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大塚角満のゲーム漫遊記 第43回「サイバーパンクな年末に」

大塚角満のゲーム漫遊記 第43回「サイバーパンクな年末に」

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角満のゲー漫 第43回!角満さん含めゲーマーたちの年末の予定をぐちゃぐちゃにしてしまうかもしれない大型タイトル『サイバーパンク2077』を紹介!一度行ったら帰ってこれない?そんなヤバい魅力を語ってくれます。

ゲーム漫遊記43アイキャッチ画像

大塚角満の「ココ」が凄かった!!

いろいろとネガティブなことも起こっているけど、ゲームの作り込みや没入感、そしてやり込み要素もズバ抜けている怪物ソフト。これで、三人称視点も選べたら、本当にヤバかったですw

完成度
★★★★★(5)
グラフィック、テキスト量、作り込み……などなど、「ここまでのゲームが作れるのか!」と心から驚かされてしまった。ただ街を歩いているだけで、スキップしたくなるほど楽しいです。
やり込み度
★★★★★(5)
メインストーリーだけでなく、サブミッションやサブジョブの充実度がすばらしく、それをこなしているだけで満足してしまうレベル。クラフトやアイテム集めにも本腰を入れたら……終わることがあるんだろうか、このゲームw
視点度
★★★(3)
一人称視点で遊ばないと意味がない、という制作側のこだわりからこの仕様になったみたいだけど……やっぱり苦手なものは苦手だ。それを我慢してでも遊びたくなる完成度はスゴいけどね。

やっべ、ハマっちまった……

2020年を締めくくる超大型SFタイトル。それが『サイバーパンク2077』。危険と欲望が渦巻くナイトシティライフにハマるゲーマーが続出。

じつは9月くらいから、今年の年末年始を見通して考えていたことがある。それは……。

「マジで年末は“死のスケジュール”になるから、余計なゲームには絶対に手を出さないぞ!!><」というもの。

この方針は事務所のすべてのスタッフに共有されていて、「角満が新規に“あのゲームやりたい!”って言っても、買わせるなよ!!」

「可能な限り、ヤツ(俺ね)を最新ゲーム情報から遠ざけろ!!」

↑これがスタッフの合言葉になって、俺は限られたゲームのみでここ数ヵ月を過ごしてきたのである。

それでも、この連載もあるし、火星にでも幽閉されない限り情報をシャットアウトすることもできないので、ギリギリのせめぎ合いはいまでも続いている。

もしもこのタイミングで……ハマったら抜け出せなくなりそうなオープンワールドの新作なんかに心奪われたら……年末進行がすべて吹っ飛んで、それこそ火星に逃げなきゃいけなくなるかもぉぉぉおおおお!!!><

そんな、戦々恐々として震えていたある日。

寝た子を起こす……じゃないけど、何気ないふだんの会話から記憶の奥底に沈めていた物事が引きずり出されることもあるもので……。

その日--。かつての同僚とSkypeで、コロナ問題やらメディアの在り方について激しくトークを繰り広げていたところ……不意に、本当に不意を突いて、元同僚が↓こんなことを言いやがったのである!

「あ。ぜんぜん関係ないですけど大塚さん、『サイバーパンク2077』って遊ばないんですか?w あの手のオープンワールド好きとして、絶対にチェックしていると思いますけどw」

サイバーパンク2077の画像

……ん? サイバーパンク……って、なんだっけ?

言われてみれば以前は、“発売されたら絶対に遊ぶリスト”に入れていた気がするけど。

俺は、近くにいたスタッフに「ねえねえ」と尋ねた。

「あのさ、『サイバーパンク2077』って、もう発売になるんかね? 俺、すっかり忘れてたみたい。やらなきゃだねー^^」

その瞬間、スタッフの顔色はナイトシティ色に染まり(なんだそりゃ)、俺にじゃなくSkypeの相手に向かって絶叫したのである。

余計なことを吹き込みやがったのは誰じゃああああ!!! こいつ、『サイバーパンク2077』なんかやったら絶対に仕事しなくなるから、情報を遮断してたのにぃぃぃいいい!!!!(怒)」

スタッフの懸念した通り……。年末のスケジュールをグッチャグチャにしつつ、しっかりとハマっております『サイバーパンク2077』!!w

抜け出せなくなりそうです

『サイバーパンク2077』は、2020年12月10日にスパイク・チュンソフトから発売されたオープンワールドアクションRPGである。

開発したのは……ポーランドのCD PROJEKT REDというデベロッパー。

「ん? なんか聞いたことあるぞ?」

という人はなかなかの通で、じつはここ、あの名作『ウィッチャー3 ワイルドハント』も手掛けていた開発会社なのである!!

その事実も後押ししてか、『サイバーパンク2077』フィーバーは発売前から凄まじいことになっていた。

なんと、予約分だけで800万本(!)ものセールスを達成してしまい、発売後も異例の勢いで売れ続けているのである。

サイバーパンク2077の画像

俺も、『ウィッチャー3』をさんざん遊んでいたことで『サイバーパンク2077』に注目し、“発売されたら絶対に遊ぶリスト”に入れていたんだったw

忙しさのせいで、記憶が封印されていたけどな(苦笑)。

しかし、プレイを始める前に懸念がまったくなかったか……と聞かれたら、「じつは……懸念だらけでした」

と答えるしかない。

いや、さすがにオトナなのでCERO Zとかは気にしないんだけど、『サイバーパンク2077』ってじつは……一人称視点以外選べないのだ!!!

昨今のオープンワールド系って、一人称視点も三人称視点も任意で選択できるものがほとんどなのに……『サイバーパンク2077』は頑なにファーストパーソンビュー!!

もう、徹底的に絶対的にそれしか選べません!!

サイバーパンク2077の画像

俺……FPSが出始めのころは迫力視点に魅了され、何も気にせずに毎日のように対戦プレイに明け暮れていたんだけど、あるとき、「なんか最近……ゲームを始めると、吐き気を催すようになったんだよね……。おっかしいなぁ……」

と、“3D酔い”という単語が生まれる前からこの症状を発症!

以来、どうにも苦手になって、一人称視点のゲームは避けて通って生きてきたのだ。

なので……『サイバーパンク2077』も、いざ買うときはためらった(発売日に買っておいてナンだけどw)。

3D酔いがひどくてまったくプレイできなかったら……ただでさえ薄いサイフに、さらなる痛恨の一撃が入ってしまう!!

よって、プレイ開始時はかな~~~りおっかなびっくりだったんだけど、いざ波に乗ってきたらだな……!

サイバーパンク2077の画像
サイバーパンク2077の画像
サイバーパンク2077の画像

ギンギラのネオンがまたたくゴミ臭い街が、近未来の東京を髣髴とさせて気持ちの奥底がザワザワしてくる。

この、欲望と暴力、生と死がつねに隣り合わせのナイトシティは、どこか離れがたい魅力にあふれていて、ただ闇雲に、ひたすらに、外を徘徊したくなるのである。

サイバーパンク2077の画像

いまから25年ほど昔、初めてアメリカ大陸に行ったときに、怖さとともに言いようのないワクワク感がこみ上げてきたことを鮮明に思い出した。

誰かと目が合っただけで、殺されるかもしれない。

サイバーパンク2077の画像

生き抜くためには、汚いことに手を染める必要が出てくるかも……。

サイバーパンク2077の画像

一触即発の、爆薬みたいな街。なんで俺、こんな厄介なところに魅了されているんだろう--。

3D酔いは……今回も克服できていない(苦笑)。

でも、気持ち悪さを抱えながらもやめられないのは……『サイバーパンク2077』というゲームが、抜群におもしろいからだ。

バグがやたらと多かったり、初期のPS4だとパフォーマンスが低下するなどネガティブな事象もいろいろ出てきて残念なのだが、少なくとも俺個人は、一人称視点のゲームが苦手なのに想像以上に楽しめている。

やっぱりこいつは、危険なゲームだった。

いまから年末年始の自分がどうなっているか、ナイトシティで生き抜く以上に心配になっている(苦笑)。

角満さんの画像
大塚角満
(おおつかかどまん)
20年以上にわたりファミ通で記者、編集長などを務めつつ、自ら著者としてゲームプレイ日記の単行本、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズなどを上梓。ベストセラーとなる。2019年より独立し、パズドラのストーリーダンジョンのシナリオ担当を務めるなど、活動の幅を広げている。
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