角満のゲー漫 第58回!今回は角満さん的評価が最高得点の『ファンタジアン』を紹介!『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親でもある坂口博信氏がAppleとタッグを組んで贈る超大作アプリ。止め時がわからなくなるほどの独特な魅力とは!?
大塚角満の「ココ」が凄かった!!
Apple Arcadeは定額サービスなので、会員になればいろんなタイトルを自由に遊べるのが強み。『ファンタジアン』はこのサービスのキラータイトルになると言われているけど、確かにその可能性を秘めたすばらしいRPGだと思いました!
グラフィック度 | ★★★★★(5) 「ジオラマをゲームに利用してる」と聞いて頭の中で想像したものの……余裕で10倍は美しいと断言しておく。それくらい美麗で、そして新しい映像が見られることをお約束しますわ! |
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JRPG度 | ★★★★★(5) JRPGらしさをキチンと追及しながらも、本文中で書いた斬新なバトルシステムなど、随所に“坂口イズム”が感じられる作りに好感! |
音楽度 | ★★★★★(5) 坂口さんの盟友でもある植松伸夫さんが楽曲を担当。当然、世界観にベストマッチした音楽をたくさん聴けるので、ぜひ音を出してプレイしてほしい! |
『ファンタジアン』に出会ってしまった
そのアプリを遊び始めて数分後、チュートリアルを兼ねた最初の戦闘を終えたときに、俺はつぎのように思った。
「また……ステキなゲームに出会ってしまった」
雰囲気、手触り、映像、音楽、システム……。
どれをとっても、
「さすが……!」
と唸らずにはいられない、純粋無垢なRPG。
すべてが新しいか……と言われたら、そんなこともない。
でも、「レトロな感じ?」と聞かれたら……「いや……そういうのとも違う!」と答える。
あの『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親、坂口博信さんが作った『ファンタジアン』というゲームは、やはり一種独特な魅力に包まれたすばらしいRPGであった。
デジタルとアナログの融合、その究極
『ファンタジアン』は、Appleの定額ゲーム配信サービス“Apple Arcade”用ソフトとして4月1日にリリースされたばかりの、完全新作RPGだ。
開発は前述の通り、あの坂口博信さん率いるミストウォーカー。
『テラバトル』シリーズの開発などにより、スマホのインターフェースを知り尽くした彼らだからこそ作れた斬新なシステムに、驚かされること請け合いの作品になっている。
まずビックリしたのが……グラフィックの美しさだ。
それも、ただ単純に「キレイだなぁ……」と感じるのではなく、
「え。な、なんだこの美しさは……!」
と、初めて見た絶景に息を呑んでしまったときと同じように驚嘆させられてしまったのである。
その美麗さは、スクショでも伝わると思う。
ホラ、↓こんなのですよこんなの!
実写のようで、実写ではなく、CGだけのようで、CGだけでもない……。
なんか、めちゃくちゃ頭の悪い説明になっちゃってるけどw
こんな映像、俺も初めて見せられたので混乱しているんだよ(苦笑)。
これ、リリース前から『ファンタジアン』の“最注目ポイント”として喧伝されていたので知っている人も多いと思うけど、なんと日本全国の制作会社によって作成された“ジオラマ”をフィールドとしてゲームに応用し、プレイヤーキャラはその上を冒険する……という仕組みになっているのである。
しかも、撮影した1枚絵の上を冒険する……なんていう単純な作りではなく、あらゆる角度から撮影されたジオラマをCG処理し、陰影やぼかしの効果をふんだんに盛り込んで、“『ファンタジアン』だけの”世界を作ることに成功しているのだ。
“デジタルとアナログの融合”って、ゲームの世界ではよく聞くフレーズだけど、これほどまでに違和感なく、しかもとんでもないレベルで実現しているコンテンツに初めて出会ってしまったわ……。
いやまさか、手のひらに収まるスマホの画面で、こんな景色の中を冒険できる日が来るとは思わなんだ……!
そしてもうひとつ、『ファンタジアン』で抜きん出ているのがゲーム全体の“テンポ”だ。
移動や会話がタッチパネル操作に最適化されて遊びやすくなっているのはもちろんなんだけど、
驚いたのがバトルモード。
キャラクターの行動速度によって行動順が回ってくるコマンド選択式バトル……ってところは、言ってみればオーソドックスな形かもしれない。
でもここに、『ファンタジアン』ならではの“エイミング”が加わることで、単純なコマンド選択式バトルが飛躍するのだ。
エイミングってのは、↓こういうこと。
スキルによって効果を生じさせる軌道(白いライン)が表示され、それはタッチ操作によって任意に動かすことができる。
これにより、複数の敵に当たる軌道を見つけられれば、1回の攻撃で大量のヒットを見込める……って寸法なのだ。
エイミングを使いこなすことで“バトルをコントロールしている感”が強まり、しかもコマンド選択式の小気味いいテンポと絶妙に絡んで、何とも言えない爽快さを生み出しているのであるよ。
こういった、いわゆる純粋なRPGを遊んでいて「気持ちいいな!」って思ったの、いつ以来だろう……。
ともすれば面倒臭くなりがちな戦闘も、エイミングとテンポの良さのおかげもあっていちいち楽しいし……。
ここに、記憶を失った主人公を中心とした重厚なストーリーと、NPCから請け負うクエストなんかも絡まって、ますます止め時がわからないゲームになってきているわ……w
いま、個人的にゲームが大豊作の時期で、まったく時間が取れていないんだけど……『ファンタジアン』はプレイせざるを得ない!!!w
もう、ちょっとくらい睡眠時間削っても遊び続けるぞ!!
そう誓いつつ、俺はゲームに戻りますw
また来週!!w
(おおつかかどまん)
20年以上にわたりファミ通で記者、編集長などを務めつつ、自ら著者としてゲームプレイ日記の単行本、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズなどを上梓。ベストセラーとなる。2019年より独立し、パズドラのストーリーダンジョンのシナリオ担当を務めるなど、活動の幅を広げている。 |
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