2016年7月14日にリリースされた『氷と炎:キング・オブ・アバロン』は、アーサー王伝説のその後を描いたタワーディフェンス型リアルタイムストラテジー(以下、RTS)。
アーサー王が倒れ、国を支えていたドラゴンもいなくなった世界で、“氷の軍勢”と呼ばれる魔物たちと戦っていく物語だ。
本作はリアルタイムで配置を変えながら戦うタワーディフェンス型のバトルが特徴で、状況に合わせて柔軟かつ瞬時の判断が重要となる戦闘が楽しめる。
国の主として、軍備を増強し“氷の軍勢”との闘いを繰り広げながら、氷に閉ざされた世界を開拓しよう!
城と城下町を復興し王国に“火”を取り戻そう。どんな国になるかは君主次第!
氷に閉ざされた世界に火をともせ!
本作の物語はアーサー王伝説の世界観に沿って作られている。しかし、肝心のアーサー王は死去し、人類を支えていたドラゴンもいなくなり炎の庇護を失ってしまったこの世界は、どこもかしこも吹雪に閉ざされている。
氷に閉ざされた世界では死者が蘇り“氷の軍勢”と呼ばれる魔物として各地を侵略している。
▲絶望的な状況でも、抗う人々の姿が描かれる。
鍛冶屋である主人公が暮らす街も氷の軍勢に攻め込まれ、壊滅してしまう。
残された人類にとって唯一の希望であるドラゴンの卵を託された主人公は、君主として“ドラゴン城”と呼ばれるかつてアーサー王の居城で国の復興を目指していく。
▲“ドラゴン城”は誰も手入れせず荒れ放題。君主自らの手で城の修理からやらなければいけない。
氷漬けの町ではドラゴンが孵らないため、国の各所にある“聖火”に炎をともしていこう。聖火をよみがえらせることで、その付近にある施設や資源が利用可能になる。
▲美麗なムービーシーンで描かれるドラゴンの巣と卵。王国の復興にはドラゴンの力が必要だ。
資源を集め荒れ果てた街を復興しよう
荒れ果てた街を復興するには資源が必要だ。主人公が暮らす国土には、随所に捨てられた資源が存在している。これらを集め、建物を復旧していこう。
▲聖火台に火をともすのにも資源や条件のクリアが必要だ。
建物を復旧することで、施設に備わった機能を利用できる。
兵士を訓練する訓練所や、仲間となる英雄を召喚できる英雄議会など、解放していくことでどんどんできることが増えていき、ワクワク感があって面白い。
ホーム画面でふとした時に自分が広げた国土を見るのも趣がある。
▲クエスト報酬は資源や作業時間を短縮するアイテムなどがもらえる。
どうやって国土を広げればいいかわからない!という人でも大丈夫。序盤は画面左下に表示されているクエストに沿って進めるだけでOKだ。
クエストには報酬も用意されているので、物資の少ない初心者にはありがたい。始めたばかりでも慣れるまでサポートしてくれる。
▲城のレベルを上げて、設備のレベル上限などを発展させていこう!
決断は君主であるあなた次第!
フィールド上にいる町人や“ドラゴン城”にある謁見の間では会話の選択肢を迫られる場面がある。
回答次第で報酬が増減するほか、仲間からの評価や報酬ゲットまでにかかる時間も変化する。町民の声に耳を傾けるこのシステムは、本当の君主になったみたいで楽しい。
▲ここで牢屋に叩き込むを選ぶと「私にも事情があります!」と大激怒される。
選択肢の中には脱走兵を追放するというような“暴君”的選択肢もある。仲間の評価は渋くなるが、先ほども言ったロールプレイという意味で、こういう選択肢がきっちり用意されている点は遊びの幅があって楽しい点だ。
流動的に戦況が変化するタワーディフェンス型のバトル!タイミングがカギだ
特性を考え英雄を適切に導け!
本作のバトルはタワーディフェンス型で、マス目の上に仲間を配置し、四方八方からくる敵を倒し拠点を守るタイプのものだ。
特徴的なのが、配置した仲間をいつでも移動させられるという点。敵がどこからどのように攻めてくるかに合わせて、リアルタイムに指揮を変化させていくのが本作のバトルの肝であり、面白いポイントだ。
移動するまでの時間も考慮しながら適切に部隊を導けたときが非常に爽快。敵に対して常に有利になるように配置を組み替えながら戦おう!
円卓の騎士たちを配下に!
戦いで使用する仲間は英雄議会で召喚できる。仲間になる英雄はペンドラゴンやモリガンといった、アーサー王伝説の人物が登場する。それぞれが強力なスキルを持っていて、敵を倒したときに出るオーブを集めると発動できる。
▲スキルの中には、マス目とは関係なしに位置をしていできるものも。
きちんと育成すれば雑兵の掃討からボス戦まで役に立つものばかりだ。スキルの発動タイミングやどの位置で発動するかなどの見極めも重要だ。
自陣の配置をするときにスキルも考慮するとさらに奥深いバトルが楽しめる。
▲画面右下に表示されているのが兵士の情報。スキルとあわせて確認し、作戦を立てよう!
英雄にはそれぞれ直属の兵士を率いており、弓・槍・剣盾・騎兵などの兵科に分かれている。
剣兵は弓矢を防御できたり、槍兵は剣盾に対して有効にダメージを与えられたりと、それぞれに相性がある。この相性をうまくぶつけるために、配置を組み替えていこう。
▲敵弓兵の位置を考慮し盾兵を移動させるなど、攻撃以外でも配置で工夫ができる。
兵士を育てて勢力を競うオートバトルも
タワーディフェンス形式の戦闘以外にも、兵士を物語序盤で解放できる訓練施設で育て、何人送り込むかを決めて勢力を争うオートタイプの戦闘もある。
育成施設のレベル次第で兵科が増えていき、より強力な兵科を扱うことができる。
▲訓練にはそれなりに時間がかかることも。クエストクリアなどでもらえる短縮アイテムで手早く終わらせることも可能だ。
どの施設を優先してあげるかはもちろん君主の采配次第で決まるので、好きな兵科を優先してあげるかバランスよく上げるか自分で決めていこう。
オートバトルでは、仲間の英雄に現場指揮を任せることができる。英雄にはそれぞれ味方にバフをかける基礎効果に加え、特定の条件で発動するバフなどがある。
▲組み合わせ次第で無限の可能性がある。お気に入りの編成を探してみよう!
たとえば、初期に仲間になるスローンに指揮を任せると、弓兵の攻撃が25%の確率で追加ダメージを与えることができる。さらに、同じ“自由”属性の英雄をもう一人任命すると基礎攻撃力が15%増加するなど、非常に緻密なスキル設定がなされている。
自軍の長所を伸ばすもよし、短所を補うもよし。オートバトルも君主の戦略が重要だ。
育成ゲームのようにドラゴンの成長を楽しめる!
エサやりも君主の立派な仕事
物語を進めると、主人公が託されたドラゴンの卵が孵化する。このドラゴンは残された人類の希望であり、“氷の軍勢”に対する切り札だ。
孵りたてのベイビードラゴンは勇ましいドラゴンというよりは愛くるしい見た目で、名前もプレイヤーが決められる。
グラフィックが全体的にハイレベルな本作の中でも飛びぬけて美麗に描かれており、エサやりなどの際には食べるモーションなどが楽しめる。
育成ゲームのように、愛情をもってドラゴンの成長する姿を楽しむことができるだろう。
ドラゴンの炎で氷の軍勢を一網打尽に
もちろん愛らしいだけでなく、戦場ではドラゴンらしい雄姿を見られる。オートバトルでは開幕にブレス攻撃をしてくれて、敵の勢力を削った状態で戦闘が始められる。
タワーディフェンスバトルの時には1戦闘につき1回、強力なドラゴンブレスで敵を薙ぎ払ってくれる。敵がさばききれない時やボスにぶつけるなど、使い方は様々だ。
▲上空から降り注ぐ炎がドラゴンのブレス攻撃だ。
ドラゴンはお肉を上げることで成長していき、レベルアップで攻撃力や防御力を上げられる。また、ドラゴンには専用のスキルチャートがあり、弓兵に対してのダメージ増加などの特性をドラゴンに付与できる。
自分なりのビルドを組み、戦場で活躍させていこう!
▲お肉をほおばる姿はなかなか可愛らしい。能力も強化されて一石二鳥だ。
まとめ
アーサー王伝説をもとにした王道ファンタジーな世界観が美麗なグラフィックで描かれている本作。氷の軍勢に支配された世界が徐々に活気を取り戻していく物語が楽しめるだろう。
戦闘も個性的で、流動的に変化する戦局を見ながら適宜陣形を組み替えていくのがなかなか面白い。戦闘の肝となるドラゴンは自分好みに育成出来て、個性を出せるポイントだ。
総じて、世界観やストーリーが非常に良いゲームであり、それを楽しませる個性的な戦闘が楽しめる。
初心者でもクエストがわかりやすい指標として存在するので、はじめたてでも安心だ。ぜひ、興味があればインストールして、氷の軍勢を打ち倒そう!