有名童話「ピノキオ」を新解釈したソウルライク『Lies of P』を先行レビュー!
NEOWIZから、PlayStation4,5/Xbox ONE,Series S/X/Steamにて発売予定のアクションRPG『Lies of P』。
本作は、有名な童話「ピノキオ」を原作としたダークな世界観が特徴のソウルライクゲームとなっている。
今回、そんな本作のデモ版をプレイする機会を頂いた…のだが、筆者はソウルライクゲームをプレイするのが実は初めて。
ということで本稿では『Lies of P』をプレイしてみて感じた本作の面白さを、初心者目線での感想を交えて先行レビューと共に紹介していこう。
暴走した人形と伝染病が蔓延るダークな世界観に引き込まれる!
本作のストーリーは、不気味な雰囲気が漂う「クラット」という都市を舞台に、行方の分からない”ゼペット爺さん”を探すため街中を駆け巡る物語が描かれる。
この街では多くの暴走した人形に支配されている上に"石化病"という病が蔓延する絶望的な状況になっており、かなりダークな世界観の中で戦っていくこととなる。
それゆえに敵はほとんどが人形。動きは人と同じように見えるが、時々関節が不自然な向きにカクカクと動く人形の持つ不気味さを感じた。
主人公である”P”も人形だが、一般的に知られているあの可愛らしい見た目とは異なり、どこから見ても人間かのような美しいハンサムな顔になっている。カッコイイ…。
また街の各地には新聞や手紙などがあり、攻略とは直接関係ないものの、街がまだ明るくにぎやかだった頃や今の惨状に至るまでの様子を知ることができる。
デモ版だけでも探索できる場所は多く、各所を巡るうちに物語の背景をもっと知りたくなってくるほど、絶望に満ち溢れた世界観となっていた。
何度も人形にボコボコにされる高難度ソウルライク!ガードや特殊攻撃が攻略のカギ!
本作の戦闘は、様々なタイプの武器を装備して敵と戦う3Dアクションバトルが展開。
最初に気付いた点として、攻撃のゴリ押しはまず通らない。敵の攻撃を1回食らっただけでもかなりのダメージになる上、特にあまりノックバックしない中ボスの場合は攻撃だけで倒すことなど不可能。
そこで大事なのが回避・ガードや間合いを取って被ダメージを防ぐこと。この要素が必要不可欠で、常にヒット&アウェイの”アウェイ”を強く意識する特徴的なシステムとなっている。
またスタミナの概念によって、攻撃ばかりでスタミナがなくなり回避できずに反撃を食らって倒される…ということも多く、いかにスタミナを保って戦うかが需要なポイントになると感じた。
自由に武器を組み替えて「フェーブルアーツ」で大ダメージを与える迫力感!
本作の武器は"刃”と"柄"に分かれており、それぞれに強力な効果を発揮する「フェーブルアーツ」が備わっている。
敵を攻撃してチャージされるスロットを消費することで、連続で斬りつける強力な攻撃や、一時的に攻撃力を上げるなど多彩な効果を発揮するのが特徴。
刃と柄は自由に組み替えることも可能。武器によって攻撃力なども変化するので、フェーブルアーツの効果を重視するか、それとも攻撃力の高さを重視するかを試行錯誤していく面白い要素だと感じた。
もちろん見た目も組み替えたものに変わるので、「それほんとに武器なのか…?」と思うほど面白い見た目の組み合わせもありそうだ。
敵の攻撃を見切ってジャストガード!攻撃後の隙を見て一気にダメージを与えよう!
敵の攻撃が当たる瞬間にガードをすることで「ジャストガード」が発生。ダメージを減らす通常のガードに比べて被ダメージを0にすることが可能だ。
ただしタイミングはかなりシビア。無理に合わせようと必死になりすぎてそのままダメージを受けることが何度もあったが、これが決まるとその隙に反撃でき「なんか上手く戦えているぞ…!」と高揚感を感じられた。
何度も戦い自然と身に付く攻略法!難度が高いほど得られる達成感!
このように何度も繰り返し倒されるものの、例え筆者のような初心者であっても次第にプレイスキルの上達が実感できるようになるというのが本作の面白い所。
最初こそ理不尽にやられてしまったが、例えば敵が密集している場所では1vs1になるよう距離を調節して敵をおびき寄せる、などの様々な戦法が体に染み付くようになっていた。
ガードや回避を使うことはもちろん、敵の攻撃パターンや間合いを見極めることで初めて対等に戦うことができる、というのが本作の特徴。
加えて、道中でも常に気が抜けない緊張感や何度もやられたボスをやっとの思いで倒せた達成感や開放感で、繰り返しクリアを目指す中毒性あるシステムになっていると感じた。
力を取るか安定を取るか。プレイヤー次第で多様に変化する育成システム!
ピノキオを育成するには、敵を倒して得た"エルゴ"と呼ばれる素材を消費して「生命力」「原動力」などの6項目をレベルアップさせていく。
レベルアップさせた項目に応じて、HPやスタミナ、武器攻撃力などの様々なステータスが強化される。
ちなみに装備には重さの概念があり、操作キャラが持てる最大重量に近づくほど移動速度が遅くなる。最大重量を上げたい時は「積載力」に割り振りたい。
筆者はとりあえず攻撃力を高くする「原動力」「技術」に多く割り振ったが、プレイヤーの戦闘スタイルや熟練具合によって割り振り方も大きく変わってきそうだ。
落としたエルゴは周囲の安全に気を付けながら必ず回収しよう!
「エルゴ」は武器やアイテムの購入にも使えるのだが、一つ気を付けたいのは”敵に倒されるとエルゴをその場に全て落としてしまう”ということ。
再び訪れて回収することは可能だが、エルゴがそこそこ貯まってきたら一旦引き返してレベルアップを済ませておくなど、進むだけでなく引き際も見極めておくのがポイント。
なおボス戦で倒された場合は、その場でなくボス戦のエリア前に落ちるようになっており、エルゴ不足で極端にゲーム進行が滞らないよう配慮されているのは初心者にも優しいポイントだと感じた。
左腕に装着する特殊義手「リージョンアーム」で戦いの幅が更に広がる!
本作では、左腕を改造することによって戦闘に奥行きを与える「リージョンアーム」という要素がある。
デモ版では3種類使用できたのだが、敵を引き寄せて攻撃の足がかりにしたり電撃を浴びせて効率的にダメージを与えたりと戦い方の幅を広げてくれる。
これらは武器とは異なり何度か使用すると使えなくなるので、専用アイテムなどで回復させながら使い所を模索してリージョンアームへの理解を深めていこう。
まとめ
今回、ソウルライクゲーム初プレイということで「最後までクリアできずに終わるだろう…」と正直思っていたが、なんとデモ版を制覇することができた。
諦めずにプレイを重ねることで、為す術もなかった敵の行動に対し効率的に立ち回れるようになっていく気持ちの良い達成感は本作ならではだろう。
そして「ピノキオ」を題材としたダークな世界観も、本作の大きな魅力の一つ。絶望的な雰囲気や、風・雨の環境音などによる臨場感でゲームにがっつり没入できるのもポイント。
本作は「死にゲー」とも謳われる高難度なゲームジャンルであるのは確かだが、”ただ難しいだけのゲーム”ではない奥深い面白さに気付くことができた。
ソウルライクが好きな方はもちろん、かなり手応えのあるゲームに挑戦してみたい!という方は、2023年9月のリリースを楽しみに待っていよう。
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