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年末年始のお休みにかこつけて、ライターのおすすめゲームを布教する年末年始レビュー祭り企画。「どのゲームを紹介しようかな?」と考えてふと思ったのが
年末年始って意外と時間無いな…?
と言うことで(?)、そこそこ手軽に遊べつつも、ガッツリやり込むことも出来る器用な作品を紹介したいと思う。その名も『Million Depth』。ワンプレイは長くないが無限に遊べる“沼”と隣り合わせの作品だ。
公式のジャンルは“深層墜下アクションストラテジー”。ゲーム漬けの年末年始に“墜ちて”しまっても責任はとれないので悪しからず。
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- 12月21日(日)
『Million Depth』
アクションなのにストラテジーなローグライト!地底を目指していたら底なしの沼へ
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年末年始ゲームレビュー祭まとめ2025
目次
GameWith編集者情報

| 幼少期に初めて遊んだ『SaGa2秘宝伝説』でゲームにハマり、『メモリーズオフ』でオタクになった甘党おじさん。 レトロゲームを買い漁るのが好きで、購入した中古ソフトをクリーニングする作業が至福の時間。 ゲーム以外ではギターが趣味だが、夜な夜な取り憑かれたようにゲームのBGMを演奏しだす厄介な習性がある。 |
『Million Depth』とは?
▲『Million Depth』ゲームプレイトレーラー
本作は、2025年11月12日(水)にPLAYISMより発売されたローグライト・2Dアクションストラテジーだ。
灼熱の太陽フレアにより荒廃した世界で、かつての人類の半分は宇宙へ、もう半分は地底へと逃れた。主人公のモマは宇宙で暮らす少女。宇宙ステーションに住む人々がモマを残して全滅したのを機に、地下に住む友人“キミ”に会うため100万階層の地底世界「ミリオンデプス」へと飛び込んで行く。

▲地底へと墜ちるモマ。100万階層とは言うものの実際には一度に数万階層墜ちてくれるため、慣れるとワンプレイ1時間~1時間半くらいで遊べる。

▲各階層に敵やショップ、休憩所、イベントなどがランダムに配置されるローグライト形式。サーチシステムにより1つ先の階層まで何があるか確認できる。
ところで、アクションストラテジーというジャンルはちょっと珍しい。
反射神経や素早い判断力など直感的なプレイが求められるアクションと、戦略・戦術を駆使する思考的なプレイが特徴のストラテジー。
一見すると相反するような組み合わせで、どんなゲームなのか気になるのではないだろうか。筆者もこのゲームを購入したきっかけの半分はジャンル名への興味であった。

▲ちなみにきっかけの残り半分はモマちゃん。かわいい。
手も頭も大忙しだけど脳汁ドバドバ!時間停止アクションストラテジーバトル

プレイヤーはモマと彼女の持つ武装を操作する。モマ自身を左スティック、武装を右スティックとそれぞれ独立して操作する必要があり、なかなかに手が忙しい。
武装を敵にぶつけるか、モマ自身の体当たりで攻撃しつつ、巧みな操作で敵の攻撃を回避しながら戦っていく。なるほどアクションだ。

一方で、本作のバトルで最重要となるシステムが“ビオトープジャマー”と呼ばれる装置による時間停止である。
標準装備のこの装置により、プレイヤーがモマや武装を操作していない間は敵側も一切動かない。
飛んでくる敵弾もコチラが止まればピタリと止まってくれるし、チョンチョンと動いたり止まったりを繰り返せば実質コマ送りに。
これにより、アクションでありながらじっくりと考えながらプレイができる。
移動で避けられるのか、ダッシュしないと間に合わないのか、ジャンプで飛び越えるのか、それとも武装をぶつけてかき消すのか。敵の攻撃が放たれてから、のんびりお茶でも飲みながら考えられるのだ。

▲なんかいっぱい飛んできているが、まったく慌てることはない。1つ1つ冷静に対処できる。
さらに、武装をぶつけた時の跳ね返り等を利用して複数の敵に連続ヒットさせる「コンボ」や、武装の耐久値・部分攻撃力といった要素も加わってくる。
モマを移動させつつ、避けられない敵弾を防げるよう盾を配置しながら、敵と敵との間に武器を潜り込ませてコンボを狙う…。なかなかに頭も忙しい。
戦況を冷静に分析し、適切な判断を下し戦術的に敵の群れを撃破していく。なるほどストラテジーだ。
▲防御用の武装で敵弾を防ぎつつ、攻撃用の武装を敵の間に潜り込ませてコンボする様子。うまく決まると大層気持ちが良い。
このように本作のバトルは、手が忙しいアクション的な楽しさと、頭が忙しいストラテジー的な楽しさが共存した斬新なものになっている。
馴染み深い横スクロール形式の2Dアクションでありながら新感覚。唯一無二のバトル体験と言えるだろう。

しかしいくら敵が待ってくれるとは言っても、ある程度ゲームが進むと敵の数は増え攻撃の密度も激しくなり、頭の中で考えた華麗な回避や連続コンボを完璧に実行するのは容易ではない。
この辺りのバランス調整が巧みで、考えた通りに戦えると気持ち良いのはもちろんだが、意図していないコンボや回避といった「たまたま」の勝利もそれなりに発生し、それがまた快感で中毒性が高い。
考えながら遊ぶからこそ、上手くいった時は脳汁ドバドバなのだ。
気付けばストーリーそっちのけで強敵を求めてさまよう戦闘狂モマちゃんになっていた。

▲固定階層以外バトルばかり通ってきた戦闘狂モマちゃん。ちなみに次の階層の選択肢が休憩所(回復エリア)とショップしか無くて困っている。
中毒×中毒で底なしの沼へ。武装クラフトの試行錯誤が楽しすぎる

モマが持つ武装はパーツを組み合わせて自由にクラフトできる。このシステムもまた中毒性が非常に高く時間を忘れて没頭してしまうこと請け合いだ。(年末年始に忙しくて時間が無い人も遊べるゲームという話だったような…?)
ミリオンデプスの探索中に入手したパーツをマス目に配置していくのだが、ユニークなルールが多数設けられている。凹凸を作れば攻撃力が上がり、細長くすれば移動速度が上がる。尖がり部分は部分攻撃力が高く、敵に当てやすい位置に配置することで効果を発揮するが少々脆い。


パーツは一定の組み合わせで並べると「アップグレードパーツ」に変化し、性能が向上するうえ見た目もかっこよくなる。同じ色のパーツを四角くまとめると硬くなり、棒状に配置したパーツの先にトゲを2つ重ねると貫通性能を持つ槍になるといった具合だ。

▲上記「槍」や一部の特殊なパーツはロックされており、はじめは作成・入手できない。何度かクリアすることでロックが解除されて使用できるようになるので繰り返し遊ぶほどクラフトの幅が広がっていく。
クラフトによる武装性能の変化はモマの戦力に如実に影響する。回転斬りで敵をなぎ倒したり、超火力の弾幕をばら撒いたり、極まった武装なら初期装備のシンプルなハンマー型武装とは次元の違う“蹂躙”が楽しめるようになるのだ。
プレイヤーの発想力がそのまま強さになる、とてもやりがいのあるシステムだと感じた。

▲銃口から剣や槍が生えたトンデモ武器だって作れる。これでも銃口からちゃんと弾が出る謎技術。

▲スペースいっぱいに敷き詰めたくて上部に回転刃を取り付けてみた図。こうなってくるともはや要塞のようだ。位置的に実用性皆無だが、なんかカッコイイのでヨシ!
ありもののパーツをやりくりして限られたスペースの中に納め、思い通りの武装が作れた時の快感もさることながら、なによりその過程の試行錯誤がめちゃめちゃ楽しい。
そして作った武装をバトルで試す。目論み通りに戦えて脳汁がドバドバ出るし、敵を倒せば新たなパーツが手に入るのでまた武装を強化して…というループで、延々と遊び続けてしまう。
バトルの中毒性とクラフトの中毒性による相乗効果でまさに底なしの沼。モマちゃんが地底へと潜る時、プレイヤーもまた沼に潜っていたというワケだ。
レリックで理想のビルドを目指せ

バトルに関するシステムとして、レリックについても触れておこう。
レリックはいわゆるパッシブスキルで、強敵との戦闘後やイベント等で入手できる。ランダムに出てくる3つの中から選択する、ローグライトではおなじみの形式だ。
その内容は武装の移動速度をアップするもの、剣・銃・槍など特定のアップグレードパーツの性能を強化するもの、モマの体当たりを強化するもの、その他便利能力など多彩で、武装との組み合わせ次第でラスボスすら瞬殺できる超強力ビルドも組めてしまうほど。

▲カスタムを重ねて厳つくなった武装と、変わらずかわいいモマちゃんのギャップも魅力。

▲とはいえモマちゃん自身もレリックで鍛えると体当たりでシャレにならない威力をたたき出す。この時点での敵のHPは42とかなので余裕で粉砕できる。(モマちゃんと被っていてわかりづらいが135ダメージ出ている。)ちなみにこれでもまだレリックが揃っていないので、本気の肉体派モマちゃんのデコピン程度。
強力だからと言って、目当てのレリックを集めるためにレリック重視で行き先を選択していると肝心のパーツが足りなくなり武装が組めなくなるなど、ミリオンデプス内の探索においても頭を使う要素として機能している。
そしてこちらも、頭を使うからこそ脳汁ドバドバ・アドレナリンブシャーの快感がたまらない。各要素が見事に融合し、プレイヤーを100万階層の沼へと墜とす。平日にプレイを始めるとやめ時が無く大変なことになりかねないので、やはり年末年始など休みのプレイがおすすめだ。
繰り返しのプレイで全貌が見えてくるマルチエンドのストーリー

各要素の相乗効果でプレイヤーを沼へと誘う本作だが、もちろんストーリーも夢中にさせる要素に溢れている。
本作のストーリーは大きく分けて3つのルートが存在し、さらに各ルートの中で細かく分岐していく。特筆すべきは各ルートの中での行動・選択が別のルートにまで影響を与えることだろう。
あるルートでのモマの何気ない言動が、別のルートの運命を大きく変えることも。こういった分岐・影響はゲーム内「世界線の歪み」でいつでも確認でき、各分岐点毎の選択をすべて網羅するとその場所で「どの選択をしたことにするか」をいつでも切り替えられるようになる。

▲複雑に絡み合うストーリー分岐図。こんなの見たらワクワクせずにはいられない。
何周も繰り返し遊ぶことでミリオンデプスの、ひいては世界の全貌が少しづつ明らかになっていき、モマやキミの運命も変化していく。
ストーリーが気になるから潜る→バトルとクラフトが楽しくていつの間にか戦闘狂になる→イベント階層でストーリーに引き戻されて続きが気になり…と、こちらもまた無限ループで遊び続けられるのだ。
ミリオンデプスの中で出会うキャラクターも魅力的
ミリオンデプスの中で、モマは個性豊かなキャラクターたちと出会う。これらも非常に魅力的で、何度でも会いたくなってしまうのだ。

ファクトリーの階層でモマを迎えてくれる「ドリるん」。ゲーム的には主に武装クラフトのスペースを拡張してくれる役割なのだが、「仕事をしないと帰れないのに人間がいないから仕事が無い」という、ちょっと不憫なかわいいヤツだ。モマが歩くと着いてくるのが可愛くて、ついついウロウロしてしまう。

▲ドリるんによれば、モマは「ドリたそう」な顔をしているらしい。

▲こちらは商人。金銭ではなくパーツ同士の物々交換によって取引を行う。店主の機嫌をよくしてやるとかなりお得に取引できるので、いっぱいパーツを巻き上げて最強の武装を目指そう。
ストーリー重視からバーサーカーまで楽しめる懐の広さ
手も頭も大忙しなバトル、クラフトやレリックによるビルド構築、3つのルートが交錯するストーリー…。なんだか難しそう、と思う方もいるかもしれない。
しかし本作は3段階の難易度選択ができ、「ストーリー」モードを選択すれば何度でもリトライが可能で、ゲームに不慣れな人でも物語を見届けられるようになっている。

闘争を求める筆者のようなプレイヤー向けには、高難易度の「ローグライク」モードが用意されている。こちらはリトライ不可に加え、さらに「磁場」の設定が可能だ。
これはいくつかあるマイナス効果のON/OFFを切り替えて遊べるというもので、戦闘中どこからともなくダメージ判定のある弾が飛んでくるようになったり、休憩所での回復量が減少したりと、プレイヤーの好みに合わせて難易度を調整できる。

前述した通り、本作のプレイ時間は慣れると1周当たり1時間~1時間半ほどとなるが、ミリオンデプスの探索中はいつでも中断してタイトルに戻ることができる。再開時はすぐに続きから遊べるので、なにかと用事が多いであろう年末年始、空いた時間にちょっとだけ…みたいな遊び方も(中毒性に抗えれば)可能だ。
逆に、無数に分岐するストーリーの全てを見たいとか、バトルやクラフトを極めたいのであれば、年末年始の休みを丸っと捧げられるくらいボリューミー。多様なプレイスタイルに対応した、懐の広い作品と言える。
まとめ

独自性の高いアクション×ストラテジーバトル、試行錯誤が楽しいクラフトやローグライト要素、そして繰り返し遊ぶほど楽しめるストーリーに、それらを彩る魅力的なキャラクターたち。
あらゆる要素が繰り返しのプレイを楽しめるようにデザインされており、油断するとすぐに底なしの沼へと墜ちてしまう、非常に完成度の高い一作だ。

豊富な難易度設定に加え、ワンプレイが長くなくいつでも中断可能と多様なプレイスタイルに対応し、忙しいけどなにかゲームをプレイしたい…!という人も、ガッツリ遊びたい人も楽しめる、年末年始のお休みにぴったりなゲームと言えるだろう。
みなさんも、かわいい少女で地底世界を蹂躙してみてはいかがだろうか。
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- 12月21日(日)
『Million Depth』
アクションなのにストラテジーなローグライト!地底を目指していたら底なしの沼へ
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年末年始ゲームレビュー祭まとめ2025
発売日など基本情報
| 発売日 |
2025年11月12日 |
|---|---|
| 会社 |
PLAYISM |
| ジャンル | アクション |
| 対応ハード | PC |
| 価格 |
PC : 1,700円(税抜)
|
| 公式HP | |
| 公式Twitter |
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