角満のゲー漫 第56回!今回は発売から1年を迎えた『あつまれ どうぶつの森』をピックアップ。角満さんの「しつこいプレイスタイル」が産んだ、“あつ森”で自慢したいこととは?
もう1年経ったのかあ
俺は基本的に何事もシツコイ人間なので、気に入ったゲームがあったりしたらチクチクといつまでも遊び続ける傾向にある。
「と言っても1ヵ月とか、長くて半年くらいのもんなんだろ?」
と思うなかれ。
『ディアブロ III』なんて、PC版が発売された2012年5月から遊び続けているし、『パズドラ』も同じく、2012年4月にスタートして(ロンチから2ヵ月は遊んでいなかった)、いまだ毎日ゴリゴリにプレイしている。
あと、ほとんどの人が知らないと思うけど、名作ボードゲーム『カルカソンヌ』のスマホアプリに至っては10年以上のプレイ時間になっているのは間違いない。
そう、改めてシツコイのだ。
「コレが好き!!!」
と思ったら食らいついて離さず、ちょっとやそっとのことでは終わりにしない。
その執念深さは、スッポンやカミツキガメすら俺には敵わないだろう。
そんな、偏執的ですらある俺の欲求を究極に満たし、新たな地平へといざなってくれた“あるゲーム”が、このたび発売1周年のマイルストーンを迎えた。
2020年3月20日の発売日に初めてログインして以来、1日たりとも欠かさずに“その世界”に通いつめ、ただひたすら、そこに満ちる牧歌的な空気に身をゆだねてしまったスローライフゲーム……。
そう、任天堂のNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』が生誕1周年を迎えたのである。
宝物になりました
以前、このコラムでも書いた記憶があるが、俺は『どうぶつの森』シリーズに関しては1作目のニンテンドウ64用ソフト『どうぶつの森』から遊んでいるかなりヘビーなユーザーだと思う。
2005年に発売されたニンテンドーDS用ソフト『おいでよ どうぶつの森』に至ってはハマりすぎのあまり、江口勝也さんや戸高一生さんといった開発陣に数時間におよぶロングインタビューを実施して、全12ページにおよぶ“『おいでよ どうぶつの森』誕生物語”というドキュメンタリーを書いたことがある。
『あつ森』は、それくらい特別なシリーズの最新作だったので、発売前から、
「これ……製品版が手元に来たら、たいへんなことになるかもしれんぞ……」
と、うれしさと同じくらい戦々恐々としていたものだ。
ただでさえ並行プレイで遊ぶゲームが増えてきたタイミングで、仕事も忙しくなり始めていたところだったので、
「『あつ森』発売以降は……マジで寝られなくなるかもしれないな……!」
半ば本気で、そんなことを考えていたのである。
でも。
結果的には、睡眠時間を削るほどゲームと仕事に追われる……ということにはならなかった。
ナゼかと言うと、『あつ森』が発売された2020年3月から新型コロナウイルスの蔓延がただ事ではなくなり、世界規模で渡航制限や外出自粛、日本においても緊急事態宣言が発令されて、多くの企業がリモートワークを導入し始めたのだ。
ウチの事務所も当然のごとく出社はNGとし、朝から晩まで自宅にこもって黙々と作業する日々が始まってしまった。
すると、往復で2時間以上浪費していた通勤時間を作業に充てることができるようになり、さらに取材やインタビューが減った分をゲームプレイに割り振るという流れに……。
こうしてできた時間をそのまま『あつ森』関連の仕事に振ったことで、俺はいたずらに睡眠を削ることなく、このゲームに向き合うことができたのであった。
以来、1日たりとも欠かすことなくログインし、島の見回りと住民との会話、そして昆虫採集や釣りなどのレジャーも楽しんでいる。
これは大いに自慢したいことなのだが、俺の“『あつ森』スクショフォルダ”には、案内所のしずえさんが告げる朝の挨拶の写真が、すべて保存されている。
「だからどうした」
と言われたらそれまでだけど、コロナ禍にあえぐ中、この何でもない日常のやり取りにどれだけ救われたことだろう。
この1年、リアル世界は新型コロナウイルスに蹂躙されて、“失われた年”のようになってしまった。
花見もできなかったし、旅行も行けなかったし、それどころか日常的にくり出していた飲み会にすらほとんど行っていないし。
そんな抜け落ちてしまった日常のパーツを、せっせと埋めようとしてくれていたのがほかでもない『あつ森』というゲームだった。
花火大会も……『あつ森』が見せてくれた。
山が色づいてきたことを教えてくれたのも、『あつ森』である。
そして、冬の訪れや春の気配を感じたのも、じつは『あつ森』がきっかけw
ともすれば丸ごと忘れてしまいそうな2020年という1年間を、
「こんなこともあったじゃん!」
と思い出させてくれるのは、個人的には間違いなく『あつ森』というゲームである。
そんな『あつ森』を、1年間遊び続けて思ったこと。
それは……。
『あつまれ どうぶつの森』は、一生そばに置いておく宝物になりました。
2年目も、しつこさの本領を発揮してプレイし続けたいと思いますw
(おおつかかどまん)
20年以上にわたりファミ通で記者、編集長などを務めつつ、自ら著者としてゲームプレイ日記の単行本、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズなどを上梓。ベストセラーとなる。2019年より独立し、パズドラのストーリーダンジョンのシナリオ担当を務めるなど、活動の幅を広げている。 |
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