
『アイドルマスター シンデレラガールズ(以下、デレマス)』のイベント「CINDERELLA GIRLS MUSICAL DERE of the DEAD」が、大阪・オリックス劇場にて2026年7月4日(土)、5日(日)の2日間にわたって開催された。
「シンデレラガールズ ミュージカル」は、通常のライブイベントとは一味違う、ミュージカル形式の演劇を楽しめるイベントだ。多彩な音楽と共に繰り広げられるミュージカルパートと、アイドルたちを声の限り応援できるライブパートの2部構成で展開される。
2026年5月に第1弾「STARLIGHT HIGH SCHOOL!」が開催され好評を博したことは記憶に新しい。第2弾となる「DERE of the DEAD」は血に飢えたゾンビたちが跋扈する恐怖の館に迷い込んだアイドルたちによる、笑いあり絶叫ありのコメディホラーとなっている。
そんなイベントのDAY1夜公演を観劇させていただいたので、レポートをお届けしよう。
なお、本公演は期間限定でアーカイブ配信を実施している。チケット販売期間は2026年7月13日(月)18:00まで、アーカイブ視聴期間は同日23:59までの予定だ。
当記事はストーリー展開や披露された楽曲など、公演内容のネタバレを多分に含んでいるため、視聴予定の方はご注意いただきたい。
「CINDERELLA GIRLS MUSICAL DERE of the DEAD」DAY1 夜公演 出演者(敬称略)
- 佐倉薫(黒埼ちとせ役)
- 花谷麻妃(遊佐こずえ役)
- 田辺留依(荒木比奈役)
- 長島光那(上条春菜役)
- 松永あかね(イヴ・サンタクロース役)
- 立花日菜(久川凪役)
- 集貝はな(的場梨沙役)
- 原優子(向井拓海役)
- 星希成奏(夢見りあむ役)
- 穴沢裕介(城主役)
アンサンブル
- 杉山湧飛
- 沼田来蕗
- 大類ひなた
- 樫村結葉
- 齊藤千紘
- 陣あいり
- 徳岡あんな(SWING)
- 仲本詩菜
- 西田裕奈(SWING)
- 松島朱里
脚本・構成・演出
- JUNGO
音楽監督
- 滝澤俊輔
ミュージカル振付
- 隼海惺
客席を巻き込みながら進行するコメディホラー!
開演の直前には、千川ちひろより注意事項のアナウンスが行われた。ミュージカル形式のイベントということで、第1幕ではスタンディング・応援グッズの使用・楽曲へのコールが不可となる等、普段のライブイベントとの違いを含め丁寧に解説がされると客席からは拍手が巻き起こり、準備万端といった様子だ。

幕が上がると、妖しげな洋館を背景にゾンビ(アンサンブル)たちのキレッキレの踊りが炸裂。ゾンビらしい動きを取り入れたフォーメーションダンスに、早くも舞台に惹き込まれる。そこに雷も鳴り響き、身の毛もよだつ洋館ホラーのはじまりはじまり……。
とはならず、ゾンビたちを気にも留めない様子の夢見りあむ(星希成奏さん)が現れ、「集合場所、ここで良かったんだよなぁ」と言い放つと、一転してコメディの雰囲気に。舞台も駅前へと切り替わり、会場からは大きな笑いが沸き起こった。

そこへ黒埼ちとせ(佐倉薫さん)と遊佐こずえ(花谷麻妃さん)以外のメンバーが合流。話はプロデューサー不在の中アイドルたちだけでフェス会場へ向かう流れに。しかし的場梨沙(集貝はなさん)は、バスの用意も無いというぞんざいな扱いにご立腹の様子だ。
そんな梨沙に対し、イヴ・サンタクロース(松永あかねさん)が「もしここにプロデューサーさんがいたら、梨沙ちゃんの言葉に傷ついて、今頃嗚咽しながら号泣してます!」と返すと、客席のプロデューサー(『アイドルマスター』シリーズのファンのこと)たちは声を出して号泣する姿を表現。これに梨沙が「なんか本当に聞こえた気がしたんだけど……。」と反応するという、客席を巻き込んだ演出で笑いを誘った。

このシーンだけでなく、本公演では全編を通して“第四の壁”を破って観客を巻き込む演出が多く見られた印象だ。『デレマス』らしい、いい意味での破天荒さが随所に見られ、ミュージカル形式ということで少し身構えていた筆者もリラックスして観劇に臨むことができた。
その後、フェスへの意気込みを語ったアイドルたちが円陣を組んだ流れのまま「CoCo夏夏夏 Holiday」がお披露目。私服でのパフォーマンスに加え、演劇から楽曲へとシームレスに移行するということで、普段のライブとは違った印象のステージに。

これからフェスでパフォーマンスをするというアイドルたちの楽しげな様子を、ステージいっぱいを使って表現。久川凪(立花日菜さん)がKVのトンファーキックポーズを再現するなどお茶目な一面も見られ、終始和やかなムードだった。
曲が終わると、洋館へと場面転換。城主(穴沢裕介さん)が登場し、「THE VILLAIN'S NIGHT」を歌い上げる。男性の声での歌唱となったが、表情や指先まで駆使した迫力のパフォーマンスで楽曲の魅惑的なイメージを引き出し、観客を大いに夢中にさせた。

曲の途中ではゾンビたちに捕らえられたちとせとこずえも登場。城主に噛まれ、ゾンビになってしまう。

ピンチの中でも個性が光る!尊すぎる回想に思わず涙
城主の笑い声が響く中、視点は再びアイドル一行側へ。プロデューサーによる“アーティスティック”な手描き地図を頼りに進む一行だが、暗い森の中、こんなところにフェスの会場があるのかと不安な様子だ。
そんな状況の中でもノリノリで記念撮影をするなどアイドルらしい一面も見せつつ、無事(?)洋館に辿り着く。しかし、館内には誰もおらず……。

ただならぬ様相に楽曲「Home Sweet Home」を口ずさむ凪にツッコミを入れる梨沙や、目が動く肖像画を目にして震えるイヴにメガネを差し出す上条春菜(長島光那さん)など、それぞれの個性を発揮しながら館内を探索していると、「Bloody Festa」をバックに突如ゾンビたちが襲来。
ゾンビ相手にあっち向いてホイを挑むりあむ、「ドッキリならカメラがあるはず」とカメラに向かってポーズを決める梨沙と向井拓海(原優子さん)と、ここでも個性的な演出を交えつつ逃げ惑うアイドルたちだが、ついにゾンビたちに包囲されてしまう。
そこへ城主、もといヴァルク・アルカードと、冒頭で彼に噛まれてしまったちとせとこずえが出現。心配して駆け寄った荒木比奈(田辺留依さん)もゾンビにされてしまうという、手に汗握る展開を見せる。

しもべと共に夜な夜な宴を開くことが生きがいだと言うヴァルクに「ただのパリピじゃねーか!」とツッコミを入れたところで楽曲「アンデッド・ダンスロック」がスタート。
ちとせ、こずえ、ヴァルクによる三者三様の歌声、曲に合わせて荒ぶる肖像画たち、そして次々襲われていく凪、春菜、イヴと、見どころたっぷりのパフォーマンスとなった。

ここでちとせとこずえの回想シーンが挿入される。
フェスへの意気込みを語り合う中で、「生きた証を残したい」と胸の内を明かしたちとせに対し、「ステージで叶えよう、いっしょに」と笑顔で手を差し伸べるこずえ。尊すぎる2人のやり取りに、思わず目頭が熱くなった瞬間だった。

全体的にコメディ調で進行する中で、こうしたシリアスシーンも光る当公演。客席を巻き込んだ演出とあわせて没入感が高く、アイドルたちが見せる様々な表情に見入ってしまった。
いよいよクライマックス!勝利の鍵はまさかの「大閃光」
回想シーンを終えると、視点は反撃に打って出るべく武器を探す梨沙、拓海、りあむの3人に移る。
梨沙は“おぼん”と“おたま”、拓海は“棒”、りあむは“はたき”と“殺虫スプレー”を手に取り、「EVIL LIVE」を歌いながらゾンビたちとの正面対決に挑む。

激しいメタル曲をバックに息を呑むようなアクションシーンが展開されつつも、「意味はあるか」のパートを殺虫スプレーを構えたりあむが歌うなどコメディ色も漂い、目が離せない。
奮闘むなしく、ゾンビに捕まってしまう梨沙と拓海。曲の後半には形勢が逆転し、再登場したちとせとこずえに歌唱をバトンタッチするのだった。ゾンビらしい動きで手を組む2人のパフォーマンスに、先の回想シーンもあって熱いものが込み上げてくる。

1人残されたりあむは、「このまま地下室で餓死する」か「ゾンビと戦う」か、客席にアンケートを実施することに。突然の問いかけに少々戸惑う観客に対し「ぼくがこれから頑張ろうってのに、なんでそんなに声が小さいんだ!」とりあむらしいツッコミを披露して笑いを取りつつ、ゾンビと戦う決意を固めるのであった。
一方で、ゾンビたちと共にパーティに興じるヴァルクは、ゾンビが題材の本公演にピッタリの楽曲「ダンシング・デッド」で会場を沸かせる。

りあむが駆けつけるも、ヴァルクの不思議な力で拘束されてしまい、いよいよ全滅……と思いきや、なぜかりあむを噛めないヴァルク。餃子好きのりあむだけにニンニク臭が効いたと見せかけて、実はヴァルクが「AB型の血が苦手」だったことが明らかに。
(なお、DAY2夜公演では餃子を食べてきた模様)

噛むことを諦め、追い出そうとするゾンビたちに追い詰められたりあむが取り出したのはまさかの「大閃光(ペンライト)」。強い光がヴァルクたちの弱点であると見抜いたりあむは、客席にもペンライトを用意するよう呼びかける。

ここまでの客席を巻き込む演出で一体となった会場からは一際大きな歓声が上がり、「せーの、オターク!」の掛け声でヴァルクたちを撃退。ゾンビになっていたアイドルたちも元通りに。

プロデューサーから手描きの地図が間違っていた旨の連絡が入り、急いで正しい会場へと向かう……というところで第1幕は終幕となった。

夏らしい爽やかな楽曲が満載のライブパート!
休憩の後、第2幕のライブパートが開幕。ここからはスタンディング、応援グッズの使用、楽曲へのコール可ということで、観客たちは色めき立っている様子だ。
ミュージカルの流れからもわかるように、ライブパートは「無事“マジカルトロピカルフェス”の会場に到着したアイドルたちによるパフォーマンス」が展開。第1幕・第2幕と区切られてはいるものの、自然な導入でストーリー性を持たせており、没入感が高まる。
まずはヴァルク……ではなくフェスの司会役として穴沢裕介さんが登場。「アイドルたちが準備中なので、もう少しだけ待ってほしい」としつつ、陽気に会場を温める。出で立ちからBGM、一挙手一投足まで正しく「パリピ」な姿に、客席からは笑いが上がっていた。

そんなこんなでお待ちかねのライブが始まると、まずは9人全員で「銀のイルカと熱い風」をお披露目。フェスらしく、夏にぴったりな選曲だ。

ノリやすいサビ、モニターに映し出されたイルカや砂浜など、一曲目にふさわしい爽やかなステージとなった。

興奮冷めやらぬ中、こずえの「おめざめめーめー」、春菜の「春恋フレーム」、凪の「14平米にスーベニア」、イヴの「あの子が街に来なサンタ」、りあむの「OTAHEN アンセム」と、立て続けにソロ曲を歌唱。それぞれの個性を爆発させながら、楽曲の世界観を表現していく。
間髪入れずにサンバ調のイントロが流れると凪、拓海、イヴ、梨沙、りあむによる「きみにいっぱい☆」へ。夏らしいダンスナンバーのセンターをイヴが務めるというのが面白い。モニターに大きく映る太陽の下で、楽しそうに踊るアイドルたちの笑顔が弾けた。

ここからは再びソロコーナーに突入。ちとせの「Beat of the Night」、比奈の「泡沫のアイオーン」、梨沙の「GEMSTONE」、拓海の「炎の華」と畳みかけるように歌い上げる。9人という『デレマス』としては少ない人数でのライブとはいえ、全員のソロ曲がセットリストに組み込まれるという大盤振る舞いに客席も大盛り上がりだ。
春菜と比奈によるユニット「サイバーグラス」が歌う「Needle Light」では、両者とも「執事眼鏡eyemirror」コラボモデルの眼鏡を着用して登場。息ピッタリなパフォーマンスを繰り広げる。続けてちとせとこずえが「Gaze and Gaze」を披露し、ミュージカルパートの物語を踏まえたサプライズで会場の熱気を一気に高めた。


再び9人が揃い、フェス最後の曲として「パ・リ・ラ」を元気いっぱいに熱唱。ラテン調とサンバ調が融合した情熱的で爽やかな楽曲で観客と一体感を生み出す。

曲の後半ではヴァルクとゾンビご一行も参戦し、キレッキレのダンスを披露。最後は全員がステージ中央に集まり、笑顔いっぱいで一度幕を下ろした。

カーテンコールとして改めて幕が上がると、まずはヴァルクが登場。ゾンビたち、アイドルたちと順にステージに戻り、全員で「ダンシング・デッド」を歌いながら観客に感謝を伝えていく。
最後には2026年8月に開催予定の「シンデレラガールズ総選挙2026」の応援楽曲「シンデレラNo.1」を届ける。アイドルたちによる自己紹介ソングとなっており、それぞれの魅力を表現したソロパートが披露されると、担当アイドルの生歌唱を見られたプロデューサーからは悲鳴のような歓声が上がった。

合いの手も大いに盛り上がったところで、恒例の「これからも、アイマスですよ、アイマス!」コールが響き渡り、第2幕のライブパートも終了。イベントの締めくくりとなった。

まとめ
第1幕のミュージカルでは客席を巻き込んだ演出が多く見られ、会場にいる全員で舞台を作り上げているような感覚で没頭することができた。こうした「距離感の近さ」は、長年ライブなどのイベントを通してファンとの絆を深めてきたアイドルたちならではのものだ。

コメディシーンだけでなく、要所で迫力のあるパフォーマンスやアイドル同士の関係性を描いたシリアスシーンが挿入され、アイドルたちの多彩な魅力、ひいてはキャスト陣の表現力を堪能できる内容だったと言える。ホラーということで、聴き馴染みのあるメロディーが妖しげにアレンジされて流れる等、細かい演出も没入度を高めていた。

また、本公演の物語においては穴沢裕介さん演じる城主が非常に重要な役割を担っていた印象。大胆なアクションや表情の変化を駆使してホラー感をしっかりと持たせつつ、“魅力的なヴィラン”として立ちはだかる姿は、対峙するアイドルたちをより輝かせていたように感じられたのだ。

一方、第2幕のライブパートでは、第1幕の楽曲が展開上激しい曲に偏りがちなところ、「夏フェス」という形で爽やかな夏曲を中心にするという構成が見事にハマっていた。通常のライブではなく、ミュージカルとライブの2部構成という本イベントの特性を上手く活用したステージは、「デレミュ」だけの唯一無二の体験と言えるだろう。

総じて、ミュージカル初心者でも存分に楽しめる、親しみやすい演劇だったように思う。記事執筆時点で第3弾の話はないものの、次にも期待したくなる公演だった。
(※2026年7月7日時点。)
「CINDERELLA GIRLS MUSICAL DERE of the DEAD」セットリスト(敬称略)
第1幕
| No. | 曲名 | キャスト |
|---|---|---|
| 1 | CoCo夏夏夏 Holiday | 田辺留依・長島光那・松永あかね・立花日菜・集貝はな・原 優子・星希成奏 |
| 2 | THE VILLAIN'S NIGHT | 佐倉 薫・花谷麻妃・穴沢裕介 |
| 3 | Bloody Festa(Instrumental) | 田辺留依・長島光那・松永あかね・立花日菜・集貝はな・原 優子・星希成奏 |
| 4 | アンデッド・ダンスロック | 佐倉 薫・花谷麻妃・田辺留依・長島光那・松永あかね・立花日菜・集貝はな・原 優子・星希成奏・穴沢裕介 |
| 5 | EVIL LIVE | 佐倉 薫・花谷麻妃・集貝はな・原 優子・星希成奏 |
| 6 | ダンシング・デッド | 佐倉 薫・花谷麻妃・田辺留依・長島光那・松永あかね・立花日菜・集貝はな・原 優子 |
| 7 | OTAHEN アンセム(Instrumental) | 星希成奏 |
※歌唱のないキャストの方も含めて記載。
第2幕
| No. | 曲名 | キャスト |
|---|---|---|
| 1 | 銀のイルカと熱い風 | 佐倉 薫・花谷麻妃・田辺留依・長島光那・松永あかね・立花日菜・集貝はな・原 優子・星希成奏 |
| 2 | おめざめめーめー | 花谷麻妃 |
| 3 | 春恋フレーム | 長島光那 |
| 4 | 14平米にスーベニア | 立花日菜 |
| 5 | あの子が街に来なサンタ | 松永あかね |
| 6 | OTAHEN アンセム | 星希成奏 |
| 7 | きみにいっぱい☆ | 松永あかね・立花日菜・集貝はな・原 優子・星希成奏 |
| 8 | Beat of the Night | 佐倉 薫 |
| 9 | 泡沫のアイオーン | 田辺留依 |
| 10 | GEMSTONE | 集貝はな |
| 11 | 炎の華 | 原 優子 |
| 12 | Needle Light | 田辺留依・長島光那 |
| 13 | Gaze and Gaze | 佐倉 薫・花谷麻妃 |
| 14 | パ・リ・ラ | 佐倉 薫・花谷麻妃・田辺留依・長島光那・松永あかね・立花日菜・集貝はな・原 優子・星希成奏 |
| 15 | シンデレラNo.1 | 佐倉 薫・花谷麻妃・田辺留依・長島光那・松永あかね・立花日菜・集貝はな・原 優子・星希成奏 |
GameWith編集者情報

| 幼少期に初めて遊んだ『SaGa2秘宝伝説』でゲームにハマり、『メモリーズオフ』でオタクになった甘党おじさん。 レトロゲームを買い漁るのが好きで、購入した中古ソフトをクリーニングする作業が至福の時間。 ゲーム以外ではギターが趣味だが、夜な夜な取り憑かれたようにゲームのBGMを演奏しだす厄介な習性がある。 |
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