配合とバトルの楽しさで時間が溶けまくる!シリーズ最新作『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』レビュー!
『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー3』の発売から長らく沈黙を守ってきた「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズであるが、このたび最新作となる『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』が12月1日にリリースされた。
本作の注目ポイントとしては、完全新作でありつつ、ファンにはお馴染みの人気キャラ「ピサロ」と「ロザリー」が主役になっている点。
『ドラゴンクエストIV』の世界観を基に、これまで描かれなかった物語の裏側や可能性の話が展開されるとあって発売前から期待を一身に受けた作品でもある。
ただ、結論から申し上げるが、本作は「ドラクエが好きならきっとハマるし買って後悔はしないと思う」という評価が率直なところ。
これがどういう意味なのかは記事の中で説明していくので、ぜひ最後までご覧いただければと思う。
やっぱ配合めちゃくちゃ楽しい!ドラクエモンスターズ感にひたれる一作
「モンスターズ」シリーズといえば、本来敵キャラであるモンスターたちを仲間にして、育成して配合できるのが最大の特徴であり、本作の根幹でもある。
配合ってなんやねんという方もいらっしゃると思うが、簡単に言えばモンスター2体をかけ合わせて新たなモンスターを生み出すシステムのこと。
シリーズ1作目である『テリーのワンダーランド』から変わらないこのシステムに惹かれ、モンスターズの新作を待ち続けたファンが全国にごまんといるのであろう。
もはや人間を強制的にモンスターマスターへと変えてしまう強力な呪いと言っていいほど、魅力的で中毒性のある面白さを誇っている。
はじめはGランクのモンスターからスタートするのだが、特殊配合という特定のモンスター同士の組み合わせによってランクを上げていくことができ、
必要なモンスターを探してスカウト
↓
配合
↓
育成
↓
必要なモンスターを探してスカウト
という流れで、より強いモンスターへ、より強いモンスターへ、とプレイしていくうちにループから抜け出せなくなってしまうのである。
だって、キラーマシンやキングスライムを作ったら、キラーマシン2やスライムベホマズンを作りたくなるのが人間のサガなのだから。
また『イルとルカの不思議な鍵SP』で登場した検索配合も導入しており、配合できるモンスターを一覧で表示したり、条件を追加して絞り込みもできるので便利。
配合システム自体も歴代作と比べてスッキリした印象があり、全くの初心者でも慣れるのにそう時間はかからないだろう。
そして強いモンスターを作ったらバトルで試したくなるものだが、本作はバトル面の調整も絶妙。
ダンジョンで上がるレベルがちょうど良くなるよう経験値が調整されていたり、多彩なスキルによる戦略性もバッチリなので、とにかくボス戦が楽しい。
攻撃が苛烈なボスがいれば命中率低下でしのぎ、防御が固いボスがいれば攻撃力アップや「かいしんのいちげき」を狙いにいくなど、ボスごとにうんうんと頭を捻るのも一興だ。
配合で理想のパーティーを構築して強力なボスを倒していく達成感が病みつきになるので、これもまた本作が沼のような中毒性を誇る要因の1つと言えよう。
本作では「ジョーカー」シリーズにあったような、ビビるほどでっけぇモンスターとの遭遇という楽しみがないのは少し残念だが、それを補って余りあるほどやり込み余地がある。
ちなみにゲーム中の音楽や、効果音も『ドラクエ4』から多く引用されており、そこも個人的にテンションが上がるポイントなので注目しながら遊んでみてほしい。
進化したシステムでサクサクプレイ!中毒性が高すぎるゲーム体験がここに
正直なところ、本作はゲームの動作が若干もっさりしていることをお伝えしておきたい。
ただ、その反面システム面で効率化を図った部分がいくつかある。その1つがスカウトアタックのスピーディさ。
前作まではモンスターを仲間にする際に1体ごとの攻撃演出が挟まっていたものの、今作ではそれをバッサリカットし、アクション選択後すぐにアタック結果が4回表示され成否が判定されるように。
これにより、配合のために何体もスカウトしなければならない場面であってもあまり苦労せず集めることができた。
加えて、バトルにも倍速機能とオートでおまかせ戦闘機能があり、かなりサクサクとレベル上げ&スカウトができたのもあって、ストレスを感じるような場面は少なかった。
戦略や組み合わせなど難しいことを考えずにバトルできるので、本作が初めてのモンスターズだという方でも問題なく楽しめることだろう。
サクサクのレベル上げ+便利な配合機能という進化によって、よりハマりやすくなっているので、これまでシリーズをやり込んできた人は時間を溶かしすぎないように注意が必要である。
あまりハマらなかった要素
さて、ここからは筆者による厄介オタクタイムである。
シリーズの大ファンであることを踏まえ、本作で感じたネガティブな部分を正直に書いていくので苦手な方はスキップしていただけると幸いだ。
ストーリー
冒頭で「ファンならば~」という話をさせてもらったと思うが、最大の原因がこのストーリーにある。
というのも、あくまで個人の主観ではあるが置いてけぼりになっているなと感じる場面が多々あり、やや強引な展開運びに思えたからだ。
また、キャラの言動が突飛だったり、『ドラクエ4』に対する世界観の説明などが薄かったりなど、初心者の方からすると戸惑うであろう場面も少なくない。
もちろん『ドラクエ4』のファンとしては本編との繋がりや、キャラクターの深堀りが嬉しかったのだが、上記のような箇所が気になりあまり感情移入することができなかった。
筆者自身は『ドラクエ4』を原作からリメイクの裏ボスまでやりこんでいて、ゲーム開始前まではかなり好意的な印象だったので、その落差も大きな要因かもしれない。
あくまで一つの意見として参考にしていただければと思う。
季節の変化
本作で新たに追加されたのが、フィールドの季節変化である。
これは現実での5分ごとに春→夏→秋→冬と四季が巡っていくシステムなのだが、これにより強制的に〇分間待たされる場面が出てくるのが正直う~んという感じだった。
四季によって変わるギミックがあったり、同じフィールドでも季節によって出現するモンスターが変わるなどの楽しみはある。
ただし逆に言えば、特定の季節にしか出現しないギミックやモンスターを出すためには最長で15分待つ必要があるということ。
これがプレイのテンポを悪くしているような感覚があり、個人的にはあまり好きになれなかった。
まとめ
ここまでプラス面とマイナス面について触れてきたものの、自分自身は本作をかなり楽しめているので単純に面白いゲームをやりたいのであればオススメの一作。
ただし、あえて厳しい言い方をするならば、「ドラクエ」だから許されている点がいくつかあることも事実である。
今後のアップデートにより細かい部分は修正されていくと思うので気にしすぎることはないかもしれないが、購入を検討されている方は+-を天秤にかけて判断してほしい。
もちろんバツグンに楽しいゲーム体験は保証できるので、筆者としてはぜひぜひ色んな方に触れてみてほしいと思う。
本文中では記載していないが、本作には別売りのダウンロードコンテンツが3種あり、特に「追憶のモグダンジョン」はやり込む上で必須なので併せて検討が必要。
最上位のXランクモンスターを作りたい人や、ネット対戦をやりたい人は、あらかじめ買っておくことをオススメする。
発売日など基本情報
発売日 |
Switch: 2023年12月1日 PC: 2024年9月12日 アプリ: 2024年9月12日 |
---|---|
会社 |
SQUARE ENIX |
ジャンル | RPG |
対応ハード | Switch / PC / アプリ |
タグ | |
価格 |
Switch : 6,980円(税抜)
PC : 4,527円(税抜)
アプリ : 3,454円(税抜)
|
最大プレイ人数 |
8人
|
公式HP | |
公式Twitter |
今後発売の注目作をピックアップ!
ドンキーコング リターンズ HD
5,980円(税抜) 2
/PC/Xbox
テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター
5,900円(税抜) 3
喧嘩番長 乙女 ダブルパック
6,800円(税抜)