
『ペルソナ5: The Phantom X』初のオフラインイベント開催!

『ペルソナ5』の世界観を受け継ぐスマートフォン・PC向けRPG『ペルソナ5: The Phantom X』(以下、『P5X』)。日本・欧米版のサービス開始から1周年を迎えたことを記念し、2026年7月18日に初のオフラインイベント「1周年記念ファンミーティング」が開催された。
会場には多くのプレイヤーたちが集まり、人気投票企画や開発陣による制作秘話など、およそ5時間にわたって『P5X』の1年間を振り返るさまざまなコーナーが実施された。本稿ではイベントの模様をレポートしていく。
野毛朋子のライターコメントに明坂聡美さんも思わずツッコミ!北里に解剖されるASMRの制作も発表された人気投票

イベントMCには、公式番組でもおなじみの松澤ネキさん、そして前半パートではゲストとして、野毛朋子役を務める声優・明坂聡美さんも登壇。
『P5X』開発陣からはチーフプロデューサー・宇田洋輔氏(アトラス)と、運営ディレクター・酒井祐太氏(セガ)が登壇。開発プロデューサー・松永純氏(セガ)もイベントに合流する形で登場した。

左:チーフプロデューサー・宇田洋輔氏、右:運営ディレクター・酒井祐太氏

開発プロデューサー・松永純氏
最初のコーナーは、「『P5X』オリジナルキャラクター人気投票」の結果発表だ。主人公たち怪盗団のメンバーだけでなく、シナジーやストーリーで登場する人物、街の住人までを含めた63人が対象となっている。

順位発表では、15位以降からライターコメントも公開された。前半ゲストとして出演していた明坂聡美さんにとって、ひときわ印象深い場面となったのが、自身が演じる野毛朋子の順位発表だ。結果は14位となった。
ライターコメントでは、「メインストーリーの展開で夢を手放さなくてはならなくなった朋子だが、最近のイベントでは持ち前の明るさを描写することが増えてきた」と紹介された。

しかし、そのコメントの一文にはどこか不穏さを滲ませる一言が添えられており、明坂さんも「もう一回曇らせようとしてませんか?(笑)」とリアクション。宇田氏は「そんなことないです。大丈夫、大丈夫!」と取り繕うようにしてこれを否定し、会場の笑いを誘った。


ランキングトップ5はいずれも作中の人気キャラクターたちが勢ぞろい。第5位の神山嶺央は、日本だけでなく海外プレイヤーからも高い支持を集めたキャラクターなのだという。ゲーム内での活躍も人気を後押ししたようだ。
続く第4位のメロペは、ベルベットルームの住人らしい神秘的な雰囲気を持つ一方で、親しみやすい一面も見せる人物。ライターコメントでは、そのギャップを意識してキャラクターを描いたことが明かされた。


第3位には坂井綾香がランクイン。音楽と真摯に向き合う姿勢や、繊細な心情を詰め込んでいるとのことだ。

そして第2位には、主人公(ワンダー)がランクインした。
歴代『ペルソナ』シリーズの主人公たちと差別化を図るのに苦労したそうで、「誰かを自然に思いやれる優しさ」を軸に人物像が構築されていったと紹介されている。天然な一面を見せながらも、相手の気持ちを察し、そっと寄り添える主人公として描いたことが、多くのプレイヤーの共感につながったのかもしれない。

栄えある第1位に輝いたのは北里基良。彼が持つ外見と内面のギャップ部分に、松澤さんも明坂さんも納得の様子だ。さらに、北里基良を演じた声優の岡本信彦さんから、録り下ろしメッセージまでサプライズ公開され、会場のファンを大いに盛り上げた。
酒井氏から見事1位に輝いた北里基良のASMR音源の制作決定が発表されると、会場からは思わずどよめきが巻き起こる。宇田氏によれば既に収録が完了していることが明かされており、収録スタッフ曰く「ヤバいものが録れた」とのことだ。

| 『P5X』人気投票 結果 | ||
|---|---|---|
| 1位 北里 基良 | 22位 夏川 澪 | 43位 KOKOROニキ |
| 2位 主人公 | 23位 逢坂 大地 | 44位 影山 恵那 |
| 3位 坂井 綾香 | 24位 白鳥 誠司 | 45位 清水 陸人 |
| 4位 メロペ | 25位 木内 雄之 | 46位 藤川 雪実 |
| 5位 神山 嶺央 | 26位 佐原 海夕 | 47位 黒澤 陽太 |
| 6位 多祢村 理子 | 27位 松方 結 | 48位 吉田 珠代 |
| 7位 長尾 愛歌 | 28位 YUI | 49位 獅子田 鉄之丞 |
| 8位 琴音・モンターニュ | 29位 橋本 麻由美 | 50位 高橋 寧子 |
| 9位 新井 素羽 | 30位 マルチム | 51位 下津名 高美 |
| 10位 道玄坂 琉七 | 31位 黒谷 清 | 52位 江崎 新太 |
| 11位 椎名 悠実 | 32位 梨本 成瑠海 | 53位 英語教師 遠藤 |
| 12位 芦谷 真咲 | 33位 長尾 チヅ子 | 54位 古文教師 長楽 |
| 13位 茶トラ | 34位 高梨 律歌 | 55位 瀬里沢 拓美 |
| 14位 野毛 朋子 | 35位 シチくん | 56位 白井 沙紀 |
| 15位 加納 駿 | 36位 平野 亜蘭 | 57位 マサさん |
| 16位 片山 久未 | 37位 須見 俊也 | 58位 世界史教師 谷山 |
| 17位 宮下 美波 | 38位 理科教師 箱崎 | 59位 公民教師 下沼 |
| 18位 池波 星輝 | 39位 明石 京 | 60位 渡来軒店主 山越 |
| 19位 ルフェル | 40位 富山 佳代 | 61位 宮澤 博夢 |
| 20位 李 瑶鈴 | 41位 小出 日和 | 62位 緒方 歩実 |
| 21位 アンダーソン | 42位 西森 陽菜 | 63位 教務主任 月見里 |
『P5X』の1年間を振り返る。「ジュスティーヌ&カロリーヌ」実装にまつわる苦労話も
人気投票企画で大きな盛り上がりを見せた後、開発プロデューサーの松永純氏をステージに迎えて、『P5X』の1年間を振り返るコーナーへ。
サービス開始時から『ペルソナ5』の心の怪盗団を物語へ登場させた理由について、開発陣は「シリーズファンへの入口であると同時に、『P5X』から初めて『ペルソナ』シリーズに触れるプレイヤーにも自然に世界へ入ってもらいたかった」と説明する。
そのため、日本版では既存シリーズのファンだけでなく、新規プレイヤーでもキャラクターや世界観を理解しやすいよう、会話や演出を細かく調整したのだという。「懐かしさ」と「新しさ」を両立させることが、『P5X』開発初期から一貫したテーマだったと振り返った。

ハーフアニバーサリーで実現した日本・欧米版の同時アップデートについても語られた。本作は、中国・アジア版が先行してサービスを展開していたことから、先のストーリーや実装キャラクターが話題になる場面も少なくない。そこで開発チームは、日本・欧米版でも最新コンテンツを同じタイミングで楽しめる環境を目指して、大規模な開発体制を構築したという。
松永氏は、「通常のアップデートとは比べものにならないほど準備が大変でした」と当時を振り返る。ゲームバランスやイベント進行だけではなく、シナリオや各種演出まで複数地域で同時に品質を揃える必要があり、日本と中国双方の開発スタッフが密に連携しながら作業を進めていったそうだ。

この日参加することが叶わなかった、開発ディレクター/メインシナリオプランナー・新田祐介氏(アトラス)からのメッセージも読み上げられている。
本作のメインストーリー3章以降について、「『P5X』ならではの物語を描くこと」を大きなテーマとして制作しており、アトラス、セガ、Perfect World Gamesの3社が議論を重ねたうえで、シリーズファンに新鮮な体験となるシナリオを目指してきたという。
また、3章では多祢村理子の加入によってこれまで以上に"頭脳戦"を意識した展開を取り入れ、現実世界での駆け引きとパレス攻略をより密接に結び付けた構成に挑戦したことも明かされた。

トークでは、ハーフアニバーサリーで実装されたジュスティーヌ&カロリーヌについての制作秘話も飛び出す。『ペルソナ5』でも重要な位置づけのキャラクターであることから、アトラス側の監修では細かなチェックが行われていた。
中でもジュスティーヌとカロリーヌの立ち位置は基本の並びが定められている。しかし、実際に出来上がった立ち絵イラストでは二人の立ち位置が左右違うことにより、完成間際で急遽修正が入ったそうだ。各々が開発当時のバージョンの苦労を苦笑い交じりに振り返っていた。


コラボ構想から開発秘話まで。ユーザーの質問にガチ回答するQ&Aコーナー!

イベント後半では、主人公役・内山昂輝さんのサイン色紙や会場前に展示されていたキャラクターポスター、特製Tシャツといったグッズがもらえるユーザー参加型のクイズコーナーが実施された。
クイズコーナーは徐々にマニアックな問題が出題されていき、回答が困難なものになっていくにも関わらず、最終的にはじゃんけんを交えてプレゼント当選者を決定するというファンの粘り強さがとりわけ印象的だった。




クイズコーナーが終わると、あらかじめ募集されたユーザーの意見を開発陣が読み上げて、それに回答するQ&Aコーナーに移った。
「ペルソナ」シリーズ以外のアトラス作品とのコラボについては、宇田氏が『メタファー:リファンタジオ』や『真・女神転生』シリーズなどについて触れつつ、「全てを計画できるかはわかりませんが、皆さまの熱い思いとか後押しが実現に結びつくと思います。ぜひSNSでリクエストを出していただけたらと思います(笑)」と、前向きな意欲を見せている。

「キャラクターを生み出すために心がけていること」について質問が寄せられると、アトラスが社内で“リアリティとリアルは違う”ということを明確にしたうえでキャラクター制作を行っていることが語られた。
現実には存在しない人物でありながら、「本当にどこかにいそう」と思える人物像を目指して制作しているといい、個性的な設定を持たせつつも、現実味とのバランスを重視していると宇田氏は話す。
また、今後は「男性キャラクターをもっと増やしていきたい」という考えも明かし、プレイヤーからの要望や反響を受けながら、今後の実装を検討していきたいとコメントした。

特に興味深い質問の一つが、「開発に至るきっかけや、一番大変だったエピソード」だ。
当初、『P5X』はPerfect World Gamesから提案されたものの、アトラスとしては運営型のスマートフォンゲームに関するノウハウがないことから、慎重にならざるを得ない時期が続いていたという。そんな中でアトラスがセガに相談したところ、サポートに前向きだったセガの好意もあって、結果的に3社が連携しながらプロジェクトを進めていくに至った。
プロジェクトが始まった転機は、あるときPerfect World Gamesが、iPhone 7やiPhone 8で動く『ペルソナ5』をプレゼンしたことが大きな動機になったと明かす。
当時、家庭用ゲーム機向けの3Dゲームがスマートフォン端末で動くことに衝撃を受けたのだそうだ。宇田氏は「これどうしたらいいんだ?」と驚きながらも、モバイルでずっと楽しみ続けられる『ペルソナ』というコンセプトに惹かれたのだと語った。

その後もユーザーから寄せられた突っ込んだ質問が次々と紹介された。まず、「先行している中国・アジア版と日本・欧米版の住み分け」については、開発チームとしても課題に感じている点のようだ。
ただ、本作は先行している中国・アジア版から、ゲーム体験を向上させる改修を実施したうえで、日本・欧米版へと配信している。こうした構造上の問題が壁になっていることは否めないとしつつ、今後運営していく中で意識していく必要性があると回答している。


前述した質問に付随する形で「中国・アジア版に追いつくために早めている実装スケジュールは今後も続くのか」という質問については、単純に配信ペースを早めるのではなく、中国・アジア版のプレイデータを分析し、イベントのボリュームや周回数、ゲームバランスなどを調整しながら最適化を進めていると酒井氏が説明した。
また、『P5X』で最も重要なのはメインストーリーであるとしたうえで、物語の核心部分については、各地域のプレイヤーができるだけ同じタイミングで驚きや感動を味わえるよう調整したいとの考えも明かした。そのため、今後も単純なスケジュール短縮ではなく、ゲーム体験全体のバランスを重視しながら改善を続けていく方針を示している。


開発陣が描く2年目のロードマップ。『P3P』の楽曲もチョイ聞かせ!

ゲーム内の最新情報としては、新たな怪ドルとして「鹿野苺」「片山久未」が登場予定だ。ほかにも新たなバトルコンテンツや新育成要素などが公開されている。そのほか、今後のロードマップも公開となった。
現在、鋭意開発が進められているという『ペルソナ3 ポータブル』コラボについて、現段階で公開できる最新情報として楽曲「Wiping All Out」の『P5X』用アレンジが制作されていることが明かされ、そのラフ版が会場で先行公開された。楽曲はまだ未完成で、ここから手を加えられていくとのこと。ファンは希少な音源を試聴することができた。





締めのあいさつでは、登壇した開発陣が改めて来場者への感謝を伝えた。宇田氏は「プレイヤーの皆さんから寄せられる声が、開発チームにとって何よりの励みになっています」とコメント。酒井氏も「これからも『P5X』らしい挑戦を続けていきたい」と語り、松永氏は「2年目も期待に応えられるよう全力で開発を続けます」と締めくくった。
また、松永氏はこの挨拶で、ゲームが抱えているさまざまな課題について認識しつつ、メインストーリーのネタバレに配慮したうえで、その感想や手ごたえをぜひSNSで投稿・共有してほしいと思いを語った。

まとめ
人気投票でキャラクターへの愛情を共有し、開発トークでは作品づくりの舞台裏を知ることができた今回のファンミーティング。初開催とは思えないほど、終始アットホームな空気に包まれ、プレイヤーと開発チームが『P5X』という作品を一緒に育ててきたことを実感できるイベントになっていたと思う。

日本サービスの開始から1周年を迎えた『ペルソナ5: The Phantom X』。運営型ゲームという切り口から『P5X』独自の物語が本格的に動き始めた今、その先にどのような展開が待ち受けているのだろうか。これから歩む2年目の『P5X』にも期待が高まるばかりだ。




©Perfect World Adapted from Persona5 ©ATLUS. ©SEGA.
GameWith編集者情報

| 東京都福生市生まれのゲームライター。そしてお酒と革靴が好物でソロキャンプが趣味のミニマリスト気質おじさん。サ終ゲームのヒロインをAIで復活させてニヤニヤしたり、国語辞典を持ち歩いて山中フラフラしたりしています。ULキャンプに傾倒しているためSNSは大体キャンプの話題が多め。 |
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