可愛いクラシック音楽系女子が総結集。『takt op.(タクトオーパス) 運命は真紅き旋律の街を』
突然だが、お姉さんは好きかい?
本稿冒頭から人を魅了してやまないキャッチーなスマイルを振り撒いているのは、お世話好きなお姉さん「アルルの女」だ。作中では“アルル”と呼ばれている。
しかしそんな彼女、実は人間とは言えない存在だ。厳密には人間の身体をベースに楽譜の力を取り入れた兵器、「ムジカート」と呼ばれる存在である。
ゲームではティンパニのような打楽器を前線でブン回し、迫り来る敵をちぎっては投げちぎっては投げの大活躍を見せてくれる。おまけに彼女は筋金入りの“お世話焼き”。
本作ではそんな魅力的なヒロインたちが多数登場している。中でも筆者はこの「アルルの女」が最推しのヒロインというワケだ。
2021年から「ろくろ首」のように首を長くして待っていたスマートフォン向けRPG
本題に入ろう。本稿で紹介するのは2021年ごろに発表された、クラシック音楽を題材とするメディアミックスプロジェクト『takt op.(タクトオーパス)』のゲームアプリについて。
『takt op.(タクトオーパス) 』のあらすじ西暦2067年、流星と共に飛来してきた「黒夜隕鉄」より、人類の脅威となる存在「D2」が出現。人類は滅亡の危機に陥っていた。
D2には銃器などあらゆる通常の兵器が通用せず、“音楽の力”を宿した少女たち「ムジカート」こそが唯一の対抗手段となる。
D2の殲滅と人類の救済を目的とした組織「シンフォニカ」は、世界各地の主要都市に同名の防衛施設を建造し、ムジカートを運用しながらD2に対抗していた。
しかしある時、シンフォニカ内部へ侵入してきたD2がキッカケとなり、ムジカートの1人「運命」の手によって、ムジカートの力を引き出すコンダクター・朝雛タクトは覚醒を遂げる...。
<『takt op.』参加クリエイター陣>
原作・広井王子さん、キャラクターデザイン・LAMさん、シリーズ構成/脚本・高羽彩さん、音楽考証・栗田博文(指揮者)さん、背景コンセプトアート・わいっしゅさん、音楽・坂本英城(ノイジークローク)さん、キーピアニスト・まらしぃさん
同作はTVアニメの放映で予想を超える反響を呼んだことを機に、2021年配信予定だった製品を大幅に改修。ファンの期待に応えるクオリティを目指して開発が続けられ、2023年6月28日(水)ついに正式リリースを迎えた。
筆者もプロジェクトが発表された第一報の頃から待っていた身で、思い返すと実に感慨深いものがある。なにせ“大正浪漫な名作RPGシリーズ”の産みの親、広井王子氏が原作とする全く新たな世界観だ。優美で歴史に刻まれる「クラシック音楽」の世界──。
さて、それはともかくとして、語り出すとキリがないほど魅力の詰まった本作を、1秒でも早く、1人でも多くのプレイヤーたちに触れてもらいたい。本記事の意図はそこにある。
ゆえにNG覚悟でやや暴走気味に紹介させていただくことになるのだが、そういった痛々しい部分についてはどうか温かい目で見守ってもらいたい。
※本記事はDeNAの提供によりお届けしています。
自分のデータにならないと理解していても寝る時間を惜しんでまでプレイ
今になって思えば、取材とはいえ過剰だったと思う。ゲームの紹介記事を執筆するにあたり、事前にゲームを遊べるのがゲームライターのメリットだ。しかし、それは仕事をこなすためであって、“楽しむ”のとはまた違う。リリースされてから思う存分楽しめば良いだけの話である。
また、2022年12月には「クローズドβテスト(CBT)」が開催されており、実はそちらもかなり遊び込んでいた。もちろん寝る間を惜しんで。
CBT、配信前の試遊、どちらもセーブデータは残らないし、それをやり込むのはクレバーではない。だがそれでもやり込んでしまった。
懲りずに遊び呆けた理由は単に“作品が好き”だからではなく、あの濃厚なゲーム体験をもう一度楽しみたかったという理由を挙げておきたい(推しといち早く触れ合うためでもある)。
フルボイス&細かなアニメーションで織りなす読み応えあるストーリーパート、魅力的なヒロインたちとの交流要素に奥深く戦略的なバトルシステム...etc。
どれもが上手く調和していて、家庭用ゲーム機向けRPGとは違った趣きがあるにしろ、時間を忘れて没頭できるスマホRPGなのは間違いないだろう。
ゲームは各章を幾つかに分割した構成を取っている。CBTの時点で5章まで遊んだが、懲りずに再び5章まで遊んでいた。リリース後も遊ぶのだから合計3周することになる。
しかし、このゲームはプレイヤーの選択肢でムジカートの反応が変化するのだ。だから埋めていない選択肢を埋めたり、見逃した会話イベントを回収したりもできる。つまり実質的な周回プレイであって遊び方としても間違っていない。
周回した上でゲームのコンテンツを一つひとつ俯瞰的に眺めても、やはり体験として濃厚だ。
好きなアニメ・映画・ゲームを周回する人は別段珍しくはないだろう。そこに作品の背景知識や関わるスタッフの想い、裏話などが加われば、また異なる見え方で作品を楽しめるというもの。
何より本作の元ネタは“クラシック音楽”。知識が全くなかった筆者はCBT以降から加速度的にそれらを嗜む機会が増えた。4部構成16時間のオペラに没頭したり、ベルリンフィルのサブスクに加入したりもしている。
それぞれモチーフの原作に触れることで、楽曲が持つ深みを知れるようになったり、キャラクターへの愛着は大きく変化してきた。
例えば「ワルキューレ」というムジカートは、リヒャルト・ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』(前夜劇と3日間の劇からなる四部作)より第1日の楽曲がモチーフだ。
普段はツンツンしているワルキューレだが、愛情を向けられると案外直ぐにデレそうな部分がある。
それは原曲の元シーンでは、まだ戦乙女(ワルキューレ)たちがまだ“愛”を知らないことに連なっているからだと筆者は勝手に考察を巡らせている。
このようにゲームと伝統的な芸術が結びつく相互作用はまさに悪魔的。学問の世界は知れば知るほど奥深く面白いものだが、『takt op.』はそれに通じるものがあると考えている。
筆者はすでに泥沼に沈んでおり、同じように沼へと沈むプレイヤーを手をこまねいて待つだけだが、クラシック抜きにしても“正統派な楽しさ”を提供してくれるRPGなのはお約束できる。
本作は教養が身につく最強の推し活でもあると語らせてくれ
ベートーヴェンによる『交響曲第5番ハ短調Op.67「運命」』は、あまりにも有名な楽曲だ。人間生きていればどこかで触れる瞬間が必ずやって来ると思う。
『takt op.』はクラシック音楽を題材としているのだから、作中で流れるBGMもクラシック音楽ばかりである。
これが何を意味するのかと言えば、遊んだプレイヤーは否応なく偉大な音楽家たちの作品に触れるということだ。音楽の時間、あれだけ退屈だった偉人のエピソードやクラシックの授業回までが輝かしく思えて物恋しい。
ゲームではキャラクターの育成画面で人気ピアニスト・まらしぃさんのピアノアレンジが流れている。このアレンジ版が大変に素晴らしいのだ。
前述した「運命」を例に取ると、有名な第1楽章と実はめちゃくちゃカッコイイ後半部分の第4楽章を上手く繋げている。
「運命」はそれこそ悲壮感漂う「デデデデーン♪」ばかりが切り取られ1人歩きしているが、第4楽章のテンションぶちあげな落差こそ見せ場の1つだろう。
まらしぃさんのアレンジは楽曲を通しで聴かないと気づけない必聴すべき山場を、メジャーな楽章と自然に繋げてくれている。だから、楽曲への理解も深めやすい。
しかもバトル中に必殺技を使えばオーケストラ版まで楽しめる。こちらはこちらで同じ曲でも人気の楽章に絞っており、ピアノアレンジとは異なる贅沢さがある。2度美味しいのだ。
「いろんなクラシック音楽を耳にするけど名前が出てこない」
世の中はきっとこんな人たちで溢れていたりするものだが、そういったおぼろげな疑問も本作にのめり込めばキッチリ解消できよう。
クラシック音楽を聴くことが「推し活」になるし、ゲームを遊ぶだけでその分野に対する造詣が多少なりとも深まる。『takt op.』ではそれだけクラシック音楽のエッセンスが抽出されている。
ゲームを楽しんでいるだけで知らず知らずのうちに教養が身に付くというのは画期的で、幅広い世代のプレイヤーがクラシックの世界に足を踏み出せる機会でもある。
クラシックは一見すると“敷居が高そうなジャンル”などと思われがちだが、本作によって入り口は広がり楽しむハードルも大きく下がったと思う。
気になるムジカートがいればまずはゲームで触れて、それからじっくり元ネタの楽曲に触れてみる。教養が身に付く最強の推し活は、きっと『takt op.』ならではだ。
知れば知るほど推しムジカートに愛情を注げるDeNAの気遣いを語らせてくれ
ムジカートと交流を深める【ティーブレイク】要素が大好きだ。【キャラクタークエスト】を合わせれば彼女たちへ愛着はさらに増す。
推しがグリグリ動くのは癒しだし目の保養にだってなる。そして、多数のイラストレーターが描く【音源楽装】もまた、ゲームを彩る大事な要素。
音源楽装はストーリー内の印象的な場面や、ムジカートの日常をイラストに描き下ろした装備アイテム。
LAMさんのみならず、数々のイラストレーターが描いたムジカートにも違った魅力があり、積極的に集めたくなってしまう。
しかも1枚絵だけの簡単なものかと思いきや、ちゃんとイラストのシチュエーションにまつわるテキストが用意されているこの周到さ。ファンへの配慮が細かくて逆に心配になってしまう。
ストーリー系のイラストなんかは、その場面のムジカートの心の内を吐露しており、物語と人物像に対する解像度が高まる。
「あのシーンこんな心境だったのキミ...」と、心の裏側まで丸見え。
こちらは完全にキャラクター育成の話題だが、プレイヤー目線で嬉しい【ランクアップ】の概念もある。
言ってしまえば“レア度を上昇させていく機能”で、全ムジカートが末長く活躍し続けられるというものだ。これはいいんですか、DeNAさん。
筆者の推しは最高レアリティではないのだが、ランクアップのおかけで育成に力が入ってしまうのは明白だ。
環境が目まぐるしく変化するタイトルが多い中、ムジカート1人ひとりを大切にしている姿勢が素直に脱帽モノ。レアリティの差なんて気にせず、推しをじっくり育ててあげたい。
魔性のお姉さん「アルルの女」について語らせてくれ
◆ アルルの女(CV.赤﨑 千夏)
ジョルジュ・ビゼー:「アルルの女」
L'Arlésienne
その楽譜の力を宿すムジカート。
他人の世話を焼くことが自らの使命と思っているかのような女性。笑顔も絶やさず、周りを鼓舞し続ける。頼られることを何よりの喜びとし、雑用もすすんでやる。場合によっては、おせっかいと言われることも。
「アルルの女」はジョルジュ・ビゼーによって、同名の戯曲『アルルの女』の付随音楽として全27曲作曲された作品だ。
ご覧の通り中々フランクで、皆のお姉さん的な存在である。ちなみに17歳。
交流してみるとその天真爛漫な性格は色々と破壊力があって、本稿冒頭のように魅了されてしまうワケだ。
仲間たちに対しては、日頃から好き好んで積極的なお世話をしているのだが、どうもおせっかいさんだと思われている。
その証拠に、ゲーム内にあるVR空間での遠征のストーリーにおいて、彼女は週に1度の「お姉ちゃん記念日」とやらを設定しており、頼みごとをすると「お姉さんポイント」が2倍になるというエピソードがある。
VR遠征は訓練用に作られたプログラムで疑似人格らしいのだが、こういう話がでるぐらい、お節介とみんなに思われているんだろう。
なんだかよくわからないが、その“お姉さんポイント”とやらを使えばまたお姉さんを呼び出せる上、将来的には買い物でも使えるようにと色々画策していたりする。情報量が多い。
だがしかし、彼女について知れば知るほどに“お姉さん”というか、「お母さん」ぽさすらも感じてしまうのがアルル。
これこそが紳士たちの感じる俗に言うところの“バブみ”の真骨頂であって、彼女の母性を際立たせる妖しい魔力の正体。ゆえに多くの者を狂わせる魔性の女だと筆者は認識している。
しかもアルル本人は「ママ」の役割に満更でもなさそうだ。これを「男たらし」と言わずして一体なんと言うのか。
深い意味では、原典の小説内容からも納得できてしまう罪深い女である。これはもう「アルルのママ」だ。ママ...。
ピアノアレンジの構成は「アルルの女 第2組曲」おける終盤の<ファランドール>→<メヌエット>→<ファランドール>という繋ぎ方。
有名な<ファランドール>だけでそのまま通すと思いきや、1度<メヌエット>のゆったりとした柔らかい旋律を挟み、奔放なお姉さんらしい山場の盛り上がりを迎えている。鬼リピは余裕だ。
まとめ
本当は1万字を余裕で超えるくらいみっちりと語りたいのだが、そうは問屋が卸さない。それでもクラシック音楽を題材とした『takt op.』のパワーが如何なるものか、嫌というほどおわかり頂けたのではないだろうか。
本作は既に100万ダウンロードを突破!さらに正式リリースを迎える直前、事前ダウンロードを開始した6月26日時点でApp Store無料ゲームランキング1位を獲得。
さらには事前登録でも150万人を突破!そして7月1日からTVCMも放送開始をしている。
これによって、キャンペーン報酬などで合計ガチャ40回分の「絆の楽譜」やLAMさん描き下ろしSSR「音源楽装」、ムジカート「四季・夏」(シューター)、さらにムジカートの育成に役立つ強化アイテムセットが全員にプレゼントされている。
※【App Store無料ランキング1位プレゼント「絆の楽譜」10個】の配布は8月9日(水)11:59まで。
※【100万ダウンロード突破記念プレゼント「絆の楽譜」10個】の配布は8月11日(金)11:59まで。
※【TVCM放映記念プレゼント「絆の楽譜」10個】の配布は7月31日(月)23:59まで。
ゲームの詳細なシステムや各コンテンツは下記の記事で紹介しているので、ぜひこちらも一緒にチェックしていただきたい。
©DeNA/takt op. game partners