
▲(左から)『Dead by Daylight』シニアクリエイティブディレクターのデイブ・リチャード氏、Behaviour Interactive パートナーシップ責任者のマシュー・コート氏。
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『Dead by Daylight(以下、DbD)』は、2016年にリリースされたBehaviour Interactiveの非対称対戦型ホラーゲーム。
日本国内で多くのプレイヤーに遊ばれているタイトルのひとつで、リリースから約9年経ったいまでも高い人気を誇っている。
今年3月、DbDのオフラインイベントが6年ぶりに開催されたほか、人気漫画『東京喰種トーキョーグール』とのコラボが発表された。

今回、Behaviour Interactive パートナーシップ責任者のマシュー・コート(Mathieu Côté)氏と、同社のシニアクリエイティブディレクターのデイブ・リチャード(Dave Richard)氏にインタビューを実施。
6年ぶりのオフラインイベントや日本のコミュニティ、そして東京喰種トーキョーグールのコラボに関する話を伺った。
日本のファンとコミュニティへの想い

──6年ぶりの来日となりますが、以前来日した際と比べて感じた変化はありますか?
マシュー・コート氏:
6年ぶりの来日も素晴らしく、まさしく“ふるさと”に帰ってきたような感覚ですね。
今回は1日鎌倉で過ごしたということもありまして、前回に比べると神社など多くの場所に行くことができました。私の日本との関わり方が、大きく変わったと感じています。
──先日行われたオフラインイベントのイベント名は「TADAIMA」でしたね。これは、日本という故郷に帰ってきたからという意味が込められているのでしょうか?
マシュー・コート氏:
そうですね。6年ぶりに日本のファンの皆さんと会うため、今回は「TADAIMA(ただいま)」というイベント名にしました。
『DbD』のコミュニティは日本にも深く浸透していると思います。彼らは本作のコミュニティを作り上げ、そして毎日盛り上げてくれています。日本のコミュニティの活動に深い感銘を受けたとともに、仲間意識が芽生えましたね、

▲6年ぶりに開催されたオフラインイベント「TADAIMA」。
──日本のプレイヤーは、他国のプレイヤーと比べてどのような特徴がありますか?例えば、特定のパークやキャラの使用率、キラー/サバイバーの比率など、データとして面白い傾向があれば教えて下さい。
デイブ・リチャード氏:
各国の『DbD』コミュニティにはそれぞれ違う特徴がありますが、日本もその例外ではありません。
例えば、日本のプレイヤーの多くは、「ティーバッグ(倒れたプレイヤーの前で屈伸をする行為)」が迷惑行為だと強く感じる傾向にあります。
ポジティブな点としては、パークを最大まで育成してフル活用しているプレイヤーが多いところですね。
他国と比較しても、日本のコミュニティはパークの構成をよく研究されているように感じられます。『DbD』の攻略記事を作ってくださっていたGameWithさんのおかげかもしれませんね(笑)。
──日本のコミュニティからの要望の中で、特に驚いたものはありますか?
マシュー・コート氏:
デススリンガーのモーションに関する具体的な要望はありましたが、これといった驚きは特にないですね。
というのも、我々のコミュニティマネージャーやカスタマーサポート、インフルエンサーマネージャーが日本のコミュニティと密接に関わり合って、要望や懸念点を把握して情報を伝えてくれているからだと思っています。
「驚きがない」というのは決してネガティブな意味ではありません。コミュニティの繋がりが非常に強く、プレイヤーの声にしっかりと耳を傾け、しっかりと受け止めているからこその意味合いですね。
個人的に驚いたのは、PTB(パブリックテストビルド)が始まってから数十時間後に、あるファンの方が「金木 研」の素晴らしいアートワークを描いてくれたことです。驚きましたし、感動もしました。ありがとうございます。
成長の軌跡と進化するホラー要素「千年にわたって新要素を追加し続けます(笑)」

──2016年のリリースから今に至るまで、長年にわたり成長を続けていますが、開発チームとして大事にしていることは何ですか?
デイブ・リチャード氏:
引き続きファンの皆様を喜ばせ、良い意味で驚かせ、コミュニティを引き続き良いものに築き上げ、そしてポップカルチャーに良い影響を与え続けることです。
──『DbD』のホラー演出は7年間でどのように進化しましたか?
デイブ・リチャード氏:
我々の目的はゲーム内でプレイヤーをあっと驚かせることと、恐怖の世界の中で自己を表現し、楽しさを生み出せるような環境を作ることです。
新しいキラーを作る際は、ホラーのジャンルあるいはサブジャンルを作り上げることにこだわっています。
基本的な例を挙げますと、びっくりするジャンプスクエアタイプのキラーや、じわじわと恐怖が襲ってくるタイプのキラーといった感じです。
キャラクターのバックストーリーや見た目も恐怖演出のひとつですね。
また、プレイヤー自身が予期せぬ形で怖さや面白さを創り出してくれる点も、『DbD』ならではの進化ですね。
──最近ですと、『DbD』のスピンオフ作品である『The Casting of Frank Stone』が発売されました。今後もスピンオフ作品を作る予定はありますか?
マシュー・コート氏:
はい、間違いなく今後もあります。違う媒体でのストーリーテリングは、キャラクターや世界観をより深く描く上で有効な手段だと思っています。
──『DbD』が今後、非対称対戦ゲームとしてさらに進化するために考えていることはありますか?
デイブ・リチャード氏:
やりたいことは山ほどあります。1年あってもすべて実現できないぐらいですよ(笑)。
今年に入ってから、今後追加していく内容の方向性がだいぶ示されたと思います。各種DLCや「カオスシャッフル」「ライトアウト」など、さまざまな要素がありまして、今後も随時追加していく予定です。
ジョークですが、千年以上にわたって追加していきますよ(笑)。
日本では、エイプリールフールを記念した期間限定イベント「My Little Oni(マイ リトル オニ)」が好評だったそうです。地域によっては、特定のイベントがすごく好かれるケースもあるので、今後もこういった期間限定イベントを続けていきたいと考えています。
──ちなみに、今後実現させたいアイデアはあったりしますか?
デイブ・リチャード氏:
現時点でお伝えできるのは、今年の夏に予定している『Five Nights at Freddy’s』とのコラボと、QOLのパッチへの注力です。
来年2026年は『DbD』の10周年という大きな節目を迎えるので、それに向けて“非常に大きくて、巨大で、壮大な施策”を打っていこうと考えております。
『東京喰種トーキョーグール』とコラボした理由とは

▲新たなキラーとして登場する『東京喰種トーキョーグール』の「金木 研」
──今回、『東京喰種トーキョーグール』とコラボレーションすることになったきっかけを教えてください。
マシュー・コート氏:
たくさんの候補の中から、いくつもの幸運が重なって『東京喰種トーキョーグール』とのコラボが実現しました。
また、偶然にも今年が東京喰種トーキョーグールの10周年だったことも幸運だったと思います。我々としては「今がチャンス!」と感じていたんですね。
そのうえ、日本へ来る理由にもなるので、ちょうど良いと考えてもいました。あ、これはジョークですよ(笑)。
既存IPとコラボする際は毎回目的を設けているのですが、一番の目的は人を驚かせることですね。「これはびっくりだ、すごい!」「素晴らしいコラボ!」と驚いたり喜んだりしていただきたいなと。

──『DbD』の世界で、キラーとして「金木 研」を操作できるのは正直いって驚きでした。
デイブ・リチャード氏:
現在いるキラーの中でも、我々が設計した金木 研は移動能力も機敏性も高いです。すばやく動き回ることができるので、ぜひ実装後に試してみください。
──キラーとして登場する金木 研に関して、サウンドデザインやビジュアル面などでこだわったポイントを教えて下さい。
デイブ・リチャード氏:
まずは音楽から触れていきますと、非常に優秀な作曲家であるミシェル・F・エイプリル氏の功績が大きいと感じています。加えて、『東京喰種トーキョーグール』のOSTが非常に素晴らしいので、そこからもインスパイアを受けております。
それを踏まえて、音楽としてより壮大でアグレッシブなものを作り上げることで、キラーとして攻撃したくなるような気持ちを引き出したかったのです。
また、社内のオーディオデザインチームの話によると、触手が伸びたり収縮したりする音や鞭打ちのような音など、「赫子(かぐね)」の音に強くこだわっていたそうです。
アニメ版で金木 研を演じていた声優の花江夏樹さんを起用できたことも、非常に良かったと思います。

もちろん、ビジュアルも非常に重要です。私たちが直面した課題のひとつは、アニメや漫画のキャラクターを『DbD』の世界に落とし込むことでした。
その課題の最適解を導き出してくれたのが、社内の優秀なアートチームです。赫子の挙動をスムーズなものにすべく、独自のシステムを開発しました。
その結果は非常に素晴らしく、実際に出来上がった金木 研が『DbD』の世界にうまく溶け込んでいると思います。“キャラクターの表現されるべき部分”を表現できているからです。
──コラボレーションをする上で、最も大事にされていることは?
デイブ・リチャード氏:
素晴らしいファンサービスを作り上げることですね。キャラクターが属するユニバースを我々のゲームに融合させる上で、元の本質がうまく表現されていることが重要だと考えています。
コラボしたキャラクターがファンに理解してもらえることもそうですが、自分がそのキャラクターになりきれることも大事にしていますね。

▲『サイレントヒル』や『リング』など、日本産ホラーゲームやホラー映画とコラボレーションしている
──憧れのキャラクターをゲーム内で演じられるのは夢のような体験だと思います。『DbD』に登場するコラボキャラクターを操作していると、原作への愛が強く伝わってきます。
マシュー・コート氏:
おっしゃる通り、原作への愛から生まれていると思います。
我々Behaviour Interactiveは30年以上ゲームを作ってきましたが、既存のライセンスに敬意を払いつつ、その魅力をうまく表現することが重要だと考えています。
素晴らしいクリエイターたちの作品を『DbD』の世界に落とし込めるのは、我々にとってはギフトであり、非常に光栄な機会でもあります。これからも、原作に対する強い愛情を込めながらコラボレーションをしていければと思っています。
──今後も、日本の作品と関連したコラボを展開する予定はありますか?
マシュー・コート氏:
一言で言うと、答えは「イエス」です。これまで日本の素晴らしい作品にインスパイアを受けてきましたし、実際にコラボすることもできました。なので、間違いなく次もあると思います。
デイブ・リチャード氏:
……例えば?
マシュー・コート氏:
あー、今はノーコメントで(笑)。
ファンへのメッセージ
──最後に、ファンに向けてメッセージをお願いいたします。
デイブ・リチャード氏:
いつも『DbD』をプレイしていただき、誠にありがとうございます。
今作は、色々な要素を組み合わせて実験するゲームだと考えておりますし、プレイヤーの皆さんがどういうプレイをしているのかを見させていただけるのも非常に嬉しく感じています。ファンの存在は元気をいただける源にもなっていますので、引き続き色々とトライしてください。
マシュー・コート氏:
『DbD』をいつもプレイしていただきありがとうございます。今後も、サプライズを届け続けることを約束します。これからも、応援のほど何卒よろしくお願いします。
──ありがとうございました。
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『デッドバイデイライト(DbD)』とは?

PS4,Switch,PS5,Xbox one,Xbox Series X|S,PC対応ゲームソフト『Dead by Daylight』は、全世界で圧倒的な人気を誇る非対称型対戦サバイバルホラー。
「殺戮場」と呼ばれる不気味なフィールドを舞台に、残忍なキラーと生存を目指すサバイバーの2陣営に分かれた、奥深い駆け引きによる“鬼ごっこ”が繰り広げられる。

発売日など基本情報
発売日 |
PS5: 2020年11月12日 PS4: 2018年11月29日 Switch: 2019年9月26日 PC: 2016年6月14日 |
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会社 |
Behaviour Interactive |
ジャンル | アクション |
対応ハード | PS5 / PS4 / Switch / PC |
価格 |
PS5 : 2,800円(税抜)
PS4 : 4,600円(税抜)
Switch : 4,600円(税抜)
PC : 1,980円 (税込)
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