『takt op.(タクトオーパス)』クローズドβテスト(CBT)をプレイリポート!
GameWith編集部では、2022年12月15日(木)から実施された本作のクローズドβテスト(CBT)をプレイする機会に恵まれた。
今回、クローズドβテストで体験できるメインストーリーは全5章まで。筆者は一応、記事執筆時点で5章もクリア済みである。
ここからは「takt op.(タクトオーパス)」プロジェクトの初報から、長らくゲームを待ち焦がれていたライターが、実際のゲームプレイを通して本作のシステムや感想をファーストインプレッションとしてお届けしていく。
ネタバレを控えるべく本稿で取り扱うストーリー部分は物語序盤(1章)までに留めておきたい。
※ゲーム画面は開発中のものです。実際の画面とは異なる場合があります。
メインストーリーのリッチな演出がプレイヤーを魅せる!ボイス、アニメーション、次回予告まで...!?
ゲーム冒頭では人類の敵「D2」が、「シンフォニカ」の内部に侵攻してきた危機的な状況からスタート。
シンフォニカはD2の脅威に対抗できる唯一の兵器「ムジカート」を保有する組織であり、人々を収用する防衛施設の名称でもある。
そんなシンフォニカの内部にD2が攻め込んできたのは極めて異例であり、主人公・朝雛タクトはムジカートの少女“運命”に眠りから起こされる形で戦うことに。
タクトは“ある理由”からシンフォニカの奥で約数十年眠り続けていた指揮者(コンダクター)。
音楽の力を身に宿すムジカートには指揮者の存在が必要不可欠で、ムジカートとコンダクターの連携がD2に対して決定打となる。
しかし、眠りから目覚めたばかりのタクトは過去の記憶を喪失。中には過去の自分を知る者もいるが、コンダクターとしての生活に葛藤しながらも戦い、成長を重ねていく。
ストーリーではD2との戦い以外に、タクト視点でムジカートや地上のベルリンに住まう一般市民たちとの交流を描いている。
常に緊張感の続く殺伐としたダークファンタジーではなく、章によってはタクトとムジカートの一日が垣間見える物語設計である。
さらに本作のストーリーは基本的にフルボイス仕様(※)。ムジカートやそのほかの登場人物を含め、立ち絵イラストは表情豊かにアニメーションまで行う。
プレイヤー側はアニメを見ているような感覚にも近く、物語に対する没入感は非常に高い。
※朝雛タクトはアニメシーンでのボイスを確認。
試遊可能な5章まで触れたうえで、筆者がストーリー部分でのこだわりを顕著に感じられたのは、やはりシナリオの演出部分。ボイス・立ち絵・3Dモデルによる表現に加え、スチルイラストとアニメシーンが随所に挿入されている。
物語そのものの見せ方が特別秀でており、ストーリーの続きをしっかり読みたくなる“魅せる”手応えは確かにあった。
ちなみにストーリーを進める際には「指揮力(スタミナ)」を消費するほか、「探索の証」というアイテムが一定数以上必要になる。
このアイテムは謎解き・ギミックが仕掛けられたダンジョン型のコンテンツ「自主訓練」の攻略で収集可能。
それぞれの仕掛けはちょっとしたパズルのような感覚だが、道中のザコ戦に最奥のボス戦と、ダンジョン全体の構造は古き良きクラシックなRPGに近い。
プレイ中はどこか懐かしささえおぼえたほどである。
話を戻すが、本作は“人類&ムジカートvsD2”が主題となっている。しかしその物語を描く過程には、数々の名作ゲームを手掛けた広井氏の成分が土台として根付いているのを肌身に感じ取れるのだ。
勧善懲悪モノのシナリオを中心とし、枝分かれするように各ヒロインたちのプライベートを密に描写する感覚。とりわけ各章の最後に差し込まれる「次回予告シーン」は広井氏の影響が強そうだ。
案外、『takt op.(タクトオーパス)』の持つ古式ゆかしいRPGの良さも氏の受け売りだったりするのだろうか。
ともあれ、「人類を救うはずのシンフォニカが抱える課題」「ムジカートたちの想い」「コンダクターとしての責任」などなど、見どころたっぷりなストーリー展開は次回予告との相性ピッタリ。
遊んでいて気になる設定の数々も緻密に掘り下げられていくので、各章毎に高い満足度を得られた...というのが正直な感想である。
ムジカートのポジション配置と、エフェクトコードを集めて戦略をカバーする歯応え◎なコマンドバトル
バトルは4人編成で戦うターン制のコマンドバトル。素早い順にそれぞれスキルを選択して戦うベーシックなタイプだ。
一見するとシンプルだが、本作のバトルでは「ポジション」と「エフェクトコード」、この2つの要素がとても重要。
「ポジション」はその言葉が指し示す通り、キャラクターの“位置取り”と考えてもらっていい。
敵側から前列→後列の並び順になり、「アタッカー」や「ディフェンダー」は前列、「ヒーラー」は後列といった具合で、各役割に適した配置が推奨される。
ムジカートたちはこのポジションに左右される形で攻撃可能な敵が決まるため、バトル中はスキルを駆使したポジション移動といった要素も絡む。
無論、敵側も巧みにポジションを入れ替える関係で、RPG全般に共通する“強力なスキルを一方的に押し付ける遊び方”は結構難しい。ここの要素が想像以上に奥深く、敵の種類・特性に合わせて戦術を組み立てる純度の高いロールプレイが楽しめた。
そして「エフェクトコード」は、バトル中に発動したスキルの“色”によって、画面中央上部にストックされる必殺技用のコスト。
ムジカート毎に必要分のコードを消費すると、強力な必殺技「ミュージカルエフェクト」が発動可能に。
ただ、このミュージカルエフェクトもゲームをひっくり返すほどの強力なゲームチェンジャーとはいかず、あくまで戦局に変化をもたらす選択肢の一つ。
特にボスバトルでは、ボス敵のスキル&アビリティから行動パターンを読み解いた上での対策を前提に、ポジションを意識したスキル選択が重要視される。ミュージカルエフェクトはそこで発生する戦略の穴を補強してくれる要素といった感触。
CBTでは推奨レベルでもかなり歯応えあるボスバトルが体験できた。ボスのルーチンは決まっているが、強化・弱体効果も積極的に狙わなければ有効打となり得ない。
それぞれムジカートの強みを活かした戦略的なバトルシステムは、スマートフォンゲームながらかなり本格的である。
LAM氏のイラストに心を打ち抜かれた!お洒落すぎる育成画面とレベリングだけではない成長要素
ムジカートのレベル上限値はプレイヤー側のレベルに合わせて定められている。それゆえ、1体のムジカートだけを育成し過ぎて早々に無双状態...などとはならず、コンテンツとのゲームバランスに配慮が見られた。
また、単純にレベルを上げて万事解決とはいかない。素材を集めて能力値を伸ばす「スコア」や、装備の役割を持つ「音源楽装」の存在も忘れてはならないだろう。
特にスコアは成長させていくと、ムジカートの新たなスキルがアンロックされる。攻略面においては重点的に手を付けておきたい育成要素だ。
そして、育成画面を飾るLAM氏の描いたムジカートのイラストも魅力的。どのイラストも心を奪われてしまうこと請け合いのクオリティである。
そこで、筆者の心が少女漫画のようにときめいてしまったムジカートを3名ほど下記にご紹介してからこの項を終えたい。
心ときめいた3名のムジカート◆ ワルキューレ
・普段はこんなキャラクター
◆ こうもり
・普段はこんなキャラクター
◆ G線上のアリア
・普段はこんなキャラクター
ムジカートのことをもっと知れる!「ティーブレイク」と「キャラクタークエスト」の魅力!
作中ではドリンクアイテムを消費すると、ムジカートと会話ができる「ティーブレイク」が楽しめる。
さまざまな話題や選択肢でムジカートとの絆を深めていく要素である。
ムジカートたちが普段何を考えているのか、どんな生活を送っているのかなど、ストーリー部分だけでは分からない幅広く細かな話題が振れるので、ムジカートに対する愛着が自然と湧く仕組みだ。
ティーブレイクやストーリーでの選択肢により「絆レベル」が上がれば、そのムジカートに焦点を当てた「キャラクタークエスト」も発生する。
キャラクタークエストではムジカートの意外な一面やタクトたちとの日常を密に描写。本編のストーリーとは違った角度のエピソードが展開していく。
絆レベルを上げていけば話の続きが解放されていくので、プレイヤー側が積極的に交流したくなる仕掛けとも言えよう。
歩ける3Dマップのシンフォニカ、ミニゲームの存在にやり込み要素と、気になるネタが盛り沢山!リリースが待ち遠しい渾身の一作品に
今回CBTで遊べた範囲の中だけでも、ゲームの全体像が手に取るように分かる作り込みを存分に味えた。
どんどん先へ読み進めたくなるストーリー体験に、一筋縄では行かないバトルの戦略性、どれを取っても昨今のスマートフォン向けRPGとしては誇張抜きで高水準に思える。
本筋の合間にちょっとしたミニゲームなんかが楽しめたりして、純粋に遊び心全開な点が粋である。
筆者はCBTが配信されてから狂った様に遊び呆けていたが、それだけ熱中できるぐらいに良質なコンテンツは多い。
ほかにもやり込み要素の一つとして登場するローグライク系の探索型コンテンツ「遠征」は、昨今のトレンドを抑えた遊び方だろう。本作の場合、進行先のイベントで適度にキャラクターとの会話が発生するのが面白い。
また、肝心の“クラシック音楽”についてだが、どれも飽きの来ない普遍的な音楽カルチャーの真髄を体現しており、正直文章としてココに書き記すのは難しい。
主観的な物言いで恐縮ではあるが、ミュージカルエフェクト発動時、ティーブレイク中のアレンジ版と、要所で差し込まれる楽曲は当たり前のように素晴らしい出来栄えであり、サウンドトラックが今スグ欲しくなる。
ここまで紹介してきた要素の数々はクローズドβテスト版であることから、今後さらなるブラッシュアップが重ねられていくのだろう。
TVアニメの反響を受けて手直しただけあり、現状でも満足度は高め。まだまだ改善の余地はあるものの、遂にベールを脱いだゲーム体験は想像以上のものだった。
DeNAの本気度が画面越しに伝わる渾身の一作品に今後も期待したい。
基本情報
タイトル名 | takt op.(タクトオーパス) 運命は真紅き旋律の街を |
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略称タイトル | タクトオーパス |
配信日 | 2023年春 |
会社 | DeNA |
ジャンル | 世界を調和に導くシンフォニックRPG |
対応OS | iPhone,Android |
事前登録 | あり |
公式サイト | 『takt op.(タクトオーパス) 運命は真紅き旋律の街を』公式サイト |
公式Twitter | 『takt op.(タクトオーパス) 運命は真紅き旋律の街を』公式Twitter |
GameWith編集者情報
東京都福生市生まれのゲームライター。お酒と革靴が好物でソロキャンプが趣味のミニマリスト気質なおじさんです。なぜかアニメ雑誌でHoYoverse作品を紹介している人。 【活動媒体】 GameWith/インサイド/GAME Watch/月刊アニメディア/App Media/Game*Spark/ GameBusiness |