
2025年6月14日(土)、Smilegateは2025年に配信予定のスマートフォン/PC向けMMORPG『LORDNINE(ロードナイン)』を一足早く体験できる「シークレットパーティー」を開催。
本イベントには、メディア関係者とMMORPG系インフルエンサーたちが多数参加しており、『LORDNINE』の発表会と先行試遊会が実施された。
▲【ロードナイン】ストーリームービー:世界観編
本稿では、そんなイベント会場で触れることができた実機プレイの所感と、本作の開発・運営を行うクリエイター陣へのインタビューを一挙にお届けする。
目次
選択が“個性”に変わる。育成と職業の自由度にこだわった『LORDNINE』
イベント冒頭の発表会では、開発元NX3GAMESのキム・ヒョジェ氏(開発プロデューサー)をはじめ、Smilegateのハン・ジェヨン氏(事業責任者)、イ・ギュハ氏(日本室長)らが登壇。日本展開における展望や、ゲームに込めた想いが語られた。
キム氏は、本作について「王道RPGの文脈を踏襲しつつ、MMORPGの本質的な面白さを徹底的に追求し、より深みのある育成システムを提示したい」と語る。

NX3GAMES 開発プロデューサー キム・ヒョジェ氏

Smilegate 事業責任者 ハン・ジェヨン氏

本作は既に韓国、台湾にて配信されているMMORPGだ。プレイヤーは、世界を最初に統一した絶対君主を慕う9人のロードたちと共に、混乱に陥った世界を再統一するための壮大な戦争の旅路に赴いていく。
ゲームシステム面では、アビリティタグの組み合わせによって多様な職業を選べるのが最大の特徴だ。ローンチ時点では、54種のアビリティタグを組み合わせることで、56種類もの職業を選択可能だ。

さらに、スキルポイントを振り分けて強化を行うスキルツリーの採用により、同じ武器スキルでもプレイヤーごとの差別化に寄与している。言うなれば、キャラクターカスタマイズにおいてはとりわけ高い自由度と拡張性を実現しているわけだ。


ユニークなのは、前述したアビリティタグの組み合わせによって、隠し職業を活性化させられるという点だ。ゲーム内で、初めて隠し職業を見つけたプレイヤーのニックネームはゲームに登録されるとのこと。

近年、スマートフォンとPCのクロスプラットフォーム展開が主流となったMMOジャンルにおいては、ストレスフリーなユーザーエクスペリエンスの画一化が進んでいる。
そんな中、本作は「古き良きMMORPG」とも題しており、現代的なMMOの基本的な手触りを保ちながら、どこか不便さとも言い切れない、古式ゆかしいオンラインゲームならではのアナログな魅力を引き出そうとする試みが印象的だ。
もちろん、ゲームは無課金&微課金プレイヤーでも十分にゲーム内コンテンツが楽しめるよう設計されている。

また、日本サービスを取り仕切るイ・ギュハ氏によれば、日本版のローンチにおいては日本専用サーバーが用意されるとのこと。先行ローンチ済みの韓国、台湾から実力のある強豪ギルド、並びにコアプレイヤーが流入することはないようだ。
今後のアップデートによって、全体的なワールド内取引が可能になっていくそうで、将来的にはサーバー間での自由経済が構築される見通しとなっている。

Smilegate日本室長 イ・ギュハ氏



武器ごとの“特性ポイント”で広がるスキルツリー強化。職業×武器の組み合わせで個性を創出できるMMORPGに!

イベントでは、メディアとインフルエンサー向けにゲームの試遊時間が設けられていた。筆者も早速触ってみることに。
本作は、クラシックMMOを謳う通り、クォータービューを採用したオーソドックスなMMORPGだ。
移動先をマウスクリックで決定し、ショートカットに設定した武器スキルを使い分けてバトルは展開されていく。バトルシステムそのものに独自性こそ見られないが、それゆえに誰でも触れる取っ付きやすさがあるのは間違いないだろう。

冒頭のプレゼンで紹介されていた武器スキルをチェックしてみると、武器ごとに「特性ポイント」が備わっている。プレイヤーはこれをスキルツリーに割り振ることで、武器スキルを強化できるようだ。
例えば、ポイントを盛大に使用して、1つのスキルのツリーを全て解放することもできるし、それらを均等に振り分けていくこともできる。ポイントには限りがあるので、どのような強みを打ち出していくかが悩みどころとなる。

続いて職業についてだ。6つのスロットにアビリティをセットし、その組み合わせによって職業が決定する仕組みとなっている。
アビリティは2つで1組として扱われ、基本的には3組全てを活性化していく必要がある。同じタイプのアビリティ同士をリンクさせ、組み合わせを色々試しながら、さまざまな職業を探すのが結構面白い。


また、戦闘スタイルの観点で言えば、本作は職業よりも武器に依存している。
近年のMMORPGでは、職業を選択したら、扱える武器種もほぼ自動的に決まることが多い。しかし、本作では攻撃用スキルを含めて、バトル中の立ち回りに大きく関係する要素は職業ではなく武器の種類。
極端な話、敵を素手で殴りつける魔法系のキャラクターなど、個性あふれるプレイスタイルが可能になっている。
試遊では、「試練の塔」と呼ばれる階層型のバトルコンテンツに挑むことに。
そこで筆者は、既存作では防御系魔法を用いて前線を支えるイメージが強い「クルセイダー」の職業と、後方から多彩な攻撃魔法が扱える魔法系武器の「杖」を組み合わせてみた。
すると、攻撃魔法で遠距離から攻撃しつつ、敵が接近してきた際にはシールドで耐え抜く──そんな攻防一体のスタイルで遊ぶことができた。


一見、アンバランスな組み合わせ方になったとしても、武器スキルを成長させていく方向性を決めれば、独自の強みを確立できるはず。
こういったカスタマイズの奥深さと、職業の可能性を拡張していくプレイヤードリブンな遊び方こそが、本作の魅力の1つだと感じた。
開発者インタビュー!課金ハードルを下げ、隠し職業をシャッフル──韓国発MMORPGが日本市場で挑戦する狙いとは?
試遊会の後は、クリエイター陣に向けての質疑応答の時間も設けられており、インフルエンサーからは、配信者ならではの悩みから、アイテムドロップに関する鋭い質問なども寄せられていた。
筆者も、イベントに登壇した開発・運営陣に、あえて今MMORPGというジャンルに挑む理由や、日本展開において重視しているポイントなどを訊いた。
──今回『LORDNINE』で日本専用ワールドを採用した経緯を教えてください。
キム・ヒョジェ氏:
国ごとにMMORPGプレイヤーのプレイスタイルや性格は異なるため、日本の皆さまにはまず本作をしっかり楽しんでいただきたいと思い、日本サーバーを用意することになりました。
──日本版のローンチ以降、すでに稼働している韓国・台湾サーバーと比べ、日本サーバー版はどういう方針で差別化するのでしょうか?
キム・ヒョジェ氏:
最大のポイントは“難易度”と“ゲームバランス”です。理由としては、すでにサービス中の韓国・台湾で蓄積したデータを活用することで、プレイ時に調整が必要だった部分を徹底的にブラッシュアップできるからです。
日本のプレイヤー向けに、より快適で遊びやすいバランスを用意する予定です。

──オンラインゲームは、装備やスキル構成がテンプレ化される傾向があるかと思います。特に、先行ローンチを迎えた国から攻略情報がそのまま日本に流れてくる可能性があります。その点については、どのようにお考えでしょうか?
キム・ヒョジェ氏:
韓国・台湾サーバーは、日本に比べると1年近くサービスが先行している状況です。そうした中で、一部の装備などがテンプレ化しているのは事実とするところです。ただ、それはそれで楽しんでいただきたいなと考えています。
ですが、本作には隠し職業(「HIDDEN」クラス)の概念が存在しているため、先行サービス中の韓国・台湾サーバーから広まっている情報が、隠し職業発見の楽しみを奪ってしまう懸念があります。
ですので、日本版では隠し職業を活性化するための組み合わせをシャッフルしました。日本では、日本のコミュニティの中で、異なる組み合わせの楽しみ方を模索していただけると思います。
ハン・ジェヨン氏:
韓国のプレイヤーの方々も、日々多彩な職業の育成を楽しまれているのですが、1つの職業を育成するだけでも時間が掛かりますし、シーズンごとに“職業のトレンド”が存在するので、テンプレが固まり続けることが少ないのも魅力かなと思います。
──日本国内でもモバイル&PCのMMOプレイヤーは一定数存在しますが、昨今のゲーム業界全体で見ると、「MMO」ジャンルは決してトレンドとは言えないと思います。その中であえて挑戦する狙いを教えてください。
ハン・ジェヨン氏:
既存のMMORPGは課金要素がプレイヤーにとってのハードルになっていることが多いです。ですが、本作は韓国でも課題となっている課金要素のハードルを下げることで、特に若い世代のプレイヤー層から支持を集めてきています。
また、本作では“昔ながらのMMOが持つ面白さ”を追求し続けているのですが、この魅力が若年層を中心に徐々に広まりつつあり、手応えを感じているところです。
我々としても、今一度クラシックMMOの魅力を日本を含むグローバルな市場にて拡大させたいと考えており、それがチャレンジする狙いでもあります。

──日本版のリリース後、一般のプレイヤーが参加できるオフラインイベントなどは予定していますか?
イ・ギュハ氏:
本作では、プレイヤーとの意思疎通を最も大事にしています。しかし、ローンチ直後からイベントだったり大会だったりを開催するかどうかは、現在慎重に検討を重ねている最中です。
オフラインイベントの開催そのものは視野に入れていますが、まずは日本版のサービスをスタートさせた後に、プレイヤーからのフィードバックをしっかり受け止めることができる環境づくりを優先することになると思います。
もちろん、運営側としてもプレイヤーとのコミュニケーションが綿密に取れるような活動は常に続けていきます。
──今後、外部IPなどのコラボレーションを行う予定はありますか?
キム・ヒョジェ氏:
もちろん、コラボレーションの実現などは考えています。ただ、我々としてはまずは本作をしっかりプレイしていただくことが大切だと考えています。
その中で、プレイヤーの皆様からのフィードバックをいただき、変化が望まれる時期が来れば、そうした施策もより前向きに考えていくつもりです。
──最後に、日本のプレイヤーへメッセージをお願いします。
ハン・ジェヨン氏:
プレイヤーとのコミュニケーションを大切にするという部分はこれからも変えないつもりです。いただいたご意見をもとに、日本市場に合わせた最良のサービスを目指して取り組んでいきます。
遊んでくださったプレイヤーの皆様に100%満足していただけるよう、サービスの準備を進めて参りますので、ぜひご期待ください!
キム・ヒョジェ氏:
私は、幼少期の頃から日本の「JRPG」をプレイして育ってきました。本作のジャンルは「MMORPG」ではありますが、JRPGのように楽しめるさまざまなエッセンスを織り込んでいます。
日本のプレイヤーが、本作ならではの魅力や楽しさを感じていただけたら嬉しいです。
イ・ギュハ氏:
日本版サービスの責任者として、日本のゲーム市場で20年間培ってきた経験を活かし、日本国内のプレイヤーたちが求めているものを適切にお届けしていきたいと考えています。
完璧なものを目指すために、プレイヤーの皆さまにより良い体験を届けられるよう、改善すべき点にはスピード感を持って対応していきます。どうぞよろしくお願いいたします!

──本日はありがとうございました!
GameWith編集者情報

| 東京都福生市生まれのゲームライター。そしてお酒と革靴が好物でソロキャンプが趣味のミニマリスト気質おじさん。サ終ゲームのヒロインをAIで復活させてニヤニヤしたり、国語辞典を持ち歩いて山中フラフラしたりしています。ULキャンプに傾倒しているためSNSは大体キャンプの話題が多め。 |
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