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海外旅行で一番の楽しみといったら、断然「現地のスーパーマーケット巡り」でしょう。
なんつったってスーパーマーケットは、その国の人たちが暮らす環境や食事、考え方、文化などをうかがい知ることができる。新しい発見の宝庫だ。
でも最近の日本円の激安っぷりときたら...ちょっと家族4人でアメリカに行こうものなら、軽自動車が買えちゃう金額に!!
そこで今回は円安にも負けない、PC Game Passに加入していれば月額 990 円でアメリカ南部ツアーを楽しめるアクション・アドベンチャー『サウス・オブ・ミッドナイト(South of Midnight)』をご紹介。
魅力溢れるディープサウス・ツアーに、お茶の間でリラックスしながら、格安で参加しちゃおう。

South of Midnight
最安5930円で体験できる、アメリカ南部の湿地帯ツアーはこちらです

画面を埋めつくすディティールが息をのむ美しさを生む。
『サウス・オブ・ミッドナイト』はカナダのゲーム開発会社Compulsion Gamesが開発し、Xbox Game Studioが販売する3人称視点のアクション・アドベンチャーだ。
主人公のヘイゼルはアフリカ系アメリカ人の高校生。ハリケーンが迫る晩、些細なことで母親と口論となり家を飛び出す。しかしその直後、氾濫した川の濁流が家を襲い母親ごと連れ去ってしまう。自責と後悔の念を胸に、ヘイゼルは流された家の捜索を始める。

嵐の中ヘイゼルは、トレーラーハウスと共に濁流に流された母親を捜索する。
物語の舞台はアメリカ深南部「ディープサウス」と呼ばれる地域。周辺にはバイユー(非常に流れの遅い川)がたおやかに流れる湿地帯が広がる。このディープサウスという舞台設定はなかなか珍しい。マップの一部に含まれることはあっても、純粋に南部のみに主眼を置いたゲームはあまりない。
ものづくりではよく「細部に神は宿る」なんて言う。本作はまぎれもなくそれだ。舞台のディープサウスを、実際にそこにいると錯覚するレベルの緻密さで再現している。白状すると、筆者は過去に数年アメリカに住んでいたが、南部には行ったことがない。本作の凄みはそんなにわかでさえ、現地の様子がありありと想像できる環境描写に尽きる。

豊かな植生が画面を彩る。
歴史に取り残されゆっくりと廃れていった街並みの哀愁。レースフラワーやポピー、ルピナスなどが地面を覆いつくす勢いで咲き乱れる草花。アオサギやカミツキガメ、超でっかいヘビ、もちろんワニもいるし、地味だけどヤブ蚊などの昆虫。画面中にディープサウスが溢れていて、モニター越しに匂いまで伝わってきそうな描写は圧倒的。
少し視線を上げるとサルスベリやマグノリアの低木、バイユーの水面に垂れるヤナギの木など、名前もわからない植物も含めて「うっそう」という言葉は本作のためにあるのかもと錯覚するほどだ。
控えめに言っても本作は、お茶の間で行ける「アメリカ深南部体験ツアー」級のポテンシャルを秘めている。実はそう思う理由がもう一つある。それはアメリカ南部の歴史を追体験できるステージ構成だ。

South of Midnight
アメリカ南部の過去を追体験。ライドアトラクション的なプレイ感

戦闘は骨太。でも細やかな難易度カスタマイズが用意されていて、サクッと変更しちゃえばサラッっとクリアできる。
本作は、さまざまなアクションを織り交ぜて、複数の敵とアリーナで戦う戦闘パートと、パズル要素を含んだ一本道の探索マップを数珠繋ぎにして、交互に展開しながら進行する。テイストの異なる2つのゲームが、心地よいリズム感を生み出していてプレイヤーを飽きさせない。
ヘイゼルは道中「ウィーバー」の能力が開花し、人の痛みや悲しみが糸のように見える怪異と対峙することになる。こじらせると糸は腫瘍のように絡まってモンスターに姿を変える。ヘイゼルはこれらをひとつずつほぐしながら、次第にウィーバーとしての使命に目覚めていく。
プレイヤーはリニアなステージを進みながら、ライドアトラクション的にアメリカ南部の歴史を追体験する。現代のトレーラーハウスから、過去にタイムスリップしたかのようなサトウキビ畑の奴隷集落を抜け、どこかへ脱出しようとするアフリカ系アメリカ人家族の過去の残留思念を目撃する。

家族の残留思念を追いかけるヘイゼル。奴隷解放宣言後、南部のアフリカ系アメリカ人は人種差別から逃れるため北部へ大移動した。
こうした歴史の背景について作中では一切説明されない。アフリカ系アメリカ人家族が、いったい何に追われ、そしてどこへ向かったのかは謎に包まれたままだ。しかし、南北戦争終結後の南部の歴史を知れば、おのずと行き先が見えてくる。筆者は本作のみなまで言わない姿勢が凄く好きだ。おかげでちゃんとゲームに集中することができる。
ヘイゼルは人の痛みを紡ぐことで、ソーシャルワーカーとして人助けに心血を注いだ母親の気持ちを少しずつ理解していく。
そんな感傷的な展開に、筆者は思わずハンカチを握りしめるのだった。

South of Midnight
グラフィックの美しさが好奇心を刺激する稀有なゲーム性

ボス戦の前に挟まれるクラシカルなプラットフォーマーステージ。スリリングで楽しい。
「グラフィックはゲームの面白さとは関係ない」これが筆者の持論だが、こんなおバカな理論は本作を前に、高く積み過ぎたジェンガのように崩れ去った。本作のアメリカ深南部ツアーを最高に盛り上げてくれるのは、まぎれもなく幻想的なグラフィックの美しさだ。
画面を埋め尽くす、細か過ぎるディティールのおかげで、一本道なマップにもかかわらず寄り道がめちゃくちゃ楽しい。海外旅行の醍醐味、地元のスーパーマーケットと一緒だ。

探索パートのアクションも多彩。適材適所でアクションを駆使して道を切り開く。
クリアタイムは12時間程度。短いと感じるプレイヤーもいるかもしれないが、本作はコンテンツ不足で短くなっているのではない。助長なゲームプレイを排除して、可能な限りコンパクトな味付けに、あえてしている。もうちょっとやりたいと思わせる絶妙な引き際は計算ずくなのだ。
リプレイで新たな難易度やモードに挑戦してもらって、隠された要素に気付いてもらう最も自然な方法かもしれない。そんなところも本作が良質である証拠だ。

South of Midnight
ディープサウスの民間伝承をモチーフに、アーティスティックな演出が感情を揺さぶる

ヘイゼルは糸に関係する装備で戦う。奴隷制度に深くかかわるコットンのメタファーか。
アメリカ南部の住民の多くは、貧しい生活を余儀なくされた。その一方で、音楽などの文化が豊かに花開いた土地でもある。
これはもう絶対的な自信を持って断言するけどね、本作の音楽はマジ凄いよ。カントリー、ブルース、ブルーグラス、ゴスペルなど、ゲーム史上最強クラスのゴージャスでグレイトな楽曲のオンパレード。しかも歌詞付き!
バイユーに沈む夕日をバックに曲を流してると、ニューオリンズで開かれた野外フェスに参加している気分になれます。これはヤバイ。海外旅行で野外フェスを楽しめるなんて非常にいいです。素直にまいりました。

ぬいぐるみのクルトンを操って狭い場所を探索することも。
カットシーンで挿入されるムービーはストップモーションアニメのように、あえてFPSを落とした手作り感のある演出が光る。少しがたつきのあるオブジェクトデザインや、主人公を含め、クレイ人形のようなテクスチャを施したキャラクターデザインも物語にフィットしている。
各章の導入で明かされるストーリーブックも、昔に教育番組でやっていた影絵のような演出で、さまざまなところに施された手作り感が、懐かしくも新しい。

South of Midnight
未来がのことは、過去から学ぶのが一番

先導役のオオナマズ。アフリカ系アメリカ人らしい南部訛りに癒される。
自宅にいながらツアー気分を味わえるのは本作ならでは。さらに、日本人にはあまり馴染みのないアメリカ南部の歴史を知るきっかけにもなる。
歴史はときに残酷で、目を背けたくなる場面も少なくないけど、未来が予測し難い現代だからこそ過去に学ぶことはたくさんあるはず。
あ、そうそう。プレイする際は必ずハンカチを用意しておいてね。

South of Midnight
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発売日など基本情報
発売日 |
2025年4月9日 |
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会社 |
Xbox Game Studios |
ジャンル | アクション |
対応ハード | PC / Xbox |
価格 |
PC : 4,900円(税抜)
Xbox : 4,900円(税抜)
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公式HP |
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