
十年一昔(じゅうねんひとむかし)──なんて言葉があるけど、ゲーム業界の10年は、ひと昔どころか大昔だと思う。それだけ時間の流れが早い業界なのだ。
思い返してほしい。10年前は、まだNintendo Switchが発売されていなかった。ちょっとびっくりでしょ!?
ところが、運営10年目を迎えた今も、まったく人気が衰えない、現役バリバリのゲームがある。それが、ライトフライヤースタジオが開発・運営を手掛けるシングルプレイ専用のスマホ向けRPG『アナザーエデン 時空を超える猫』(以下『アナデン』)だ。
今回、筆者は2026年7月18日に東京・パルテノン多摩の大ホールで行われた、アナザーエデン音楽の祭典2026「Verses from the Astral Archive」の夜公演にお邪魔して、その魅力をたっぷりと堪能してきた。

▲コンサートのキービジュアル。
作中の声優陣によるフルボイスの物語がスクリーンで語られるなか、ゲームの公式バンド「トキノワスレモノ」「ホシノオトシモノ」「EDEN's CLINE」の3組が初めて一堂に会し、音楽でファンの心を鷲掴みにした。

▲会場ではさまざまなグッズの販売が行われた。
長い冒険を経たプレイヤーたちが、「過去に落としてきたワスレモノを探す」。そんな感慨深さすら感じさせる大興奮の会場を、鼻歌交じりでお届けする。
目次
過去と未来を繋ぐ「星詠みの書架」と、生演奏がシームレスに融合
コンサートのサブタイトル「Verses from the Astral Archive」は、ゲームに実装されている「星詠みの書架」がモチーフ。
これは『アナデン』のやり込み要素のひとつで、プレイヤーが過去の冒険の記憶(書物)を修復して、かつての強敵と再戦するというもの。
ちなみに、来場者特典のブックレットは昼公演版と夜公演版の2種類が用意されていて、両方を合わせることで1つの「書架」が完成する。ゲーム内の「記憶の修復」になぞらえた粋なギミックが仕掛けられていて、ファン心をくすぐる。
コンサートでは、ステージ中央に設置された大型スクリーンにシナリオムービーが映し出され、キャラクターたちが掛け合いをしながら過去の冒険を振り返る。

▲ステージ中央のスクリーンには、ゲームの映像が投影される。
脇を固めるのはもちろんオリジナルの声優陣だ。主人公・アルド役の内山昂輝氏、ギルドナ役の置鮎龍太郎氏、イスカ役の石川由依氏、メリナ役の村川梨衣氏、シグレ役の木村良平氏が声で出演。
キャラクターたちの思い出話から一転、それにまつわる楽曲の生演奏へとシームレスに繋がる。

▲ゲームのワンシーンが脳裏に浮かんでくる。
最初に演奏したバンドは、「トキノワスレモノ」。アコースティック楽器を中心とした編成で、帰郷や郷愁感漂う演奏が印象的だった。

▲バンド「トキノワスレモノ」。草原を駆け抜けたくなるような軽やかな楽曲が魅力。
「殺されし時よ、人よ」「風薫る大地」「Ambivalent Mirage」「時層回廊 / Paradoxical Dreamers メドレー」「緑の村 バルオキー」「星を継ぐもの featuring 焦燥」「なつかしい笑みに包まれて」の7曲を次々と披露し、観客をあっという間にゲームの世界へと引き込んでしまった。
変幻自在の演奏をバックに3人のシンガーが熱唱
続いては、和楽器を取り入れた大所帯のフュージョンバンド「ホシノオトシモノ」が登場。東方世界や異空間の空気を和洋折衷のサウンドで再現した。

▲和洋折衷のサウンドが魅力的な「ホシノオトシモノ」。
「時の女神の帰還」「螺旋の焔が抱く夢は」「朱雀〜鬼哭舞闘〜」「魔境血風陣」「The Imperfect Rebellion」と5曲を披露したところで、いきなりステージの空気が変わる。
スクリーンに「WOW」の文字が映し出されると、全身黒の衣装に身を包んだシンガーの吾龍氏が登場。

▲吾龍氏の登場で会場はライブハウスに様変わり。
「みなさん立っちゃいましょう!」と呼びかけ、観客は総立ち状態に。「ホシノオトシモノ」がバックバンドに回り、吾龍氏が圧巻のパフォーマンスを披露。「IGNITION」「Aching Void」の2曲を歌いあげ、会場を一瞬でロックなライブハウスへと仕立て上げてしまった。

▲圧巻のライブパフォーマンスで会場はヒートアップ。
吾龍氏が降壇し、再びステージは「ホシノオトシモノ」へとバトンタッチする。
「千刃散華」を演奏すると、今度はシンガーの西沢幸奏氏が登場。先ほどの吾龍氏に負けず劣らずの声量で圧倒的なステージングで観客を引っ張り、「八千夜の夢」「千夜に咲く」の2曲を立て続けに歌いあげる。

▲西沢幸奏氏も大熱唱。
ステージはまたも「ホシノオトシモノ」の独壇場へ──いや、なにこの目くるめく音楽の洪水は。全身が鳥肌立ちまくりの、歓喜と興奮の嵐である。
そもそも、「ホシノオトシモノ」の演奏力が高すぎる。楽曲ごとにメンバーを入れ替え、和洋折衷の音楽を完璧に演奏する技量に脱帽だ。
その後は「Missing savior」から「Curiosité」まで5曲を一気に駆け抜けた。
最後に、3人目のシンガーである小寺可南子氏が登場。これまでのステージを締めくくるような、「Immaculate」の熱唱で会場を沸かせた。

▲小寺可南子氏が歌い上げる。
「ホシノオトシモノ」は実に16曲を演奏し、完璧な演奏でファンを魅了した。「持ち時間を過ぎたから演奏を終えました」的な雰囲気だったが、時間があったら永久に演奏していたに違いないと思わせるほどのパフォーマンスに、会場は大興奮だ。
業務で「発生」したバンド、EDEN's CLINE
そして、コンサートのラストを飾るのは、開発元のサウンドチームを中心に「発生した」という「EDEN's CLINE」だ。

▲「EDEN's CLINE」は、『アナデン』のコンポーザーが集まったバンド。
なぜ「発生」なのかというと、会社員なので「業務として発生したから」らしい。近未来的なデジタルサウンドとバトル曲のダイナミクスで、これまた見事な演奏を披露。
「The Pandemic Elegance」「Apocalypse Crucible」「殲滅テレメトリ」「正誤判定」と4曲演奏したところで、小寺可南子氏が再度登場。まさか、「EDEN's CLINE」もバックバンドに回れるとは!変幻自在の演奏巧者っぷりがたまらない。

▲再び小寺可南子氏が登場。
力強い歌声で「Alphecca~螺旋律の祈り~」「Interstellar〜螺旋律の願い〜」の2曲を歌い上げ、「EDEN's CLINE」のステージに温かな余韻を残した。
アンコールは、「トキノワスレモノ」と「ホシノオトシモノ」の2バンドが共演。『アナデン』のオープニングテーマ「Another Eden~時空を超える猫~」で締めくくられた。
約10年前のリリースを告げるのも、これからの10周年に繋ぐのも、やはりこのお馴染みのオープニング曲だ。

▲2バンドの豪華共演。いや、正直『アナデン』コンサートの演奏者たちはどうかしていると思う。だって、全員が常軌を逸した上手さなのだ。
2026年9月17日には、Nintendo Switch 2、Nintendo Switch、Steam向けの新作タイトル『アナザーエデン ビギンズ』の発売も控えている。
『アナデン』は運営10年目に入ってなおスピードを緩めるどころか、さらに加速して20周年を目指す構えだ……。筆者は、そう確信した。
アフタートークで新曲をサプライズ披露
しかし、ここで終わらないのが『アナデン』コンサート。
昼・夜公演の通しチケットの購入者には、特典として夜公演後にアフタートークが開催。出演者たちがステージに次々と登場し、砕けた雰囲気でざっくばらんなトークを繰り広げ、嬉しいファンサービスをプレゼントしてくれた。
「トキノワスレモノ」のヴァイオリン担当、壷井彰久氏は「人前でやるのはほとんど初めてで、デビューライブみたいな新人です」と話し、ド新人っぷりで会場の笑いを誘った。
「ホシノオトシモノ」のキーボードを担当するRyuta氏は「本日のコンサートを記念してゲーム内でガチャを引いたところ、(目当てではない)レンリが出た。本当は、エルシールが欲しかった」とプレイヤーとしてのエピソードを披露した。
シンガーの西沢幸奏氏は「倒れそうなほど緊張して、4秒吸って8秒吐く深呼吸を繰り返していたが、直前に歌った吾龍氏が会場を温めてくれたおかげで気持ちよく歌えた」と感謝を述べた。
プロキオン・スタジオからのスペシャルゲストである作曲家・土屋俊輔氏は、タンバリンを叩きながらステージ上を歩き回る演出について「(ステージから)落ちないように必死だった」と振り返った。

▲スペシャルゲスト、作曲家の土屋俊輔氏は、タンバリンでステージを盛り上げた。
「EDEN's CLINE」の林茂樹氏は、本公演の出来を問われ「120点。やったぜ茂樹!」と力強く宣言。
その後、締めくくりとして「外史 望郷の魂と逆星の旅人」のオープニング主題歌「Timeless Cry」の生演奏がサプライズで披露された。
よく考えたら『アナデン』はシングルプレイ用のゲームだが、こうして会場に足を運べば「他者との感情の共有ができるじゃん!」と、筆者はそんな当たり前すぎる「ワスレモノ」を会場で見つけた気がする。そんな、プレイヤーの温かさを感じられるコンサートだった。

10年目の鼻歌は『ビギンズ』へと続く
1つのゲームがこれだけ長く続くには、相応の理由がある。その理由を、この日の会場の熱量がまざまざと見せつけてくれた。
そして、このコンサートが、新たなビギンズ(始まり)へ向かうための助走どころか、ジェットエンジン並みの後押しになったと、筆者は思う。

だって、帰り道を歩いている最中も、さっき聴いたオープニングテーマが頭から離れなくて、ずっと鼻歌を歌いっぱなしだから。
とりあえずいまは、筆者のはやる心をなだめなくては。次の10年に向かうのはそれからだ。
#アナデンコンサート
— アナザーエデン 時空を超える猫 (@rpg_AE) July 18, 2026
ご視聴、ならびにご来場誠にありがとうございました!
アナザーエデンの音楽を彩ってきた3バンドが集結した特別な「音楽の祭典2026」、楽しんでいただけましたでしょうか。
今日の感動をもう一度味わいたい方、… pic.twitter.com/G0RMkgaJNI
ニコニコ生放送にてアーカイブを視聴可能

ニコニコ生放送では、本公演のアーカイブを視聴可能だ。チケット未購入の方でも一部が視聴できる「チラ見せ」パートもある。
コンサートに行った方も行けなかった方も、ぜひチェックしていただけたら幸いだ。
| 販売期間 | 2026年7月7日(火)22:00〜8月9日(日)21:00 |
|---|---|
| 視聴期間 | ~2026年8月9日(日)23:59まで |
| 価格 | 各公演 5,500円(税込) |
夜公演のセットリスト
第1部 トキノワスレモノ
- 殺されし時よ、人よ
- 風薫る大地
- Ambivalent Mirage
- 時層回廊 / Paradoxical Dreamers メドレー
- 緑の村 バルオキー
- 星を継ぐもの featuring 焦燥
- なつかしい笑みに包まれて
第2部 ホシノオトシモノ
- 時の女神の帰還
- 螺旋の焔が抱く夢は
- 朱雀〜鬼哭舞闘〜
- 魔境血風陣
- The Imperfect Rebellion
- IGNITION(Vocal:吾龍)
- Aching Void(Vocal:吾龍)
- 千刃散華
- 八千夜の夢(Vocal:西沢幸奏)
- 千夜に咲く(Vocal:西沢幸奏)
- Missing savior
- Deceitful seraph
- エルの唄 Instrumental Ver.
- Dans le vent
- Curiosité
- Immaculate(Vocal:小寺可南子)
第3部 EDEN's CLINE
- The Pandemic Elegance
- Apocalypse Crucible
- 殲滅テレメトリ
- 正誤判定
- Alphecca~螺旋律の祈り~(Vocal:小寺可南子)
- Interstellar〜螺旋律の願い〜(Vocal:小寺可南子)
Special トキノワスレモノ&ホシノオトシモノ
- Another Eden~時空を超える猫~
アフタートーク EDEN's CLINE
- Timeless Cry(Vocal:西沢幸奏)
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GameWith編集者情報

| フリーランス物書き。ドーナツ食べながら子どもとゲームするのが至高。好きなジャンルはインディーズとFPS/TPS。ゲームの腕前は皆無のポテトゲーマー。ジャンルやタイトルにとらわれずゲーム業界全体に興味があります。ゲーム以外にはアウトドア系やローカルニュースなどを執筆中。普段は塾講師、ときどきラジオパーソナリティ。 |
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