
「『ペルソナ』がスマホゲームになる」と聞いたとき、私はシリーズのファンとして正直、身構えてしまった。
据え置き機のシリーズをスマホゲーム化して不評を買った例は、枚挙にいとまがない。
筆者は『ペルソナ5』(以下『P5』)を発売日から遊び、『ロイヤル』『スクランブル』など、シリーズをひと通り追いかけてきた人間だ。あのスタイリッシュな手触りや濃密な青春が、スマホの基本無料ゲームでどこまで再現できるのか半信半疑で、これまで自分では触れずにいた。
とはいえ、本作の情報やファンの感想は、ちょくちょく目に入ってくる。最初は粗削りだったものの、コツコツと完成度を高めてきた──そんな評判も聞こえていた。
そして迎えた1周年。GameWithでは本作を試遊する機会を得た。お祭りムードにも後押しされて触れてみると、印象はいい意味で裏切られた。
『ペルソナ5: The Phantom X』(以下『P5X』)には『P5』の面白さを支える「ふたつの軸」が、しっかり根を張っていた。
しかも、その入り口を飾るのが1周年記念の初音ミクコラボだ。楽曲やミニゲーム、戦闘演出まで、『P5X』の「音のよさ」と見事に噛み合っている。
シリーズファンの目線と、今回初めて『P5X』に触れたプレイヤーの目線、その両方からこの手触りを紹介していこうと思う。
シリーズの「面白さの軸」を受け継いだもうひとつの『ペルソナ5』

▲主人公ワンダーが紡ぐ、もうひとつの怪盗譚。
本作は『P5』と同じ世界観で展開するRPGだ。舞台は同じ現代の東京だが、ジョーカーたちとは異なる新主人公ワンダーを中心に、独立した物語が描かれる。そのため原作未プレイでも、ここから始めて問題はない。
私が思う『P5』の面白さの軸は、大きくふたつある。
ひとつは、敵の弱点を突いて一気に畳みかける、テンポのいいスタイリッシュなバトル。もうひとつは、勉強やトレーニング、仲間との交流を重ねて少しずつ成長していく、青春シミュレーションとしての面白さだ。
日常と非日常を行き来するこの感覚こそ、『ペルソナ』シリーズの核だと思っている。
本作は、この2軸をきちんと抽出したうえで、スマホに合わせて巧みに作り替えている。
戦闘は気持ちよく独自要素あり。それ以外の作り込みもすごい
戦闘システムは、経験者がニヤリとする「らしさ」を残しつつ、スマホゲームらしくブラッシュアップされていた。
キャラごとの役割を示す「ロール」、ナビキャラを任意のタイミングで呼び出せる「支援要請」、総攻撃とは別に各キャラ固有のムービー演出が入る「ハイライト」といった新要素が加わっていて、『P5』をやり込んだ人でも新鮮な戦略を練る楽しさがある。

▲弱点を突いて「1MORE」。たたみかける爽快感は健在。
タップすると、ひとつひとつにキレのいい反応が返ってくる。スマホの画面でもシリーズ特有のバトルの気持ちよさはちゃんと指先に伝わってくるのだ。

▲ダウンから決める総攻撃のスタイリッシュさも見どころ。
個人的に驚いたのが、バトル以外の作り込みだ。アルバイト、デートイベント、部活動など、東京で過ごす日常の選択肢がじつに多彩で、戦闘から離れた部分のボリュームだけでも相当なものになっている。
『P5』で味わった「放課後の何気ない時間」が、スマホでしっかり再現されているのだ。

▲日付は「Yesterday/Today/Tomorrow」で進む。見た目は『P5』と違うが、日常と非日常を繰り返す感覚は同じだ。
音楽も『ペルソナ』シリーズの魅力だ。スタイリッシュなボーカル曲をはじめ、多彩なオリジナルBGMはシリーズの大きな特徴で、本作もその系譜をしっかり継いでいる。
ボーカリスト・Lynさんによる新規ボーカル曲も収録されている。この「音のよさ」だけでもシリーズファンが触れる価値は十分にある。
1周年を彩る初音ミクとのコラボ
本作の1周年を記念して開催されているのが、もはや世界の歌姫、ボーカロイド「初音ミク」とのコラボだ。
私自身、ニコニコ動画でボカロ文化に親しんだ世代である。
じつは『ペルソナ』シリーズとのコラボは初めてではない。過去にも『ペルソナ4 ダンシング・オールナイト』にゲスト出演したことがある。
本作のミクもそのとき同様、『ペルソナ』風にデザインされており、世界観に自然に溶け込んでいる。

▲初音ミクの衣装は『ペルソナ4 ダンシング・オールナイト』仕様だ。
かつて『ペルソナ』とコラボすると聞いたとき、正直、少し突飛なんじゃないかと感じた。そのときを思い出しつつ、さっそくミクを使ってみた。
ミクは、通常の4人パーティとは別枠の支援キャラ「解明ロール」として戦闘に加わる。

▲BGMを変えるとスキル効果も変化していく。
実際に動かしてみてまず楽しいのが、戦闘中に流れる楽曲を切り替えられることだ。曲が変わると背景の演出も切り替わり、味方にかかる支援効果も変化する。
戦場そのものがミクのステージにジャックされていくような感覚で、操作しているだけで気分が上がる。
▲スキル「バーチャルラウンド」。敵の動きを止めて一方的に攻撃できる。
そして極めつけが、3種類の「ピース」をそろえて発動するスキル「バーチャルラウンド」だ。発動すると「バーチャルライブ」状態に入り、敵全体の動きを止めたまま、味方に追加で2ターンの行動が回ってくる。
要は、敵を置き去りにして一方的に攻め立てられる。初心者でも強みを実感しやすい、頼もしい切り札だ。
コラボ限定だけあって性能も高く、ぜひ手に入れておきたい1体に仕上がっている。

▲リズムゲームでハイスコアを狙うのも楽しい。
コラボ期間中は、人気楽曲で遊べるリズムゲームや、各種コラボ報酬も用意されている。ミクをきっかけにこの世界へ足を踏み入れる人にとっても、楽しめる入り口になっているはずだ。

▲街にもミクが登場。コラボ報酬も盛りだくさんだ。
『P5X』はシリーズ未経験者にもおすすめ
ここまで遊んでみて思うのは、本作は幅広い人におすすめできる作品だということだ。
無料で、スマホからすぐ始められる手軽さは、この世界に触れる入り口として最適だ。しかも基本無料とは思えないほど、据え置き機のRPGに近い密度がある。
フルボイスの会話や凝った演出、原作さながらの新規アニメムービーが楽しめて、毎日ログインして日課をこなし、少しずつ物語とキャラを育てていくサイクルは、青春シミュレーションとしての『P5』の魅力をうまくスマホゲームに落とし込んでいる。
シリーズを知らない人にとっても、『P5X』は「おしゃれな学園RPG」として素直に入りやすい。重厚なシリーズ知識を求められるわけではなく、昼は学生・夜は怪盗という二重生活そのものが魅力だからだ。

さらに、スキマ時間で遊べるのもありがたい。原作は長大な物語ゆえに止め時を見失うことも多かった。その点本作は、1日数十分の区切りで無理なく進められる。「遊びたいのに時間がない」という人も多いこのご時世、これは強みだと思う。ハマってきたら、編成の奥深さにも気づくことだろう。
シリーズのファンは、探索性が増したダンジョンや、随所にちりばめられた『P5』オマージュ、そして前述した音楽が楽しく感じるだろう。新作に飢えたファンからすると、本作は「貴重な『ペルソナ』の供給源」だ。私は毎日の更新が待ち遠しい。
ひとつだけ留意点を挙げるとすれば、操作面だろうか。スマホのバーチャルスティックには少し戸惑う部分もあり、ダンジョン探索中の細かな操作ミスは起こりがち。慣れるまでは気をつけたい。
始めるなら1周年のいまが圧倒的に有利

▲1周年で配布も豪華。いまが始めどき。
始めるならいまが最高のタイミングだ。
1周年を記念して、ガチャを回すための「自在結晶」が無料で大量に配布されていて、その数は限定ガチャ100連分以上に相当する。
さらに、序盤を支える★5の『P5』キャラクターを選んで入手できる初心者向けのお得なガチャも用意されていて、スタートダッシュがぐっと楽になる。これだけ追い風が吹いていれば、コラボのミクも十分に狙っていけるだろう。
『P5』ファンも、ミク目当ての新規も、これほど「怪盗デビュー」しやすい時期はそうない。この機会に、もうひとつの東京へ忍び込んでみてはどうだろうか。
©Perfect World Adapted from Persona5 ©ATLUS. ©SEGA.
その他おすすめゲーム
▶おすすめゲーム
▶配信カレンダー
▶AIで探す
▶ポイントクエスト