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GTワールドシリーズ、初の中東へ。山内一典氏×アブダビ文化観光局サイード・アル・ファザリ氏インタビュー

GTワールドシリーズ、初の中東へ。山内一典氏×アブダビ文化観光局サイード・アル・ファザリ氏インタビュー

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「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025 ワールドファイナル – 福岡」取材レポート(中編)

グランツーリスモ ワールドシリーズが、来シーズンのライブイベントで中東(アラブ首長国連邦・アブダビ)へ初上陸する。

発表の場に登壇したのは、『グランツーリスモ』シリーズ クリエイターの山内一典氏と、開催都市側を代表するアブダビ文化観光局のサイード・アル・ファザリ氏だ。

舞台となる会場は「スペース42アリーナ」で、レースファンにとって特別な場所であるヤス・マリーナ・サーキット(F1アブダビGPの開催地)も、シリーズの文脈で大きな存在感を放っている。

今回の共同インタビューでは、「なぜアブダビなのか」「ワールドシリーズはどう進化していくのか」、そしてゲームとリアルの接点までが語られた。

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目次

「なぜアブダビが開催地に?」世界基準のイベントへの意志

――山内さんはこのプロジェクトでアブダビを何度か訪れているそうですね。現地で驚いたことは?

山内氏:日本やヨーロッパ、アメリカにいると、車ってどこか「男の子の趣味」みたいに見られがちなところがあります。でもUAE(アラブ首長国連邦)では男性も女性も車が好き、レースが好きで、それは僕にとって驚きでした。

――サイードさんは、12月20日のイベントで初めてヤス・マリーナ・サーキットが『グランツーリスモ』で使われる様子をご覧になったそうですね。率直にどう感じましたか?

アル・ファザリ氏:本当に素晴らしかったです。ヤス・マリーナは、アブダビにとって象徴的なサーキットで、誰もが憧れる場所です。 朝と夕方の表情が見える演出がとても良かった。観客として見てもワクワクしましたし、丁寧に作り込まれていると感じました。

――2026年にアブダビでワールドシリーズを開催することには、どんな意味がありますか?

アル・ファザリ氏:私は長年のファンでもありますし、本当にうれしいです。最初の日からこの話に関わってきた人たちも、みんなワクワクしています。

会場のお客さんの反応を見ても、UAEのメディアだけでなく国際的にも関心がある。 個人的にも「いよいよ実現する」と感じています。昨日ステージでも言いましたが、これがより大きなパートナーシップの始まりになればいいと思っています。

――アブダビのゲーム産業への投資について、具体的な数字を聞けますか。新しいスタジアムを建てる計画はありますか。

アル・ファザリ氏:私たちの戦略は、いわゆる「箱(スタジアム)」を作ることが中心ではありません。むしろ草の根的な活動に関心があります。

アブダビには、すでにイベントを行うためのインフラが整っていますし、生活の質も高い。ここは「住んで、働いて、作って、遊べる」場所なんです。だから新しいスタジアムを建ててゼロから作り直す必要はないですし、少人数から大規模まで対応できます。

――このパートナーシップはどうやって始まり、なぜ『グランツーリスモ』とここまで近い関係を築こうと思われたのですか。

アル・ファザリ氏:『グランツーリスモ』は長い歴史を持つシリーズで、非常に重要なパートナーだと考えています。ポリフォニー・デジタル(『グランツーリスモ』開発スタジオ)と協業できることの意味は大きいです。

アブダビはイベントの卓越性や品質で新しい基準を作ろうとしています。昨日、私自身がイベントを見て、設備や演出、フォローアップ、現地とオンライン双方の盛り上がりなどがとても整っていると感じました。

これはアブダビの名前、そしてアブダビのゲーム分野の取り組みを、世界の舞台へ押し出す原動力になる。双方の話し合いから始まり、「相性が良い」と判断しました。アブダビはレースの街ですしね。

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ワールドシリーズは人と人が出会うための船

――初のUAE開催は大きな進化です。お二人に伺います。来年、ワールドシリーズをどう進化させたいですか?

山内氏:ワールドシリーズは世界中を回ってきましたが、新しい国や都市で開催すると、そこで新しい人たちに出会えるのが一番の刺激です。

アブダビでも、このプロジェクトを通してたくさんの人に会って、みんな『グランツーリスモ』の素晴らしい友人になりました。 違う文化の人たちが、同じ目標に向かって一緒に作っていく。これは本当に素晴らしいことです。

「グランツーリスモ ワールドシリーズ」という船は、人と人が出会うためにやっている部分が大きいんです。

アル・ファザリ氏:アブダビは、世界人口の約80%が8時間圏内にいる場所です。私たちはアイデアに対してオープンで、強いサポート体制もある。だからこそ、ワールドシリーズをアブダビで開催できるのがうれしいのです。

――レースとeスポーツの取り組みはほかにもあります。ワールドシリーズを、草の根の入り口にして、デジタルからリアルへつなぐ展開は考えていますか。

アル・ファザリ氏:とても良い質問です。これはアブダビだけでなく、中東とその周辺地域全体にとっての入り口にもなり得ます。アブダビは「住んで、働いて、遊べる」場所ですから、草の根のeスポーツイベントを実現するのは十分可能です。

実際、アブダビやこの地域ではシムレーシング(シミュレーターでのレース競技)人口が増えています。私たちはその流れの中で、いくつかの計画を検討しています。詳細は、進展に合わせて発表していきます。

――アブダビ大会は、一日だけの開催ですか。

山内氏:ワールドシリーズのラウンドは、これまでも基本的に1dayイベントですので、フォーマット自体は変わらないと思ってください。 ただ、現地でどんなアクティビティをやるかは、いままさにアイデアを練って実現させようとしている段階です。

F1で見ていたコースが、GT3だと別物になる

――山内さんご自身もレーシングドライバーとして走られています。ヤス・マリーナを「走るコース」としてどう評価していますか。

山内氏:ヤス・マリーナが『グランツーリスモ』の中で完成して、僕もGT3カー(市販車ベースのレース車両規格)で走りましたが、まず驚いたのは、普段はF1でしか見てこなかったコースが、GT3で走るとものすごくテクニカルだったことです。

イメージよりも、ひとつかふたつ低いギアを使わないといけないコーナーがたくさんあって、「すごく面白いコースだな」と思いました。

イベントで予選タイムをデータロガーで比較する企画がありましたが、驚くほど車によって使っているギアが違うんです。ある車は1速まで入れるし、ある車は3速までしか落とさない。つまり、走る車によって走らせ方がすごく大きく変わるんです。その意味でも、ヤス・マリーナは興味深いですね。

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山内一典氏インタビュー『グランツーリスモ』28年目の現在地

続いては山内一典氏へのインタビューをお届けする。

1997年12月23日に初代『グランツーリスモ』が発売されてから、2025年で28年が経つ。シリーズは「続いている」だけではなく『グランツーリスモ7』はアップデートを重ね、直近では大型アップデート「Spec III」や追加コンテンツ「パワーパック」で体験の幅を押し広げている。

長寿シリーズを支える「感謝」の気持ち、ダンロップとのパートナーシップ、ワールドシリーズの開催地選定の舞台裏、そして30周年へ向けた視線など、興味深い話が満載だ。

28年を振り返って「作り続けられること」への感謝

――1997年の初代発売から28年になります。いまのお気持ちを聞かせてください。

山内氏:まず、『グランツーリスモ7』をアップデートし続けられていること自体に、すごく感謝の気持ちがあります。先日も「Spec III」のアップデートをしましたけれど、『グランツーリスモ』は変わらないようでいて、じつはずっと新しいことに挑戦してきました。

そういうチャレンジを、ユーザーのみなさんがきちんと受け取ってくださっている。そこに対して、すごく幸せだなと思っています。

――福岡の会場や選手たちの雰囲気はどう感じましたか。

山内氏:観客の皆さんが本当に『グランツーリスモ』ファンの方が多くて、2日間とも席が売り切れました。正直、やってみるまで九州にどれくらいファンがいらっしゃるかわからなかったんです。

東京なら何となくたくさんいるだろうと思えるけど。今回、九州の方、福岡の方の熱意というか、『グランツーリスモ』への愛情を強く感じました。

――「Spec III」のタイミングでダンロップとのパートナーシップが実現しました。国内メーカーとしては初めてのコラボでもあります。山内さんの思いと、今後の可能性をお聞かせください。

山内氏:ダンロップさんが『グランツーリスモ』に対してすごく熱意を持ってくださって、このパートナーシップが生まれました。僕ら自身もテクノロジーにはずっと興味があって、今後きちんと時間をかけて、本当の意味での『グランツーリスモ』のリアリティを、物理シミュレーションのレベルで進化させていくところにすごく興味があります。

「ちゃんとしたレース」を足していく

――「パワーパック」を投入した狙いと、2027年の30周年に向けての取り組みを教えてください。

山内氏:『グランツーリスモ7』は毎月アップデートしていますし、「Spec II」、「Spec III」と積み重ねてきました。発売から時間が経っていますが、いまだにフルプライスで売れ続けて、ユーザーが増えています。

マンスリーアクティブユーザーも200万人くらいの水準をずっとキープしていて、言ってみればまったく古びていない感じなんです。

そんな中で、つぎは何をテーマにしよう、と考えました。ワールドシリーズもリアルなレースもそうですが、プラクティス(練習)があって、予選があって、決勝があって、という流れがあり、参加費用もかかります。そういう「ちゃんとしたレース」を体験として追加しようと思ったんです。

30周年に向けては、まず当面の目標として、もっともっとよくすることにフォーカスしています。パワーパックや「Spec III」で新しいユーザーが入ってきた一方で、ロイヤルユーザーは変わらず遊び続けてくださっています。そこに応えたいですね。

――今回のアップデートでFTO(三菱のスポーツカー)が入ったのが印象的でした。追加の理由を教えてください。

山内氏:FTOは初代の『グランツーリスモ』のヒーローカーのひとつでした。FTOのレーシングモディファイ(当時のレース仕様)や、FTO LM(ル・マン風の架空レース仕様)もありましたよね。あれは若かった僕らの若気の至りというか、自分が乗っている車が入っていたら嬉しい、という感覚がありました。

いまでも、その感覚はあまり変わっていません。 ただ、ユーザーからのフィードバックは毎日たくさんあります。「この車を入れてくれ」「これも入れてくれ」と、本当に広く分布している。

例えば日本向けにハイエースを入れたら、ヨーロッパのユーザーは「これは何だ?」となりますよね。 ですから「なんでこれ?」は必ず出るんですけど、そこには必ずユーザーがいます。

そういうユーザーがすべて合わさって、いまの『グランツーリスモ』のユーザー数になっているんだと思います。

開催地はどう決める?アブダビは「本当の熱意」から始まった

――ロンドン、ベルリン、ロサンゼルス、福岡と、今シーズンはこれまでと違う地域を回りました。次はアブダビです。この都市が選ばれた理由は?

山内氏:毎年、たくさんの開催地候補を検討しながら翌年を決めています。

アブダビに関しては、ある日ポリフォニー・デジタルにUAE大使館の大使から連絡があって、スタジオに来ていただいたんです。大使も『グランツーリスモ』のファンなんですよね。そういう熱意から始まったところがありました。

僕もすぐアブダビに伺って現地の方々に会いました。ロイヤルファミリーの方々ともお会いして、皆さん『グランツーリスモ』をプレイしていて、本当に驚きました。

それに、異なるカルチャーの人たちがコミュニケーションを重ねて、目標を見つけて、一緒にプロジェクトを進めていくこと自体がすごくエキサイティングなんです。ですから、あちこちで開催する意味合いは、そういうところにすごくあります。

――中南米やアフリカなど、さらに開催地を広げる可能性はありますか。

山内氏:中南米は何度か検討したことがあります。ただ、どうしてもヨーロッパから遠かったりして、人が行くのが大変なんですよね。オーストラリアでやったときも大変でした。そこが障壁になっている気はします。

本当はブラジルのサンパウロみたいなところでやりたいし、実際に検討したこともあるんですけど、まだ実現していません。いつかやりたいと思っています。

――福岡と東京以外の日本の都市での開催を考えていますか。

山内氏:福岡はポリフォニー・デジタルのアトリエもありますし、僕らにとって第二の故郷みたいなところがあります。自治体や現地のメディアさんなど、もともとネットワークがあったから実現できた部分も大きいので、それを簡単にほかの都市でできるとは今のところ思っていません。

ただ、何らか機会があれば、日本の中でも都市ごとにカルチャーが違うし、いろいろな方々と一緒に仕事ができたら面白いだろうな、とは思います。

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ワールドシリーズ出身の選手がリアルで活躍

――GTワールドシリーズなどで活躍した選手が、リアルレースで結果を出しています。どういった心境で見ていますか。

山内氏:素直に嬉しいです。イゴール(※)は最初に会ったとき、たぶん18歳くらいだったと思います。GTワールドシリーズ初年度のラスベガスだったかと思いますが、彼はアメリカでレースをしていたけれど、お金がなくて続けられないタイミングでもありました。

しかし彼は、初めて会ったときから手紙を書いて渡してくれて、レースでも勝って、その年のワールドチャンピオンになった。FIAの表彰式に行ったときも、こんなに若いのに賢くて努力家で、と感銘を受けました。

それがSUPER FORMULAで勝ったり、ルーキー・オブ・ザ・イヤーになったりするのは、もちろん嬉しいし、ある意味で「なるべくしてなった」と思います。いろいろな理由で数年遅れたのはもったいないと思う部分もありますけど、夢を実現しつつあることが本当に嬉しいです。

※ブラジルのイゴール・オオムラ・フラガ選手。ワールドシリーズで世界王者となり、2025年シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦。

――イベントでは選手のサイン会がありました。選手とファンのコミュニケーションを間近で見て感じたことはありますか。

山内氏:選手たちは本当にきちんとファンサービスをしていました。ワールドシリーズもそれなりに長い歴史がありますから、ドライビングスキルやレーススキルが上がっているのはもちろんなんですけど、人間的な魅力もどんどん上がっていると感じます。

世界のトップ選手たちって、人間的にも素晴らしい人が多い。お客さんやいろんな人と接することで、成長していくのが間近で見られるのは嬉しいですね。感覚としては、何十人もの子どもを見ているような気持ちになることがあります。

――パワーパックを体験して、AIの要素が今後もっと入ってきそうな印象を受けました。AIへの考え、活用については?

山内氏:AIはすごく有効なツールだと思いますが、AIの未来を占うようなことは僕にはできません。

一方で、面白い話もあります。ワールドシリーズの選手たちと話していたら、自分が走ったタイムトライアルのリプレイ映像を分析させて、コーナーごとに「こうするともっとタイムが出る」といったアドバイスをもらった、というんです。自分では気づかないようなアドバイスもあったようです。

同じタイトルを長く作るということ

――ジャパンモビリティショー福岡の会場では親子で車を楽しむ姿を多く見ました。そういった層に向けて『グランツーリスモ』がこうありたいという思いがあれば教えてください。

山内氏:『グランツーリスモ』も長く続いて、2世代目に入っていると思います。

ワールドシリーズでも親子で来られる方が本当に増えています。 同じタイトルを長く作ることの良さって、そういうところにあるんだなと感じます。

僕らとしては、子どもが『グランツーリスモ』をプレイすることで、人生が豊かになるような、そういうゲーム作りを心がけています。

――『グランツーリスモ7』のレース観戦は映像が進化していて、リアルとほとんど変わらない印象ですが、デジタルならではの観戦体験の魅力について教えてください。

山内氏:根本的に違うのは、ドライバーがそこにいて、皆さんがそれを見られることです。リアルのモータースポーツって、どうしてもヘルメットをかぶって車の中にいるので、表情や雰囲気を直接見ることはできません。そこがまず大きな違いです。

もうひとつは、カメラの自由度ですね。『グランツーリスモ7』では何百というカメラがあります。車ごとにもたくさんのカメラがあって、それを臨機応変にスイッチングして見せることができる。そういう自由度の高さは、デジタルならではだと思います。

まとめ

今回の山内氏の発言を通して印象的なのは、シリーズの広がりが「地理」と「体験」の両方で進んでいることだ。福岡でのチケット完売が示したのは、東京だけでは測れないファンの厚みで、アブダビの熱意は、文化圏を超えた広がりを強く感じさせる。

『グランツーリスモ7』は、「Spec III」とパワーパックで新たなレース体験を追加し、データロガーも含めて「走る・観る・分析する」の循環を強めている。 しかも、親子で車やゲームを楽しむ層が増えるという景色がそこに重なり、長寿シリーズならではの価値も立ち上がってきた。

28年目を迎え、30周年に向かう『グランツーリスモ』は、過去を振り返るだけではなく、次の舞台へ向かいながら、体験そのものをもう一段深くしていくのだろう。その現在地が、福岡で確かに言語化された。

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