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2024年11月8日(金)に「Bokeh Game Studio(ボーカゲームスタジオ)」よりリリースされた『野狗子_ Slitterhead(やくし)』。(以下、『野狗子』)。
「ボーカゲームスタジオ」はホラーの名作である『SIREN』シリーズや『サイレントヒル(1999年)』、新感覚アクションゲーム『GRAVITY DAZE』などを手掛けた、「外山 圭一郎」さんが代表を務めるゲームスタジオだ。
スタジオは本作が1作目の作品となっており、『SIREN』シリーズのファンからは注目度の高いタイトルとなっていた。
『SIREN』シリーズを嗜んできた私(おこじょ)にとっても興味津々な作品だったため、発売日に購入。ストーリークリアまで完了したため、本作の魅力や気になった点、次回作?などへの期待感などを語らせていただく。
なお、クリアレビューのためネタバレ有りで話させていただくので、その点だけご注意を。
『野狗子』はどんなゲーム?ゲームシステムやジャンルなど
本作のジャンルは「アクション」ゲームとなっている。ホラーテイストもあるが、脅かし要素や心霊的な要素は少なく(主人公は霊魂みたいなものだが)ホラー耐性がない人でも問題なくプレイ可能だ。
ただし、血や四肢欠損、ゴア的表現は強いため、そちらに耐性が無いとちょっぴりきついかもしれない。
オープニングムービーを改めて見直すと、"プレイアブルキャラ"が所々に見られ、エンディングに繋がる要素も垣間見れるので、感慨深いものとなっている。
ゲームシステム
本編は大きく、「アクションパート」と「アドベンチャーストーリーパート」に分かれており、
アクションパートは敵キャラとなる「野狗子(虫や海の生物っぽい、何か気持ち悪いやつ」との戦闘と追いかけっこがメインのミッション型ステージを進行する。
アドベンチャーストーリーパートは、プレイアブルキャラとの会話で物語をメインとしており、新たなミッションの開放や複雑に絡み合う世界観の考察などを行う。
序盤のステージをクリアすると、「時系列の遡及(タイムループ)」が起こり、"最悪な結末"を避けるためにさまざまなミッションに挑んでいくことになる。ただまぁ、そんなにうまく事が運ぶ訳が無いのは「どうあがいても、絶望。」な『SIREN』を作成した外山さんらしい作風だった。
最悪を避けると最低な結末になっていくのは『SIREN』の系譜と感じたところ
アクションパートの戦闘では、かなり難易度が高く感じた。物語の途中でも最高難易度を除き、難易度は自由に変更できるので、詰んでしまうことは無いが、1週目でHARD以上をクリアするにはかなりの手応えが感じられるだろう。
ちなみに私は、中盤までHARDで進行し、止まないイライラでNormalに変更してクリアまで進めた。
戦闘やアクション要素の難しさについては後述させていただく。
『野狗子』は面白いのか?独自性や世界観について思うところ
結論から述べさせていただくと、『SIREN』シリーズなどを愛好している私の主観としては面白かった作品である。
ストーリーとして胸糞悪い展開や、「何故野狗子が出現したのか」、時系列を遡り過去を改編するなど、要所要所がコンパクトにまとまっている。
アクションゲームをとしての面白さを全面に、コンセプトなどを一貫させて、しっかりとした作品として完成していると思ったというのが感想だ。
独自性とその世界観
このゲームの独自性はなんだろうかと考えると、アクションパートの一番の要、「憑依」があることだろう。
物語の中心、主人公に当たるのが憑鬼(ひょうき)である夜枭(やきょう)。霊魂のような存在で、開幕時には記憶などを失っているが、「人や動物」に乗り移りその体を操ることが可能。乗り移りを繰り返すことで感情や知識などを蓄えていく。
肉体を持たない「憑鬼」は、人間の身体に憑依し、その制御を奪う事が可能。
街中を徘徊する数多の人間たちを、憑鬼の駒として活用できる。
そして障壁をすり抜け、特定の人物に成りすまし、危険な地域や組織に潜入していく。
屋外で次々と宿主を乗り換える事で、街中を高速で移動する事も可能だ。
公式HP より引用
戦闘中や移動中に即座に乗り移りが可能なので、スピード感あるアクションが体験できるものになっている。
ただし、この点は賛否両論があるだろう。というのも人の命が軽すぎるからだ。敵の攻撃もそうだが、稀少体(仲間)の中には人間の身体を爆弾に変えて特攻させる技なども用意されている。
ここからはあくまで推測だが、このようなエグい世界観の設定は「野狗子」の殲滅を目的とした憑鬼の視点を描いた物語であり、記憶や感情を失った精神体からすれば、生命などただの使い捨ての「箱」や「器」でしか無いのであろう。
終盤にかけ、憑依した稀少体の感情に触れ、葛藤や意識のブレが表現されていくので、「主人公の成長」の描き方としては一貫した世界観だと今は感じている。
いいゲームではあるが、難点として挙げたい部分
全体として購入し良かったゲームではあるが、ココはもうちょっと頑張ってほしかった点はもちろんある。
キャラグラフィック
1つめはキャラグラフィック。ゲームシステム的に、モブキャラを動かして敵をタコ殴りにするものだが、稀少体を含めてキャラのグラフィックがのっぺりし過ぎである感じは否めない。
ステージクリア時に憑依していたキャラが勝利画面に映るのだが、モブでクリアするとこのような感じに。種類は豊富であるが、テクスチャ的にもテカテカのお肌、目がパキパキになっているなど、どこか違和感を感じるテイストに。
稀少体が複数いるが、感情移入が難しい
本編中には8対の稀少体が登場するが(隠しキャラなどがいるかは不明)、本編自体約10~15時間でクリアできるコンパクトなもの。
そのためか、各キャラクターとの会話などが可能ではあるものの、主役級の2人を除き、他のキャラのバックグラウンドや感情面の描写が少なく、愛着がわかないというのが本音ではある。
アクションメインの本作で、ストーリーパートのボリュームを増やすことは難しいだろうが、トゥリやエド、気づかぬうちに現れたブレイクなどはもう少し深堀りできた要素は無いものかと考えてしまうところだ。。。
モーションのもったりさと、ターゲティングの粗さ
最後に、これは自分のプレイの問題かもしれないが、モーションのもったりさと、ターゲティングのUIが難点に思えた。
少々表現が難しいが、攻撃が意図しない方向に入力されて大きな空振りをかましたり、ターゲティングが意図しない相手に向いてしまうなど、少々ゲームコントロールに難儀を感じた。
上部で難易度変更した理由は主にココが理由でもある。
体力が少ない雑魚から削りたいのに、一番遠い敵にターゲットが向いたり、いきなりカメラ視点がグルンと回り、大きく空振りするなどでストレスが大きかった。(難易度が高いと敵の一撃が馬鹿にならないくらい痛いので、ミスができないため)
『野狗子2』への期待感を募らせている
難点を挙げさせていただいたが、どれも予算的な部分で実現が難しかったところが大きいのだろうとは感じている。
本作はもともと低予算で作成されたと言われており、『野狗子』自体の完成度は上記の難点を上回る、ストーリー/世界観、アクション/システムの独自性、デザインやコンセプトなどで構成されており、一流クリエイターたちによる良作だった。というのが私見だ。
各稀少体のバックグラウンドストーリーの深掘りも現時点では容量的な問題で難しいのかもしれないが、追加DLCや続編の伏線となるような表現が伺える場面も見れたため、是非想定よりも売上本数を上げ、続編制作に乗り出していただきたいと感じている。
救いはないんですかねぇ
また、救いのない話も本編中には登場する。稀少体アレックスは町医者であるが、『SIREN』シリーズのある人と被る。
そんな彼を"追い詰める"存在が登場するのだが、その話が余りに救いがないのだ。
求めてはいけないのだが、どうにか報われて欲しいものだ。制作陣は強い意志を持つ医師に何か恨みでもあるのだろうかと思っている。
発売日など基本情報
発売日 |
2024年11月8日 |
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会社 |
Bokeh Game Studio |
ジャンル | アクション アドベンチャー |
対応ハード | PS5 / PS4 / PC / Xbox |
タグ | |
価格 |
PS5 : 4,980円(税抜)
PS4 : 4,980円(税抜)
PC : 4,980円(税抜)
Xbox : 4,980円(税抜)
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最大プレイ人数 |
1人
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公式HP | |
公式Twitter |
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