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大塚角満のゲーム漫遊記 第33回「『セカイ』でミクミクに」

大塚角満のゲーム漫遊記 第33回「『セカイ』でミクミクに」

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角満のゲー漫 第33回!今回は東京ゲームショウ2020で心に突き刺さった作品『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』を紹介!リズムアクションとしての出来、そして涙してしまうほどの“物語性”に注目です!

ゲーム漫遊記のアイキャッチ

総評!「ココ」が凄かった!

リズムアクションゲームとしての完成度の高さはいわずもがな、魅力的なキャラクターたちが織りなす群像劇は涙なくしては読めないかも! 宝石のように美しいゲームです。

リズムアクション度
★★★★★(5)
シンプルでわかりやすく、気持ちよさも兼ね備えたゲーム性は流石のひと言。老若男女問わず楽しめると思います。
物語度
★★★★★(5)
個人的には、リズムアクションよりも重きを置いて楽しんでいるのがストーリー。早くすべて読みたい!!
ロー度
★★(2)
容量の大きい楽曲を多数扱っているので仕方がない部分ではあるんだけど、ロード時間が長いのがやっぱり気になる!

長く続けたいアプリ

9月末に、史上初のオンラインイベントとして実施された東京ゲームショウ2020。

先週のコラムでも同じようなことを書いたのだが、このイベントをネットに張り付いてひたすら視聴し続けた結果、つぎの4つのコンテンツがとくに心に突き刺さった。

ひとつは、カプコンの『モンスターハンターライズ』。

ひとつは、ディースリー・パブリッシャーの『ま〜るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS』。

ひとつは、前回書いたmiHoYoの『原神』。

そして最後の1枠は……セガのスマホ用アプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』だったのである。

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

じつは初音ミクを冠したリズムアクションゲームに関しては、当連載の第4回目においてNintendo Switch用ソフト『初音ミク Project DIVA MEGA39's』をテーマに、“角満みっくみくになる”というコラムを書いたことがある。

ウチの事務所の女性スタッフがボカロ系ゲームの超マニアで、彼女が北斗百裂拳の勢いで専用コントローラーをビシビシビシビシアタタタタタタッッ!!!と叩いているのを見て感化され、

「俺にも遊ばせて!!!」

と言って十数年ぶりに音ゲーに興じた……という内容だったと思う。

そんな下地はあったにせよ、無数の新作情報が氾濫する東京ゲームショウにおいて、俺の視線は初音ミクには向いていなかった。

じゃあなぜセガの公式放送を見ていたのかと言えば、「もしかしたら……『龍が如く』の新作発表とかがあるかも!?」と淡い期待を抱いていたからで、そもそもの目的がまったく違ったのであるよ。

しかし、初日のセガの放送を見終わったあと、俺の心に残っていたのは圧倒的に『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』であった。

淡いパステルカラーの世界で爽やかに踊る若者たちと、文字通りテンポのいいリズムアクション、そして何より……キラキラした青春の匂いが脳裏にこびりついて、

「な、なんだこの気持ち……」

と、自分の感情に戸惑ってしまったのである。

しかし東京ゲームショウ終了後、俺は『原神』を本格的に始めたこともあって他のゲームに手を出すことがなかなかできず、次第に『プロジェクトセカイ』の匂いも鼻の奥から抜け出ていってしまっていた。あれほど、

「リリースされたら、絶対に遊んでみよう!」

と思っていたのに……。でもその代わり、前出の初音ミクマニアの同僚が、

「わしが試しにやってみる! 君にもできそうか、判定するわ!」

そう言って、『プロジェクトセカイ』のセカイに消えていった。

そして。

数日後、同僚がこんなことを言ってきたのだ。

「突然だけど、iPadを新調することにしたわ」

ん??どうしたんだ急に。新しいタブレットがないとできない仕事とか……あったっけ?

わけがわからず「え? なんで?」と尋ねると、同僚は……あまりにも意外な理由を告白したではないか!

「じつは……『プロジェクトセカイ』があまりにも楽しく、愛おしく、そしてもっとうまくなりたいので、iPhoneよりも快適に遊べる環境を構築したいんや!!
わしの感触だと、iPad miniくらいの大きさがもっとも気持ちよくリズムアクションができる!!
つまり、『プロジェクトセカイ』のためだけにタブレットを新調するんや!!!

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

まるで……当時はiOSでしか遊べなかった『パズドラ』をプレイするために、AndroidからiPhoneに乗り換えた8年前の自分を見ているようだったw

ていうか……そこまでしたくなるほど、『プロジェクトセカイ』は仕上がってるゲームなの!?

俺の疑問に、同僚は短くこう答えた。

「遊べばわかる。わし的には、名作ぞろいだった今年のゲーム市場においても、ナンバーワンのゲームがコレや。正直、始めてすぐに泣きそうになったわ。出来がよすぎて」

そこまで言われたら、万難を排してでもプレイするしかない。

俺は速攻でアプリをダウンロードし、『プロジェクトセカイ』の中に入っていったのだった。

そして--。

開始から3分ほどで、あまりの切なさに涙を流したのである(マジです)。

若者たちの群像劇に涙

『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』の根幹をなしているのは、もちろんリズムアクションゲームだ。

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

画面上部から降ってくるノーツ(バーみたいな物体)を、リズムに合わせてタップしたり、ホールドしたり、フリックしたりする。

タイミングがいいと高得点になり、コンボもつながり、なにより気持ちよく遊ぶことができるという、リズムアクションの見本のような造りになっている。

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

背景で流れる曲は、「どれもボカロの名曲ばかりや!!」と同僚が興奮するほど、キャッチ―で有名な楽曲ぞろいらしい。

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

“らしい”と書いたのは俺がこのジャンルの門外漢で、単純によく知らないから。でも、そんな俺をして、

「あれ……? この曲、聴いたことあるかも」

と感じるものが多く、そういう意味では非常に遊びやすいし取っつきやすいのが魅力のひとつと言えそうだ。

……と、ここまでが“ふつうの”リズムアクションゲームの話。本題はここからだ。

いい年したおっさんが開始早々涙ぐみ、

「このストーリーの最後を見るまで、ゲームを続けるぞ!!」

と誓ってしまうほど、『プロジェクトセカイ』の物語はすばらしい。もう、なんて尊い世界観なの……><

俺がいま遊んでいるのは、“Leo/needのセカイ”というストーリー。そのイントロダクションは、

“様々な事情からすれ違い、幼馴染と疎遠になってしまった星乃一歌(ほしのいちか)。

しかし、幼馴染のひとりで療養をしていた、天馬咲希(てんまさき)が学校に戻ってきたことをきっかけに、遠ざかっていた4人の距離に変化が表れ始める”

というもの。

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

幼いころ、流れ星を見ながら誓い合った「ずっといっしょに、バンドをしていこう!」という約束に、4人が立ち戻れる日は来るのだろうか……?

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

……もう、概要を書いているだけで鼻の奥がツーンとしてきた。もとに戻りたいけど、いろいろな思いが交錯して素直になれない4人。でも、あのときの約束は、誰ひとりとして忘れてはいない--。

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

そんな中、ミクとルカがセカイの教室で4人の背中をそっと押す。切なく、そして胸が締め付けられるような少女たちの群像劇は、大きく動き出して……!

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

……ってところで、俺のストーリーは止まっている。なぜなら、リズムアクションのパートをきちんとこなしてランクを上げないと、続きが読めないようになっているから!!w

早くこの原稿を書き上げて、『プロジェクトセカイ』のセカイに戻りたいよぉ!!

というわけで、まんまとセカイに取り込まれてしまいました。Leo/needだけでなく、ほかのセカイのストーリーも読みたいので、がんばってゲームを進めないと!!

リズムアクションゲームとかボカロに興味がない人でも、騙されたと思って1話だけでもストーリーを見てほしい。

すると……気が付けば、セカイの住人になっていると思う。俺がそうだったように、ね。

角満さんの画像
大塚角満
(おおつかかどまん)
20年以上にわたりファミ通で記者、編集長などを務めつつ、自ら著者としてゲームプレイ日記の単行本、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズなどを上梓。ベストセラーとなる。2019年より独立し、パズドラのストーリーダンジョンのシナリオ担当を務めるなど、活動の幅を広げている。
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