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ついつい遊んでしまう鍛冶屋経営SLGを先行プレイレポ!
▲Blacksmith Master - Release Date Trailer | Medieval Sim Management
お金儲けと面白いゲームはよく似ている。どちらも「仕組み」がなければ成り立たないからだ。
今回、紹介する『ブラックスミス・マスター(Blacksmith Master)』は、それを同時に味わえる贅沢なタイトルだ。
「経営シミュレーションはどれもそうじゃないの?」と思うかもしれない。確かにそうだ。ただ、製品販売に必要な過程である「原材料の確保・製品の製造・販売」のすべてをまるごと扱っているタイトルは意外に少ない。
加えて本作は、儲けを生み出す仕組みそのものが、ゲームを面白くする仕掛けにもなっている。
見た目はシンプルながら、気づけばやめ時を失う。つい黙々と作業をしつつ眺めてしまう、スルメゲーならぬ「アリの巣ゲー」とも言えるだろう。
いったいどこがそんなに「アリの巣」なのか?一緒に考察してみよう。
目次

インディゲーム100選!
ただ売ればいいってもんじゃない。儲けは仕組みで生み出すもの

▲従業員1名の小さな鍛冶屋からスタートする。
この店の1日の売上はいくらだろう?
たまたま入ったカフェで、そう思ったことはないだろうか。筆者はしょっちゅう気になって、注文したカフェラテを飲みながら計算する。自分の会計を平均単価にして、レシートの会計番号から1日の客数を想定すれば、割と簡単に予測できる。
『ブラックスミス・マスター』は、こんな面倒な計算は不要。店舗が儲かる仕組みを、簡単に楽しく学べる、中世を舞台にした鍛冶屋経営シミュレーションだ。鉱石の採掘や木材の伐採、製品の製造から販売に至るまで。鍛冶屋のサプライチェーンをまるごと管理できるのが本作最大の魅力。

▲店舗を増築し、後半はかなりの大所帯に。
ただ漠然と製造して売るのではなく、従業員の導線を意識した製造ラインの構築と、素早く出荷・納品・販売できる効率的な現場運用に注力したうえで、原材料費と人件費をコントロールしてチェーン全体で高収益を叩き出す。
鍛冶屋ビジネスを俯瞰で捉えた仕組みづくりは、悩ましくも楽しい。一度、好循環が回り出せば、従業員が勝手に利益を生み出してくれる高揚感がたまらない。
公式では「世界に名を馳せる鍛冶職人を目指せ」ってうたってるけど、もはや鍛冶職人というか「CEO」の気分。忙しなく働く従業員をぼーっと眺めながらお茶をすすっていると、なんだか妙に顔がニヤニヤしてしまうのだ。
作業の導線を効率化して、製造品質と個数を高めて儲ける

▲従業員の個性はさまざま。配置する部署を見越して雇い入れよう。
まずは製品を製造しなければ話にならない。ここでのポイントは「効率」だ。
本作の従業員は、全員、早朝7時から深夜12時まで休みなく働き詰めだ。「口を動かすんなら手を動かせ!」って言葉があるけど、彼らは口すら動かさずに、まるでマシーンのように仕事に励む。
そんな従業員にもきちんと個性がある。歩くスピードや荷物を持てる量、経験値の得やすさ、客を多く呼び寄せるなどさまざま。人員配置の適材適所が効率化のカギとなる。
従業員は部門ごとに異なる設備で業務にあたる。鉄製品なら溶鉱炉や金床など、木工製品なら作業台などと言った具合。ところが、1つの施設は1人のキャラクターしか使えない。そのため数が少なすぎると、順番待ちが発生しボトルネックになる。

▲作業効率の良い導線の確保が攻略のカギ。
こうした事態を避けつつ、資材を取りに行く、複数の設備を使って製造する、製品をチェストに収めるなど、別々のタスクを効率よく行うには、人の流れ「導線」を意識した設備配置が重要だ。
本作は、この導線を考えたレイアウトを考えるのが楽しい。いかに移動距離と順番待ちを少なくして作業の効率化を図るのか。自由な発想で完成後の青写真を描くクリエイティブな遊びを満喫しよう。
しかも、全従業員が仕事の虫。それこそ、世界中の経営者が喉から手が出るくらいほしい人材ばかり。プレイヤーが設計した通りに業務が回り始めたときの爽快感は格別なのだ。
直売店を開店して、安定した利益を確保して儲ける

▲商人はアイテムのアンロックと引き換えに大幅な値引きを持ちかけてくることも。
製造が軌道に乗ったら、次は販売で利益確保を意識する。
ゲーム開始直後、プレイヤーは商人から依頼を受けて製品を受注生産し、資金を集める。まとまった売上が確保できるため重要な取引先なのだが、必ずこちらの希望額で買い取ってくれるわけではない。
なんだかんだ理由を付けて取引を持ちかけてくる。製造コストは変わらないので、利益は減ってしまう。もちろん断ることもできるが、商人の依頼は完全にランダムなので、おのずと限界が見える。
そこで、自社の直営店をオープンして安定した利益を確保する。要するに「アップルストア」みたいなもの。自社製品を自社店舗で販売するから利益が大きいってワケ。コンビニなどで見かけるプライベート商品も、実は同じ理由で店頭に並べられる。

▲魅力的な装飾を施して来店を促そう。
鍛冶屋の敷地内にレジを設置し、陳列棚を自社製品で埋めつくせば、あっという間に直売店の完成だ。並べる商品の種類や店舗の装飾で、客足が増えたり遠のいたりするから面白い。店舗の魅力を最大限に引き出す装飾で客寄せしよう。
店員の選別も重要で、コミュ力の高さや客をひきつける魅力が必須。レジで長く待たせると怒って帰ってしまう客が現れるため、適切な増員も必要になる。
店舗用商品を専門で生産する職人の確保や、品出しをする助手の確保など、店舗経営シミュレーター顔負けのクオリティには驚かされる。
原材料を採取して、製造コスト削減で儲ける

▲採掘場は専用のステージになっており、それぞれに施設を設置できる。
そして、最後のポイントは「原価」だ。
効率よく製品を生産して、安定した収益が確保できたら、残る伸びしろは、製品の品質を上げて値段を高くするか、原材料費を見直して『原価』を削減するかの2つに集約される
「世界に名を馳せる鍛冶職人」を目指すゲームなので、製品の品質向上は常に必要。設計専用の従業員を雇って、思うがままにまい進し続けよう。直売店の品揃えにも直結するのでゲームの面白さをより加速してくれるだろう。
ここで重要なのが経費の見直しだ。すごく地味だけど、製品を製造するための鉄のインゴットや木材を、その都度、業者から仕入れるより自分で掘ったり切ったりした方が安くない?というお話し。原材料の採取も鍛冶屋の経営に含めている点が、本作のユニークさを象徴している。

▲採取した鉱石は、鍛冶屋で精錬しインゴットにしなければ製品に使えない。
プレイヤーは鉄鉱石の鉱脈や森林に従業員を派遣し設備を整えて、原材料採取現場の開発も鍛冶屋と並行して行う。さらに鉱石は鍛冶屋でインゴットへ精錬され、製品に加工される。各工程にはそれぞれ専用の施設を設置し、専門の人員を配置しなければならない。適材適所はここでも有効となる。
加えて、銅や銀はプレイヤーが採掘しないと入手できないため、終盤攻略のカギを握る要素でもあるのだ。
ちょこまかと動き回る従業員を見ているだけで、時間が経つのを忘れてしまう

▲まさかの残業まである。深夜12時を回っても仕事に励むパワーはどこから来るのか。
本作は各所で行った効率化が鍛冶屋全体の儲けるサイクルと連動し、結果が利益として可視化されはじめると、加速度的にやめ時を失う中毒性がある。試行錯誤の結果が見えるゲームというのはやはり強いなと、あらためて思った。
ゲーム全体を通してのレスポンスが早く、各タスクで長時間結果を待つ必要がなくて軽快なプレイ感がよい。
効率的な仕組みが整い、従業員が効率的に働く様子を眺めていると、時間を忘れてしまう。まるでアリの巣を観察するような感覚。
しかも、プレイヤーの考えた通りに動いて、結果を出し続けてくれる、24時間戦えるアリたちである。
Blacksmith Masterは5月15日(木)より早期アクセス開始予定。興味を持った人はウィッシュリストに登録しておこう。
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発売日など基本情報
発売日 |
PC: 2025年5月15日 アプリ: 2024年7月9日 |
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会社 |
Hooded Horse |
ジャンル | ストラテジー |
対応ハード | PC / アプリ |
価格 |
PC : 未定
アプリ : 無料
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今後発売の注目作をピックアップ!
2025/5/30 発売

/Xbox
ELDEN RING NIGHTREIGN
5,200円(税抜) 2
2025/6/5 発売

龍の国 ルーンファクトリー
6,980円(税抜) 3
2025/5/22 発売

/PC/Xbox
ファンタジーライフi グルグルの竜と時をぬすむ少女
6,980円(税抜)