
圧倒的な自由度を誇るキャラクタービルドと、進化したアクション性
世界的な人気を誇るアクションRPG『Path of Exile』の正当なる続編として登場したのが『Path of Exile 2』だ。
前作のハック&スラッシュの魅力を継承しつつも、あらゆる要素を進化させた一作で、開発・運営を担うGrinding Gear Games(GGG)は、2024年12月に本作の早期アクセスを開始。
現在はWindows(Steam)に加え、PlayStation 5、Xbox Series X|Sといった主要なプラットフォームで圧倒的なボリュームのゲームをプレイできる。
本記事では、改めて本作の魅力と、新リーグ「Fate of the Vaal」と新クラス「ドルイド」について解説していこう。
果てしない自由と奥深さが『Path of Exile 2』の魅力
本作の特徴のひとつは、圧倒的なキャラクタービルドの自由度だ。
プレイヤーは「レンジャー」「ウォーリアー」「ウィッチ」といった個性豊かなクラスからひとつを選んで冒険へと繰り出す。
2025年12月5日に配信されたアップデート「0.4.0」では、待望の新クラス「ドルイド」が実装され、選択できるクラスは計8種類にまで拡大した。
各クラスは得意な武器や初期ステータスが異なるものの、それはあくまでキャラクターの土台に過ぎない。

▲アップデート「0.4.0」で「ドルイド」が追加され、現在は8クラスが選択可能になった。
成長の鍵を握るのは、宇宙に広がる星座のごとく複雑に分岐したパッシブスキルツリーだ。
膨大なルートのどこにポイントを割り振るかによって、同じクラスであっても成長の方向性は劇的に変化する。
クリティカルダメージに特化して一撃必殺を狙うか、あるいは攻撃速度を極めて手数の多さで圧倒するか、その選択肢はプレイヤーの数だけ存在する。
さらに、クラスごとに用意された固有の強力なパッシブ能力、アセンダンシーの選択が、キャラクターの専門性をより高める。
どのアセンダンシーを選ぶかで別のクラスになると言っても過言ではないほどの大きな影響を与えるのだ。
パッシブスキルは振り直しが可能で、手に入れた装備やスキルに応じて試行錯誤が繰り返しやすいのもうれしい。

▲星座のように広がるパッシブスキルツリー。どのスキルを獲得するかでビルドの方向性は変化する。
アクション面における進化も大きなポイントだ。とくに大きな要素が、WASDキーによる移動操作の導入である。従来の同ジャンルのゲームに多かったマウスのみによる移動と攻撃の制約が取り払われたことで、ゲーム性は劇的な変化を遂げた。
敵の攻撃を「ドッジロール」で鮮やかに回避しながら、同時に狙いを定めて攻撃を放つ「引き撃ち」のような立ち回りが可能となり、戦闘のアクション性は大きく増している。
このアクション性を支えているのが、次世代機にふさわしい圧倒的なグラフィックと演出の進化だ。緻密に描き込まれたフィールドや、画面を埋め尽くすエフェクトの美しさは、同ジャンルの中でも群を抜いている。
とくに、ボス戦における演出は圧巻で、画面を揺らす巨大なボスの咆哮は迫力満点だ。スキルを放つ際の効果音や敵が砕け散る表現も極めてリアルで、敵をなぎ倒していくハック&スラッシュならではの爽快感は、この圧倒的な表現力によって前作からさらなる高みへと引き上げられている。
さらに、不気味でありながらどこか荘厳なダークファンタジーとしての世界観の作り込みも凄まじい。まるで実在する悪夢の中を歩いているかのような、濃密な没入感を味わうことができる。

▲ボス戦の演出も圧巻だ。
スキルシステムについても、大きな変化があった。装備品のソケットにスキルジェムをセットする旧来の方式から、スキル専用のスロットが完全に独立したシステムへと変更されたのだ。
これにより、装備を更新するたびにソケットの数や色を気にする煩わしさから解放され、アクティブスキルを選択する自由度が高まった。このシステムが、パッシブスキルと相まって本作のキャラクタービルドを豊富にしている。

▲自由度の高いスキルシステムも本作の大きな特徴。
本作では「Act」と呼ばれるストーリー部分を終えると、圧倒的な深みを持ったエンドゲーム要素が待ち構えている。
単なるキャラクター強化の楽しみだけではない。幅が広すぎるビルド構築の要素と、進化したアクション性、そして果てなきやり込み要素。それらすべてが融合したのが『Path of Exile 2』というゲームなのだ。
新リーグ「Fate of the Vaal」で自分だけのダンジョンを設計し、リスクとリターンを追求せよ
『Path of Exile 2』は早期アクセス中だが、精力的なアップデートも行われていて、最新の「0.4.0」にあわせて新リーグ「Fate of the Vaal」がスタートした。
本作におけるリーグとは数ヵ月ごとに開催される期間限定のゲーム内イベントで、全プレイヤーが新たな環境で独自の追加要素や報酬を楽しめる仕組みだ。
新リーグのコアになるのは、プレイヤー自身がダンジョンのレイアウトや難易度、そして報酬までも設計する地下寺院を探索するシステムだ。
ダンジョン構築のプロセスは、世界各地に点在する古代のビーコンに遭遇することから始まる。これらの場所で出現する、不気味な赤い光に包まれた敵を撃破するとエネルギーが充填され、6回行うと地下寺院へと通じるポータルが開く仕組みだ。

▲古代のビーコンをアクティベートすると地下寺院への道が開ける。
地下寺院の内部構造を決めるのはプレイヤー自身だ。ランダムに提示される部屋や通路のピースをパズルのように配置していく。
一度の訪問につき6枚のタイルを配置可能で、これらを連結させながら、最終的にヴァールの女王「アッツィリ」の待つ最深部へと到達する経路を組み立てることがひとつの目標だ。
用意されている部屋は多岐にわたり、それぞれの配置が寺院に影響を及ぼす。
たとえば「兵舎(Garrison)」という部屋がある。もちろん単体で配置することも可能だが、「司令官(Commander)」の部屋を隣りに配置することで、兵舎のレベルが上がる。
レベルが上がると、モンスターが強化されて報酬も増加する。こういったシナジーは他の部屋でも起こる。


▲地下寺院にある「寺院の制御盤」で地下寺院を自分で作っていく。
さらに、地下寺院には新たなクラフトのメカニクスも用意されている。たとえば、「2度目のコラプト」ができる装置や、「ヴァール・ユニーク」にコラプトを実施できる装置もある。
これらのクラフトは相応のリスクも持っているが、強力なアイテムを入手できるチャンスだ。
さらに本作の独自性を際立たせているのが、「肉体外科医(Flesh Surgeon)」の部屋で実行できる「肉体改造」だ。プレイヤーは自身の腕や脚、胴体といった部位を、機械パーツへと置換し、強力な固有バフを得ることができる。
ただし、これらのパーツは一度でも死亡すればすべて失われてしまう。キャラクターの能力を一時的に極限まで高めつつ、慎重なプレイを求められるシステムだ。
こうしたメリットを内包しているのが地下寺院での冒険であり、そのメリットとスリルがプレイヤーを惹き付けるのだ。

▲地下寺院で獲得できる報酬は冒険の役に立つはずだ。
シームレスな形態変化が生む戦術の幅。新クラス「ドルイド」の革新的なゲームプレイ

アップデート「0.4.0」で新たに登場した「ドルイド」は、筋力と知能を兼ね備えたハイブリッドなクラスだ。
このクラスの最大の特徴は、状況に応じて瞬時に姿を変える「形態変化(シェイプシフティング)」にある。
変身状態が固定されるのではなく、使用するスキルに合わせて「熊」「狼」「ワイバーン」へとシームレスに姿を変え、対応するスキルを唱えれば即座に人間に戻るという自由度の高い戦い方ができる。
この形態変化の驚くべき点は、手触りの良さにある。従来のゲームにありがちな「変身ボタンを押して、硬直時間のあとに姿が変わる」といったまどろっこしさは一切存在しない。一連の動作に途切れがなく、思考と操作がダイレクトにキャラクターの動きへと直結する。
この多彩なスタイルを支えるのが、新武器カテゴリーの「動物のタリスマン」だ。これを装備することで各形態の力が引き出され、それぞれが異なる役割を担うことになる。
「熊」は高い耐久力と重い一撃が特徴の変身だ。専用のリソース「憤怒」を溜めて放つスラム攻撃は強力で、人間形態の魔法「ボルケーノ」を設置した後に熊で地面を叩けば、噴火を誘発させて大きなダメージを与えられるというシナジーを持っている。


▲「熊」は「憤怒」を溜めるとより強力になる。
「狼」はスピードと氷結に特化した変身だ。「パウンス」という鋭い跳躍スキルで敵との距離を詰め、「ルナーアサルト」というスキルで敵を引っ掻くというコンボが序盤の戦い方のベースになる。
敵を倒すことで狼のミニオンを召喚する能力も持っていて、群れを率いて戦場を駆け抜けるスタイルが特徴だ。


▲「狼」は敵陣に飛び込んで、強力な引っ掻きで敵を攻撃する。狼のミニオンが出現して群れで攻撃できるのも特徴だ。
そして「ワイバーン」は、空中からの属性攻撃で戦場を支配する変身だ。強力なブレスや電撃を放つ。空中に舞い上がり、敵の攻撃が届かない位置から一方的に炎を浴びせるような、他の形態にはないトリッキーな立ち回りもできる。

▲「ワイバーン」は口から火の玉を出したり、翼で殴って攻撃をする。
これら動物たちの攻撃と、人間形態で使うスキルを組み合わせた戦い方がドルイドの大きな特徴だ。
ドルイドのアセンダンシーには「シャーマン(Shaman)」と「オラクル(Oracle)」の2種類が実装されていて、どちらを選ぶかでドルイドの個性がさらに際立つ。どの形態変化をメインにして、どのように戦うか。幅広いビルドを試す楽しみがあるクラスだ。
まとめ:横一線でスタートできる新リーグが始まったいまこそ「Path of Exile 2」を始めよう
『Path of Exile 2』は現在早期アクセス中で、サポーターパック(有料)を購入するとプレイできる。
「早期アクセス」と聞くと、未完成品を想像するかもしれない。しかし、本作はその懸念をポジティブな意味で裏切ってくれる。
現在提供されているコンテンツだけでも、一般的なフルプライスのゲームを凌駕するほどの圧倒的なボリュームと完成度を誇っていて、コンテンツの追加や新リーグの開催など、精力的なアップデートとユーザーの声に応える改善が続けられている。
新リーグの開催ごとに全プレイヤーが横一線の状態でスタートできるため、いまから始めても既存プレイヤーとの差を気にせず、この世界に飛び込むことができる。
正式サービスに先駆け、早い段階からこの魅力的なゲームをプレイできるのは大きなメリットだ。

▲ 新リーグが始まった今こそ、『Path of Exile 2』をスタートするのに絶好のタイミングだ。
これほどのクオリティと圧倒的なボリュームを誇る本作だが、正式サービス時は基本プレイ無料(F2P)で提供される予定だ。
だが、本作には課金によってキャラクターの攻撃力が上がったり、強力な装備が手に入ったりするような「Pay to Win」の要素は一切存在しない。課金アイテムの主な内容は、キャラクターの外見を変化させるエフェクトや、アイテムの整理を便利にする倉庫の拡張といった利便性の向上に限定されている。
確かに本作は要素が非常に多い。そのため、最初は自由度の高さゆえに迷ってしまうこともあるかもしれないが、ゲームに対する理解が徐々に進んでいくことでその面白さをじっくりと引き出せるのだ。
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