『萬手一体』先行プレイレビュー！全身が“手”になる悪夢、歪んだ記憶や負の感情から生まれた敵とのバトル

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Lightning Gamesから4月22日に発売される『萬手一体（Out of Hands）』は、実写風コラージュという独創的なスタイルと、デッキ構築型カードバトルを融合させたスリラーゲームである。

プレイヤーは、一夜にして全身が“手”で構成された名状しがたい存在へと変貌してしまった主人公となり、歪んだ記憶や負の感情から生まれた異形の敵と戦うことになる。その戦いは、カードを駆使して繰り広げられる。

オープニングにおける主人公の変貌は、悪夢の始まりを告げる強烈な導入となっている。「私は……手だらけの体になっていた」という独白とともに、画面に映し出されるのは、蠢く指が肉を形成していく不穏なビジュアルである。

この演出により、ゲームのジャンルのみならず、現実と幻想の境界までもが曖昧になっていく。自分の姿やパーツそのものに拒否反応を覚えかねないが、そこを乗り越えれば、「なぜこんな姿になってしまったのか？」という真相を解き明かしたいという衝動に駆られるはずだ。

ゲーム内のあらゆるアイテムが「武器」となる
アップグレードするほど人間からかけ離れていく
「ミステリー」「ロジック」「行動」の声に耳を傾ける

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萬手一体

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ゲーム内のあらゆるアイテムが「武器」となる

『萬手一体』の中核を成すカードバトルでは、ゲーム内のあらゆるアイテムが使用可能である。万年筆、定規、インクなど、身近にあり「手に持てる」道具が強力な武器として戦いで活躍する。戦闘では「左手」「心臓」「右手」が要素の中心となっており、これらはすべて開発者自身の手を撮影して繋ぎ合わせたビジュアルで構成されている。見る者に目を背けさせるほどの異様さを放っている。

しかし、右手は敵を攻撃し、左手は自らを防御する。そして心臓は命の源であり、ヘルスが削りきられれば戦い半ばで倒れる。すべては自分の肉体であり、異形に変わり果てたとはいえ唯一の味方でもある。この事実が、身体ひとつで戦い抜く覚悟をより強固なものにする。

バトルシステムは、手に入れたカードを組み合わせてデッキを構築し、「威力は高いが一点突破型」や「一撃のダメージは低いが複数の敵を同時に攻撃可能」といった特性を戦術的に使い分けていく奥深さがある。攻撃を防ぎながら反撃のタイミングを待つのか、それとも強力なカードを連発して一気に攻めるのか。そうした冷静な判断と戦略性が、勝利の鍵となる。

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アップグレードするほど人間からかけ離れていく

敵は悪夢の住人であり、主なキャラクターは「手」によって構成されている。そのビジュアル自体がプレイヤーの心を大きく揺さぶる存在である一方、バトルの構造は論理的に構築されている。「後列に控える敵が本体」「前列の敵が後列への攻撃を阻む」といったカードバトルの基本原則に忠実で、リアルタイムストラテジーにも通じる緊張感と戦術性が味わえる。

さらに、主人公の両眼・鼻・口といった顔のパーツは「アップグレード」が可能となっている。これらもやはり「手を組み合わせたもの」で構成されており、異形の能力とともに口に爪が生えるなど、驚きの進化を遂げていく。元の姿に戻ろうとあがけばあがくほど、人間から離れていくもどかしさに身もだえそうになるだろう。

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「ミステリー」「ロジック」「行動」の声に耳を傾ける

プレイヤーは悪夢の世界で「ミステリー」「ロジック」「行動」という3つの思考の声に出会うことになる。これらの声に耳を傾け、それぞれの視点から語られる断片的な情報を繋ぎ合わせることで、混沌とした悪夢の裏にある真実へと近づいていく。「ロジック」は客観的な事実と背景を提示し、「ミステリー」は幻想的な雰囲気を醸成し、「行動」はプレイヤーを闘争へと駆り立てる。この内面的な対話が、物語に深みと心理的スリルを与えているのだ。

物語が進むにつれ、主人公の過去と深く関わる女性の存在が浮かび上がる。「彼女」は一体、主人公にとって何だったのか。そして、なぜこのような姿に変貌してしまったのか――。愛や野心など、掴もうとしても指の間からこぼれ落ちるものたち。そのもどかしさと喪失感こそ、本作の英題「Out of Hands」が象徴していると言える。