
去る2025年1月下旬におおよそ2年余りの時を経てNVIDIAのRTXシリーズが刷新。RTX5000番台が発売され、大きな話題を呼んでいる。
今回まず発売になったのはRTX5090、5080、5070TI、5070で、どの製品も様々な新機能も手伝って旧来のGPUの性能を遥かに凌ぐと言われているが、一体どのような進化を遂げたのか。
GameWithでは今回実機のレビューも交えながらその実態へと迫った。
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RTX5000番台は何が進化した?
スペック的なところで行くと若干の違いがみられる。以下に違いをまとめた。
GPU | GeForce RTX 5080 | GeForce RTX 4080 SUPER |
---|---|---|
アーキテクチャ | Blackwell(GB203) | Ada Lovelace(AD103) |
製造プロセス | TSMC 4N | TSMC 4N |
SM | 84基 | 80基 |
CUD | Aコア10,752基 | 10,240基 |
RTコア | 84基(第4世代) | 80基(第3世代) |
Tensorコア | 336基(第5世代) | 320基(第4世代) |
テクスチャユニット | 336基 | 320基 |
ROPユニット | 112基 | 112基 |
ブーストクロック | 2,617MHz | 2,550MHz |
メモリ容量 | 16GB GDDR7 | 16GB GDDR6X |
メモリスピード | 30Gbps | 23Gbps |
メモリインターフェイス | 256bit | 256bit |
メモリ帯域幅 | 960GB/s | 736GB/s |
NVENC | 第9世代NVENC 2基 | 第8世代NVENC 2基 |
NVDEC | 第6世代NVDEC 2基 | 第5世代NVDEC 1基 |
PCI Express | PCIe 5.0 x16 | PCIe 4.0 x16 |
消費電力(TGP) | 360W | 320W |
この中でも特筆すべきはメモリ周り。メモリの読書速度やメモリの帯域幅が向上しているため、結果としてグラフィックの描画速度が飛躍的に向上している。
他にもRTX5000シリーズで初対応した「DLSS 4」技術により、高フレームレートの生成を行うことが可能に。
とくに「フレーム生成 4x」を利用した場合は諸々の条件が重なれば、ゲームのフレームレートがおよそ10倍ととんでもない数字を叩き出すこともある。
海外の大手PC検証チーム「Digital Foundry」の検証動画
ちなみに現状最上位のGPUはRTX5090になるが、こちらはどちらかというと「AI開発者」や4K/240Hzなどの超最高環境でゲームをするという方向け。とくにAI技術に活用されている印象がある上に価格が現実離れしすぎているため、実際のゲームプレイを考えるのであればRTX5080が現実的な最上位ラインだろう。
それではこの内容を踏まえて早速RTX5080実機の使用感を見ていこう。
GameWith独自RTX5080レビュー!
今回使用したPCスペック
今回使用したGPU以外のPCスペックは以下の通り。



- CPUIntel Core i9 12900KF(16コア/24スレッド)
- マザーボードMSI Z790 GAMING PLUS WIFI
- メモリCORSAIR CMK32GX5M2B6000C38DDR5-6000 16GB×2(6000MTへOC済)
- 電源1000W
CPUが12世代と少し前のものになるがCorei9のため、性能は折り紙付き。それ以外は最新規格となっている。
なお、詳しくは後述するがDDR4規格のメモリでRTX5000番台を使用するのはあまりおすすめしない。必ずDDR5の規格と組み合わせて使おう。
開封~組立後

今回使用したGPUは玄人志向の「GALAKURO GAMING GG-RTX5080-E16GB/OC/TP」。

最近はエントリークラスのメーカーでもトリプルファンの製品が増えてきたように思う。昔はデュアルファンのものもあったが、やはり冷えやすさなどを考えるとこちらということだろうか。
本体用の電源ケーブルの他にサポート用のスティックが付属。重さでケースや端子が歪むのが怖い人はこちらを併用しよう。

なお、2.5スロット占有のため、PCI-Eスロットをフル活用したいという人は事前に大きさをチェックしておくことをおすすめする。

アプリで直感的にファン速度やオーバークロックをお手軽に行うことが出来るのも利点。4K/120Hzでゲームをしっかり動かしたいというようなハードゲーマーは是非ともこちらを活用しよう。

以前使用していたASUSの「ROG Strix GeForce RTX 3070 Ti OC Edition 8GB GDDR6X」との比較。
ASUSのROGシリーズだったため、思いっきりゲーミング!という感じのフォルムだったが今回はそういった意匠が抑えられている。


重量を比較するとなんと400g強RTX5080の方が軽かった。ROGシリーズが重いということを鑑みても技術の進歩は凄まじい。

こちらが組み上がった図。思ったよりも簡素に組み上がった。
ちなみに一際目立つこちらのCPUファンはCPSの「DS360-BK」。コスパ最強でよく冷えるのでおすすめだ。
ベンチマーク&実際のゲームプレイ
今回はそれぞれ
- 『MONSTER HUNTER WILDS ベンチマーク』
- 『Stray』
- 『ユミアのアトリエ』
をプレイした。
『MONSTER HUNTER WILDS ベンチマーク』
まず、RTX5000シリーズでモンハンのベンチマークを走らせる場合、こちらの設定を必ずONにしよう。


「NVIDIA DLSS」の項目をONにすることにより前述した「フレーム生成」が使用できるようになる。
こちらを活用することでフレームとフレームの間にAIで解析した自然なフレームを差し込み、結果として滑らかな映像を楽しめる。RTX5000シリーズを最大限活用するのであればこちらの機能を使用しない手は無い。
ちなみにフレーム生成を使用した場合と使用しない場合ではかなり平均フレームレートに差が出る。

こちらがフレーム生成未使用。それでも平均が100FPSを超えているため、こちらでもかなり滑らかな映像ではあるが

こちらが使用時。若干スコアは落ちるものの、フレームレートがおよそ2倍程度に向上している。高リフレッシュレートのモニターを使っていると恩恵を更に感じることが出来るだろう。

ちなみにメモリのクロック周波数が低いと高確率でここがボトルネックになり、速度が著しく低下する。こちらはDDR4のクロック周波数2133MHzで運用した場合。
これだとRTX3070Tiとほぼ数値が変わらないため、新しいGPUの恩恵を一切受けることが出来ない。注意しよう。

『Stray』

リアルなサイバーパンクの世界に猫となって飛び込み、やりたい放題できるのが話題となったStray。スラム街っぽい雰囲気や水たまりの表現などはかなりのGPUの能力が必要となる。
実際のプレイでは処理落ちやカクつきなどが一切なく、スムーズな動きが印象的だった。
オブジェクトが密集している場所でも体感の読み込みは発生せず、ゲームへの没入感をより高めてくれる。
とくに作り込まれたディテールをしっかりと表現しきれており、金属の冷たさやスラム街特有の雰囲気や空気感まで感じ取ることが出来るだろう。


『ユミアのアトリエ』

つい先日発売されたコーエーテクモの人気シリーズであるアトリエの最新作。
今回は前回のライザのアトリエ3に引き続き、オープンワールドの展開が特徴となっている。
つまり最初にマップを読み込んでオブジェクトは視界に合わせて徐々に読み込む方式のため、高画質で描画するためにはかなりのマシンスペックが要求される。

とくに水の表現は優れたレイトレーシング技術により、バッチリと表現されていた。
歩いていて水が跳ねる描写やリアルなジャンプの表現など、プレイをしていて爽快感があるのが大きなポイントだ。この爽快感が感じられるのも優れたGPUの賜物と言えるだろう。
こちらの動画を見ていただくと分かるが、遠景を映しながら走っていても一切処理落ちを感じることは無かった。
ゲーム内グラフィックは全て最高設定。ここまで来ると更に高リフレッシュレートのゲーミングモニターが欲しくなってくる。


まとめ:最上位を体感したい方向け
今回は最上位のGPU「RTX5080」の実機レビューを行った。筆者自身がRTX3070Tiからの乗りかえだったため、かなり大きな恩恵を感じることが出来た。
ただし「RTX4080SUPER」からの乗りかえは新たな「DLSS 4」を使いこなせるかどうかによって評価はかなり変わりそうだ。
DLSSに対応していない昔のゲームをプレイするのであれば体感できる違いは感じられないかもしれないが、今後の目玉になるゲームはほぼ全てがフレーム生成に対応してくると言っても過言ではない。
これから先はこの技術が標準になっていく可能性が高いことを考えると、少し注目してみても良いアイテムであることは間違いないだろう。
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