角満のゲー漫 第26回!暑すぎる真夏にぴったり(?)激怖ホラーゲーム『呪巣』シリーズを紹介!実はオカルト大好きの角満さんがこのシリーズがいかに怖いか?を紹介!
オカルトな季節
毎年この時期(お盆近辺ね)になると、ホラー業界がアツく燃え上がってくる。
……いや、書いた瞬間に気付いたが、この表現はまったくそぐわないな。
ホラー業界が……ゾクゾクと冷え込んでくる。
……なんか、景気が悪くてフトコロ具合が冷え切っているみたいだけど、もちろんそういう意味ではない。
今年は新型コロナウイルスの影響もあって、オバケ屋敷やら怪談系トークショーといったイベントごとはそれほどクローズアップされていないけど、それでも、各業界から人々の背筋を凍り付かせるコンテンツがアレコレと発信されている。
これは……無類のオカルト好きとして、まことに喜ぶべき流れでありますよ。
そう、俺はオカルト系の事象が大好きなのだ。
それも、UFOやUMA、都市伝説と言った、最近ちょっと流行りのコンテンツよりも(もちろんそれらにも目はないけど)、ガチガチの心霊系が大好物である。
だからといって、自宅の屋根裏から幽霊がゾロリと落ちてきたり、裏庭の古井戸から髪の毛バサバサのおばさんが這い出てきたりしたら、全国から屈強な霊能者を1000人くらい集めて永久に封印してやろうと思うが、人様に起こったそういう経験談を聞くのはたまらなく好き。
要するに“怖がりの怖いモノ好き”というヤツなのである。
そんな俺が、夏になると必ず思い出して起動してしまうスマホアプリがある。
それが……EDGESが放つ最強ホラー脱出ゲーム『呪巣』シリーズだ。
呪巣の思い出
『呪巣』シリーズは、2014年8月4日配信の1作目『呪巣 -怨ノ章-』を皮切りに、2015年8月30日に『呪巣 -零ノ章-』、2016年8月3日に『呪巣 -起ノ章-』が相次いでリリース。
そして最新作となるシリーズ第4弾『呪巣 -学校の怪談-』が、2020年7月26日に登場したばかりなのである。
じつは最新の第4弾は、この原稿を書いている時点(8月18日)ではAndroid版のみ配信されているので、iPhoneユーザーの俺はまだプレイできていない。
なのでここに綴るのは第3弾までの思い出になるのだが、『呪巣』シリーズは謎解きメインの脱出ゲームなので、ネタバレ防止にちょうどよかったかもしれないな。
『呪巣』の1作目が配信された当時、俺はまだファミ通に所属していたのだが、当時のことをやたらと鮮明に覚えているよ。
その日、いつもつるんでいたファミ通App編集長(当時)の中目黒目黒が、昼飯のときにスマホを手渡してきて、ニヤニヤと笑いながらつぎのように言ったのである。
「大塚さん、ちょっとこのアプリを遊んでみてください」
目黒はこのように、昼飯の時間を使って俺にアプリを遊ばせて、反応がよかったものについては、
「じゃあ、記事を何本かお願いします」
と寄稿をせびるクセがあった。このときも完全にその流れだったのだが……俺は俺で別の部署の編集長をしていたので、そうそう簡単に「いいね! 書く書く!」と言うわけにはいかない。
俺は渋面を作りながらスマホを受け取り、
「そんな安く書かないからな。俺だって忙しいんだかんな」
と釘を刺してからアプリを起動したのである。
そこには、↓こんな画面が映っていた。
「む……?」
これは……いったい、何だ? 画面を見た瞬間に食堂の気温が3度くらい下がったような、うすら寒い雰囲気があるぞ。
「適当に画面をタッチすると、情報が得られると思います。脱出ゲームなので、大塚さんの得意分野じゃないかなと」
目黒が言った。確かに俺は、全国から1万人が参加したリアル脱出ゲームの大会で優勝し、賞金100万円をゲットした過去がある。
「ふむふむ……」
豪華絢爛なゲームが増えつつあった当時のスマホアプリの中にあって、究極的に地味なその画面を唸りながらタッチしていく。
そのたびに全身を貫く、イヤな予感……。
(進まないほうがいいよ!!!)
と、深層心理に潜むもうひとりの俺が、必死に止めに来ているのがわかった。
でも……不思議とやめられない。
(途中でやめたら、もっと怖い気がする)
そんな気持ちが膨れ上がってきてしまい、ついつい家の奥へと進んでしまったのだ。
そして……。
「うわああああああああ!!!!!」
俺は飛び上がった。
その拍子に、テーブルの上に置いてあった“ホキの夏レモンとろみソース掛け”という謎のランチの上に、目黒のスマホをボチョンと落とす。
「うわ!!!! なにしてんすか!! 俺のスマホ!!」
目黒も同時に飛び上がり、俺たちは食堂中の視線を集めることになったのだった。
……これが俺の、『呪巣』との出会いである(苦笑)。
ホラーアプリの頂点
そう、『呪巣』は怖かった。心の底から、「恐ろしい!!」と思った。
前述の通り、俺はホラーの中でも心霊系がとくに好きなので、その手のゲームもファミコンの時代から遊びまくっている。
しかし、俺が子どものころにお昼のワイドショーで流れていた『あなたの知らない世界』という心霊話の再現VTRや、ジャパニーズホラー映画に匹敵するようなゲームコンテンツに出会ったことがなく、本気で、
「こえええええ!!!」
と反応したことは一度もなかったと思う。
それが……!
『呪巣』は、冒頭から「こええええ!!!」の連続であった。
とくに、スマホのインターフェースを巧みに使った、リアルとゲームを絶妙にクロスさせたホラートリックが秀逸で、以後しばらくは非通知の着信は取れなくなってしまったほどだ。
……このへん、何を言っているのかよくわからない人も多いと思うけど、そんな方はぜひぜひ、『呪巣』の1作目である『-怨ノ章-』を遊んでもらいたい。
絶対に俺と同じく、
「怖すぎて、電話に出られなくなったんだけど……!!」
ってことになると思うので。ふっふっふ……。
以後、『呪巣』シリーズは3作すべて遊んだが、どの作品でも「うわああああ!!!」と驚かされているので、EDGESの持つ“恐怖のポテンシャル”は本当にスゴいと思う。
『呪巣』が大ヒットして以降、同じような切り口の脱出ゲームが増えたが、やっぱり元祖のこのシリーズがもっとも怖いと思うので、背筋が凍るような涼を求めている人は、ぜひとも遊んでほしいと思う。
俺も……第4弾がiPhoneでリリースされたら、その日のうちに遊んでみるつもりだ。
その感想も機会があれば、ここに綴りたいと思う。
(おおつかかどまん)
20年以上にわたりファミ通で記者、編集長などを務めつつ、自ら著者としてゲームプレイ日記の単行本、『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズなどを上梓。ベストセラーとなる。2019年より独立し、パズドラのストーリーダンジョンのシナリオ担当を務めるなど、活動の幅を広げている。 |
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