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2023年11月17日(金)にアトラスから販売された販売された『ペルソナ5タクティカ(P5T)』はPS5、PS4、SWitch、XBOX、Steamなどでプレイが可能だ。
筆者は本編20時間、DLCを5時間ほどで1週目をクリア。今回は未だに人気を博す、『ペルソナ5(P5)』のスピンオフ作品について、買うべきか否かを総評していこう。
なお、本編をクリアしてのレビューとなるため、できる限りストーリーの結末などは濁すが、ネタバレになる可能性もある。まだ未プレイの方は注意いただきたい。
GameWith編集者情報
その他アクションゲームやRPGも嗜み、アプリゲームとコンソール・PCゲームを同時にプレイするマルチタスクも可能。
建築家志望の大学時代を過ごし、元々ラーメン屋を経営していたが、一転してSEOのディレクションに従事。異色(カオス)な職歴を持つ。
『ペルソナ5タクティカ』とは?
アトラスから販売されている『ペルソナシリーズ』は、デザイン性やゲームシステム、スタイリッシュなBGMや作り込まれたストーリーの完成度が高く、大変人気が高い。
『P5T』は2016年9月15日(木)に販売されたPS4、PS3用のゲームソフト『ペルソナ5』のスピンオフ作品となっている。
『P5』と『P5T』の大きな違いとしては、ゲームシステムがコマンドバトルから戦略性を要するシミュレーションRPGになり、等身大のキャラクターデザインは、デフォルメされたポップなデザインになった。
『ペルソナシリーズ』にはスピンオフ作品がいくつも販売されており、今回は『P5T』は本編を楽しんだ人が満足できるのか?という視点でレビューしていこう。
わたくしは『ペルソナ3~5』『P4G』『P5R』『P5S』『メガテン3』などをクリア済みのアトラスファンである。一番のお気に入りは『キャサリン』。
ペルソナ5の関連作品|スピンオフ
『ペルソナ5』は人気作品ということもあり、2022年11月には全世界で『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』が累計100万本、シリーズ累計830万本(※1)のセールスを記録している。
※1 シリーズは『ペルソナ5』『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』『ペルソナ5 ダンシング・スターナイト』を含む
来年の2月(2024年2月)には『ペルソナ3 リロード』の販売も控え、『ペルソナシリーズ』愛好者には時間がいくらあっても足りない、楽しい日程が続くこと間違いなしだ。
ここでは『P5T』の総評前に、『ペルソナ5』のスピンオフ作品についておさらいしておこう。
イメージ | 作品名 | 発売日 | ゲームジャンル | 概要 |
---|---|---|---|---|
ペルソナ5 | 2016年9月15日 | コマンドバトルRPG | ペルソナ5のオリジナル作品。 心の怪盗団が東京を舞台に腐った大人を改心させていく。 | |
ペルソナ5 ダンシング・スターナイト(P5D) | 2018年5月24日 | リズムゲーム | シリーズ恒例の音ゲー。 『ペルソナ3』のキャラたちとダンスを競う。 とても平和なストーリー展開。 | |
ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス(PQ2) | 2018年11月29日 | ダンジョンアドベンチャー | 『ペルソナ3・4』のキャラクターと共に迷宮を探索するアドベンチャーゲーム。 | |
ペルソナ5 ザ・ロイヤル(P5R) | 2019年10月31日 | コマンドバトルRPG | 『P5』のリメイク作。 「芳澤かすみ」が初登場し、追加シナリオ・ダンジョンなども。 | |
ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ(P5S) | 2020年02月20日 | アクションRPG | シリーズ初のアクションRPG。 バトルシステムが一新され、日本各地を横断/縦断する怪盗団一行。 本編の正当な後日談として描かれている。 | |
ペルソナ5 ザ・ロイヤル リマスター版 | 2022年10月21日 | コマンドバトルRPG | PS4のみでプレイ可能だった『P5R』。 本作はPS5、Switch、Steamなどでプレイ可能になったリマスター版。 | |
ペルソナ5 タクティカ | 2023年11月17日 | ストラテジー | 本編のエンディング直前に、ルブランに集まった怪盗団一行。 突如不思議な世界に迷い込み、元の世界への脱出を試みることに。 |
『ペルソナ5』の本編は、『P5(オリジナル)』とリメイクされた『P5R』、後日談として楽しめる『P5S』が該当する。
スピンオフ作品として、『P5D』『PQ2』『P5T』は本編の幕間のストーリーとして展開される。
『P5T』の時系列はどこ?
本作はスピンオフ作品とはいえ、『ペルソナ5』のストーリーのバックグラウンドをしっかりと投影している。キャラクターの掛け合いも『ペルソナ5』のメインキャラクターの名前や名称も飛び交う。
一応『ペルソナ5』未プレイの人でもプレイ中に「メモ」を開けるので事前知識がなくても楽しめる仕様になっている。
『P5T』は『ペルソナ5』のエンディング直前の出来事と思われる。作中で日付が明言されていないので、あくまで筆者の推測になってしまうので注意して欲しい。
本編やスピンオフ作品の時系列をまとめてみたので、ストーリーのつながりなどを想像してみると面白いものが見えてくるかもしれない。
『ペルソナ5』の時系列まとめ※ネタバレ注意日付/時期 | 出来事 | 作品 |
---|---|---|
4月 | 主人公が秀尽学園高校に転校。 モルガナとの出会い、竜二、杏と共にペルソナが覚醒。 | P5、P5R |
5月 | 怪盗団結成。裕介がペルソナ覚醒 | P5、P5R |
6月 | 真がペルソナ覚醒 | P5、P5R |
7月、8月 | 双葉がペルソナ覚醒。花火や海水浴イベント | P5、P5R |
9月 | 春がペルソナ覚醒、ハワイに修学旅行へ | P5、P5R |
10月 | かすみがペルソナ覚醒(怪盗団へは加入せず)。明智が怪盗団へ加入。 | P5R |
10月後半〜11月前半 | かすみ、明智とストリートアートを介した不思議な世界に迷い込む | P5T DLCストーリー |
11月 | 主人公が警察に確保・逮捕される。 | P5、P5R |
12月 | 一連の事件の黒幕が改心。現実とイセカイが入り混じった渋谷で"神"と対峙 | P5、P5R |
1月 | 現実が改変された世界に迷い込む。明智、かすみと共に真相を追う。 | P5R |
2月 | 現実の改変の真相にたどり着き、「事象は全て、あるべき姿に、元ある形へと戻る」 | P5R |
2月後半〜3月前半 | 「イセカイ」とまた違った「異世界」に迷い込み、怪盗団一味で脱出を目指す | P5T本編 |
3月 | ペルソナ5本編の大団円。仲間たちの進路などを聞き、主人公は仲間と再会を約束し、地元に戻る | P5、P5R |
7月〜8月 別れから半年後の夏休み | 夏休みを怪盗団の仲間と旅行を計画。 「イセカイ」が再び出現し、日本各地へ改心の旅へ | P5S |
P5Tに関してはキャラクターの会話、関係値などからの推測になります。
『ペルソナ5』の核心に迫る内容は省かせてもらったが、おおよその時系列は把握できるだろう。
本編未プレイでも問題なく遊べるが、本編ストーリーをクリアしたほうが本作への没入感が増すので『ペルソナ5』のクリアは推奨させていただく。
キャラクターデザインはシリーズ恒例の「副島成記」さん
本作は『ペルソナ5』の等身大のキャラクターデザインから一新され、デフォルメされた4等身のポップなデザインになっている。
しかしながら、原作のキャラクターデザインを踏襲したものとなっており、個性的な「怪盗服」も再現性が高い。
キャラクターデザインは『ペルソナ3』からメインキャラクターデザインを担当している「副島 成記(そえじま しげのり)」さんが担当しているため、『ペルソナシリーズ』らしさはしっかりと表現されている。
副島さんの手掛けた代表作
参加作品 代表作 | 担当 |
---|---|
ペルソナ3 | キャラクターデザイン アートディレクション |
ペルソナ4 | キャラクターデザイン アートディレクション |
キャサリン | キャラクターデザイン アートディレクション |
ペルソナ5 | キャラクターデザイン |
新サクラ大戦 | ゲストキャラクターデザイン |
ステラデウス | キャラクターデザイン アートディレクション |
女神転生シリーズでキャラクターデザインや世界観を設定した、「金子 一馬(かねこ かずま)」さんからイラストの師事を受けた
「アトラス」のゲームデザインを支えるデザイナーであり、『ペルソナシリーズ』の「ハイカラさ」を支えている。
余談だが、『ペルソナ2罪・罰』に登場する「ギャルソン副島」はサブキャラクターデザインを担当した、副島さん自身がモデルである。
イベントはアニメーションムービーで魅了される。
本作の本編は大きく分けて3章構成となっている。公式設定ではないので、プレイしてみての感想ではあるが。
ステージを攻略し、物語が大きく動く場面では、しっかりとしたムービーシーンが用意されているのだが、このムービーがとても見応えがあったように感じた。
一言でいうと、ダイナミックなアニメーションである。『P5T』のキャラクターがアニメーション寄りのトゥーン系デフォルメがされたことにより、ムービーシーンとの親和性が高く、作品にのめり込み易い設計となっていた。
アジトでの待機画面でも細かな動きで、キャラクターの個性が活きるモーションやポーズにもこだわりを感じられる。
P5Tのゲームシステム
かなり前置きが長くなってしまったが、ここからは『P5T』のゲームシステムについて説明していこう。
『ペルソナシリーズ』(今回はペルソナ3以降を指します)といえば、ダンジョンを探索し、シンボルエンカウントで戦闘。
各キャラクターの心の象徴である「ペルソナ」を用いて、スキルなどを駆使したコマンドバトルのRPGだ。
そんな中、本作のゲームシステムはコマンドバトルを廃止し、ターン制のシミュレーションRPGに一新され、大きな変化がなされている。
本作特有のゲームシステムをこれからプレイする方は参考にして欲しい。
ペルソナ5のシステムを組み込んだシミュレーション|バトルシステム
シミュレーションRPGは、『魔界戦記ディスガイア』や『スーパーロボット大戦』を思い描いていただければわかりやすいだろう。(筆者の趣味ですまない)
本作は『ペルソナ5』のゲーム性を踏襲しつつ、障害物や高低差を利用したテクニック、ダウンした敵を巻き込む範囲攻撃「TRIBANGLE」などのシミュレーションRPGに特化したシステムがシリーズとしては目新しい。
遮蔽を活かしたカバーとガード
怪盗団らしく、射撃武器を中心にメイン攻撃を繰り出すが、どこをポジション取りし攻撃を繰り出すかがとても重要になってくる。
各ステージ上にはあらゆる「障害物」や「ギミック」が用意されており、障害物を利用してカバーに入ることができる。基本的にはこのカバーを駆使しながら移動を繰り返し、「ガード状態」を保って戦闘を進めていく。
遮蔽がない場所では、敵味方関係なく「ガード状態」にはならないため、攻撃を受けると「ダウン」状態になる。ダウンを取る/取られると「1MORE」が発生し、連続攻撃による大ダメージが発生する。
近接攻撃やスキルでカバー状態の敵を弾き飛ばし、ガードを崩してチャンスを作っていくこと、「1MORE」をより多く出すことがステージクリアの鍵になるのだ。
キャラクターのスキルや特性を掴んで連携
各キャラクターによって射程や攻撃範囲・移動範囲・武器の属性によるデバフ効果・使用可能なスキルが違う。組み合わせや攻撃順序、ポジション取り次第で戦況が大きく変わる。
基本3人でステージに挑む怪盗団(+革命軍メンバー)の面々の連携が重要となるため、各キャラクターの特性はしっかりと把握しておこう。
難易度は5段階。いつでも変更可能
筆者は1周目から調子に乗って「HARD」でスタート。かなり厳しい場面に出くわして苦戦を強いられたが、スリリングな戦闘を楽しめた。
プレイ中にいつでも難易度は変更可能なので、シミュレーションRPGに慣れていない人は、「SAFETY」や「EASY」からスタートし、慣れてきたら「NORMAL」などに変更すると良いだろう。
最高難易度の「RISKY」は正直1周目ではきつかった。。。強くてニューゲームのシステムがあるので、これから気長にやっていこうと思う。
ワイルドの能力はなく、各キャラクターがサブペルソナを装備可能
『ペルソナシリーズ』の歴代主人公は、「ワイルド」という特性を持っており、様々な神や悪魔、幻獣などを模した「ペルソナ」を使役できる仕様だった。
主人公以外は固有のペルソナのみを使役できるのが恒例となっている。
本作では主人公のワイルドの能力が封印されており、代わりに怪盗団メンバー全員が「サブペルソナ」を装備可能になっている。
サブペルソナは「固有スキル」と合体で継承できる「継承スキル」の最大2つのスキルを持ち、装備したキャラクターはそのスキルを使用できる。
また、HP・SP・近接攻撃・射撃攻撃のステータスを上乗せしてくれるので、出撃メンバーには必ず装備させよう。
「ラヴェンツァ」が手助けしてくれる「ベルベットルーム(V.ROOM)」で合体を繰り返し、より強力なペルソナを生み出すのも『ペルソナシリーズ』の醍醐味。
合体事故が頻発したので、ラヴェンツァちゃんにちょっとイラッとしたのはここだけの話。かわいいから許すけど。
合体事故が起こるとラヴェンツァがボンバーヘアに
クエスト・トーク・リプレイを利用して育成
本作はダンジョンに潜ってエンカウントする方式から様変わりしたことで、資金や経験値、ペルソナなどはステージの攻略や、サブクエストの攻略でのみ獲得が可能となっている。
レベルに関しては、各キャラクターではなく、怪盗団一味で共通となる。プレイヤーレベルと捉えてもらったらわかりやすいだろう。
キャラクター育成はGP(グローポイント)を利用して、各キャラクターのスキルツリーでスキルやステータスアップを行うシステムだ。
メインストーリーを進めると開放される、「トーク」の閲覧や「クエスト」のクリア等で獲得できるので、ステージ攻略をスムーズに進めるためにも、率先してやってみるといいだろう。
「トーク」では、各キャラクターの『ペルソナ5』では見られなかった掛け合いや、心情なども語られたり、とある場面では「花嫁姿」が拝めたりもする。シビアな戦闘の合間のほっこり時間が堪能できる。
高難易度クリアにはレベル上げも重要な要素だ。アジトの画面では、本編でクリア済みのステージを「リプレイ」が可能なので、周回クリアを繰り返し、経験値や資金を稼ごう。
経験値や資金の獲得効率を上げるスキルを所有しているサブペルソナなどがいるので、出撃する3人に装備して、ガシガシ敵を倒すと良いだろう。
『ペルソナシリーズ』・『ペルソナ5』愛好者の期待には応えられる?
『メガテン』や『ペルソナシリーズ』をこれまで何作もプレイしてきた筆者。ここまで『P5T』のゲーム内容を説明させていただいたが、このゲームをおすすめできるか結論を述べさせいただく。
『P5T』は、『P5R』をプレイ済みの方が、エンディング直前の一致団結した怪盗団の連携が楽しめる作品である。DLCも含めてまるっと楽しんでもらいたい。
逆を言ってしまえば、原作未プレイの方は本編のストーリーでは、ちょっと退屈に感じてしまう可能性が大いにある。『ペルソナ5』のファンのための作品だ。
また『ペルソナ5』だけをプレイ済みの方は、DLCのストーリーがちょっとのめり込みづらいかもしれない。かすみのレオタード衣装を拝めるだけでもおすすめはしたいところだが。
ボリューム的にはDLC含めて、ちょっと物足りなさは感じたところだ。願わくば、DLC等で本編のクエスト数の増加、クリア後の高難易度ステージの増加などやりこみ度を増す仕掛けの追加を期待したい。
アトラスファン、ペルソナファン視点での意見ではあるが、制作陣の『ペルソナ5』に対するテーマやBGM、キャラクターのモーションなどへのこだわりが随所に見られると思える。
等身をあえてトゥーン調にし、バトルシステムもシミュレーションに変更した「革命」は、新たな「イセカイ」の世界観と怪盗団のチームワークに焦点が当てられたものであろう。
発売日など基本情報
発売日 |
2023年11月17日 |
---|---|
会社 |
ATLUS |
ジャンル | シミュレーションRPG |
対応ハード | Switch / PS5 / PS4 / PC / Xbox |
タグ | |
価格 |
Switch : 7,200円(税抜)
PS5 : 7,200円(税抜)
PS4 : 7,200円(税抜)
PC : 7,200円(税抜)
Xbox : 7,200円(税抜)
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最大プレイ人数 | |
公式HP | |
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