角満のゲー漫 第37回!今回はスマホで楽しむ超王道RPG『オクトパストラベラー 大陸の覇者』!古き良き時代のRPGの王道の楽しさをお届け。秋の夜長に遊ぶゲームを探している人にピッタリのRPGです。
総評!「ココ」が凄かった!
レトロながらも新しい、温故知新を体現したかのような超正統派のシングルプレイRPG! ファミコン時代からのゲームファンはもちろん、いまの若者たちにも遊んでほしい良作です!
王道度 | ★★★★★(5) 日本のRPGの原風景がこの中にある……と言っても過言ではない王道な作りがたまらない! |
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物語度 | ★★★★★(5) オムニバスなストーリーはどれも個性が際立っていて、ついつい先を“読みたくなる”という秋の夜長にピッタリなデザインになっております。 |
自由度 | ★★★(3) キャラクターの移動範囲や会話のパターンはカチカチに決まっているので、昨今のオープンワールドと比べると自由度は低い。そもそも比べるのが間違えているんだけど(苦笑)。 |
これぞ王道!
最近、しみじみと思う。
「今年って……ゲームが大豊作だなぁ……」
と。
1年を通してこれだけ途切れず、自分好みの新作(ここ、重要)が矢継ぎ早にリリースされた年って、ちょっと記憶にないかもしれない。毎月(ヘタしたら毎週だな)必ず、
「これ、出るの待ってたんだ!!」
と、しばらくのあいだ時が経つのも忘れて夢中になり、
「ふう、ちょっと本気になっちまったぜ」
なんて人心地がついて顔を上げたときには、
「……って、うわ!! 今日も狙ってたゲームの発売日じゃん!!!」
こんなことのくり返しだった。
じつは10月もその例に漏れずに進行していて、俺は今回紹介するタイトルのサービスインを、
「いまか……いまじゃなかったっけな!!?」
と、かなりフライング気味に待ち焦がれていた。じつはコレ、ウチの事務所のスタッフも同様で、本来は10月28日から遊べるアプリだったのに、
「確か……10月26日からだったよな!!!」
ナゼか勘違いして、ふたりそろって10月26日の朝から、
「まだかなぁ~……^^ もうすぐかなぁ~~~^^」
と、がん首揃えてストアに並ぶのを待ってました(アホ)。まあそれくらい……リリースの日を恋焦がれていたわけですよ!!
さて、今回も前置きが長くなってしまったが、俺と同様に“いまかいまかモード”になっていた人が数百万人はいると思われる、スクウェア・エニックスの“超王道”のRPGと言えば……もちろんこれだ!!
『オクトパストラベラー 大陸の覇者』
Nintendo Switch版を遊んでいたときから、「さらに気軽に、スマホで遊びたいな~」と思っておりました!!
品行方正なゲーム
すでに大ヒットしているので改めて説明するまでもないと思うが、『オクトパストラベラー 大陸の覇者』は、10月28日にサービスインしたスクウェア・エニックスのスマホアプリである。
インフラが整い、ネットにつながっていることを意識しなくなって久しいが、そんな環境に歩調を合わせるように“ゲームのオンライン化”は年を追うごとに進行していった。
いやもちろん、悪い意味で言っているのではなく。
他の人と気軽につながりながら遊ぶことはゲームを楽しむ上での強力なカンフル剤になるので、オンライン共闘をしたり、対戦したりといった“ネットプレイ”が隆盛を極めるのは、ある意味自然なことなのだと思う。
しかし、そんな時流に頑として迎合せず、
「ウチはひたすら、スタンドアロンで楽しんでもらいます。そういうゲームなんです!」
と、古き良き時代の“シングルプレイRPG”の王道を突き進まんとしているのが、この『オクトパストラベラー』というシリーズなのである。
このアプリ版の前身となるNintendo Switch版も全世界で話題となったので、プレイしたことがある人も多いことだろう。
レトロでありながら、緻密で美しいドット絵のグラフィック。
オムニバス形式で進む重厚なストーリー。
パッと見はシンプルながら、わかりやすくも奥が深い戦闘モード。
どこを切り取っても、
「俺が嫌いになる要素が見当たらない」
ということで、Nintendo Switch版に引き続き、この『大陸の覇者』にも夢中になっているのである。
しかもうれしいことに、このスマホ版は移植作ではなく、Nintendo Switchの『オクトパストラベラー』の主人公たちが旅をした“オルステラ大陸”の数年前が舞台になっている“完全新作”だ。なので、
「『オクトパストラベラー』は、骨の髄までしゃぶりつくした!」
という熱狂的なファンであっても、またイチから、新鮮な気持ちで、あのドット絵の世界に入っていけるんだからタマラナイではないか。
そんな『大陸の覇者』の骨子となっているのが、“富・権力・名声”をそれぞれ統べる3人の“極めし者”との対立だ。
プレイヤーは“聖火神の指輪”を託されたものとなり、頼りになる仲間たちとともに壮大な物語に身を投じるのである。
Nintendo Switch版もそうだったが、プレイヤーはいくつかの選択肢の中から好きなストーリーを選び、そこからゲームをスタートさせることができる(選ばなかったストーリーも、もちろんあとからプレイ可能)。
俺はまず、もっともドロドロしそうな雰囲気にそそられたので、“強欲の魔女”、ヘルミニアが支配するヴァローレの町の物語から始めてみた。
そしてこの『大陸の覇者』はスマホアプリらしく、仲間はガチャ(“導き”という)で手に入るのだが、俺が最初にゲットしたのは、
この“ソフィア”という★4(のちに★5まで成長する)のキャラだった。
どうやらかなりのポテンシャルを秘めた子らしいので……安心して、このまま突き進もうと思ったわw(じつは1時間くらいリセマラしたんだがw)
前述の通り『オクトパストラベラー』は、古き良き時代のRPGの王道をゆく造りになっている。
NPCと会話をして情報を集め、買い物をし、戦闘をして、ときには心に沁みるような出会いや別れも……。
かといって古臭いわけではなく、彼の時代のRPGを現代的に解釈し直し、かえって新鮮に見えるように煮詰めていることに驚きすら感じる。
そして、ゲームの隅々にまで行き届く“丁寧さ”。
戦闘時、ターンごとにブーストポイント(BP)が溜まっていくことで、各キャラは強烈な攻撃をくり出すことができる。
このとき、BPを使いたいコマンドに指を当ててスライドさせるんだけど、ここで微妙に、「ブブッ……」とスマホが振動するのだ。
いかにも、弦を限界まで引き絞って矢を放つときのような、“渾身”を表現した演出。
こういった細かな心配りが、ゲーム全体に行きわたっているのである。
ネタバレになるのでストーリーには迫れないのだが、“これほど品行方正なゲームもなかなかない”とだけ言っておきたい。
秋の夜長にゆっくり晩酌しながら、“ひとりプレイのRPG”を堪能しようと思う。
『オクトパストラベラー 大陸の覇者』のダウンロードはこちらから↓
(おおつかかどまん)
20年以上にわたりファミ通で記者、編集長などを務めつつ、自ら著者としてゲームプレイ日記の単行本、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズなどを上梓。ベストセラーとなる。2019年より独立し、パズドラのストーリーダンジョンのシナリオ担当を務めるなど、活動の幅を広げている。 |
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