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この度、編集部では新しい連載記事企画を始めることになりました。その名も【GameWith編集部が挑戦!新連載企画】
編集部が様々な企画に挑戦する記事を毎週1本ずつ全4回にわたり連載していく企画となっています。
今回の企画では、RPGというゲームジャンルについて取り上げます。
今年もいろんなRPGが出たよね
2024年11月19日、今年のゲームを表彰する祭典「The Game Awards 2024」のノミネート作品が発表された。
『ASTRO BOT』や『エルデンリング』のDLC、『メタファー:リファンタジオ』など、大賞のGame of The Year(GOTY)候補はまさに群雄割拠という感じだ。
例年にも増してゲーム業界は大豊作だったのだが、筆者はふと思ったことがある。
(引用元:The Game Award公式X)
GOTY候補作の6作品のうち、4作品がRPGを謳っている(※)。
※アクションRPGなど、派生ジャンルも含む。
当然といえば当然、RPGといえばゲームの王道かつ花形である。これについては、みなさんも同意してくれるだろう。
直近のGOTYを振り返ってみると、2023年は『バルダーズゲート3』、2022年の『エルデンリング』と、RPGが大賞に輝いている。
さらに、歴代GOTYを見てもう一つ気付いたことがある。
この記事を読んでいるみなさんも、ぜひ直近10年のGOTYを確認してみてほしい。
直近10年のGOTY | ||
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受賞年 | タイトル | ジャンル |
2014 | 『ドラゴンエイジ:インクイジション』 | オープンワールドアクションRPG |
2015 | 『ウィッチャー3 ワイルドハント』 | オープンワールドアクションRPG |
2016 | 『オーバーウォッチ』 | FPS |
2017 | 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』 | オープンワールドアクションアドベンチャー |
2018 | 『ゴッド・オブ・ウォー』 | アクションアドベンチャー |
2019 | 『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』 | アクションアドベンチャー |
2020 | 『The Last of Us Part II』 | アクションアドベンチャー |
2021 | 『It Takes Two』 | アクションアドベンチャー |
2022 | 『ELDEN RING』 | オープンワールドアクションRPG |
2023 | 『バルダーズゲート3』 | RPG |
そもそもRPGって何?アドベンチャーと何が違うの?
ここで、あらためて疑問が湧いた。RPGとアドベンチャーの違いって何……?RPGもアドベンチャーも、主人公=プレイヤーの気持ちで操作(Role-Play)して、世界を冒険(Adventure)するんじゃないの?
(引用元:『The Witcher 3: Wild Hunt』Steamストアページ)
(引用元:『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』ニンテンドーストアページ)
というわけで、本記事を通して「RPGとは何ぞや?」という疑問を解き明かしていきたい。
なお、この記事には筆者の解釈が多分に含まれており、RPGという言葉を辞書的に定義していくというものではないので悪しからず。気になるところがあったらぜひ教えてください。
RPGはどこで生まれ、どう育っていったのか?
RPGについて考えていくためにも、まずはルーツを探ることにしてみよう。
そう。RPGの起源といえば、「テーブルトークRPG(TRPG)」だ。
(引用元:WAYNES BOOKS RPG Reference)
TRPGは、架空の世界を舞台に、地図、プレイヤーを表す駒、サイコロ、そしてプレイヤーの分身となるキャラクターのステータスや設定をまとめたキャラクターシートを机上に用意して遊ぶ。
「このキャラならどう行動するのか?」を考えつつ、シナリオを用意したゲームマスター(GM)と対話しながら冒険を進めていく、まさに「ロールプレイング(役割演技)」するゲームである。
TRPGは、コンピューターの発展とともに、「コンピューターRPG」となったようだ。
自分の分身となるキャラを実際に操作し、GMとの対話の代わりにコマンドを選択する。サイコロの代わりにコンピューターが確率を計算し、一人だけでTRPGのように架空の世界を冒険できるようになったのである。
コンピューターRPGは、発展するにつれて、原義的な“ロールプレイング”から離れていく……と、筆者は調べていくうちに考えるようになった。
コンピューターRPGとは数字のやり取り
「コンピューターRPGとは何なのか?」を語る前に、「ハック&スラッシュ」という用語の解説をさせてほしい。
「ハック&スラッシュ」といえば、現在のコンピューターRPGでは「戦闘中心のゲーム」のニュアンスでゲームジャンルの小分類として使われる単語である。このルーツは、TRPGにおけるプレイスタイルだ。
(引用元:『ディアブロ IV』Steamストアページ)
GMが用意したシナリオに没入するのではなく、ダンジョンの踏破やモンスターの撃破、キャラの育成・強化をメインに遊ぶスタイルのことである(シナリオもそういうプレイありきで設計されている)。
つまり、レベル上げやステータス上げや装備集めをしつつ、バトルや探索自体を楽しむのだ。
そして、最初期のコンピューターRPGである『ウィザードリィ』などは、まさにこのハック&スラッシュなプレイスタイルを継承したゲームであった(当時のコンピューターの性能を考えると、当然と言えばそうだが)。
(引用元:tk421.net)
さらに、我が国の代名詞的なRPG「ドラクエ」シリーズや、「ファイナルファンタジー」シリーズもこれらの影響を受けた。特に、日本におけるRPGのメインストリームでは、この基本システムを守り続けているもの多い。
具体的に言うと、敵にエンカウントして、ダメージを与えて、倒して、経験値とお金を得て、レベルアップして、稼いだお金で新たな装備を購入して……というような感じだ。
要するに、コンピューターRPGにとって、GMや他のメンバーと対話や交渉といった元々の根幹部分は「自由度」「選択肢」として簡略化された一要素となった。そして、大小さまざまなパラメータのやりとりや蓄積を楽しむことを中心としたゲームが多くなったようだ。
(引用元:『パズドラ』Google Play Store)
他のゲームを取り込みながら進化するRPG
兎にも角にも、コンピューターゲームとしてのRPGは、特に日本において大ヒットし、国民的なゲームジャンルとなった。RPGブームというやつである。
「ドラクエ」シリーズで、「はがねのつるぎ」を購入するために、モンスターを何匹も倒してゴールドを稼ぐ……というようなコツコツとした遊びは、日本人にはかなり刺さったようだ。
当然、ブームとなればどんどん新作は発売され、数多の名作も生み出されてきた。
そして、ゲームクリエイターたちが「もっと良い作品を……!」と何度も試行錯誤した結果、RPGはどんどん進化していった。そして、他ジャンルとの融合を行うようになった。
日本ではコンピューターRPGの基礎である育成・収集要素やコマンド式といった伝統を守りつつ、ストーリーの質や魅力的なキャラクターにこだわっていった。いわゆるJRPGだ。
また、融合というと、ご存知の通りアクションRPGやシミュレーションRPGなど、人気ジャンル同士で融合していった。変わり種だと、「カードゲーム×RPG」や「レース×RPG」といったものもある。
中でも、アクションRPGは、当時のアクションゲームの物語性の低さ、コマンド式RPGの操作の地味さをそれぞれ補っていて、ゲームジャンルの中でもエポックメイキングだと筆者は考えている。
さらに、ジャンル同士で融合したのはRPGだけではない。テキストベースで進むアドベンチャーゲームは、より没入感を高めるために他ジャンルと融合した。
そう。RPGもアドベンチャーも、自身のゲーム体験の地味さを、アクションと融合することで解消したのだ。
あらためて、最初に湧いた疑問について考えてみよう。「RPGとは何か?」と言えば、文字通り、「役割を演じながら遊ぶゲーム」のことだ。
また、「RPGとアドベンチャーの違いは何か?」を挙げるとすれば、コンピューターRPG由来の育成要素の充実度程度ではないだろうか。
それはまるで、哺乳類のイルカと魚類のサメがそれぞれ早く泳ぐために似た形状になった(※)のと同じように、「面白いゲーム」を追求した結果、似た形になったのではないだろうか。
※ 生物学では収斂進化と呼ばれる。
(引用元:『Assassin's Creed Origins』Steamストアページ)
ゲームが進化したその先に、「ロールプレイ」があったことに気づいた
個人的には現在のゲームはむしろ「ロールプレイ」要素を大いに取り戻しているのではないか?と考えている。
グラフィックやハードウェアの進歩により、想像の世界が現実にかなり近い形でゲームとして眼の前に広がる様になったし、現在ではオンラインプレイが遊び方の主流となり、他者とコミュニケーションを取りながらゲームをプレイしている人は多い。
(引用元:『Grand Theft Auto V』Steamストアページ)
さらには「オープンワールド」という画期的なシステムによって、ゲーム体験の自由度は格段に上がった。それこそ、「テーブルトークRPGにおいて、自分の言葉どおりに行えるゲーム上の行動」に近いほど自由だ。
(引用元:『The Elder Scrolls V: Skyrim Special Edition』Steamストアページ)
では、現代のゲームが過去のゲームよりも優れているか?というというと、そうではないと断言したい。
なぜなら、最初に机の上でRPGが生まれたときにあったに違いない「現実とは別の世界で、自分の思い描いた体験をしたい」という夢を、ゲームが時代やジャンルを問わず叶えてくれていたからである。
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GameWith編集者情報
PCゲームを楽しむ。大昔からSteamでゲームしてました。digが趣味でジャンル問わずどんなゲームでもプレイ。ゲームに限らず興味を持ったものはなんでも深掘りする性質。 ゲーム以外の趣味は音楽鑑賞・ギター演奏などを嗜む。 『League of Legends』に出会い、人生がいろいろな意味で大きく変わる。 |
イラストを描いてくれた人
大学の休学期間中に遊んだ「ドラクエ」シリーズで世界観の壮大さに心打たれ、様々なRPGに興味を持ち始める。 中でも、近年は「原神」のストーリーや音楽に夢中になる日々を送っている。 また、ゲームのサブ要素にハマってしまう傾向があり、RPGで見られる料理作りや木の実採集などをとても気に入っている。 趣味はものづくり。 |
今後発売の注目作をピックアップ!
真・三國無双 ORIGINS
8,580円(税込) 2
/PC/Switch
FAIRY TAIL2
7,800円(税抜) 3
/PC/Xbox
テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター
5,900円(税抜)