当時の思い出を振り返りながら『ファイナルファンタジーVII リバース』の体験版と原作を遊んでみた!
2024年2月29日(木)に発売を迎える『ファイナルファンタジーVII リバース(FF7R)』。
時が経つのは早いもので、原作『ファイナルファンタジーVII(FF7)』の発売から今年で27年経つということに驚いている。
『FF7』発売当時はコンビニに設置された「デジキューブ」からゲームが買えたので、子供だった筆者は親にねだって買ってもらった。
コンビニまでは徒歩1、2分の距離で、ゲーム紹介やトレーラー見たさに何度も通った記憶がある。あの頃の発売までのワクワク感や説明書を穴があくほど読んだ体験は、自身の現在のゲームに対する向き合い方に大きく影響を及ぼしている。
今回は、そんな筆者のゲーム人生を語る上で重要な作品である『FF7』のリメイク第2作目の発売に際して、配信されている体験版と原作(HDリマスター版)を遊んで思い出を振り返りつつカテゴリー別に"REBIRTH"しているところを見ていこうと思う。
本記事では『FF7R』の体験版「ニブルヘイム編」「ジュノンエリア編」の範囲内での原作と比較となる。また、少しネタバレにも触れているため『FF7』をあまり知らない人や全く情報を入れずにプレイしたいという人は注意してほしい。
FF7リバースとは?
SQUARE ENIXから発売される『ファイナルファンタジーVII リメイク』プロジェクト三部作の第2作目で、魔晄都市ミッドガルを脱出したクラウドたちの旅が描かれる。
広大なフィールドを探索したり巨大アミューズメント施設「ゴールドソーサー」でミニゲームを楽しんだり、前作よりもさらに自由な冒険が楽しめる。
『FF7R』は原作を元にオリジナルの要素を加えた作品となり、“忘らるる都”までの新たな物語が展開していく。
「ニブルヘイム」「ジュノンエリア」でリメイクと原作を比較!
原作となる『ファイナルファンタジーVII』は1997年に発売された作品。
両者を比較といってもグラフィックが綺麗になって音楽も…といったものではなく、グラフィックの変化によっての新たな発見や気づき、ちょっとしたセリフの違いなどもう少し細かいところにフォーカスしてみていく。
懐かしく新しい「世界」編
砲台が印象的なジュノン。印象はそのままに、グラフィックが綺麗になったことで遠くまで細かく表現されており、リメイク版では飛空挺「ハイウインド」も確認できた。
他にもどこか既視感のある「神羅兵募集」の看板といった遊び心も見られ、単にリアルになったということではなくその施設の特徴が色濃く出たように思う。
かつては漁村として栄えていた「アンダージュノン」。リメイクされているとはいえ別物にはなっておらず、ここを上った先に〇〇があるといった原作の感覚がそのままになっている。
当時の記憶を思い出しながら探索していくのは卒業アルバムをめくるような感覚があった。
リメイク版ではジュノンの近くにも「チョコボファーム」が。引き続き乗り物としての役割は変わらないが、見た目を変更できる装備があったりお宝探しができたりとできることが増えている。
原作では「グリン牧場」にいるチョコボたちに話しかけると踊りを披露してもらえた。リメイク版でも「グリン牧場」やミドガルズオルムも登場するので楽しみ。
体験版の範囲で驚いたことを挙げるなら「ニブルヘイム」のピアノに触れないわけにはいかないだろう。
原作を遊んでいる時点ではアナログスティックなんてものは無かったので、操作感がかなり変わり多少複雑にはなったもののできることが大幅に増えた。
流石にスケールの設定まではできないが、マイナーコードや半音を弾くことも可能なので、全く関係のない曲を演奏することもできる。
緊張感はそのままに、進化した「バトル」編
リメイク版のバトルはリメイク1作目と基本は変わらない、アクションとコマンドバトルが融合したもの。
時間が視覚化された原作のATB(アクティブタイムバトル)の緊張感はそのままに、スタイリッシュで洗練されたものになった。『FF7R』では仲間との連携技が可能になるなどリメイク版においても前作よりも進化している。
フォーミュラは原作にもいたモンスターで、筆者はなぜかそれを覚えていた。
アンダージュノンの海岸で戦うことになる「ボトムスウェル」は、原作でも厄介だった「水球」をはじめ様々な攻撃をしかけてくる。
正直、こんなに強いイメージがなかったので想像以上に苦戦した。同じことを思った原作プレイヤーがいるはずだ。
クラウドのリミット技といえば思い浮かべる人が多い「凶斬り」。公式によれば、作品によって「凶」の書き順や切る回数が違い、リメイク版では原作を参考にしているとのこと。
他のリミット技の話では、原作ではリミット技だった「ブレイバー」がリメイク版では通常の技になっているという違いもある。
解像度が高くなった「キャラクター」編
解像度といっても画素数や画質の話ではなく、本記事においてはキャラクターの深みという意味として使用している。『FF7R』ではセフィロスを実際に操作できるので、彼の強さがより実感できた。
また、ボイスがあることや細かい描写の影響で、"あのようになってしまう前"の良き先輩としてのセフィロスやクラウドとの関係性なども見えてくる。
『FF7R』のクラウドにおいても、ニブルヘイムの回想シーンでこの時はこうだったというような細かな感情の変化や原作の補足がされており、クラウドの記憶がだいぶわかりやすくなっている。
声優さんが意図して演技しているのかは定かではないが、ニブルヘイムでのクラウドからは原作よりも「ザックス」が感じられた。グラフィックが綺麗になったことで繊細な表情の表現がされているのも要因だと思う。
ここからは個人の完全な推測だが、給水塔からティファの家を眺めているクラウドは"本当"のクラウドなのではないだろうか。
急になにを言いだすんだと思われるかもしれないが、筆者はリメイク版からクラウドとザックスの記憶が混じっている不思議な印象を受けた。
この項目の最後に、おまけ的な形でキャラの立ち位置や村の解像度も高くなっている点も紹介しよう。
ニブルヘイムもアンダージュノンもリメイク版には「村長」がきちんとした形で登場する。村があるから当然村長も存在するはずだが、原作はニブルヘイムを訪れるシーンでは村長は出迎えにも来ていない。
また、『FF7R』では原作と比べてキャラクターたちが追われている感じが強く、アンダージュノンを訪れる際にも村長の「ロドナー」に指名手配の話をされる。
細かな変化だが、キャラの置かれた立場や村の設定の肉付けによりストーリーにもさらに深みが出てきた。
時が経っても色褪せない「名シーン」編
名シーンでもあり、当時リアルタイムで原作を遊んでいた筆者がTVCMで良く目にしていた場面。
今見てもあの時の恐怖が蘇るのはもちろん、大人になって改めて見るとセフィロスの葛藤というか受けた衝撃の強さも理解できるだけに複雑な気持ちになる。
のちに大きな意味を持つ記念写真の撮影シーンも当時の形は保ちつつ、グラフィックの進化によって村の雰囲気や空気感が伝わってくる。
リメイクでさらにリッチになり、名シーンが神シーンへと進化したのは間違いない。
クラウドの母親との何気ない会話も、筆者が印象に残っている。すべて本当の記憶かどうかはわからないが、クラウドが家族の話をする珍しいシーン。
彼女が恋人と表現されていたり若干の変更はあれどニュアンスは原作そのまま。リメイク版のシーンを見た感想は「母さんこんなに綺麗になってぇ」だ。
まとめ
今回は『ファイナルファンタジーVII リバース』を原作との比較というテーマで見てきたが、拾った素材でアイテムを作成する「アイテムクラフト」やファストトラベルである「チョコボストップ」の修復など原作にはなかった要素も多く存在する。
最後に、プレイしていて可愛いと思った「チョコボストップの修復に失敗して子チョコボががっかりするシーン」を見て欲しい。
これだけ紹介しても、おそらく作品のほんの一部にもならないはず。この先の未知なる体験があなたのゲームライフを豊かにすることを願い、終わりとさせていただこう。
© SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA/ROBERTO FERRARILOGO ILLUSTRATION: © 1997 YOSHITAKA AMANO