角満のゲー漫 第10回更新!ちょうど8年前の今頃、角満さんがパズドラのプロデューサーと初めて出会った日の思い出を語ってくれます。
せっかくなので、この場所で
どこでこれを書こうか、かな~り真剣に考えたんだけど……せっかくこういう場を設けていただいているので、このゲーム漫遊記に書き記しておこうと思う。
パズドラの角満
大塚角満という名前、ゲーム好きのあいだにはそれなりに知れていると自負しているのだが、最初にこの名に触れた機会となると世代によって分かれてくるんじゃないかと思う。
30代、40代のゲームファンだったら、きっと『モンスターハンター』のプレイ日記『逆鱗日和』がきっかけだったんじゃないかなと。
俺が記名でエッセイを書き始めた入口だし、関連書籍ももっともたくさん出しているコンテンツだしね。
でも、それよりも若い世代となると、圧倒的に“パズドラの大塚角満”と認識している人が多いんじゃないかと思う。
確かに、俺がイベントや番組でもっとも多く露出しているのはパズドラがらみだし、最近はストーリーダンジョンでシナリオを担当させてもらってもいるから、“そこでしか”知らない人も少なくないと思うのだ。
そう、ここ数年はずっと“パズドラの大塚角満”なのだ。
俺自身も、初めて会う人に自己紹介するときに、
「えー、パズドラのプレイ日記とか書いておりまして……」
なんて、ついつい言っちゃうし。そういう意味では、切っても切れない関係なのである。
そんなパズドラと俺が出会ったのが……じつはいまからちょうど8年前の、2012年4月15日。
この日をきっかけに、俺は“パズドラの”という冠をつけて呼ばれるようになったのだ。
8年前の4月に
パズドラとの出会いについては、過去に何度も書いてきた。書き過ぎのあまり、
「……あれ?? これは、いつの出来事だったっけ?? ていうか、俺はこのへんの流れをどう書いてきたんだっけか??」
このような記憶の喰い合いが起き始めて、本人にもよくわからなくなってきているんだけど(加齢のせいかもしれん)、山本大介プロデューサーと初めて会ったときのことだけは鮮明に覚えている。
8年前の4月。
当時、ガンホーとファミ通編集部は“スープの冷めない距離”に社屋を構えていたご近所さんだったのだが、“実家の近くに住んでいると、逆になかなか帰らなくなる”の例え(俺のことだが)通り、俺はまったく交流がなかった。
でもそんなときにパズドラを知り、アホみたいにドハマりした結果、
「このゲームを作った人に、ぜひ会ってみたい!!」
ということになって、初めてガンホーにアタックすることになったのである。それも「取材で」とか「インタビューを」という堅苦しいものではなく、
「ご近所さんだし、できれば飲みにでも行けたらなあw」
という軽いアタックw ボクシングで言うジャブみたいなものだ。
すると……知り合いはひとりもいないと思っていたガンホーに、昔馴染みの女性広報さんがいたではないか!!
「おおお!!w これぞ灯台下暗し!! さっそく、パズドラのプロデューサーとの会合をセッティングしてもらいましょう!!」
俺にパズドラをプレイさせ、プレイ日記『熱血パズドラ部』の立ち上げを行ったファミ通Appの中目黒目黒がうれしそうに言った。
そしてその後はとんとん拍子で話が進み、わずか数日後に市ヶ谷の安居酒屋で“パズドラを作った人”に会えることになったのである。
そのとき、居酒屋に集まったのは、山本さん、ガンホーの広報さん、目黒、俺の4人。
さすがに初めて会うので若干緊張していたんだけど、泳ぐ俺の目を見た山本さんが発した言葉を聞いて、
「あw この人とは……絶対に仲良くなれるぞw」
と確信したんだよな。
山本さんはニヤリと笑いながら、俺にこんなことを言ったのだ。
「大塚さん……あの店員さんのことを、かわいいと思ったでしょう!」
俺は驚いた。確かに……そう思っていたからw 緊張が吹っ飛んだ俺は、山本さんに言い返した。
「それに気づいたってことは……山本さんも?w」
俺たちは無言で握手を交わし、それを見ていた目黒と広報さんに、
「なんかこのふたり……いきなり意気投合してるんですけどw」
と笑われたのであった。
あれから、8年--。
いまも俺と山本さんは、酒を酌み交わしたあとの別れ際に、必ずガッチリと握手を交わす。
そう、あのときと同じように。そして力を込めながら、つぎのように言い合うのだ。
「また、近々!」
新型コロナウイルスの影響もあってここ2ヵ月くらいは会えてもいないけど、落ち着いたら真っ先に飲みにいって、俺たちの出会いに乾杯したいと思う。
(おおつかかどまん)
20年以上にわたりファミ通で記者、編集長などを務めつつ、自ら著者としてゲームプレイ日記の単行本、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズなどを上梓。ベストセラーとなる。2019年より独立し、パズドラのストーリーダンジョンのシナリオ担当を務めるなど、活動の幅を広げている。 |