要素によって遊びやすくなった部分を、いくつかご紹介しよう。
■ひみつの場所
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新しいスポット「ひみつの場所」がマップの所々に登場。
探索していると見つけることがあり、宝箱やアイテムを獲得できるので、マップを歩くのがより楽しくなった。
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▲はぐれモンスターに遭遇することも。仲間にすればモンスター・バトルロードに出場させることができる。
■ルーラ/リレミトなど移動系の呪文が使いやすく!
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リメイク版は、MP0で使えるようになった。
街へ戻れるようにMP消費をセーブしないと……(ハラハラ)とか、宿屋に何度も泊まるのが勿体ない。バトルでも通常攻撃多めの低燃費運転パーティです!みたいな方でも、安心して打ちまくれるようになったのでちょっと嬉しい。
■次何したらいいんだっけ?のおたすけ機能
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忙しくて毎日はゲームを触れないプレイヤーや、プレイ中に探索に熱中しすぎてしまうプレイヤーは、次にどこを目指して歩けばいいのか分からなくなることもあるだろう。
そんな時は、目的地表示の設定をオンにしてみるとヒントがもらえるので、困ったときは使ってみよう。
■バトルの速さや移動速度(ダッシュ)
本作では高難易度も登場しており、よりたくさんの戦闘をしたいというプレイヤーや、テンポよく遊びたいプレイヤーにお役立ちの機能だ。
周回&探索がしやすくなっているので、ひみつの場所を探したり、転職後にガッツリレベル上げをしたりというやりこみ要素にもチャレンジしやすくなったのがポイント。
まとめ
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『ドラクエ』シリーズの生みの親である堀井雄二氏は、リメイク版は、3→1→2という順番で遊んでみると、驚きを感じられるようになっていると話しており、その最初の部分である3が今回発売された形となった。
新しい要素がほどよいバランスで加わっているおかげで原作の魅力がより引き出されていると感じ、時々懐かしさも噛みしめつつプレイを楽しむことができた。
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VR版の発売が発表されている『オクトパストラベラー』のように、本作もひょっとするとVR版が発売されたりしないかな……?という期待もある。
昔遊んだという方はもちろん、初めて触る方もバッチリ楽しめる作品となっているので、HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』をぜひ遊んでみてほしい。
© SUGIYAMA KOBO
℗ SUGIYAMA KOBO
GameWith編集者情報
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大学の休学期間中に遊んだ「ドラクエ」シリーズで世界観の壮大さに心打たれ、様々なRPGに興味を持ち始める。 中でも、近年は「原神」のストーリーや音楽に夢中になる日々を送っている。 また、ゲームのサブ要素にハマってしまう傾向があり、RPGで見られる料理作りや木の実採集などをとても気に入っている。 趣味はものづくり。 |
今後発売の注目作をピックアップ!
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/PC/Xbox
ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~
8,800円(税抜) 2
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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 水と光のフルランド
5,163円(税抜) 3
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クラシックダンジョンX3
7,200円(税抜)