
この度、15周年を迎えるスクウェア・エニックスの人気シリーズ「NieR(ニーア)」。
そんな本シリーズの歴史を振り返る初の展覧会『NieR 15th Anniversary EXHIBITION 消セナイ記録』がサンシャインシティ 文化会館ビル 2F 展示ホールDにて2025年8月9日(土)〜2025年8月31日(日)の期間で開催されている。

開催に際して、メディア向け展覧会で取材する機会をいただいたので、本記事では展覧会の様子をレポートする。
※本記事は、展覧会の展示物やシリーズのネタバレを含みます。また、初見で楽しみたい方はご注意ください。
目次
超巨大なエミールがお出迎え。入口から「NieR」満載!


展覧会の会場に入ると、ヨコオタロウ氏からのメッセージやシリーズの軌跡をまとめた年表などが所狭しとと展示されている。

この時点でかなり足が止まってしまうのだが、振り返ると成人男性よりも巨大な「エミール」の頭がお出迎え。
とんでもない存在感で「NieR」シリーズの展覧会であることを感じさせてくれる。

エミールからの依頼もあり、黒いエミールを会場内の様々な場所で見つける事ができる。
特に報酬などはないが、展示会を回る中でどれだけエミールを見つけられたか競うのも面白いだろう。

シリーズ15周年を記念したキーアートも展示されている。
こちらは『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』よりも後の時代を描いたものとのことで、今後の展開を匂わせるものとなっている。

また、入口から『NieR Replicant(ニーア レプリカント)』のエリアに移るのだが、各エリア同士は重いカーテンで仕切られている。
次のエリアの様子はほとんどわからないため、次に向かうのがとてもワクワクするのは細かいながら楽しいポイントだった。
『NieR Replicant』エリアへ。「NieR」シリーズはここから始まった。

入口から次のエリアに向かうと、『NieR Replicant』のエリアへ。
2010年4月22日にプレイステーション3向けに『NieR Replicant』が、Xbox 360向けに『NieR Gestalt(ニーア ゲシュタルト)』が発売された。
これらが15年前なことに若干ショックを受ける。


▲各キャラクターのメインビジュアルや設定画などがズラリと展示されている。
また、ヨコオタロウ氏が社内向けに作成した『NieR Replicant』の初期企画書も展示されている。

まさに「NieR」シリーズの原点が詰まっており、変化している部分も多々ある一方で「何を引き換えにしても妹を助ける」というコンセプトはこの企画書から変わっていない。

▲初期のニーアの姿。製品版のニーアよりもかなりシンプルなデザインだ。
『NieR Replicant』の名シーンや名台詞を巨木のように展示しているものも。

それぞれ、開発スタッフのコメントも残されており、共感できるものから意外なものまで様々だ。
ぜひコメントも隅々までチェックしてみてほしい。

『NieR Replicant』の最初期武器「鉄パイプ」や「百獣の剣王」「白の書」などのゲーム内アイテムも展示されている。
「鉄パイプ」は実写CM用に制作されたもので、当時のCMを覚えている人には一層味わい深いだろう。

▲鉄パイプの展示。若干シュールであるが、かなりディテールにこだわって作られている。

▲ずっしりとした存在感を放つ「白の書」。実物は世界に2つしかないとのこと。
やはり「2B」が美しすぎる…!『NieR:Automata』エリア

▲『NieR Replicant』エリアに入るときもそうだが、看板に書かれたテキストがファンにはグッとくるポイントの一つ。
『NieR Replicant』エリアを抜けると次は『NieR:Automata』エリアだ。
2017年2月23日にプレイステーション4用ソフトとして発売された本作。前作から7年越しのシリーズ2作目にあたる作品だ。
余談だが、筆者は『NieR:Automata』が大好きである。

そしてエリアに入ると『NieR:Automata』の主人公「2B」の等身大フィギュアが鎮座している。
しっかりと服は布製、肌はシリコン製で制作されているとのことで、その本物感は凄まじい。

▲美しすぎる2B。思わず声が漏れてしまった。
ブーツの質感や初期装備「白の契約」など細かい部分まで抜かりがない。
このデザインの美しさあっての『NieR:Automata』だと筆者は考える。


▲本当にそうですね。
また、「ポッド042」「ポッド153」も立体物として展示されている。
こちらはアニメ「NieR:Automata Ver1.1a」の作画資料として制作されたものなのだが、これもまたすごいクオリティである。

▲兵庫県高砂市の「匠工芸」さんが手がけたとのこと。背景のセリフもアツい。

▲『NieR:Automata』エリアでは名シーンと名台詞がブラックボックスのように展示されている。
「NieR」シリーズ10周年記念で制作されたスタチューやジオラマなども展示されており、『NieR:Automata』エリアは立体物の展示が特に多いエリアだと感じた。


数々のストーリーが交錯するスマホ向け作品『NieR Re[in]carnation』エリア

『NieR:Automata』エリアの次は『NieR Re[in]carnation』エリアに繋がる。
2021年から2024年まで配信されていたスマートフォン向けアプリ作品で、多くの登場キャラクターの物語が展開される、シリーズにおいても独特な作品だ。

目を引くのはその展示方法で、壁に埋め込まれたいくつもの画面でゲーム内のシーンを流しているというものだった。

▲圧巻のキャラ数。この数のキャラクターそれぞれに物語があるというのだから驚かされる。

惜しくも現在はサービスを終了してしまった本作だが、この展示会のために作られた等身大の「ママ」が展示されている。
今、等身大の「ママ」に会えるというだけでも本展示会に足を運ぶには十分だろう。

▲布地が繊細に表現されている「ママ」。あまりにもかわいい。
衣装が大集合!圧巻の展示数の『舞台劇ヨルハ』エリア

『NieR:Automata』の前日譚にスポットを当てた舞台作品『ヨルハ~自動歩兵人形』を始めとする『舞台劇ヨルハ』の展示を行うエリア。

こちらでは『少年ヨルハ』以降の衣装が大量に展示されており、エリアに入った瞬間の情報量がすごい。

そのどれもが繊細に作られており、舞台で見る衣装をかなり至近距離で観察することができる。
使用している武器などの小道具も同時に展示されているので、1着ずつじっくりと観察していただきたい。

なお、こちらの展示は前期展示(8月9日~8月19日)と後期展示(8月20日~8月31日)で展示内容が切り替わるので、詳細は公式サイトを確認してほしい。

シリーズを象徴する「あの花」こと『月の涙』エリア

展示会の最後には「月の涙」が咲き乱れるエリアが。
シリーズを「追憶」している本展示会にピッタリと言えるだろう。

規模の大きいエリアではないものの、こちらは実際に足を運んでその「エモさ」を味わっていただきたい。
物販コーナーやメッセージボードも

すべてのエリアを抜けた先には物販コーナーでグッズの販売が行われている。
展覧会限定グッズも販売されているので、欲しいと思ったアイテムは記念に買っておこう。

▲「NieR」シリーズのとあるエンディングを彷彿とさせる。
また、出口にはメッセージボードがあり、おなじみの「イクラ」(敵の攻撃弾)を模したシールにメッセージを書いて貼れるようになっている。

メディア向け展覧会では数が少なかったものの、期間を経ることで壮大な弾幕になっていることだろう。
中央にはヨコオタロウ氏や齊藤プロデューサーの直筆メッセージも見ることができるので、会場に足を運んだ際はぜひチェックしよう。
まとめ

「NieR」シリーズ15周年を記念した展示会ということで、制作の裏側を垣間見れる資料や高クオリティの立体物など、シリーズファンにはたまらない展示が並んでいた印象だ。
本記事では紹介しきれなかった開発スタッフのメッセージや設定資料がまだまだ展示されているので、「NieR」シリーズに思い入れの深い読者の方はぜひ実際に展示を隅々まで堪能していただきたい。
『NieR 15th Anniversary EXHIBITION 消セナイ記録』は2025年8月31日(日)まで、サンシャインシティ 文化会館ビル 2F 展示ホールDにて開催中。チケットは日時指定制で2,500円だ。
公式サイトはこちら© SQUARE ENIX
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