7外伝と8の魅力とは?龍が如くのシリーズチーフプロデューサー・阪本寛之氏に聞く!
9月21日(木)より開催された、国内最大級のゲームの祭典「東京ゲームショウ2023」。
セガ/アトラスブースでは、『龍が如く7外伝 名を消した男』や『龍が如く8』、『ペルソナ5 タクティカ』などを出展し、多くの来場者を集めた。
そんな中、GameWithでは長蛇の列を見せた『龍が如く』シリーズに注目。
特別に、シリーズのチーフプロデューサー・阪本寛之氏のインタビューが行えたため、気になる部分を聞いてみた。
ついに『龍が如く7外伝 名を消した男』と『龍が如く8』に主人公として、桐生一馬が帰ってきました。『龍が如く7 光と闇の行方』で少し登場しましたが、その時から主人公にする構想はあったのでしょうか?
GW
阪本寛之(以下阪本氏):
その構想はなかったです。『龍が如く8』では、W主人公という立ち位置で脚本やゲームデザインを進行していました。ただ『龍が如く7』では、ちょっと助っ人のような形での登場になったことや、そもそもの背景をあまり描いてなかったんですよね。
もう一度W主人公で出てくるには、空白の時間が長すぎると判断して、ここに至った経緯などを説明できる外伝を作ろうと決まったわけです。
作品順もそうですし、ユーザーには時系列順に遊んでもらったほうが経緯もわかりやすいかと。
たしかに『龍が如く7』で、用心棒としていきなり登場した際には「あれ、出て大丈夫なの!?」と驚きましたね。
GW
阪本氏:
その辺も外伝で全部語られてます。「なるほど、それでここに繋がるわけか」と、8にも繋がりますし、より物語に入り込めると思いますので、ぜひ続けてプレイして欲しいです。
外伝の開発が決まったりと、かなりイレギュラーな進行になったと思いますが、空白の期間も含めて8にすべて集約する、というのも形としてあったのでしょうか?
GW
阪本氏:
もちろんありました。ただ、ゲームジャンルが違いますし、値段も違えば遊びやすいサイズ感も違うので別パッケージという形を選びました。
まだ何も決まってないですが、バンドルとかをやってもいいくらい繋がりのあるタイトルだと思っています。
制作スケジュールは期間的にも限られていましたし、苦労した部分もありましたね……。とはいえ、アクションはずっと作ってきてますし、RPGは7の段階で色々チャレンジした部分があったので、内部のリソースをうまく分配できました。
過去作で言うと『龍が如く6』と『龍が如く 極』の時期に似ていて、新しいゲームエンジンのドラゴンエンジンを使った時期ですね。過去に経験できていた、うちのスタジオだからこそできた部分かなと思います。
なるほど……。特にこだわった部分はどこでしょうか?
GW
阪本氏:
外伝は、久しぶりにでるアクションゲームということで、桐生一馬の集大成のアクションにしたいというところから始まりました。
物語的には、これまでになかったエージェントという設定だったので、どうバージョンアップしてユーザーの皆さんが遊びやすくなるかは1つのテーマでしたね。
最初はガジェットまみれになったのですが、紆余曲折あってバトルスタイルを切り替えながら、簡単なボタン操作でいろんな効果のガジェットアクションが楽しめる今の形になりました。
実際に試遊しましたが、流石の作り込みといいますか。初めてのプレイでも確かに爽快感を楽しめました。
GW
阪本氏:
純粋なアクションゲームとしても楽しんで欲しいですし、むしろ外伝なのでこれまでシリーズに触れてこなかった人のエントリータイトルとしてもおすすめできるのかなと。そこは逆に期待している部分でもありますね。
タイトルロゴを見てもらうとわかると思いますが、「名を消した男」の方が『龍が如く7』より大きいんですよね。
当然「7が発売する。」という声が大きいのは分かりますが、我々としては「名を消した男」の方が実は前面の印象なんです。
そのお話を聞いた後だと、KVを見る目が変わりますね……!
GW
阪本氏:
これまでのナンバリングタイトルでもそうでしたが、「一人の人生を描いていく」というのはこだわっている部分なので、ぜひリアルな人生模様を最後まで見届けてほしいです。
ありがとうございます。続いて『龍が如く8』についてお聞きできればと思います。これまでに豪華俳優や女優さんが出演されてきたと思いますが、今回初めてアーティストの井口さんがキャスティングされました。オファーに至った経緯などはあったのでしょうか?
GW
阪本氏:
脚本を作る段階で誰かしらのイメージはしています。見た目や性格からモデルケースを描いていく中で、今回は井口さんかなと。
やっぱり演技をしてもらうことで臨場感といいますか、リアリティが増すんじゃないかと、キャスティングイメージはしていましたね。
絶対に俳優じゃなければいけない、みたいなのはないです。ゲームでの登場は初めてでしたけど、いいキャスティングができたなと思っています。
俳優さんもさることながら、町並みの再現度についても驚きました。特に今回は初の海外・ハワイが登場しますが、エピソードがあれば教えて頂きたいです。
GW
阪本氏:
これまでに神室町、横浜、大阪など色々な舞台がありましたが、ハワイも同じくらい再現にはこだわりました。
めちゃめちゃ大きかったので取材は大変でしたね……。おまけにちょうどコロナ禍だったので渡航制限の中、リモートで取材を行ったり、渡航制限が緩和されてからは実際に現地でお店の中まで取材に行きました。
リモートで!そこまで来ると、世界中どこでも再現できちゃいそうですね。
GW
阪本氏:
それでも自分で行くのが一番手っ取り早いですね。この辺りを作ろう、これは絶対に入れようっていうのは現地で決めてますから。
現地ならではのサブストーリーも楽しみにしてほしいです。
サブストーリーは全部やるタイプなので楽しみです!
GW
阪本氏:
これだけは断言できますが、ボリュームは過去最大だと思います。当然、ミニゲームもバリエーションが豊富で箸休め的に楽しめるかなと。
ただ、やっぱりメインストーリーを一番に楽しむためのゲーム作りをしてます。「アクションがいい」や「RPGがいい」という声があるのも理解していますが、我々は順番が違うんですよね。
あくまでも「このストーリーだから、このジャンルで表現する」ということですね。
GW
阪本氏:
はい。なので最後まで遊んでいただけたら、一番満足度が高いし、ストーリーも深く刺さればいいなと。当然ですが、人それぞれに楽しみ方があるのも理解しています。
メインストーリーはもちろんですが、私はバトルパートも好きです!今回の『龍が如く8』での改良点についてお聞きしたいです。
GW
阪本氏:
今回は自由度や戦略性を高めるように調整しました。コマンドを選んで結果を見るだけではなく、背後から攻撃することでダメージをアップしたり、戦略的に楽しめるようにしたいなと。
桐生も仲間の一員して登場しますが、彼ならではの要素も入れたいよね、ということでアクションの部分を盛り込んだり。あとはレベルアップするためにショートカットバトルも実装して、融通が利くようになってます。
『龍が如く7』で「こうしたかったな」という部分は入れられましたし、前作の方がいいっていうふうにはならないかなと。
期待が膨らみます……!最後に発売を待ち望むユーザーに向けてメッセージをお願いします。
GW
阪本氏:
『龍が如く8』の発売日が2024年1月26日に発売が決定しました。
外伝から8と連続して遊んでもらえたら、間違いなく満足していただけると思いますので、ぜひともよろしくお願いします。