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『World of Tanks』『World of Warships』など、さまざまなMMOゲームを作ってきたWargaming。
同社に対しては、やはり「ミリタリーに強い」という印象を抱く方が多いのではないだろうか。

しかし、4月2日よりアーリーアクセスを開始する『Steel Hunters』は、なんとロボットが主役の対戦シューターだ。
本記事では、ウォーゲーミングジャパンで開催されたメディア向け体験会のプレゼンと試遊のレポートをお届けする。

目次

STEEL HUNTERS
メカに搭乗するのではなく、あなた自身がメカなのだ
本作は、巨大なメカが登場する対戦シューターだ。本作の地球には、大規模な隕石落下「メーデーオメガ」が発生し、スターフォールという地球外物質がもたらされる。
この物質は強い放射性により地球を危険な環境にしたが、新技術を作り出すための素材としても活用された。
スターフォールの影響を受けた人類の中には、「プロミス」というメカになる力を得る者もいた。最初こそ偶然の産物だったが、技術を確立したことで各国の企業や組織がこぞってハンター(メカ)を作り出し、今ではスターフォールを奪い合う状態になった。
プレイヤーは、数あるハンターの中から好みのものを選び、他のプレイヤーと戦う。つまり、あなたはメカを操縦するパイロットではなく、メカそのものなのだ。

本作のゲームプレイは、デュオを組んで12人(2人チームが6組)が箱庭マップを舞台にぶつかり合う。個性豊かなスキルで戦うヒーローシューター、生き残りをかけて戦うバトルロイヤル、生存して脱出を目指すエクストラクションシューターの3要素が合体している。
過去に開催されたクローズドβテストでは延べ20万人が参加し、ビジュアルやゲームテンポ、試合終盤の緊迫感に好評が集まったそう。建設的な意見も多数届き、それを活かしてアーリーアクセス版に改善を施しているという。

基本プレイ無料ではあるものの、アーリーアクセス時点では課金要素は一切なし。お金をかけずにすべての要素を楽しむことができる。
正式リリースは2025年内、なるべく早くを予定しており、課金要素は慎重に導入していくとのこと。低コスト高バリューな課金要素を目指すほか、課金せずともコアの部分は問題なく楽しめる、プレイヤーファーストな仕組みをキープしていくという。

STEEL HUNTERS
さまざまなデザインのハンターが登場
アーリーアクセス配信時に登場するハンターは以下の通り。3ヶ月ごとに更新されるシーズンで、各シーズン1体ずつの追加を予定している。

▲Razorsideは万能タイプ。どんな状況でも柔軟に立ち回れるオールラウンダー。

▲Ursusは大柄で装甲が厚く、近距離戦が得意なタンクタイプ。

▲FenrisはUrsusと同じ4足歩行だが、装甲が薄い。その代わりスピードが早いので、奇襲や回り込みが得意。

▲Heartbreakerはスナイパー。打たれ弱いが、エイムが得意なプレイヤーには魅力的。

▲Prophetは、ドローンの召喚や攻撃要請など、敵をかき乱す戦略的なキャラ。

▲Trenchwalkerは現状唯一の衛生兵的な役割。自分や味方を回復可能で、サポートに長ける。

▲Weaverは、蜘蛛のような見た目で、地形を利用して待ち伏せをしたり、ミニガンで敵を圧倒したりとトリッキーなプレイスタイル。
加えて、イベント会場では5月に追加予定の新たなハンターもお披露目された。詳細はまだ秘密とのことだが、攻撃的なデザインで、突進して戦うようなハンターだという。


STEEL HUNTERS
戦闘はエイムが苦手でも大丈夫。最大の武器は「戦略」
今回試遊でプレイしたのは、「Last Stand」と呼ばれるゲームモードだ。このモードはPvPvE形式となっており、12人のプレイヤーとぶつかり合う。他のプレイヤーをすべて倒す、もしくは脱出地点を一定時間守ることで試合に勝利できる。
試遊はAI戦だったが、アーリーアクセスではもちろん対人で楽しめる。
試合が始まったら、まずはドローンを倒す。ドローンを倒すと、回復アイテム「リペアツール」や強化アイテム「エナジーセル」を入手できる。
特に、エナジーセルは拾えば拾うほど強くなり、使えるスキルも増えていくので、拾い得なアイテムだ。

試合では全プレイヤー共通の目標が表示され、ある程度流れがコントロールされている。例えば、強いドローンを倒すと良い報酬が貰える、脱出地点に一番乗りするとボーナスポイントが貰えるといったものだ。
もともとマップが超広大というわけではないのである程度接敵しやすいが、このシステムによってより接敵しやすくなる。そのため、試合が進むにつれて緊張感が高まっていく。

操作感はロボットらしい重厚さがしっかりと表現されており、軽快にジャンプや飛行をすることはない。どのハンターも地に足ついた戦闘を繰り広げる。
Wargaming作品らしく、エイム力や反射神経はそれほど重要ではなく、どちらかというと戦略性や立ち回りが勝敗を分ける要素となっている。味方と敵の位置や、破壊可能なオブジェクトの場所、スキルの使い所などをうまく見極めることが勝利への鍵となる。

ハンターたちには弱点ポイントがあり、エイムが上手ければ戦闘で多少有利になる可能性はある。しかし、どのみち本作のキャラクターの動きは遅いため強力な反射神経は必要ないし、1対2で囲まれると勝ち目はなかなかないので、エイム力によって大きく差が出ることはなさそうだ。
筆者はWeaverとHeartbreakerを使用してみたが、どちらもクセのある性能で、やや立ち回りが難しい。しかし、Weaverはシールドを出せるため継戦能力があったり、Heartbreakerはうまく狙えば高火力が出せたりと、強みがはっきりしているため、慣れれば非常に力強いハンターだ。
ただ、ゲームに慣れていない最初のうちはRazorsideやProphetといった扱いやすい性能のハンターを試してみるのが良いかもしれない。
対戦シューターはしっかり遊ぶと1試合が長くなりがちだが、本作はフルで遊んでも1試合あたり10分~12分ほどとコンパクトな所要時間であるのも好印象。野良マッチングでも、友達と一緒に遊んでも、気軽にサクッと遊べるのがポイントだ。


STEEL HUNTERS
ミリタリーが得意なWargamingがメカにチャレンジした理由とは?開発者インタビュー
ここからは、Wargamingのコミュニティ担当、ルーク・ニコルズ氏(写真左)と、マーケティング担当、ローラン・ラルティジアン氏(写真右)へのインタビューをお届けする。

──本作はヒーローシューター、バトルロイヤル、エクストラクションシューターの要素の組み合わせと仰っていましたが、それらの作品とはどのように差異をつけていますか?
ローラン・ラルティジアン氏(以下、ラルティジアン氏):
本作のゲームプレイやキャラクターなどはかなり特殊で、このジャンルにおいてもかなり新鮮なものだと感じています。
ルーク・ニコルズ氏(以下、ニコルズ氏):
メカゲームとしても、世間はハイスピードなメカアクションが多い中、本作は重厚感のあるスローペースな作品なので、そういった点でも新しいのではないかと思います。
──Wargamingさんといえば、やはりミリタリーがテーマのゲームの印象が大きいです。その中で、なぜ今回のようなSci-Fi世界のロボットアクションに挑戦したのでしょうか?
ラルティジアン氏:
もちろん、私たちもミリタリーゲームを数多く手掛けてきたことは自負していますが、戦車に戦艦、戦闘機とかなり手広く展開してきたため、題材にしやすいものが少なくなってきてしまったんです(笑)。
メカは非常に魅力的なコンテンツですし、私たちとしても大好きなものなので、チャレンジしてみることにしました。
ニコルズ氏:
私たちにとっては新鮮味のある分野ですし、弊社のスタッフの間でもロボットやメカは非常に人気があるので、ある意味では自然な流れなんです。

──ハンターのメカデザインは、どういったものからインスピレーションを受けていますか?
ラルティジアン氏:
デザインを考えるときは、まずゲームデザインから入ります。そのハンターにどのような活躍をさせたいのか、という部分はデザインを作る上で重要なポイントとなっています。
それが決まった後、初めて見た目のデザインに取り掛かります。本作はひと目でどんな役割かわかるようなデザインを目指していますし、それを作る中でさまざまなインスピレーションを得ます。
例えば、動物モチーフだったり、工業的な雰囲気のものであったり、人間的であったり、といった具合ですね。現在人気があるのは、やはり動物や生き物をモチーフとしたもので、ユニークな存在として注目いただいているようです。
──動物や人間的なデザインと、重厚感のあるロボットらしい作りを両立させるための苦労はあったのでしょうか?
ラルティジアン氏:
本作の開発において常に課題だったのは、巨大ロボットの重厚感をしっかり出すという点です。ただ動きを遅くするだけだと、反応が悪かったり、爽快感に欠けてしまったりと、問題がありました。
そこで、実際には動物的・人間的な動きをしつつも、動き出す瞬間はモーターのようにゆっくり動き出し、ジャンプなどアクロバティックな動きはなるべく減らすという形で調整しています。

──プレゼン内で、本作にはワイプが無いと仰っていました。エクストラクションシューターは、ワイプが無いと長くプレイしている人ばかりが強くなってしまうのではないかという懸念があるのですが、本作はどういった対策をしていますか。
ラルティジアン氏:
まず前提として、本作はエクストラクションシューターの要素をいくつか取り込んでいますが、完全なエクストラクションシューターではありません。ゲーム内にはスキルツリーや進行によってキャラクターを強化していくという要素はありますが、そもそも根本の仕組みが異なります。
プレイヤー間の公平性については、マッチメイキングによってバランスを取ろうと考えています。進行度やハンターのレベルが近いプレイヤーをできるだけマッチングさせることを目指しています。
──本作はデュオ前提の作品ですが、デュオであることの重要性をお聞かせください。場合によっては、野良のプレイヤーとマッチメイキングしたら、勝手に一人で行動してしまうということも考えられると思うのですが、1人1人が行動しても勝利できるようになっているのでしょうか?
ラルティジアン氏:
本作において協力することは非常に重要で、2体1の状況になるとかなり不利になると思います。極めて戦略に長けたプレイヤーでもなければ、覆すのは難しいでしょう。
ただ、野良プレイヤーともちゃんとプレイできるよう、ゲーム内で指示を出せるシステムを導入しています。「ここを攻めるぞ」というような意思を表すことができるので、ある程度協力しやすいのではないかと思います。
ニコルズ氏:
本作は試合の進行によって目指すべき目標地点が変わるため、プレイヤーの流れを誘導できるとも考えています。
また、片方がやられてしまっても、ペナルティ付きで復活することが可能なので、1人になっても逃げれば生き延びられるかもしれません。

──ランクマッチなど、腕前を示すためのモードは用意されるのでしょうか?
ラルティジアン氏:
アーリーアクセス開始時点ではありませんが、正式版に向けてはそういった要素の導入を考えています。実際に競技志向のプレイヤーからの要望もいただいていますので、必ず実装したいと思います。
また、現状特にe-Sports展開は考えておりませんが、テスターを集めてトーナメント形式でプレイしたときは非常に盛り上がったので、実は本作にはそういった可能性もあるかもしれませんね。
──Wargamingの他の作品では、さまざまな他社IPとのコラボも魅力でした。本作でもコラボを予定していますか?
ラルティジアン氏:
はい、もちろんです。まだ詳細については何も言うことができませんが、Sci-Fiの世界設定ということで、コラボの幅はとても広いのではないかと考えています。
ニコルズ氏:
私たちとしても、やはり他社さんとのコラボは非常に楽しみにしています。今後、何かしら実現できたら嬉しいですね!
──ありがとうございました。
『Steel Hunters』は、PC(Steam / Wargaming.net Game Center)向けに、2025年4月2日アーリーアクセス開始予定(正式ローンチは2025年予定)。
詳しくは公式サイトをチェックしてほしい。
▶公式サイトはこちら
STEEL HUNTERS
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/Xbox
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/PC/Xbox
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6,980円(税抜)