『ゼンレスゾーンゼロ』配信開始!気になっている人を後押しする特集。あとメイドさんについて語る━━【PR】
2024年7月4日(木)、HoYoverseの大作がまた一つ世に放たれた。PC/Android/iOS/PlayStation®5用ゲームソフト『ゼンレスゾーンゼロ(以下、「ゼンゼロ」)』だ。
「都市ファンタジーアクションRPG」と打たれたこのゲームは、同社が運営する『原神』『崩壊:スターレイル』に続く、新たなオタク系バズりコンテンツの到来を予期させる。
そんな本作はこれまで過去数回にわたってクローズドβテストを執り行ってきた。
プレイするほどに、アニメ・映画・漫画・ゲームといった無数のサブカルチャーコンテンツへのリスペクト、そして永らく語り継がれる名作の深みを研究し、自分たちの解釈で練り上げてきた新規IPなのだと感じずにはいられない。
如何にしてここまでエンタメ性の高いゲームに昇華できたのか?
そうした彼らのモノづくりの過程の謎は深まるばかりだが、公式YouTubeのトレーラーやキャラクターエピソードを見るに、既存のHoYoverse作品とは全く異なる親しみやすさを直感でも理解できるのが恐ろしいところ。
しかし、世の中にはまだ『ゼンゼロ』の名前は耳にしていても、手を出すべきか迷っているなんてユーザーもいるはず。
そこで本稿では、『ゼンゼロ』の概要をざっくり紹介し直しながら、迷える羊たちの背中を後押しできればと考えた次第である。
※画面は開発中のものです。
※本記事はHoYoverse の提供によりお届けしています。
『ゼンレスゾーンゼロ』は入りやすいゲーム
さて、昨今のゲームは何かと作り込まれていることが大前提。それは世界観の壮大さだったり、キャラクター同士の関係性だったり、モデリングの緻密さだったり。
一方で、そうした作り込みの弊害が顕在化しているという見方もある。複雑な世界観やストーリーテリングは考察で奥深さを増す反面、これからプレイするユーザーにハードルの高さを感じさせてしまう。特に固有名詞を理解する過程で、脱落してしまったユーザーは少なくない。
それならば『ゼンゼロ』はどうなのか?
日々海外の新作スマートフォンゲームを追い続け、機会があれば積極的に触れている筆者の実体験から申し上げると、「これまでになく入りやすいゲーム」と、大手を振って言える。世界観然り、ストーリー然り、戦闘システム然りである。
そこには人気のアニメ作品や漫画作品に通ずる“キャッチーさ”が、いずれの要素に満遍なく内包されているからだと考えている。まずは物語と世界観を簡単に紹介しよう。
日常と非日常のギャップがたまらない世界観・ストーリー
『ゼンゼロ』は、近未来都市「新エリー都」を舞台に巻き起こる、数々の事件をエージェントたちと解決に導く都市ファンタジーアクションRPG。
主人公は表向きに街の小さなビデオ屋を経営しつつ、裏では超常的な自然災害「ホロウ」内部で活動する者をナビゲートする、プロフェッショナルな兄妹。伝説的な存在「パエトーン」として知られ、ワケあって新たな身分で再び名声を高めていく。
根幹となる舞台設定が“近未来の都市”という土台なので、全く知らない未知のファンタジー世界と、その世界の常識をイチから知り得る工程は比較的少ない。物語の描写だけですんなり理解できる作りでもある。
さらにこの世界ではマニア向けのビデオ屋、常連が賑わうラーメン屋、アーケードゲームが置かれたゲームセンター、駐車場や駅前の交差点など、現実世界にありふれた当たり前の光景が普通に広がっている(ビデオ屋はほぼ見かけないが)。
こうした平和な街の日常とは対極的に、裏では陰謀が渦巻き、度々大きな事件が巻き起こるのが新エリー都の日常。
主人公たち兄妹は、独自のルートから知り得た情報と、事件の渦中にある人物たちからの依頼を受けて、概ねホロウ災害絡みの事件に迫っていく。
平和な日々と、きな臭い事件を追う物語で二面性を持ち合わせるのが『ゼンゼロ』の世界観と物語だ。
プレイヤーはこの二面性から生じた日常と非日常のギャップを、主人公兄妹越しに体感していく。主人公になりきるのではなく、やや俯瞰的な視点でストーリーは進行し、たまに群像劇のようでもある。
何気ない生活を普段通りに送っている街の人々。そんな彼らの中には裏社会で暗躍し、想像が付かない危険と隣り合わせな毎日を送る者たちがいる。
本作はその当事者として彼らの活躍をエンタメ的に楽しめる作品だ。アニメ・漫画的というほかない、親しみやすさの理由であって、プレイヤーをワクワクさせてくれること間違いナシである。
直感的でとにかく映えるバトルシステム
バトルはエージェント3名でステージを攻略していくアクション。通常攻撃、スキル、必殺技(終結スキル)のほか、キャラクター切り替えと回避によるスピード感満載のバトルシステムが特徴的だ。
キャラクターごとに攻撃の派生技やタメ技があったり、終結スキル後に一定時間強化されたりと、強みと個性がわかりやすく強調されていて、使い分ける楽しみが大きい。
また、敵の攻撃タイミングに合わせて回避する「極限回避」、同じく敵の攻撃タイミングに合わせてキャラクターを切り替える「極限支援」と、アクションゲームらしい攻防の起伏も忘れない。これら本格的なアクションバトルを、簡単なボタン操作で楽しめるのは、本作を紹介する上で外せない魅力。
しかし中には「スマートフォンでアクションゲームを遊ぶのはなぁ...」と、感じているユーザーも少なからずいる。
そうした声に対しても『ゼンゼロ』はマルチプラットフォーム対応しているため、アカウントが1つあればどこでも遊べる。出先ではスマートフォン、自宅はコンソール版でプレイするなど、遊び分けても快適。シネマティックなバトル体験を誰でも楽しんでいただける。
注目してもらいたいのがどのキャラクターも攻撃モーションが洗練されていて、とにかく映えるしカッコいいという点。
動画を残してわざわざ過去のプレイを見返したくなるほどスタイリッシュで、誰もがカッコいい戦いを感覚で演出できてしまえる。
各キャラクターの特性も、使い込むことで十分理解していける仕組みだ。アクションゲームの楽しさと奥深さを、カジュアルなプレイヤーでも段階的に理解し、体感できるゲームデザインとなっている。
HoYoversesの既存作を全く知らない人でも、新たに本作からデビューできるポテンシャルは十二分。キャラクターも既存作にはないアプローチで、魅力的に描かれているため、ぜひ実際に手に取って試していただきたい。
『ゼンゼロ』の物語、世界観、バトルと来たら次は「キャラクター」だ。HoYoverse作品のキャラクターは皆魅力的で、キャラクター目当てにゲームをプレイするユーザーも多い。そこで以降は正式リリース後に体験できるストーリーにおいて、プレイヤーたちを待ち受ける“とある勢力のエージェント”について紹介していきたい。
ただし、そのままキャラクター紹介するだけというのは何も捻りがないので、ちょっとした企画モノとしてお送りしていく。
なお、他の登場キャラクターについては上記で紹介しているので、キャラクターのビジュアルを確認したい方は合わせて覗いてみてほしい。
ここからは「ヴィクトリア家政」のお時間です、ご主人様。
突然だが、ここからは「メイド」について語る。
メイドの歴史は古く、イギリスでは16世紀〜17世紀にかけて、現在知られているような使用人の名前が散見されるようになったと言われる。
18世紀には使用人文化が形を整え始め、中流階級の家庭でもメイドが多く見られるようになる。19世紀〜20世紀初頭においては、文明の近代化によってライフスタイルが大きく変化。それにより使用人文化は徐々に衰退の一途を辿るようになった。(※1)
メイドにはこうした歴史的背景があるわけで、『ゼンゼロ』にも「ヴィクトリア家政」と呼ばれるメイド勢力が登場する。彼女たちは“ご主人様”の命を受け、ある任務で偶然主人公たちと邂逅する派閥の1つ。
■ヴィクトリア家政のメンバーたち
バトラー(執事)であるライカンをリーダーに据え、メイド長のアレクサンドリナ、自己肯定感の低いカリン、新人なのにやや怠惰なエレンと、実に色濃いメンバーが揃う...。
そこでふと思ったのが、「ヴィクトリア家政」はどのようにメイド&バトラーを解釈したのか?ということ。
無論、創作物なのでキャラクター付けやメイド&バトラーに対する誇張した表現は必要不可欠。しかしこれほどグローバルに支持されるHoYoverseのキャラクターを、改めて注目したいと魔が指してしまった。
ということで、同社がどこまで「キャラクターづくり」に向き合っているのかを観察すべく、今回はキャラクター紹介を簡単な企画モノにしている。早速いくつかの参考文献を片手にメイドさんの歴史とヴィクトリア家政を紐解いていこう。
【観察対象No.1】
カリン・ウィクス
カリンは作中のキャラクターの中でも著しく自己肯定感に欠けている。何事にも「自信」というものがなく、気の弱さが大いに露呈している少女である。
節々にドジっ娘ぽさが滲み出ているシーンもあるので、ここではドジっ娘メイドは本当に実在したか否かを確認してみる。
かつて19世紀に刊行されていた雑誌『Cassell's Family Magazine(カッセル・ファミリー・マガジン)』の1894年号にはコラムが掲載されており、そこでは最近のメイドについて、真偽は定かではないものの、さまざまな苦労エピソードが寄せられていたという。
中には“ほうきの使い方は習っていないが楽器は上手くひける”と、主人に不要な技能を得意気にアピールするメイドもいたくらいなのだとか。(※3)
彼女の場合、カリンとは対極的に得意分野で自信過剰といったところだが、雑誌にそうしたエピソードが複数寄せられるくらいには、主人を困らせる天然メイドがいたのも想像に難くない。そしてこの頃は仕事ができないメイドの風刺的なイラストも残っており、ドジっ娘メイドくらい十分にあり得そうな話。
カリンの名誉のために触れておくと、彼女自身はどちらかと言えば、主人公含めて周りからも信頼されている人物。仕事はきっちりこなしているようで、戦闘面でも頼りになる描写がある。
また、幼い風貌のカリンだが、使用人文化で見ると、15歳の若さで「メイドオブオールワーク(あらゆる仕事を1人で担う雑用メイド)」として雇われた少女もいたようだ(※2)。裕福でない家庭が娘を使用人として働かせるのは、当時の時代背景を考えても珍しくない。
文献と照らし合わせると、カリンは未熟さが残るメイド少女といったキャラクター付けだろう。
【観察対象No.2】
アレクサンドリナ・セバスチャン
アレクサンドリナはヴィクトリア家政のメイドたちを仕切るメイド長だ。実際のメイドには多くの役割があり、小さなものでスカラリーメイドと呼ばれる皿洗い専門のメイドがいたほど。メイド長ということは、メイドたちを束ねる「ハウスキーパー」といったところだろうか。
彼女はキャリアが長いベテランのメイドで、一見すると非の打ちどころがないように思える。が、趣味で作る料理のセンスが壊滅的。それでは料理がド下手なメイドは実在したのか見てみよう。
本来料理はコックが担当する領域で、下ごしらえなど、一部の調理を任されるキッチンメイド、あるいはほぼ全ての仕事を1人でこなすメイドオブオールワークでもなければ関わることがあまりない。
そして、アレクサンドリナは仕事ではなく“趣味”で料理をしていることから、実際の職務的に料理技術を求められていない可能性が高いと見る。
とはいえハウスキーパーには、教養・料理経験・医療知識など、何事にも経験豊富な女性が好まれていた。(※1)コックが料理を作るのに対して、ハウスキーパーはお菓子や飲み物を作ることもあったそうだ。(※3)
もう少し文献を漁ってみると、ご主人向けの食事をコックが作るのに対して、スタッフの食事はキッチンメイドに任せきりなケースも発見。このときは食材の質も劣悪だったそうだが、とにかくへたくそな料理で凄惨だったらしい。(※2)
実際、料理を専門にするコックとそのサポートをするメイドでは、料理の腕に大きな差が生まれる。先述したケースは手伝いをしていても、技術が未熟なままだからこそ起きたのだろう。おそらく無知ゆえに料理がド下手だったのだと推測できる。結局のところ、そういうメイドはいたと考えても良さそうだ。
もしアレクサンドリナがハウスキーパーだった場合は、やはり料理に関して最低限の技術が求められてくるはず。
だが、当のアレクサンドリナは自分の腕前について自覚がなさそうなので、ヴィクトリア家政のメンバーたちは彼女が自信満々で作り出す悪夢のようなお菓子に辟易している。多分、ご主人様も同じ境遇かもしれない...。
そんなアレクサンドリナだが、作中では上司らしく部下を嗜める場面もある。そこはメイド長というだけあって、業務に取り組む姿勢は真摯。そして過去の歴史で見てもハウスキーパーは女性使用人たちを監督する立場であった。(※3)
ゲームではメイド長とわかりやすく簡略化されているものの、部下のメイドを教育する様がちゃんと描かれているのでそこは流石というべきか。このようにハウスキーパーとの共通点が多い役回りなので、彼女はそうしたところにルーツがありそうだ。
【観察対象No.3】
エレン・ジョー
ヴィクトリア家政でも新人メンバーにあたる彼女は、とにかく気怠い。普段は学生として学校に通いながらも、アルバイト感覚で仕事をこなしているらしい。彼女の中での「メイドさん」とは、メイド喫茶のように商業的でライトなイメージなのだろうか。
特徴的なのはトレードマークとなる大きなサメの「尻尾」。ステッカーを貼ったりペイントをしたり、デコっているのが若者的で可愛らしい。
彼女が仕事に取り組む姿勢はどこか怠けている感が強い。それでも労働に対しては割り切っているようでやるべきことはこなしている。ついでに仕事とプライベートは明確に切り分ける性分のようだ。
そこで気になるのがメイドの労働環境である。エレンは一応学生の身分であり、授業や仕事がない日はヒマを持て余しているほどに余裕な感じ。
かつての歴史における使用人は、勤務時間と休日が厳密に決められておらず、法律にも規定がなかった。さらに契約を結ぶ際は主人との口頭契約が普通で、厳しい条件を課せられる者が多かった。特に先述したメイドオブオールワークは苦労が大きかったことが知られている。
だが、当時の厳しい労働環境から考えても、賃金と手当を受け取りつつ、住み込みで食事が提供される使用人は貯蓄しやすい環境にある。仕える家庭によっては待遇も良かったそうな。(※3)
しかし、使用人は自由時間がほとんどないので、エレンのように学業と仕事を両立させる柔軟な生活は本来難しい。
そこはご主人様が配慮してくれているのか、あるいはヴィクトリア家政という組織が柔軟なのか、ゲーム内で確かめる必要がある。
かつてのメイドとでは働き方や求められる能力が全く異なるが、少なくともヴィクトリア家政のアットホーム感を見るに、エレンたちの労働環境や待遇面はかなり良い方だと考えられる(戦いで命を落とす危険性を除けばだが)。
ちなみにエレンがダラダラしがちな理由はその戦闘力の高さにある。エネルギッシュに動き回る彼女は電池切れを起こしやすい。そうした疲れやすい体質は作中の描写でも見て取れるが、正直な話、彼女の性格的な部分がなきにしもあらずといったところだろう。
学生という身分、誰かに支える忠実な使用人ではなく仕事として割り切る態度、そして仲間からも許されている不良メイド感、これらを加味すると、エレンはヴィクトリア家政の中でもっとも現代的で形だけの商業メイドと言える。
【観察対象No.4】
フォン・ライカン
ヴィクトリア家政のリーダー的存在であるライカンは、「バトラー(執事)」という立場でチーム全体を取りまとめており、エレンからも“ボス”と呼ばれている。
落ち着いた物腰、冷静に状況を観察する分析力、リーダーに相応しい戦闘力と所作の優雅さは“戦う紳士”そのもの。
ライカンは仕事に取り組む姿勢や日々の心掛けなど、使用人としてのエチケットも洗練されていて、欠点のようなものがあまり見られない。
何でもこなせるのはさすがバトラーといったところだが、実は男性使用人もメイドと同様に、複数の役割があるのをご存知だろうか。
一例を挙げると、使用人のトップに君臨する「ハウス・スチュワード(家令)」、男性主人の身のまわりを世話する「ヴァレット(従者)」、客の対応や食卓の給仕を行う「フットマン」などがいる。(※4)
当然それぞれ職務は異なるが、創作物はほとんどバトラーが全てを担うような描かれ方をしている場合が多い。これはメイドに対しても同じことが言える。では、「ライカンは使用人らしくないのか?」と問われると、実はそれも難しい。
本項冒頭でも触れたように、18世紀から中流階級の家庭でも使用人が見られるようになる。しかし上流階級とは異なり、邸宅に数人規模の使用人しか雇えないケースも当時は珍しくなかったようだ。中でもその影響で、何かと苦労が絶えなかったのは、度々紹介しているメイドオブオールワークスとなる。
つまり家庭ごとに雇える使用人にはバラツキがあった。その中にはハウス・スチュワードが居ない家庭も当然存在し、そうした場合にはバトラーがその役割を兼任していたのである。(※4)
役割を担う者がいなければ、使用人1人当たりの業務量は増える。
要するに創作物で描かれる万能執事と万能メイドというのは、その言葉の通り“超優秀な万能使用人”であったか、“人手不足でやらざるを得ない”もののどちらかで解釈しておけば腑に落ちる...はず。メイドオブオールワークス、バトラーオブオールワークスというイメージだ。
ヴィクトリア朝のイギリスと新エリー都のヴィクトリア家政では常識が異なるだろうし、後者にあっては使用人に戦闘能力すらも求められる。
また、ライカンは主人公たち外部の客人の要望すらも、まるで“ご主人様の命令”と同等に遂行できる柔軟なプロの描写から、その優秀さ加減が過剰に醸し出されている。
作中のちょっとしたことでも優秀過ぎるというか、徹底している部分が節々に見られるので、彼1人で何でもこなせる説得力はままある。彼の活躍ぶりやら立ち振る舞いからは、コミックテイストなパーフェクト執事を思わせる。
だが、完全無欠に見えるライカンにも悩みはある。狼というか犬というか、ご主人に仕える使用人らしい風貌と言ったらライカンに失礼極まりないのだが、そうした自分の耳や尻尾が本能的に動いてしまうのは気にしているようだ。
彼との交流を深めていけば、より多くの意外性や親しみやすさを見つけられるだろう。
キャラクターづくりのまとめ
使用人の文化は時代の流れと共に少しずつ役割を変えているので、プロの緻密なメイド考証とまではいかないし、私見もふんだんに交えた作文の範疇を出ない。
ただ、今回ヴィクトリア家政とメイドについて調べていく中で、HoYoverseなりに「メイド」の概念を噛み砕いて再構築し、親しみやすいキャラクターに仕立て上げているのは資料と照らし合わせても伝わってきた。
結論、HoYoverseのメイド&バトラーに対する解釈とは、それぞれキャラクターごとに「クラシカルな使用人のメイド」「メイド喫茶のメイド」「創作でみられる万能執事」と、主に3つの要素を分散させつつ、ときには融合した多様性のあるメイド集団なのだと考えられる。そこにHoYoverseのキャラクターたちが世界でウケる秘密がありそうだ。
実は今回取り上げたヴィクトリア家政以外にも、白祇重工のNPCキャラクターが「墜落制止用器具」をちゃんと身に付けて工事現場にいるなど、その道の人が見ればニヤけるようなキャラクターづくりが徹底されている。
余談だが、ヴィクトリア家政のメンバーたちも身に着けている“黒のドレスに白のエプロン”という定番の組み合わせは、メイドが午後に着用するフォーマルなスタイルとして知られる。無論、家庭ごとに色や服装の細部、材質は異なっていた。
午前中はピンクのドレスを着用していることが多かったようで、参考文献の資料でもそうしたものを確認している。(※1)
今後『ゼンゼロ』でスキンなどの機能が登場するのであれば、ぜひ“午前服のアレクサンドリナ”や、“午前服のカリン”あるいは“学生服のエレン”など、バリエーションに富んだ姿で、ホロウ探索を楽しみたいと勝手に期待している。
参考文献
(※1)『図解メイド』 池上良太著/新紀元社
(※2)『図説 英国メイドの日常』 村上リコ著/河出書房新社
(※3)『英国メイドの世界』 久我真樹著/講談社
(※4)『図説 英国執事 貴族をささえる執事の素顔』 村上リコ著/河出書房新社
リリース記念!ガチャ最大180回分が無料
『ゼンゼロ』では正式リリース記念として、ゲーム内でガチャ最大180回分が無料で行える。そのうち、キャラのガチャが最大100回分無料だ。さらに戦闘中にプレイヤーをサポートしてくれる「ボンプ」を入手するための「ボンプチケット」も80回分がプレゼント決定。
どちらもゲーム内で特定のイベントおよび、目標を達成した上での合計回数となるので、そこはあらかじめご注意いただきたい。
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GameWith編集者情報
東京都福生市生まれのゲームライター。お酒と革靴が好物でソロキャンプが趣味のミニマリスト気質なおじさんです。なぜかアニメ雑誌でHoYoverse作品を紹介している人。 【活動媒体】 GameWith/インサイド/GAME Watch/月刊アニメディア/App Media/Game*Spark/ GameBusiness |