『メタファー：リファンタジオ』のゲーム紹介

ゲーマー向け評価

メガテン、ペルソナなど現代劇を得意とするATLUSが「新たな王道ファンタジーRPG」として打ち出した一作。

しかし、世界観も物語も全く王道ではない！
そして最も魅力的だったのもこの部分だ。

物語をドライブしていくのは、新たな王を決める「選挙魔法」。
「選挙」という題材をゲームの作劇に組み込んだことも驚きだが、国民から最も人気を得た者を王にするという「選挙魔法」のシステムも衝撃的だ。
そこに怨敵「ルイの暗殺」という本命の目的が絡むことで、本作の物語は本当に予測が付かない軌道を描く。
細かく気になる点こそあれど、80時間ほどの長編ストーリーを引っぱっていく「物語の牽引力」は凄まじかった。

また、本作は魔法が存在する世界なのだが、
その魔力の源を「不安」という感情にした世界観も絶妙だ。
喜怒哀楽などの刺激的な感情ではないが、日頃から誰もが抱える感情。
それを主軸に置いた世界設定は、物語の仕掛けとしても機能しつつ、ゲームを終えた後もプレイヤーに多くの示唆や活力を渡してくれる。

システム面に関しては『ペルソナ5』を基礎に、かなり手堅くまとまった印象。
日常部分は旅物語を強く押したつくりになっており、まだ見ぬ景色へ飛び込む楽しさが新鮮だった。
戦闘部分では、自分より強い敵はコマンドバトルで、格下の雑魚敵はアクションで一掃できる「ファスト&スクワッド」システムが秀逸。
プレイヤー自身がある程度、ゲームテンポを操作できる。
「アーキタイプ」も組み合わせによって大技が変化するなど、パーティ編成のバリエーションが豊富で、大ボリュームに耐えうる仕様だった。

また、本作にはATLUS要素が細かく、そしてガッツリと散りばめられてもおり「ATLUS35周年記念作」としての一面もたっぷり味わえる。

総評としては新たな世界の創造が素晴らしく、今後のATLUSの大きな一柱となることを予感させる「新・王道RPG」となったのではないだろうか。

• コンテンツ量 5点

• 自由度 3点

• ソーシャリティ 3点

• BGM 5点

• グラフィック 4点

• 感情移入 5点

• ゲーム性 3点

カジュアル向け評価

• コンテンツ量 5点

• 自由度 3点

• ソーシャリティ 3点

• BGM 5点

• グラフィック 4点

• 感情移入 5点

• 敷居の低さ 3点