角満のゲー漫 第41回!今回まさかの締め切りをブッチ!発売日に合わせて締め切りをずらしてまで書きたかった『ダービースタリオン』!PS2版から16年ぶりの『ダビスタ』。角満さんの波乱の初レースの結果とは!?
大塚角満の「ココ」が凄かった!!
据え置きゲーム機では16年ぶりの展開となる『ダビスタ』シリーズの最新作。これまで培ってきたゲーム性はそのままに、音声実況も入るなど随所でパワーアップしております!
安心度 | ★★★★★(5) さすが競走馬育成シミュレーションの草分けだけあり、配合も調合もレースシーンも、ここに極まった感がある。競馬好きはもちろんのこと、良質なシミュレーションゲームが遊びたい人もぜひ。 |
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進化度 | ★★★★★(5) 驚いたのがレースシーン。本作はレースを音声実況してくれるのだが、本文中にもある通り自分の馬までキチンと発声してくれることに感動! これだけでも、見る価値(聞く価値かw)アリ! |
ロー度 | ★★(2) なんでこんなにロードが多いんだろう……と、ちょっと不思議に思うくらい、頻繁に読み込みが入る。ゲームのテンポを損なってしまうので、なんとかパッチで対応してもらいたいと思いました。 |
締切を延ばしてまで
読者の皆さんにはまったく関係のない話だが、じつはこの原稿……ふだんの締切日を2日ほどブッチしている。
俺は15年以上も週刊誌のニュースページという、“常時背水の陣”みたいな場所で原稿を書いてきたので、締切には非常にうるさい。数日前の段階で、
「ししし、締切が近づいてクルッ!!あかん!!早くネタを考えないと!!!><」
というひっ迫モードに突入して、結果、丸々1日以上も余裕のスケジュールで入稿をしてしまう……というサイクルをその身に刷り込んでしまったのだ。
ゆえに、いろいろなメディアで長文プレイ日記を毎日更新できるわけだが……今回ばかりは、GameWithの担当編集さんに無理を言わせてもらった。
「今週だけは……締切を2日ほど延ばしていただきたいのです!! いいえ決してネタがないわけではなく!!! どうかお許しを!!!><」
担当編集さんはイヤともダメとも言っていないのに、締切の話になるとどうしてもへりくだってしまう。
昔、入稿のマジケツの日(表面的な締切日はじつは余裕を持たせたもので、その裏にガチでヤバい“本当のケツの日”が存在する)に、印刷所の人が背後に並ぶ中で原稿を書いたトラウマが俺を卑屈にさせるのだ。
「ほう!……して、その理由は?」
いぶかしむ担当編集さんに、俺は高らかと宣言した。
「『ダビスタ』でえす!!!
Nintendo Switch版の『ダービースタリオン』が、ついに12月3日に発売されるのでえす!!!
これの最速の所感を……ぜひこのコラムで書きたいのでええええす!!!><」
締切ブッチが大嫌いというオノレの性質も忘れさせるほど……俺はこのゲームの発売を心待ちにしていたのだ!!
さっそく書くぞぉぉおおお!!!
『ダビスタ』は、ダビスタだった
『ダービースタリオン』というゲームについては……もう、改めて解説する必要も感じないほどメジャーなものになっているよな。
シリーズ1作目が発売されたのは、いまから30年(!!)も昔となる1991年12月。
“競走馬育成シミュレーション”という、まったく新規のジャンルのゲームとして『ベスト競馬・ダービースタリオン』がファミコンに登場したのである。
マニアックなシステムながら、競馬の醍醐味と馬主の楽しさを凝縮したゲームデザインはオトナなゲームファンに大いにウケ、『ダビスタ』はほどなくシリーズ化。
そして1994年2月にスーパーファミコン用ソフトとして発売された『ダービースタリオンII』が一大ブームを巻き起こし、“ダビスタ”のブランドは競走馬育成シミュレーションの草分けとして神格化されていくことになったのであった。
『ダビスタ』シリーズの大ヒットを受けて他のメーカーからもあまたの競走馬育成シミュレーションが発売され、このジャンルはしっかりと定着することになるのである。
……好きなゲームだと、概要を書くのも力が入るなw
以来、『ダビスタ』はプレイステーションシリーズ、ニンテンドウ64、ニンテンドーDS、3DS、そしてスマホとさまざまなプラットフォームで展開されてきたが、据え置きゲーム機で新作が展開されるのは……なんと、2004年にプレイステーション2で発売された『ダービースタリオン04』以来!!
じつに16年の時を経て、満を持しての登場となったわけだ!!
てなわけで、数年ぶりに量販店の店頭で開店待ちをして(マジです)、パッケージ版を購入してきた。
ダウンロード版にしなかったのは……単純に、このパッケージが欲しかったからw
ファミ通の表紙でおなじみなのと同時に、『ダビスタ』シリーズのイメージイラストも毎回手掛ける松下進さんのこの絵を所有しておきたいと思ったんだよねえw
ではさっそく、ゲームを始めてみよう。
まずは……牧場名など、細かなデータの入力だな。
ここで早くも「お!」と思った。
なんと、所有馬の名前の頭(もしくは後ろ)に付ける“冠”を、ここで設定することができたのだ。
これ、後に所有馬に名前を付けるときに驚いたんだけど、発音のアクセントまで決めることができるのである。
この行為が後に、レースの実況シーンを見て「うおおおお!!!」と狂喜させられる“伏線”だったんだよねえ。
そしてここから、いい意味で予定調和な“ダビスタな日常”が始まる。
2000万の軍資金と1頭の繁殖牝馬だけで牧場経営はスタートし、種付けや育成を行っていく。
無事に仔馬が生まれたら、2歳になってレースに入厩するまでひたすら見守りのターンだ。
この間、あまりやることもないので、『ダビスタ』のノウハウを懇切丁寧に解説してくれている“競馬チャンネル”というチュートリアルを視聴する。
俺は、30年間『ダビスタ』を遊んできたのでほとんどが知っている情報だったが、復習する意味でもひと通り目を通しておこうと思ったね。
そして、最初の所有馬が2歳になり、入厩できるようになったら……!
調教開始だ!!!
調教には、おもにスピードを鍛える芝、スタミナを強化するダート、脚力を底上げする坂路などなど、7つのメニューから選ぶことができる。
それらが、馬の体重や調子、気合などに絶妙に絡んでくるので、レース当日に完璧な状態にもってこれるかどうかが調教の腕の見せ所となる。
このへん、未経験者はわけがわからないと思うのだが、そんなときは調教師におまかせできるので安心していいぞ。
さあ、仕上がったらいよいよ新馬戦だ。
我らがルナステファーム(ウチの牧場の名前ね)の期待の星……ステラメサイアは……!
よっしゃ!! 堂々の一番人気!!!w
これは勝てる!!! ていうか……勝ってくれないと困るんです!!
じつは……最初の種付けで「500万円以下の種牡馬を選択したほうがいいですよ」とレクチャーを受けたのに、
「何言ってんだ! ここはちょっとでもいいタネをつけないとダメだろ!!!」
と制止を振り切り、600万のステイゴールドを選択してしまったのである。
おかげで……牧場経営はギリギリのひっ迫状態(苦笑)。
ここでステラメサイアが勝ってくれないと……いきなり倒産もあるかも!!?
そんな、のっけから重圧を背負ってのレースだけど……視聴した瞬間に「うおおおおおお!!!」と吠えてしまったよ。
なんと……!
実況も音声付になるのは知っていたけど……なんとなんと、プレイヤーの所有馬の名前もキチンと実況してくれてるーーーー!!!
しかも、よどみない発音で!!
これが、馬名を付けるときにアクセントの位置まで決めさせた理由か!!!
このレースシーンの臨場感は、間違いなくシリーズナンバーワンだな!!
さて、そんな記念すべき1回目のレースの結果は……。
あ…………!
前が開かずに、脚を余してる!!! ちょ!! コース取り!!!(興奮)
なんとかかいくぐってくれよ!!!(怒)いいい、一番人気なんだぞ!!!!ままま、負けたら牧場がッ!!!(涙)
しかし、健闘(してなかったけど)むなしく……。
チーーーーーン……w
(((( ;゚д゚)))ままま、負けやがった……。そ、それも、着外……。
ちなみに……。
「こ、これで負けたら、ホントに終わるから!!! 絶対に勝て!!! せめて、連にからんで!!!><」
と、背水の陣で臨んだ2戦目(中1週w)も……。
チーーーーーン……w
(((( ;゚д゚)))あああ、あかん……。もう、ダメかもしれん……。
いきなり窮地に陥っております(苦笑)。
そんな感じで始まった数年ぶりの“ダビスタライフ”。
同じ配合でも生まれてくる馬には大きなバラつきがあり、それも調教次第で化けるかもしれないし、駄馬で終わるかもしれないというランダム要素がたまらなく楽しい。
そこに、インブリードやニックスなどの理論が絡んでくることで、『ダビスタ』らしいおもしろさはどんどん深みを増して……!
やっぱりこれ、やめ時、寝時がわからなくなるゲームの典型だわw
『ダビスタ』専用のNintendo Switchを新調しようかなぁ^^;
しかし!!
ひとつだけ苦言を言うなら……画面が変わるたびにローディング(しかも1回がかなり長い)が入るのが、あまりにも残念すぎる。
最近、ゲームの読み込みを感じることがあまりなかったので余計に悪目立ちしている感はあるが、スピーディーに、テンポよく遊んでこそのゲーム性なのに、馬の調子を見にいくだけで数秒のロードが入るのは何とも……。
このへん、アップデートでどうにか直らないものだろうか?
でも、ゲーム自体はおもしろいので、長く続けたいと思います!
(おおつかかどまん)
20年以上にわたりファミ通で記者、編集長などを務めつつ、自ら著者としてゲームプレイ日記の単行本、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズなどを上梓。ベストセラーとなる。2019年より独立し、パズドラのストーリーダンジョンのシナリオ担当を務めるなど、活動の幅を広げている。 |
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